著者
武田 研 安永 博 太田 佳介 松永 等 太田 良實
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.568-571, 1999-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6

Three handred and fifty-four trigger fingers in 292 patients treated initially by percutaneus A-1 pulley release technique from July 1996 to May 1998 were reviewed retrospectively.There were 255 (87.3%) females, 37 (12.7%) males, with a mean age of 52.4 (range 36-84 years). The Thumb was most frequently involved (159 digits), followed by middle finger (96), index finger (66), ring finger (30), and little finger (3).They consisted of 242 (262 digits) idiopathic patients, 36 (74) hemodialysis, and 14 (18) rheumatoid arthritis.Of the 354 trigger fingers, 339 (95.8%) had complete resolusion of triggering with the disappearance of snapping after percutaneus release. Reoperations (percutaneus or open surgery) were required in 12 (3.4%) fingers 9 for residual snapping after release, 2 for uneven movement with pain by the tendon nobule and incompletely released A-1 pulley, 1 for the narrow between the thick tendontheath and tendon nodule.At reoperation, residual snapping and uneven movement were considered to be caused by incompletely release in 6 fingers, hypertrophy of the tenosynovium in 3, snapping in A-2 pulley in 2, and adhesion between the deep and superficial flexor tendons in 1.Pain over 4 weeks after surgery was found in 19 fingers, and Metacarpo-phalangeal joint flexion iontracture like “Dupuy treins contrcture” occured in 3, but no infection and no neuro-vascular injury were seen.We reccommend this technique for outpatients with trigger fingers, because of its safety, simplicity, few complication, and patient's satisfaction with high successful rate.
著者
松永 明
出版者
鹿児島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

水素ガスが細胞毒性の高い活性酸素種であるヒロドキシルラジカルを選択的に消去し、虚血再灌流障害を抑制することが確認され、ラットの中大脳動脈閉塞による局所脳虚血再灌流モデルにおいては、2%の水素ガス吸入が脳梗塞の範囲を縮小し、神経学的予後を改善させることが報告されている。水素ガス吸入が心肺停止からの救命率の向上、および蘇生後脳症の発症の予防に有効かどうかを確認するために、ミニブタを用いた心肺停止モデルを作成し、水素ガス吸入が救命率向上および神経学的予後改善に寄与するかどうか検討を行った。気管挿管による全身麻酔下に心室細動による3分間の心肺停止を行い、1) 水素吸入群は除細動による蘇生開始後より100%酸素ガスに2%水素ガスを混合したガスを1時間吸入、2) 対照群は除細動による蘇生開始後より100%酸素ガスを1時間吸入した。水素吸入群と対照群において3分間の心室細動後の自己心拍回復率および蘇生後の血行動態に差を認めなかった。また、蘇生後の神経学的予後改善に水素吸入が影響を与えるかどうかは検討できなかった。幾つかの論文では水素ガス吸入による虚血再灌流後の臓器保護効果を認めているが、我々のミニブタを用いた心肺停止モデルにおいては、水素ガス吸入による救命率の向上は確認できなかった。また、水素ガス吸入による蘇生後の脳神経保護効果は検討できなかった。今後、心肺停止時間の異なるミニブタモデルを作成し、水素吸入が心肺停止からの救命率向上に貢献するか、また、蘇生後脳症を軽減させるかどうかさらに検討を重ねていきたい。
著者
小林 秀樹 松永 恒雄 梅干 野晁
出版者
The Remote Sensing Society of Japan
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.612-624, 2002-12-31 (Released:2009-05-22)
参考文献数
31
被引用文献数
2

本研究では,まずTOMS/PAR法の基礎検討により,Ruvに対するRsの影響と,標高の変化に伴うPARclearの変化が無視できないことを指摘し,改良TOMS/PAR法を提案した。また,TOMS/PAR法と改良TOMS/PAR法でのPAR推定精度の違いを気象庁の観測値を用いて検証し,後者の場合,より妥当なPAR推定値が得られる事が確認できた。さらにMODISのFPARプロダクトとTOMS/PAR法及び改良TOMS/PAR法によるPAR推定値を用いてAPARを算出し,APAR推定誤差がNPP推定誤差に与える影響を評価した。その結果,ランダム誤差は最大で年間NPPの4%程度,バイアス誤差が4-6%(MODIS/FPAR+改良TOMS/PAR法),8-9%(MODIS/FPAR+TOMS/PAR法)であった。これらの検討から,TOMS/PAR法,改良TOMS/PAR法ともに,既往研究における年間NPPのモデル間のCVよりは小さく,現在のAPAR推定値は全球NPP推定値の算出に対して十分な精度を持っていることが示された。しかし,年間NPPの全球推定にあたって,不確実性を低減させるためには,様々な地表面の紫外線反射率の影響を受けにくい改良TOMS/PAR法を用いた方がより信頼できる値を得られる。
著者
松永 幸子
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.67-82, 2010-03-20 (Released:2018-03-30)

In this study, the writer has attempted to clarify the characteristics of Royal Humane Society (RHS), the first association for life-saving and suicide prevention in England, analyzing theories of its founders and endeavors. The debate on suicide was much heater than elsewhere in early modern England, and the verdict “non compos mentis” has been increased. In this stream, RHS was founded by two medical men. Doctors and priests cooperated to prevent suicide in RHS, where the key conceptions of their theories were ʻself-loveʼ, ʻbenevolenceʼ and ʻcompassionʼ. They insisted ʻthe patientsʼ who attempted suicide need medical care and emphasized the importance of education that control passions.
著者
藤江 慎二 松永 千惠子
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.91-102, 2021

<p>本研究では,障害者支援施設で発生した施設内虐待の要因を明らかにし,虐待予防について考察することを目的とした.方法としては,施設内虐待の事件の裁判調書を法律に基づき入手し,事件を詳細に把握・分析した.その結果,施設内虐待の事件には,①施設の人材育成の問題が虐待行為と関連していること,②職員間コミュニケーションの不足が虐待行為の慢性化に影響していたこと,③施設・法人の虐待問題を隠蔽しようとする考え方は職員間に広がり,職員の退職にも影響を及ぼしていたことが明らかになった.施設内虐待は構造的な問題であり,職員間コミュニケーションの改善や虐待予防のシステム構築をしていくことが今後の課題であることを指摘した.</p>
著者
岡島 寛 松永 信智 川路 茂保
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.153-159, 2009 (Released:2011-11-03)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

Electric automobiles with four in-wheel moters have been developed in recent year. By using dynamic differential force between wheels, lateral motion of the automobile can be controlled with yaw moment. This framework is known as “Direct Yaw-moment Control (DYC)”. In many previous works of DYC methods, yaw-moment is used for increasing the stability. However, maneuverability has not been discussed. In this paper, a novel DYC controller is proposed that gives the neutral steering, where neutral steering is a good evaluation index of maneuverability of automobiles. The proposed controller is derived based on the output zeroing control. The effectiveness of proposed method is shown by numerical example.
著者
岩井 郁子 松永 真由美 金井 怜 高瀬 貴文 安田 泰明 山田 慎吾 浜田 佳奈 中本 牧子 野上 和剛 長尾 みづほ 藤澤 隆夫
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.477-484, 2022-12-20 (Released:2022-12-20)
参考文献数
9

【目的】学校における食物アレルギー児の適切な管理には学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)(以下,管理指導表)は必須である.問題点を知るために,医師が記載する管理表の実態を調査した.【方法】令和2年度に三重県の小・中学校に提出された全ての管理指導表について,食物アレルギー欄の各項目を集計した.【結果】提出総数は2,387で,食物アレルギー以外(乳糖不耐症等)を除いた2,364を解析した.除去食物の頻度は鶏卵,牛乳・乳製品,果物,甲殻類,ナッツ類の順で,医療機関を調査した既報とは若干の相違があった.除去根拠が2つ以上記載された管理指導表の割合は鶏卵78%,小麦68%,牛乳64%であったが,ソバ30%,肉類15%など低い食品があり,地域差もみられた.給食での除去の原則に反する不完全除去の指示が8.7%にみられた.【結語】根拠に乏しい除去指示など管理指導表記載の問題点が明らかとなった.管理指導表の正しい記載について医師への啓発を進めることが重要と考えられた.
著者
汐見 稔幸 志村 洋子 村上 博文 松永 静子 保坂 佳一 冨山 大士
出版者
白梅学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、乳児保育室の環境構成が子どもの行動に与える影響について、環境条件として空間構成と音に注目し、アクションリサーチ的手法を取り入れて調査した。その結果、部屋を単一空間から仕切られたより小さな空間にしたり、部屋から80dBを超える音を減らしたりすることによって、子どもが落ち着き、集中し、じっくり遊ぶようになることがわかった。
著者
松永 敦夫 石川 浩
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.265-270, 2014-07-01 (Released:2017-04-13)

今日,主要国特許庁から特許公報の全文がデータベースとして提供されている。このデータベースを自らサーチし,また必要に応じ審査経過情報にもアクセスして,誰もが関連する特許情報を取得することが可能になっている。特許情報の科学技術情報としての利用促進は,特許制度の要である。しかしながら,特許明細書は,出願人が特定の意図をもって技術情報を開示するものであり,また,玉石混交であることから,その利用には注意を要する。特許情報の利用者は,特許制度を良く知り,また技術分野毎の戦略のパターンを知って,特許情報を評価することが重要である。小論では医薬品に関する特許情報の評価や利用例を中心に紹介する。
著者
岡島 寛 奥村 洸祐 松永 信智
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.139, no.3, pp.219-226, 2019-03-01 (Released:2019-03-01)
参考文献数
26

It is well known that inverted pendulums are difficult to control because of its non-minimum phase and non-linear characteristics. Car robot type inverted pendulums are developed and it provides small spacing than four wheel mobile robot. Moreover, car robot type inverted pendulums have high acceleration performance. In previous study, how to obtain the reference value of the body angle for driving at desired acceleration is proposed using zero dynamics of the non-linear system. This method use the exact values of the model parameters to obtain desired acceleration signal. Therefore, the robot cannot achieve desired acceleration if the plant parameters are different from its model parameters. So, it is necessary to minimize the effect of the model error to achieve robust acceleration performance. In this paper, we propose a method to achieve robust acceleration performance based on the model error compensator. Also, the performance of the model error compensator is improved using the virtual output to satisfy minimum phase condition. The effectiveness of the proposed system is evaluated by the driving experiments of a car robot type inverted pendulum.
著者
松永 幸太郎 竹田 靖史 川崎 貞道
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
応用糖質科学 (ISSN:13403494)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.239-246, 1998-08-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
26
被引用文献数
2

澱粉と小麦タンパク質を混合したミックス粉を用いて,澱粉の種類とフライ特性,食感との関係を調べた.結果は次のようにまとめることができる. 1)衣の水分飛散率と破断強度(y=0.96)や食感のサクサク感(r=0.92),硬さ(r=0.97)とは明らかな正の相関性があり,水分飛散率が高い澱粉ほど食感がよく,サクサク感があり,揚がりが良いことがわかった. 2)天ぷらの衣の揚がりの良さは生地に用いる澱粉の種類によって異なり,トウモロコシが最もよく,馬鈴薯と小麦は中程度で,タピオカ,モチトウモロコシは劣った.3)揚がりの最:も良かったトウモロコシ澱粉では,衣の中で澱粉粒の形状が保たれていること,一方揚がりの悪いモチトウモロコシ,タピオカの澱粉では粒の形状が完全に消失しているこどが観察された.
著者
吉田 尚弘 土山 寿志 中西 宏佳 辻 国広 冨永 桂 松永 和大 辻 重継 竹村 健一 山田 真也 津山 翔 片柳 和義 車谷 宏
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.2449-2457, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
20

背景:白色球状外観(white globe appearance;WGA)は,狭帯域光観察併用拡大内視鏡検査(magnifying endoscopy with narrow-band imaging;M-NBI)で認識されることのある小さな白色球状物のことである.WGAは胃癌と低異型度腺腫を鑑別することのできる新しい内視鏡的マーカーであることが報告されている.しかし,胃癌と胃炎を含む非癌病変との鑑別にWGAが有用であるかどうかは不明である.方法:胃癌と非癌病変におけるWGAの頻度を比較するために,内視鏡検査を受ける予定の患者994人を対象とした前向き研究を計画した.すべての患者に対して白色光観察で胃癌が疑われる標的病変の有無を評価し,標的病変を認めた場合にはさらにWGAの有無をM-NBIで評価した.すべての標的病変に対して生検または切除を行い,病理学的に評価した.主要評価項目は胃癌と非癌病変におけるWGAの頻度,副次評価項目はWGAの胃癌診断における診断能とした.結果:標的病変として188病変(156人)が最終的に解析され,70病変が胃癌で118病変が非癌病変であった.WGAの頻度は,胃癌で21.4%(15/70),非癌病変で2.5%(3/118)であり,有意に胃癌で高かった(P<0.001).WGAの胃癌診断における正診割合は69.1%,感度は21.4%,特異度は97.5%であった.結論:胃癌におけるWGAの頻度は非癌病変のものに比べて有意に高かった.胃癌診断におけるWGAの特異度は高く,WGAの存在は胃癌診断に有用である.
著者
宮崎 良文 李 宙営 朴 範鎭 恒次 祐子 松永 慶子
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.651-656, 2011 (Released:2011-10-12)
参考文献数
38
被引用文献数
6 13

Five million years has passed since a subset of primates recognizably became human. Because we have already spent more than 99.99% of our evolutionary history in natural environments, it is thought that we are essentially adaptive to nature. However, we live in a society characterized by urbanization and artificiality, despite our physiological functions still being adapted to nature. We conducted experiments involving 420 subjects at 35 different forests throughout Japan. As a result, these subjects sitting in natural surroundings showed decreases in the following physiological indices compared with the urban control group: 12.4% decrease in cortisol level, 7.0% decrease in sympathetic nervous activity, 1.4% decrease in systolic blood pressure, and 5.8% decrease in heart rate. This shows that stressful states can be relieved by forest therapy. It should also be noted that parasympathetic nerve activity increased by 55.0%, indicating a relaxed state. The results of walking experiments were also similar. Li et al. demonstrated that immune functions are enhanced by forest therapy. Middle-aged employees volunteered to participate in these experiments. NK (natural killer cells) activity, as an indicator of immune function, increased by 56% on the second day and returned to normal levels. A significant increase of 23% was maintained for 1 month even after these subjects returned to urban life, clearly illustrating the preventive medical effects of nature therapy. We expect nature therapy to play an increasingly important role in preventive medicine in the future.
著者
松永 正樹
出版者
日本コミュニケーション学会
雑誌
日本コミュニケーション研究 (ISSN:21887721)
巻号頁・発行日
vol.42, no.Special, pp.51-78, 2014-03-31 (Released:2017-05-17)
参考文献数
96

This paper reports two studies on the sexual risk of female victims of bullying in Japan and the effects of supportive communication for them. Study 1 utilized the survey data collected from 182 Japanese undergraduates and explored the associations among bullying, support, and sexual risk. Latent profile analysis (LPA) detected five distinct profiles of victims and non-victims. LPA also revealed that the victims who had received less support had higher sexual risk (i.e., earlier sexual debut and a larger number of sexual partners), whereas the type of bullying made little differences. Study 2 utilized the online survey data collected from unmarried female full-timers working at companies in Japan (N=439) and examined a mediational model wherein victims' avoidant-coping tendency and communication efficacy mediate the effects of bullying and social support on sexual risk. Victims' sexual risk was operationalized by their lifetime number of sexual partners, the experience of unplanned sex, and the experience of unprotected sex. SEM revealed that: (a) bullying was positively associated with avoidant-coping tendency and negatively with communication efficacy; (b) stronger avoidant-coping tendency and weaker communication efficacy were associated with higher sexual risk (i.e., a larger number of sexual partners, higher likelihoods of having had an unplanned sex and/or an unprotected sex); and (c) social support showed protective effects to reduce sexual risk, both directly and indirectly (via mediation by the two psychological factors). These results were discussed with reference to the literature on bullying and victims' readjustment. Theoretical speculations about the mechanism underlying the effects of bullying and support were presented in regards to the structure of the bullying phenomenon, reappraisal-based theory of social support, and the importance of the communicative environment surrounding bullied victims. Practical implications and limitations of the current research, as well as the directions for future studies, were also discussed.