著者
相原 良子 岡野 由利 赤松 浩彦 松永 佳世子 相澤 浩
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.113, no.1, pp.1-8, 2003-01-20 (Released:2014-12-13)

14歳から17歳の思春期女子尋常性痤瘡患者65例と同年齢分布の対照健常女子38例について,卵胞期中期採血によりtestosterone(T),free testosterone(FT),sex hormone binding globulin(SHBG),dihydrotestosterone(DHT),dehydroepiandrosterone sulfate(DHEA-S),androstenedione(Δ4A),luteinizing hormone(LH),follicle stimulating hormone(FSH)を測定し,本症と血中ホルモンの関係について検討した.また尋常性痤瘡患者群はKligman分類により重症群(33例)と中等度群(32例)の2群に分け,重症度と血中ホルモンの関係についても検討した.健常群と比較して尋常性痤瘡患者では血中T,FT,SHBG,DHT,Δ4A,FSH,LH値は有意差は認めなかったが,血中DHEA-S値のみ有意の高値を認めた(p<0.001).更に血中DHEA-S値は尋常性痤瘡群の重症度に相関した(p<0.001).そこでDHEAの皮脂腺に及ぼす影響を,ハムスターの耳介より単離した皮脂腺を組織片培養して得られた脂腺細胞を用いて検討し,DHEAが濃度依存性に培養脂腺細胞の細胞増殖と脂質合成を亢進させることが判明した.以上よりDHEAが尋常性痤瘡の発症機序において,重要な役割を果たしている可能性が示唆された.
著者
松永,和介
出版者
造船協會
雑誌
造船協會論文集
巻号頁・発行日
no.110, 1961-12

Japan's first postwar submarine "Oyashio" was launched at No.1 Building Berth at Kawasaki Dockyard on May 25,1959. Representing the latest fabrication techniques in the construction of all-welded undersea craft, this vessel is now commissioned under the Japanese National Defense Agency.This paper deals with the records of fabricating and welding techniques used for the construction of this craft. Summerized below are the points worthy of special mention : 1) Used for inner hull structure were weldable high tension steels, HT 50 and HT 60,and various quality tests were performed on each of the steel plates used.2) The so-called unit cylinder assembling system was adopted in order to shorten the period of construction.3) The length as well as the fabricating sequence of the unit cylinder assembly were decided in accordance with the results of the fabricating tests on models.4) Many kinds of special jigs were devised in order to maintain the circularity of the inner hull structure and used successfully in the construction.
著者
松永 悟行 大谷 大和 平原 達也
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J102-D, no.10, pp.721-729, 2019-10-01

Deep Neural Network(DNN)を用いた音声合成の基本的な構成は,文章を構成する情報を数値で表現した言語特徴量を入力して音声を合成するための特徴量を出力するものである.これらの入出力特徴量は,DNNに適するように学習データを用いて正規化や標準化することが多い.しかし,自由文章から音声を合成する場合には,この正規化の範囲や標準化の分布から外れる値が言語特徴量に含まれる可能性がある.そして,この外れ値はDNNの外挿能力が十分でないために適切に補間されないまま伝搬して出力特徴量に誤差を生じさせる.本論文では,言語特徴量の外れ値の問題を解決するために,一発話内の閉じた条件における正規化手法を提案し,日本語の音声合成で重要な要素の一つである基本周波数について,予測誤差と合成音声の聴取による評価を行った.その結果,提案した正規化手法では,従来の正規化手法で発生していた外れ値は発生しないこと,正規化した値が基本周波数に適したものになったことにより少量の学習データでも予測誤差は従来よりも小さくなり,安定した予測が可能になることがわかった.
著者
鈴木貴大 鈴木崇弘 千葉紗由李 松永信介 稲葉竹俊
雑誌
第73回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.455-456, 2011-03-02

これまでVR環境を構築するためには多大なコストとスペースを要<br />するため学校教育の場に導入することは非常に困難であった。しか<br />し、近年では簡易にVR環境を構築するための環境が整いつつあり教<br />育現場への導入が現実的になってきたが、まだその導入事例は少な<br />い。<br /> そこで本研究では、巻き取り式のVRスクリーンを用いたものとHM<br />Dを用いた簡易のVR学習環境をそれぞれ構築し、学習者自身の視点と<br />自身を俯瞰するような視点の異なる視点で利用できるVR教材を開発<br />した。評価においては、デバイスと視点の違いをそれぞれ組み合わ<br />せた異なるVR学習環境における学習効果の差異の検証を多角的に行う。
著者
松永 佳世子 冨高 晶子 秋田 浩孝
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.311-317, 2001-06-01 (Released:2010-06-28)
参考文献数
12

ラテックスに交叉反応するフルーツにより, 咽に痒みを生じたり口唇腫脹や蕁麻疹, 喘息, 重症例ではアナフィラキシーとなる即時型反応をラテックスフルーツ症候群と呼ぶ.これはバナナ, 栗などが, その抗原であるclass I chitinaseのN末端にラテックスの主要抗原であるheveinドメインを持つことによる.当科のラテックスアレルギー54例中28例 (52%) が食物アレルギーを合併しており, うち口腔アレルギー症状を16例 (30%) に認めた.重症例は栗, そば, アボカドで, また, 口腔アレルギー症状はメロン, キウイ, トマトなどで発症していた.ラテックスフルーツ症候群の診断と治療および対策について述べた.
著者
松永 聖平 大松 繁 小坂 利壽
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.6, pp.207, 2006

本研究は日本銀行券の真偽の識別を、より正確に、そして、より高速に行うことを目的としている。真札(本物の日本銀行券)と偽札を比較した場合、偽札は真札の細部まで真似ることはできていない。よって、特定の箇所の特徴量をフーリエ変換やウェーブレット変換で抽出し、比較することで識別する手法を提案する。
著者
松永 高司
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.923, pp.77-79, 1998-01-12

女子プロレス団体の最古参だった全日本女子プロレス興業(東京・目黒区)は、1997年10月20日、2度目の不渡りを出して倒産しました。かつては、「マッハ文朱ふみあけ」「ビューティーペア」「クラッシュギャルズ」といった人気レスラーを育ててきました。しかし、3年ほど前からの女子プロレス人気の低迷によって、苦しい経営が続いていました。
著者
稲葉 弥寿子 矢上 晶子 鈴木 加余子 松永 佳世子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.699-702, 2007-07-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
18

症例は23歳女性.既往歴はアトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,アレルギー性結膜炎.小学4年生の時マカダミアナッツを摂取し口腔違和感と全身蕁麻疹が出現した.中学2年生の時マカダミアナッツを摂取し口腔咽頭違和感の後,全身の蕁麻疹と呼吸困難が出現した. 20歳時マカダミアナッツを含んだ中華料理の野菜を摂取し口腔の違和感が出現し,精査のため当科を受診した.抽出油によるスクラッチテスト(濃度as is)で陽性を示しマカダミアナッツによる即時型アレルギーと診断した.患者はマカダミアナッツの回避により再発は認めない.本例はマカダミアナッツ摂取によりoral allery syndorome(OAS)を示した.しかしOASの報告が最も多いシラカバ花粉のBetvl , Betv2は陰性であった.スギ花粉症を合併しているが発症は高校2年生の時であり,スギ花粉がマカダミアナッツアレルギーの感作抗原の可能性は低いと考えた.
著者
松永 千晶 宮崎 彩 角 知憲
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.239-243, 2009
被引用文献数
5

本研究は,防犯環境設計手法に基づいた安全・安心な通学路設計のための具体的かつ定量的な知見を得ることを目的とし,交通量や沿道の状態,路上物件などの物的な道路空間構成要因と犯罪発生および不審者出没の関係について統計分析を行う.これは,子どもを対象とした犯罪の多くが下校時の通学路上で発生する機会犯罪であるという前提と,道路交通に関する空間構成要因が犯罪発生に影響を与えていること,またそれらの変化によって犯罪発生も変化するという仮説に基づく.福岡市内3校区を対象とした数量化II類による分析の結果,静的・動的監視性に関する道路空間構成要因が犯罪発生・不審者出没に与える影響度を定量的に表現・比較できた.
著者
松永 伸司
出版者
東京藝術大学
巻号頁・発行日
2015-03-25

平成26年度
著者
松永 直樹 堀 守雄 長島 昭
出版者
日本熱物性学会
雑誌
熱物性 (ISSN:0913946X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.143-148, 2007-08-31 (Released:2008-09-05)
参考文献数
24
被引用文献数
1 5

プロパン(C3H8) およプロピレン(C3H6) の空気、窒素および酸素に対する拡散係数を、温度範囲303~453 K において大気圧下でTaylor 分散法を用いて測定した。プロパン、プロピレンとも、空気を窒素または酸素で置き換えても拡散係数の値には事実上差が生じないことがわかった。また、プロピレンの拡散係数はプロパンに比べて系統的に3% 程度大きい。測定結果は、D/ cm2s−1 = A(T /K)B の形の相関式で再現することができる。ここで、Dは101.325 kPa (1 atm) における拡散係数、Tは絶対温度である。係数AおよびBの値は、プロパン-(空気、窒素、酸素) 系に対してはA= 4.65×10−6、B= 1.77、プロピレン-(空気、窒素、酸素) 系に対してはA= 5.08×10−6、B= 1.76である。
著者
潮谷 有二 児玉 桂子 足立 啓 下垣 光 松永 公隆 神谷 愛子 山口 結花
出版者
長崎純心大学・長崎純心大学短期大学部
雑誌
純心現代福祉研究 (ISSN:13421506)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.43-70, 2003-07-31

本研究では、国外において1990年代以降、痴呆性高齢者のための施設居住環境を評価するために開発されたPEAP(Weisman et a1., 1996)やNURS(Grant,1996)を参考に、わが国の介護保険施設の中でも生活施設としての性格を有した社会福祉施設の一つである介護老人福祉施設(以下、特養)に適用可能な8つの次元からなる多次元尺度による痴呆性高齢者環境配慮尺度(施設版)を開発するとともに、その尺度としての有効性についても検討することを目的とした。特養のケアワーカー306人から得られたデータを基に、因子分析を中心とした項目分析をおこなった結果、8つの尺度の内,「安心と安全への支援尺度」、「見当識への支援尺度」、「生活の継続性への支援尺度」、「入居者との触れあいの促進尺度」の4つの尺度の信頼性が高く、これら4つの尺度は、日本の特養の環境配慮の実施度の測定に適用することが可能であるということを示唆することできた。
著者
松永 民秀 渡辺 和人 吉村 英敏 山本 郁男
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.118, no.9, pp.408-414, 1998-09-01

△^9-Tetrahydrocannabinol (△^9-THC), cannabinol, cannabidiol and cannabichromene were detected in commercially available cannabis seeds by silica gel TLC and gas chromatography. These cannabinoids existed in rather high content (0.10-2.02mg/100g of seeds) in the feed for birds, especially bracts (82.3-441mg/100g). When the suspension prepared from the benzene washing solution of cannabis seeds, BenW, was administered at a dose of 3mg/kg corresponding to △^9-THC into a mouse, i.v., BenW caused hypothermia, catalepsy, pentobarbital-induced sleep prolongation and suppression of locomotor activity. These pharmacological activities of BenW were significantly higher than those of △^9-THC (3mg/kg, i.v.). These results may indicate the necessity to reconsider the present regulations on marihuana.
著者
橋本 翔 小俣 弘樹 松永 久生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.852, pp.16-00585-16-00585, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Rolling contact fatigue (RCF) tests were conducted using rolling bearings with a micro-drilled hole on the raceway. In all the tests, fatigue crack initiated at the edge near the bottom of the hole, and then propagated by shear mode. Even in the unbroken specimens tested up to N = 1×108 cycles, a short fatigue crack was found at the edge. By using stress intensity factor (SIF) range calculated for initial defect size, fatigue life data were uniformly gathered inside a small band irrespective of the diameter and depth of the hole. In addition, it was found that the crack size dependency of threshold SIF range, which is well-known for mode I fatigue crack, also exists in mode II fatigue crack emanating under the rolling contact. The values of threshold SIF ranges obtained by the RCF tests were in good agreement with those obtained in the torsional fatigue tests under a static compression.
著者
金澤 太茂 小長谷 敏浩 今村 祐志 金山 範明 松永 昌宏 大平 英樹 福山 誠介 篠田 淳 野村 理朗 野木森 剛 金子 宏 各務 伸一
出版者
愛知医科大学
雑誌
愛知医科大学医学会雑誌 (ISSN:03010902)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.59-70, 2007-06

Background: Brain activation areas in relation to bowel stimuli have been reported using brain imaging techniques in patients with irritable bowel syndrome(IBS). However, the results are controversial. The aim of this study is to clarify responsible brain site(s) when stimulated by the rectal balloon distension-induced abdominal symptom in IBS in terms of braingut interactions. Methods: Seven healthy volunteers and five patients with diarrhea-predominant IBS based on the Rome II criteria were recruited. All were right-handed men. Rectal sensitivity was examined with balloon distension using a barostat device. Studies are performed with or without rectal distension(RD). Each task took 4 minutes. The subjects were assigned to have each twice task at the individual pain threshold level with 11 minute intervals. The changes in brain blood flow were evaluated using H_2 ^<15>O-water positron emission tomography. Subjects were asked rectal pain and stress level with visual analogue scale(VAS) before and soon after the respective task. Blood pressure, heart rate, and several serum stress-related substances were also investigated. Results: The threshold of pressure for rectal pain was significantly lower in the IBS patients(IBS=14.4mmHg, volunteers=26.3mmHg on average). The IBS patients showed a significant increase in blood flow in especially insula, and in thalamus at RD as compared with that in volunteers. Analyzing changes in VAS score before and after task, an increase of score about physical stress was significantly larger in the IBS patients in RD although no differences was noted in pain perceived score among all subjects in RD. A tendency of correlation was observed between the RD-induced increment in blood flow in insula and that in VAS score of stress-feeling. Conclusions: The IBS patients had a significantly lower pain threshold against RD. Under RD stress at an individual pain threshold, a significant objective activation in insula, subjective physical stress, and correlation between them were obtained, indicating the brain activation magnitude-correlated stress in IBS.
著者
松永 敦夫 石川 浩
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.265-270, 2014-07-01

今日,主要国特許庁から特許公報の全文がデータベースとして提供されている。このデータベースを自らサーチし,また必要に応じ審査経過情報にもアクセスして,誰もが関連する特許情報を取得することが可能になっている。特許情報の科学技術情報としての利用促進は,特許制度の要である。しかしながら,特許明細書は,出願人が特定の意図をもって技術情報を開示するものであり,また,玉石混交であることから,その利用には注意を要する。特許情報の利用者は,特許制度を良く知り,また技術分野毎の戦略のパターンを知って,特許情報を評価することが重要である。小論では医薬品に関する特許情報の評価や利用例を中心に紹介する。