著者
小林 健太 土屋 卓也 渡部 善隆 劉 雪峰 高安 亮紀
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度において得られた成果は以下の通りになります。小林健太(代表者)および土屋卓也(分担者)は非適合有限要素法の誤差評価について研究を進め、必ずしも正則性条件を満たさないような三角形分割上でのCrouzeix-Raviart有限要素法およびRaviart-Thomas有限要素法について誤差評価を得ることに成功しました。非適合有限要素法は、実際に広く用いられているにも関わらず、三角形分割に制限を課さない誤差評価は今まで得られていませんでしたので、この結果は実用上も重要です。渡部善隆(分担者)は、重調和型非線形方程式の解に対する精度保証付き数値計算の枠組みを理論面・実用面から整備しました。これは今後、流体方程式の精度保証を考える上で基礎となる重要な結果です。また、Poisson方程式の有限要素近似解に対する精度保証付き高精度誤差評価に成功しました。この成果は、他の方程式に対する精度保証の高精度化にも応用できる可能性が高いと考えられます。劉雪峰(分担者)は、Stokes方程式の事前誤差評価とStokes微分作用素の固有値評価を中心に研究を行い、特に、3次元領域におけるStokes微分作用素の固有値の厳密な下界と上界を得ることに成功しました。また、Stokes境界値問題の有限要素法解について、Hypercircle法を用いることで事前誤差評価に成功しました。さらに高安亮紀(分担者)は、半群理論を利用した放物型方程式に対する解の精度保証付き数値計算方法を応用し、非線形放物型方程式の時間変数を複素数に拡張した方程式の解について精度保証付き数値計算を試みました。また、双曲型方程式の一種である移流方程式に対する解の精度保証付き数値計算に成功しました。劉および高安の結果は、流体問題やその他、複雑な構造を持つ方程式への精度保証付き数値計算の応用に向けて重要であるといえます。
著者
田中 耕作三世 小林 健一 古源 寛
出版者
公益社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.77, no.7, pp.673-683, 2019-07-01 (Released:2019-07-08)
参考文献数
34
被引用文献数
3

(−)-L-755,807, which was isolated from an endophytic fungus, Microsphaeropsis sp., consists of a characteristic epoxy-γ-lactam ring and a tetraene-containing side chain, and exhibits bradykinin B2 receptor antagonist activity. The first total synthesis of (−)-L-755,807 was accomplished through a convergent approach, employing a late-stage coupling between the ring and side-chain segments. The ring segment was efficiently synthesized by a novel syn-selective Darzens reaction between di-tert-butyl bromomalonate and α-alkoxy aldehyde, and the side-chain segment was prepared by a highly stereoselective Horner-Wadsworth-Emmons reaction as a key step to construct the tetraene part. This synthesis enabled us to assign the relative and absolute configurations of (−)-L-755,807. Furthermore, we discovered an additional biological activity of this compound, namely, potent amyloid β aggregation inhibitory activity, which could be useful in the treatment of Alzheimer’s disease. The epoxy-γ-lactam moiety was identified as a likely pharmacophore for this activity. In this article, we describe the total synthesis, stereochemical assignment, and biological evaluation of (−)-L-755,807.
著者
深井 恭子 小松 恒太郎 松尾 雄司 林 健太郎 苅谷 嘉之 宮城 拓也 山口 さやか 照屋 操 高橋 健造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.115-119, 2019
被引用文献数
1

<p>症例 1:87 歳,男性。18 歳時に L 型ハンセン病と診断された。5 年前から左足背に皮膚潰瘍があり,次第に隆起してきた。初診時,左足背に腫瘤があり,病理組織検査にて有棘細胞癌と診断し,左下腿切断術を施行した。症例 2:54 歳,男性。20 歳で L 型ハンセン病と診断された。43 歳頃より右第1 趾に皮膚潰瘍があり,47 歳時,病理組織検査にて有棘細胞癌と診断し右下腿切断術を施行した。30 代から左足底には胼胝があり,52 歳頃に皮膚潰瘍が出現した。54 歳時,潰瘍が増大し,病理組織検査にて有棘細胞癌と診断し,左第1~3 趾切断術を行った。術後約 3 カ月で術後創部から再発,肺に転移し永眠した。ハンセン病の慢性潰瘍は瘢痕癌の発生母地となる。瘢痕癌は他の有棘細胞癌より予後不良であり,ハンセン病の後遺症による神経障害で生じた難治性潰瘍は注意深く経過観察する必要がある。</p>
著者
寺田 愛 安藤 仁 野川 麻紀 櫻井 勝 野原 えりか 山下 治久 早川 哲雄 宮本 謙一 小林 健一 篁 俊成
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 = Journal of the Japan Diabetes Society (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.463-467, 2003-06-30
被引用文献数
5

理想のインスリン注入器を追求する目的で, 新型タイマー式注入器の使用感や外観を従来の万年筆型注入器との対比において評価した. 当科通院中のインスリン使用糖尿病患者89人 (男性49人, 女性40人) に, アンケート調査を行った. タイマー式は単位の合わせやすさ (7896) や注入ボタンの押しやすさ (6296) など操作性が評価された (数値はタイマー式の支持率). 一方, 外観は形 (2896), めだたなさ (2996) と万年筆型が優っていた. これらを年代別に解析したところ, 操作性は各年代ともタイマー式を支持したが, 外観は若年層ほど有意に万年筆型を支持した, 今後使用したい注入器としては, 若年層ほど万年筆型を, 高齢層ほどタイマー式を選択し, 若年層では外観を, 高齢層では操作性を重視することが判明した. インスリン注入器に求める条件は年齢層によって異なり, タイマー式は高齢者が求める条件をより満たした注入器であることが明らかとなった.
著者
阿部 拓也 栗林 健一 露木 寿 小笠原 勝
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.159-163, 2012 (Released:2014-01-08)
参考文献数
8
被引用文献数
2
著者
鹿股 宏之 小林 健二 加瀬 建一 篠崎 浩治
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.29, no.7, pp.957-963, 2009-11-30 (Released:2010-01-13)
参考文献数
26
被引用文献数
1

【目的】大腸穿孔の予後因子を検討し,エンドトキシン吸着療法(以下,PMX─DHP)の適用について考察した。【対象と方法】対象は2003年4月から2008年3月までの5年間に,当院で経験した大腸穿孔54例である。術前因子9項目,術後因子6項目を選択し,予後についてそれぞれ統計学的検討を行った。【結果】多変量解析で,(1)術前ショック指数1.1以上の症例,(2)手術直後の収縮期血圧80mmHg以下の症例,(3)術後ノルアドレナリンを使用せざるを得なかった症例,(4)術後第1病日の血小板数低下率40%以上の症例,の4項目が独立した予後不良因子として観察された。さらに,死亡例は全例この4項目中2項目以上満たしていた。【考察】われわれはPMX-DHPを大腸穿孔の中でも最重症例に行うものと考えており,検討した予後不良因子~の中で2項目以上満たす症例は,最重症例としてPMX-DHP開始の一つの基準になり得るものと考える。
著者
林 健一 長嶋 満宏 蘇原 祥夫 和田 英男 梶谷 淳
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.124, no.11, pp.2278-2286, 2004-11-01
参考文献数
6

The low cost improved recognition of an uncooled infrared image processing has been required urgently for the development of high sensitive uncooled sensor like a cooled sensor. In this study, the uncooled infrared image taken by YBaCuO bolometer camera was improved with applying a special low cost image processing systems. The improved image with this processing exhibited not only the edge enhancement in a large contrast area but also the suppression of heat noise in a small contrast area. It is clarified that this improved recognition image processing is easy to realize at low cost, and the demand for this image processing will be expected to grow up as the use of uncooled infrared sensor system increases.
著者
佐川 元保 西井 研治 原田 眞雄 前田 寿美子 丸山 雄一郎 三浦 弘之 三友 英紀 村田 喜代史 中山 富雄 芦澤 和人 遠藤 千顕 小林 健 佐藤 雅美 澁谷 潔 祖父江 友孝 竹中 大祐
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.73-76, 2018

<p>肺がん検診は1987年に導入されたが,当初,多くの自治体や検診機関は「二重読影や喀痰細胞診の方法がわからない」状況であり,肺がん検診セミナーはそれらの需要に応えるものであった.それから30年以上経過し,「肺がん検診の方法を全国に広める」という本セミナーの当初の役割はほぼ達成され,同形態での実施の必要性は乏しくなった.精度管理の全国的な均てん化は不十分だが,セミナーという形態では改善できない.一方,肺癌診療医の読影技術向上への意識は高いが,学術集会においてそれに資するプログラムは少ない.また,学会員の多くが検診発見肺癌例の診療をしているにもかかわらず実際の検診に携わっていない現実を考えれば,「肺がん検診」の仕組みや現状に関する教育的な講座の必要性は大きい.そこで,2017年で「肺がん検診セミナー」を終了し,学会員対象で学術集会に組み込む以下の①②③と,地域での検診従事者を対象とした④へ移行することにした.①若手~中堅医師に対する「肺がん検診」のシステムや現状などについてのレクチャー.②気軽に参加できる読影セミナー.③必要時に,学術集会長に委員会企画枠を依頼.④検診技術・精度管理に関する地域での検診従事者講習会などの講師に委員を推薦.</p>
著者
小林 健彦 KOBAYASHI Takehiko
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.51, pp.55-98, 2018-07

倭国へ漢字を公伝させたとする、隣地、韓半島・朝鮮半島に於いても、残存する信憑性の高いものは少ないものの、古来、種々の記録類が作成されていたものと推測される。その中に於いても、様々な災害記録が残されている。そうした自然災害に対する認識は、災害情報の記録にも反映され、更には、日本へも影響を与えていたのであろうか。本稿では、そうした観点より、韓半島に於ける対災害観や、災害対処の様相をシリーズ文化論として窺おうとしたものである。「三国史記」は、中国大陸で行なわれていた正史編纂事業を大いに意識して作成されたらしく、その意味に於いては、日本に於ける六国史、取り分け、「日本書紀」的存在であったのかもしれない。それ故に、その編纂に際しては、東アジア世界に特有の、特定の歴史観、国家観、対外観、宇宙観、そして、対自然(災害)観等が色濃く反映されていた可能性もあり、史料としての取り扱いには慎重であるべきであって、慎重な史料批判も必要とされるであろう。つまり、正史である以上、そこに記された事象に曲筆、虚偽、隠蔽、粉飾、宣伝等の作業が存在していることも十分考慮されるのである。又、記録の特性上、編纂者の故意ではないものの、結果としてその事象が偽であったり、偏見や誤解が包含されている可能性に就いても、排除をすることは出来ないであろう。取り分け、「三国史記」―「百濟本紀」に於いては、如何なる対自然災害観や、災害対処の様相が記録されていたのか、いなかったのかを追究することが本稿の目的とする処の1つである。更には、こうした素材を使って、韓半島に於ける災害対処の様相を文化論として構築をすることが出来得るのか、否かを検証することも2つ目の目的として掲げて置く。
著者
小林 健介 須藤 幸雄 明石 興彦
出版者
日本脈管学会
雑誌
脈管学 (ISSN:03871126)
巻号頁・発行日
vol.53, no.May, pp.71-74, 2013-05-10 (Released:2013-05-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1

要 旨:比較的稀な上肢の静脈性血管瘤(venous aneurysm; VA)を経験したので報告する。症例は71歳女性。40歳頃から右肘部内側の皮静脈が拡張しVAと診断した。VAは体表から透見でき上肢の挙上で虚脱した。静脈エコーや単純CTが診断に有用だった。局所麻酔下に瘤を切除した。炎症所見や内部血栓は認めず,術後の再発もなかった。上肢のVA切除術は低リスクで高い根治性が認められる。
著者
能登谷 拓 小林 健一郎 奥 勇一郎 木村 圭佑
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2014

2013年9月,台風第18号が日本に上陸し,近畿地方においては,淀川水系の桂川や宇治川などが氾濫し,京都府,滋賀県を中心に大規模な浸水被害が生じた.日本は地形的に洪水災害が発生しやすくなっており,突発的な豪雨に備えた防災体制が必要であると考えられる.本研究は,淀川流域における将来的な大雨の影響評価を行うことを目的とし,最新のメソ気象モデルであるWRFを用いて,平成25年台風第18号による大雨の再現実験と温暖化差分を加算した海面水温を境界値とする海面水温温暖化実験を行う.本来温暖化の影響を厳密にシミュレーションするためには,気温,水蒸気量,気圧などのあらゆる諸物理量の気候変動の影響を考慮した擬似温暖化実験の手法が用いられるべきという報告がある.しかし,今回は海面水温の上昇だけを考えた海面水温温暖化実験を行うことにより,海面水温の変動がもたらす影響を定量的に評価することとした.本研究で行った実験では,海面水温を上昇させると時間降水量,積算降水量ともに大きく増加した.このことから,将来的な台風第18号を超える大雨の発生を想定し,河川計画の策定なども含めた防災体制を整える必要があると考える.
著者
小林 健彦 KOBAYASHI Takehiko
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.49, pp.49-89, 2017-07

日本に於いては、同じ様な場所に於いて繰り返されて来た、殆んど周期的な地震の発生に依り、人的、物的にも多大な被害を被って来たのである。人々(当該地震に関わる被災者達)は、そうした大規模な震災の記憶を、文字情報としては勿論のこと、それ以外の非文字認知的手法―説話・伝承・地名・宗教施設・石造物・信仰等、としても残し、子孫への警鐘・警告、又、日常生活上の戒めとして来たのである。それは、日本社会で大多数の人々(為政者層、被支配者層の人々)に依って、或る事柄の記録が、文語資料として残される様になるのは、近世に入って以降のことであったからである。これは、寺子屋・郷学・私塾・藩校・藩学等に見られる教育機関の普及や、社会の安定、貨幣経済の成熟、農業振興等の理由に依る。それ以前の段階に於いては、文字を使用した形式での情報共有は困難であったのである。本稿では、そうした視角に立脚し、地震鎮めの効果を期待して実施されていた、「要石(かなめいし)信仰」に焦点を当てつつ、その太平洋沿岸諸地域と、日本海沿岸諸地域間での残存状況を比較、検討しながら、その差異の検証、分析や、その背景、経緯等に就いて考察を加えたものである。
著者
林 健吾 青山 幹雄 古畑 慶次
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1175-1191, 2018-04-15

本稿では,不確定要素の多いイノベーティブな新ソフトウェア製品開発において,プロトタイプに迅速にフィードバックを繰り返すことにより進化させるコンカレントフィードバック開発方法を提案する.著者らが従事している自動車ソフトウェア開発では,自動走行などに関わるまったく新たなシステムを,研究開発部門と共同で要素技術を開発しながら,かつ,短期間で高品質なシステム化を行うことが求められている.このため,実車両上にプロトタイプを構築する要求開発と,仕様を基にしたソフトウェア製品開発の2フェーズの開発方法を採用していた.しかし,この開発モデルでは,開発期間短縮と品質保証に問題があった.これに対して,要求開発におけるプロトタイプに迅速にフィードバックを繰り返して進化させる進化型プロトタイプの新たなモデルとして,コンカレントフィードバック開発方法を提案する.さらに,製品開発におけるコンカレントエンジニアリングの協調のアプローチを発展させ,協働してソフトウェア製品を進化させる3パターンのフィードバックループで構成するコンカレントフィードバックプロセスモデルを提案する.提案方法を,超音波センサを用いた自動車ソフトウェア開発に適用し,開発期間を短縮して外部品質を改善した結果から提案方法の有効性を示す.
著者
水野 翔大 篠崎 浩治 藤田 翔平 笹倉 勇一 田口 昌延 寺内 寿彰 木全 大 古川 潤二 小林 健二 尾原 健太郎
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.234-244, 2018-03-01 (Released:2018-03-28)
参考文献数
65

症例は58歳の男性で,近医において50歳時に潰瘍性大腸炎と診断され,アミノサリチル酸製剤,ステロイドで治療が開始された.ステロイド依存例であり免疫調節薬,インフリキシマブ,血球成分除去療法が導入されたが寛解に至らず外科的治療が検討されていた.今回,直腸穿孔による汎発性腹膜炎を発症し緊急手術を施行した.直腸Ra前壁に穿孔を認めHartmann手術を施行した.切除腸管の病理検査で異型リンパ球の全層性浸潤像と腸管壁全層の線維化を認めた.免疫染色検査の結果,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された.切除腸管の粘膜部分に活動性の潰瘍性大腸炎を示唆する所見は目立たず,悪性リンパ腫に起因する直腸穿孔が示唆された.潰瘍性大腸炎と悪性リンパ腫の合併はまれであり,潰瘍性大腸炎治療薬によるEpstein-Barr(以下,EBと略記)ウイルス感染の合併と悪性リンパ腫の発生の関連が報告されている.本症例でも病変部へのEBウイルス感染を認め,その関連が示唆された.
著者
加森 剛徳 林 健汰 前田 香織 近堂 徹 相原 玲二
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.25-32, 2017-11-30

コンピュータの仮想化技術やネットワークの広帯域化により,通信セッションを維持したままインターネットに接続された物理ホスト間で仮想マシン (VM) のグローバルライブマイグレーションが可能になっている.しかし,グローバルライブマイグレーションでは異なるクラウドプロバイダが提供する任意のクラウドで多数の利用者が資源を共有するので,それを前提としたライブマイグレーションの権限制御機構が求められる.これに対して本研究では,複数のクラウドプロバイダ間においても VM 利用者の権限に基づいた安全なライブマイグレーションができるような支援システムを開発する.この支援システムではマイグレーションの権限を利用者の属性によって認証する暗号文ポリシー属性ベース暗号を用いる.また,支援システムは異なるプロバイダのマイグレーションでもセッションを維持するため,移動透過通信機構も有する.本稿では支援システムの開発について述べる.また,実装したプロトタイプシステムを用いて,追加した認証機構や移動透過通信機構のオーバヘッドの実験的評価を行い,支援システムの実用性について述べる.