著者
松永 泰行 Colak Vakkas 貫井 万里 横田 貴之 鈴木 啓之
出版者
東京外国語大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2021-10-07

本研究計画は、国家・政治と宗教的ナショナリズムの研究で未開拓な分野といえる、多民族多宗教国家下で競合するナショナリズム運動間の共存の様態と、その様態において文化ナショナリズムが果たしうる役割を、現地調査を通じた実証研究で明らかにする。本研究を通じ、主に政治的ナショナリズムの諸相に焦点を当てる既存研究の限界を克服し、そこで不問とされている前提を実証的に検証する。
著者
中村 忠博 松永 典子 樋口 則英 北原 隆志 佐々木 均
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.3-9, 2013 (Released:2018-04-02)
参考文献数
15
被引用文献数
1

慢性腎臓病(CKD)患者の多くは高齢者であり、腸の運動機能低下などにより、便秘を有する患者が多い。わが国では便秘の治療に、習慣性のない緩下剤として酸化マグネシウム(MgO)製剤が広く使用され長期投与されていることも多い。MgO製剤は、わが国だけでなく、欧米においても腎機能低下患者では慎重投与であり、使用する際には高Mg血症への注意が必要である。平成20年11月には医薬品医療機器等安全性情報により、MgO製剤の長期投与における「高マグネシウム(Mg)血症」についての注意喚起が図られている。腎機能低下患者に対するMgO製剤の腎機能とMgO製剤の用量に関するエビデンスはほとんど見当たらない。そこで、腎機能と高Mg血症の発現リスクおよびMgO製剤の用量と血清Mg値への影響を検討した。2010年4月1日〜2012年2月29日の期間にMgO製剤を使用し、血清Mg値および血清クレアチニン(Cr)値の検査を実施した患者を抽出した。その中でCKD診療ガイド2009において、病期ステージ3以上に分類されるeGFR<60 mL/min/1.73m2であり、血清Mg値および血清Cr値の検査時にMgO製剤を服用していた87例を対象とした。その結果、eGFRと血清Mg値に有意な相関関係が得られた。45≦eGFR<60の患者では、投与量と血清Mg値に有意な相関関係は認められなかった。eGFR<45の患者では投与量と血清Mg値に有意な相関が認められ、eGFR<15では、平均血清Mg値が正常範囲外まで上昇した。また、CKD病期ステージ5(eGFR<15)の患者では、血清Mg値が6 mg/dL以上がMgO製剤1000mg/日以上で認められ、eGFR<15の患者では1000mg/日以上の投与量では高Mg血症への厳重な注意が必要と考えられた。今回の研究結果より、eGFR≧45の患者では、eGFR<45の患者よりもMgO製剤は比較的安全に使用できることが示唆された。さらに、eGFR<45の患者も、血清Mg値の測定を行い、腎機能に応じた投与量を設定することで、MgOを安全に使用することが可能であることが示唆された。
著者
松永 是 中村 徳幸
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.814-820, 1995-10-20 (Released:2009-10-16)
参考文献数
26
被引用文献数
1

Docosahexaenoic acid (DHA) and icosapentaenoic acid (EPA) are valuable nutrients because they have important roles as the constituents of structural lipids in the nervous tissues of human brain and retina. In addition, DHA, EPA and other omega-3 fatty acids are important factors in the prevention of several human diseases. Fishes have been the dietary source of these fatty acids and they originate from the marine microbes upon which the fishes feed. Therefore, these marine microbes cultured under control could be utilized as alternative source of the omega-3 fatty acids.Marine microalgae are rich in DHA and EPA. However, very few species of freshwater algae contain significant amounts of these compounds. The marine unicellular alga Isochrysis galbana is well known as a source of such fatty acids and this species has been used extensively as a food source for aquaculture. The advantage of the marine microalgae such as I. galbana over other microbes as sources of polyunsaturated fatty acid is that this alga may be grown photosynthetically using carbon dioxide as the sole carbon source and seawater as a source of minerals.In this paper, we focused on the production of marine microalgae as an alternative source of polyunsaturated fatty acid. We have screened a number of species of marine microalga specifically for their ability to produce DHA and EPA and have optimized the growth conditions for I. galbana. The utilization of microalgae as feed for cultivation of rotifers is also reported. Moreover, the applications of genetic engineering for EPA production are also demonstrated.
著者
岡島 寛 金田 泰昌 田村 友規 松永 信智
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.245-251, 2019 (Released:2019-04-16)
参考文献数
26
被引用文献数
2 3

A design method of state estimation observer under outliers and data-lost environment is proposed in this paper. In networked control systems, the data-lost is one of the most important topic for solving. When data-lost occurred, the output data for the control system is disappeared. The data-lost is significant problems if we want to use state feedback. To overcome negative impact by outliers and data-lost, we propose a method to disappear negative impact by outliers and data-lost using median information. The effectiveness of the proposed observer is evaluated by numerical examples.
著者
松永 伸太朗 永田 大輔
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.358-376, 2020 (Released:2021-12-31)
参考文献数
16

芸能などの芸術産業に比して,労働集約性が高く熟練した制作人口を大規模に必要とするアニメ産業では,制作者の定着への志向がいかに維持されるかが課題となる.定着が維持されるためには,制作者が仕事を獲得し続けられる見通しをもてることが必要である.アニメ産業ではプロジェクトベースの契約が主流である制作者を,労務管理側が評価することが難しいため,制作者同士の相互評価が産業への定着志向を持ち続けるうえで重要になる.本稿ではアニメ産業の制作者同士の相互評価が機能しうる場としてのインフォーマルなコミュニティを支える構造的条件とその限界について,アニメーターへの2つのインタビュー調査に基づいて検討した. 近年の技術革新に伴い現場の管理側が若手中心になり,管理側からのアニメーターへの評価がさらに難しくなり,アニメーター同士の相互評価の重要性は増していた.ベテランはインフォーマルな相互評価を行っていることを語っていたが,若手は自らが適切に「評価されていない」という感覚をもっており,コミュニティの衰退が示唆されていた.このような差異を導く原因として,分業による評価の曖昧化と,放映期間の短期化によるコミュニケーション機会の減少があった. 産業への定着志向が維持されるためにはインフォーマルなコミュニティが必要である.本稿はそのコミュニティがどのように揺らいでいるかの構造的条件の解明の重要性を指摘した.
著者
松永 和風
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1930-10
著者
松永 伸太朗 永田 大輔
出版者
日本労働社会学会
雑誌
労働社会学研究 (ISSN:13457357)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-23, 2021 (Released:2022-04-01)
参考文献数
20

This article reveals how veteran animators in the Japanese animation industry understand the technologies introduced recently regarding their occupational careers. The animation industry in Japan has promoted the digitalization of the picture drawing process. However, previous research has not mentioned how workers built their careers to introduce new technologies while working in the creative industries with precarious work conditions. Management studies on the technology introduction fail to grasp the diversity of animatorsʼ understandings. Even sociological research has not paid attention to the occupation like animators, in which workers donʼt have the rigid objection in their careers, such as becoming independent self-employment.Based on the interview research on the animators who started their working life in the 1980 s, one of the most significant transformation periods of the animation industry, this article clarifies the narratives of technology introductions. Animators who worked at only a few firms donʼt see the technology introductions as they should deal with.On the contrary, animators who worked at many studios interpret the technology introductions as directly affecting their career formations. Among such animators, this article compares two animatorsʼ narratives concerning turning points in careers, reference groups in the occupation, and the stance for digitalization. This analysis revealed the two has quite different understanding on new technology and artfully deal with the digitalization in their careers. Moreover, the difference in coping practice stems from the difference in the working process, skills and reference groups.In the light of these findings, this article pointed out that the introduction of technology should also be promoted progressively, taking into account the logic of the workersʼ side.
著者
松永 和浩
出版者
大阪大学
雑誌
待兼山論叢. 史学篇 (ISSN:03874818)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.55-81, 2007-12-25
著者
加藤 弥寿子 矢上 晶子 松永 佳世子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1427-1429, 2005-12-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
6

キトサンは接合菌類の細胞壁に存在する分子量10^5〜10^6程度の直鎖状多糖類である.血清中性脂肪値, コレステロール値の低下作用, 食物繊維としての作用を持ち, 近年は健康食品として多数販売されている.今回われわれは, キトサン含有健康食品による即時型アレルギーを経験したため文献的考察も含めて報告する.症例は47歳女性でキトサン内服後全身の蕁麻疹と呼吸困難感が発症した.皮膚テスト(プリックテスト, スクラッチパッチテスト)で陽性を示し, 市販のキトサンを用いて再度皮膚テストを行い陽性であった.キトサンによる即時型アレルギーと診断し, キトサンの摂取を回避するよう患者に指導したところ現在まで無症状である.キチン及びキトサンに対するアレルギー反応についてはキトサン含有クリームによる接触皮膚炎が海外で報告されているが, 即時型アレルギー反応は我々が調べえた限り報告されていない.キトサンは蛋白質ではなく多糖類だが, その分子量と一般的な性質により食物アレルゲンとして機能した可能性が考えられた.
著者
根本 伸洋 大橋 夏美 湖東 聡 松永 勇紀 角本 貴彦 柿崎 藤秦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A1258, 2007 (Released:2007-05-09)

【目的】胸郭の運動性は、呼吸において重要であるが、身体全体に対して0.479の質量比を持つ体幹の約半分を占める部分である為、歩行などの身体運動にも影響すると考える。実際の臨床においても、胸郭全体の運動性低下や、運動性の左右差が生じている患者では、それに見合った呼吸や身体運動しか出来ないことが観察される。また、そのような患者に対して、胸郭と接する肩甲骨位置を修正することで、運動性や左右差の改善を図ることができ、良好な呼吸や身体運動を獲得できることを経験する。そこで今回は、肩甲骨内外転位置が胸郭の運動性に与える影響を検討したので、ここに報告する。【方法】対象は、本研究の内容を十分に説明し同意を得た健常成人8名とし、各条件での坐位姿勢をゼブリス社製3D-Motion Analysis CMS20Sを用いて測定した。測定した姿勢は、1)安静坐位姿勢、2)安静坐位から胸郭を右側へ並進移動させた坐位姿勢(以下、右変位姿勢)、3)右肩甲骨を外転誘導しての右変位姿勢、4)右肩甲骨を内転誘導しての右変位姿勢とした。なお、右変位姿勢は、骨盤帯が動かない範囲で胸郭を並進移動させ、肩甲骨位置の誘導は、右上肢を内旋位にすることで肩甲骨外転位置へ誘導し、右上肢を外旋位にすることで肩甲骨内転位置へ誘導した。また、測定の順番は、最初に安静坐位を測定した後は、無作為の順で各右変位姿勢を測定した。測定したランドマークは、両PSIS、両ASIS、両腸骨稜、Th1棘突起、Th11棘突起、胸骨頸切痕、剣状突起、第11肋骨先端とし、最も突出した部分または最も陥没した部分に十分注意を払いマーキングした。検討項目は、各ランドマークの空間座標から、1)胸骨頸切痕と第11肋骨先端の距離(以下、胸郭距離)、2)Th11棘突起と剣状突起を結ぶ線とTh11と第11肋骨先端を結ぶ線が水平面上でなす角(以下、肋骨角度)を左右で求め、対応のあるt検定を用いて、それぞれ危険率5%未満を有意とした。【結果】胸郭距離は、肩甲骨の誘導がない右変位姿勢と比較し、肩甲骨外転位での右変位姿勢で、変位させた側の右胸郭距離が有意に増大した。また、肋骨角度の左右差の平均は、肩甲骨内転位での右変位姿勢、右変位姿勢、外転位での右変位姿勢の順に増大し、それぞれ安静坐位と比較し有意に増大していた。【考察】胸郭距離、肋骨角度の左右差が肩甲骨内転位で増大していた結果から、胸郭の運動性が増大したと考えた。これは、肩甲骨外転位では肩甲骨が胸郭側方に位置する為に、胸郭側方の運動性を妨げるが、肩甲骨内転位にすると肩甲骨は胸郭後方に移動し、胸郭側方の運動を妨げない為であると考えた。今回の結果から、肩甲骨の位置を考慮することで、胸郭の運動性を引き出し、呼吸や身体運動の改善に繋げられる可能性が考えられた。
著者
松永 康生 神田 径 高倉 伸一 小山 崇夫 齋藤 全史郎 小川 康雄 関 香織 鈴木 惇史1 4 木下 雄介 木下 貴裕
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

草津白根山は群馬県と長野県の県境に位置する標高2000mを越える活火山であり、その山頂部は2つの主要な火砕丘で構成されている。そのうち、北部に位置する白根山では、火口湖である湯釜を中心に活発な活動が観測されていることから、これまで地球化学的研究を中心に様々な研究が行われてきた。一方で、白根山の2kmほど南に位置する本白根山では、歴史時代に火山活動が観測されていないこともあり、幾つかの地質学的な研究を除いてほとんど研究されておらず、地下構造や火山熱水系については不明な点が多い。たとえば、本白根山の山麓には草津温泉、万代鉱温泉、万座温泉など湧出量が豊富な温泉が分布し、それらの放熱量は湯釜周辺からのものを大きく上回ることが知られているが、熱の供給源の位置については未だに不明である。また、本白根山は1500年前にマグマ噴火が起こったことが最近の地質学的研究で明らかにされたものの、マグマ溜まりの状態・位置についてはほとんど分かっていない。本白根山における噴火の発生可能性を議論する上でも、本白根山周辺のマグマ熱水系を解明することは重要である。そこで本研究では、白根山南麓を含む本白根山周辺の23点において広帯域MT観測を行い、地下比抵抗構造の推定を試みた。MT法は電磁気探査手法の一つであり、地下のメルトや熱水など高導電物質に敏感であるため、マグマ溜まりや熱水系の観測に適している。MT法データの3次元解析によって得られた最終モデルから、白根山から本白根山の地下1-3kmにかけて低比抵抗体が広がっていることがわかった。この上部に火山性地震の震源が分布することから、この低比抵抗体は流体に富んだ領域であり、ここから流体が浅部へと上昇し、地震を引き起こしていると考えられる。先行研究において、山麓温泉(草津温泉、万代鉱温泉、万座温泉)は、高温火山ガスと天水が混合してできた初生的な温泉水が、分別過程を経ずに湧出したものであると解釈されていること、この低比抵抗体の他に目立った火山性流体の存在領域が見られなかったことから、本研究ではこれを山麓温泉の流体供給源と考え、以下のようなモデルを提案する。(1)低比抵抗体の下深くには何らかの熱源が存在し、上部に熱と流体を供給する。(2)熱の供給を受けた低比抵抗体内の流体は山頂下へと上昇し、火山性地震を発生させる。(3)流体の一部は断層に沿って本白根山の東斜面へと上昇し、表層に変質領域を形成する。(4)この流体と天水が混同してできた温泉水は東斜面の溶岩中を流れ下り、万代鉱温泉、草津温泉として湧出する。一方、本白根山の直下では、マグマの存在を示すような特徴的な低比抵抗体は解析されなかった。しかし、現状では深部構造を詳細に議論できるほど測定・解析精度が十分ではないので、今回の解析結果からは火山直下にマグマ溜まりが存在しないと結論づけることはできない。今後、マグマ熱水系の推定精度を向上させるため、追加の観測やシミュレーションを実施していきたい。
著者
永田 大輔 松永 伸太朗
出版者
日本メディア学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.183-201, 2019-07-31 (Released:2019-10-25)
参考文献数
16

In the 1970s and 1980s, the animation industry in Japan saw the emergenceof distinctive consumers, called “anime fans.” This brought quantitative andqualitative changes in products in the animation market. The aim of this paperis to reveal how animators dealt with this change and how they reformed theirworking culture. The authors have shown that the working culture underpinnedmarket movements in the 1970s and 1980s. Historically, animators preferred working as freelancers on a piece-ratesystem rather than as regular workers on a fixed salary. This was due to theirmeritocratic occupational norm. However, the number of animation programsincreased during the anime-boom period, and animators were forced to cooperatewith a much broader workforce to produce many programs suitable for thediverse demands of fans. This limited animators’ discretion. In this study, theauthors wanted to understand how it was possible for the animation industry tocontinue supplying the workforce necessary to adapt to market changes duringthis time. For this purpose, the authors analyzed texts in animation magazines fromthe perspective of the labor process theory, which explains the relationshipbetween workstyles and the transformation of markets. One of the key conceptsof this approach is workers’ shared norms. The authors also employedethnomethodology, which elicits vivid insights regarding such norms, to analyzeround-table talks and interviews with animators working at animation magazines. While animators understood the quantitative expansion of the animationmarket as limiting their discretion, there was a disparity in how they copedwith the situation. The older generation recognized their skills in detail andrelied on networks built by longtime co-working. The younger generationaccepted the new situation and found their occupational value in the new workingenvironment through the occupational image of “the artisan.” This imagereflected the new occupational competence and made the formation of peercommunities of young animators possible. This industrial transformation sustainedthe supply of a broad workforce, which drew on various expressions duringthe anime-boom period.
著者
中辻 敏朗 丹野 久 谷藤 健 梶山 努 松永 浩 三好 智明 佐藤 仁 寺見 裕 志賀 弘行
出版者
北海道農事試驗場北農會
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.440-448, 2011 (Released:2012-12-03)

地球温暖化が本道の水稲、畑作物および飼料作物の生育や収量、品質等に及ぼす影響を2030年代を対象に予測した。現在よりも高温・湿潤な2030年代の気候下では、豆類・飼料用とうもろこしの増収、秋まき小麦・ばれいしょ・牧草の減収、水稲の食味向上、てんさいの根中糖分低下、小豆の小粒化などが見込まれ、耐病害・耐障害性育種の強化、作期等の変化に応じた栽培技術の見直し、夏季の多雨への対応等が必要である。
著者
酒井 哲 内野 修 森野 勇 永井 智広 赤穂 大河 川崎 健 奥村 浩 新井 康平 内山 明博 山崎 明宏 松永 恒雄 横田 達也
出版者
社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.197-204, 2014-07-04 (Released:2015-01-27)
参考文献数
15
被引用文献数
2

Volcanic ash particles originating from the eruptions of Mt. Sakurajima (31.59°N, 130.66°E) were observed with Mie lidar at an altitude of 1.6-2.3 km over Saga (33.24°N, 130.29°E) on 21 and 22 August, 2013. The lidar data showed a high depolarization ratio (10-15 %) and a moderately low backscatter wavelength exponent (0.6-0.7), indicating the presence of supermicrometer-sized nonspherical particles. The aerosol optical thicknesses at 500 nm derived from the skyradiometer were 0.12 on 21 August (13 : 50 LT) and 0.40 on 22 August (12 : 50 LT). The Ångström exponent was 0.16-0.49 and the single scattering albedo was 0.73-0.91, indicating the predominance of supermicrometer-sized and moderately absorbing particles.
著者
松永 伸太朗
出版者
日本労働社会学会
雑誌
労働社会学研究 (ISSN:13457357)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-25, 2016

<p>The aim of this paper is to reveal why animators working in Japan don't regard their low-paid and long-time work as problems. Previous studies haven't theoretically considered animators'labor process. Instead, this paper revealed relations between their occupational norms and their logic of acceptance of bad work conditions with ethnomethodological analysis of interviews.</p><p>The conclusion of this paper is as follows: Firstly, there are two types of norms in animators'workplace. One is"artisan"norm, which means that animators should follow instructions of upstream workers, the other is"creator"norm, which means that animators should show their originality. Artisan norm is superior to creator norm. Secondly, understanding and using skillfully these norms is a kind of requirement to be a competent animator. Thirdly, both norms have a common feature, which means that animators should have high-level techniques. Sustained by this common feature, animators compete for higher skills. However, their competition has been intensified because there are many cases that high skill workers can't earn appropriate wages by some institutional factors. As a result, animators who earn wages to manage to make their living become relative winners. However low-paid their labors are, animators who can make their living are winners, and so they don't tend to regard their work condition as problems.</p>