著者
鉄矢 悦朗 中井 初実 小林 健一郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.B11, 2007

本稿は、東京学芸大学の学生有志(美術・美術教育を学ぶ学生)が、後輩へ参加の機会を引き継ぎながら200km 以上離れた場所で開催されている「掛川ひかりのオブジェ展」とその関連の「工作教室」に参画してきた3年間の活動の中から、デザイントレーニングの可能性を考察したものである。 掛川ひかりのオブジェ展は、静岡県の掛川駅北口から掛川城に延びる道路(歩車道境界の植栽枡などを使って)両側を会場に開催される。期間は、おおむね12 月1週目から1月の3週目程度の2ヶ月弱である。参加者は年々増えていると聞く。主催は、好きです!かけがわのまち実行委員会。掛川おかみさん会、掛川市役所、NPOスローライフ掛川など多様な顔ぶれで構成。作品は、すべて出品者が搬入し、撤収していく。来訪者の人気投票で大賞は決まる。出品者は、個人、親子、小学校のクラス、中・高校の美術部、静岡芸術文化大学のサークル、地元建築家のグループ、地元企業の有志など様々である。
著者
小林 健太郎 金田 章裕
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.78-98, 1988-05-31 (Released:2008-12-25)
参考文献数
143
被引用文献数
1 1

比較的実りの多かったこの10年間の日本歴史地理学の成果のうち,以下の6つのテーマについて,その動向を紹介した。 作物栽培の起源は縄文早期に,水田稲作は縄文晩期に湖るようであり,水田分布は弥生中期に本州北端にまで達し,弥生・古墳期の水田のほとんどが極めて小区画であるという従来とは大きく異なった考古学的知見が得られた。 2) 古代都市の復原研究が進み,中国と日本の都城の比較研究も行なわれて,類似点と相違点についての知見が加わった。日本における都市計画の起源にかかわる議論も行なわれた。交通路の研究も活発であり,律令期における整然とした直線状の道路計画の展開の実状が知られるに至った。これらの都市や主要施設の立地・配置とその計画における同時代の人々の空間認識についての議論も始められた。 3) 条里地割と条里呼称法とからなる条里プランが,従来の通説とは異なって, 8世紀の中頃に完成したものであることが判明し,それが古代・中世において果した役割や,広範囲に分布する条里地割をめぐる議論・分析が進んだ。古代・中世の条里地割内部やそれ以外の部分の土地利用についての研究も主要な研究テーマの一つとなった。村落の領域や形態についても研究が進展し,広範な集村化現象や散村の展開の事実も知られるに至った。 4) 中世の市場集落の分布や景観についての研究が進展したが,商品流通からみると当時は市場の有機的な階層構造が成立していなかったとの主張も行なわれた。日本歴史地理学の主要なテーマである城下町研究も進展し,特に,先駆的な戦国城下町や城下町の構造をめぐる議論が展開した。 5) 近世の藩政村と村落共同体との関係や,村落の構造に関する研究が蓄積され,労働・結婚をめぐる人口移動についての研究も発表された。従来からの新田開発研究に加え,近世農書を資料とする分析も加わった。 6) 中・近世の日本では,様々な絵図が数多く作成されたが,これらの絵図の従来からの分析に加え,これらを用いて当時の空間認識にせまろうとする研究が始められた。又,中世の説話から生活空間の深層構造にせまろうという研究も展開した。
著者
林 基哉 小林 健一 金 勲 開原 典子 柳 宇 鍵 直樹 東 賢一 長谷川 兼一 中野 淳太 李 時桓
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 令和元年度大会(札幌)学術講演論文集 第7巻 空気質 編 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.45-48, 2019 (Released:2020-10-31)

事務所の衛生環境の実態を把握するため特定建築物の行政報告例の分析、事務所の空気環境の調査を行う。本報告では空気環境不適率の上昇要因を明らかにするため、行政報告例不適率の実態を把握し、不適率上昇の要因に関する統計解析を行った。特定建築物数が増加する中、湿度、温度、二酸化炭素濃度の不適率が1999年以降上昇している。また、法定検査を利用した報告徴取が増加している。湿度、温度、CO2濃度の不適率上昇の要因として報告徴取数の増加が挙げられ、これらの不適率は、北の自治体ほど高い傾向がある。
著者
三宅 悠介 栗林 健太郎
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.1-8, 2020-11-26

多腕バンディット問題は,腕と呼ばれる複数の候補から得られる報酬を最大化する問題である.同問題の Web サービスにおける広告配信や推薦システムへの応用では,腕となる利用者の嗜好傾向が多様である課題に対処するため,利用者の文脈を考慮した線形な問題設定への拡張と解法が提案されている.一方で,時間の経過に従い報酬分布が変化する非定常な課題に対処するため,変化検出の手法を組み合わせ報酬の変化を観察することで変化に追従する解法が提案されている.しかしながら,線形な問題設定にこの解法を適用する場合,文脈の増加に伴い各文脈での報酬の観測回数が低下するため,文脈ごとに報酬の変化を観測する方式では,変化の検出と追従が遅れてしまう.加えて,変化の検出と追従に必要な文脈ごとの報酬の履歴データのサイズも文脈の増加に伴い肥大化する.本研究では,多様な文脈であっても腕の報酬分布の変化に迅速に追従可能な,線形かつ非定常な多腕バンディット問題の解法を提案する.提案手法では,文脈ごとの報酬からではなく,文脈の数によらない固定数の値の推移のみから報酬分布の変化を検出することで,腕の報酬分布の変化に迅速に追従する.さらに,過去期間の値を要約するデータ構造を導入することで,報酬分布の変化検出と追従に必要な履歴データのサイズの肥大化を抑制する.評価では,線形かつ非定常な多腕バンディット問題を設定し,提案手法を用いない場合と比較して変化への追従性が高いこと,履歴データのサイズの肥大化が抑えられることを確認した.
著者
林 健司 原 祥子
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.91-97, 2014

本研究の目的は,大腿骨骨折により手術を受けた高齢患者の排泄行動において,見守りを止めて良いと判断した看護師の着眼点を明らかにすることである.大腿骨骨折手術を受けた高齢患者への看護に3年以上携わった経験がある看護師14人を対象に,「見守りを止めて良いと判断した看護師の着眼点」について,フォーカス・グループ・インタビューを行い,質的記述的に分析した.その結果, 15のサブカテゴリーが抽出され, 6つのカテゴリー【活力が蓄えられている】【自立へと気持ちが向かっている】【看護師と意思疎通が図れている】【自分のペースを調節できている】【注意力が高まっている】【動作にしなやかさがある】に集約された.これらのカテゴリーは,日常生活全般のケアを通してとらえられる患者の状況を判断材料にしたものであり,新人看護師をはじめとする看護師にとって,大腿骨骨折術後の高齢患者において排泄行動の見守りを止めて良いかどうかを判断する際の指針になり得るものと考える.
著者
木田 耕太 林 健太郎 清水 俊夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.260-263, 2020 (Released:2020-04-24)
参考文献数
15

神経変性疾患を中心とした神経難病患者の栄養障害は疾患および嚥下障害,呼吸障害,運動麻痺,筋強剛,不随意運動,運動失調など種々の症状や疾患およびその病期によるエネルギー代謝の変容などのため患者ごとに多様である.神経難病患者の栄養療法には多専門職種の知識・経験の共有に基づいた個々の患者に対するオーダーメイドのサポートが必要である.しかしながら外科・内科領域と比して,脳神経内科領域では栄養管理のエビデンスの蓄積は未だ十分でない.神経難病専門病院における栄養サポートチーム(nutrition support team; NST)の活動,および活動を通じて得られた知見について述べる.
著者
林 健太朗 粕谷 大智
出版者
一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
雑誌
日本東洋医学系物理療法学会誌 (ISSN:21875316)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.105-113, 2018 (Released:2020-05-20)
参考文献数
32

【目的】末梢性顔面神経麻痺(以下 麻痺)患者の後遺症は、患者のQuality of Life(以下 QOL)を 著しく低下させる。そのため、後遺症の出現が予想される患者に対してはその予防や軽減を目的 に発症早期からリハビリテーション(以下 リハ)が行われている。リハの介入の中で表情筋に対 するマッサージは日々の臨床で多用されている。そこで、本研究では我が国の麻痺患者に対する マッサージの文献レビューを行い、目的・方法・効果に焦点を当て、現状と意義および課題につ いて検討した。 【方法】データベースは、医中誌Web Ver.5 を使用し、検索語はその統制語である「顔面麻痺」、 「Bell 麻痺」、「帯状疱疹- 耳性」の同義語のうち関連する検索語と「マッサージ」とした。調査日 は2018 年6 月20 日、調査対象期間は限定せずに行った。同時に、ハンドサーチも行った。対象 論文は、包含基準・除外基準に基づき選定した。 【結果】検索の結果、医中誌Web23 件、ハンドサーチ3 件、合計26 件が抽出された。そのうち対 象論文の条件を満たす11 件について検討した。マッサージの目的は、後遺症出現前は予防、出現 後は軽減を目的に行われていた。方法は、主に前頭筋・眼輪筋・頬骨筋・口輪筋・広頸筋などの表 情筋に対して、頻回の筋を伸張するマッサージが行われていた。マッサージは他の治療法と併用 されていた。評価は、柳原法、Sunnybrook 法、House-Brackmann 法、Facial Clinimetric Evaluation Scale などが用いられており、マッサージを含めたリハの効果として、後遺症の軽減、QOL の向上 が報告されていた。 【考察・結語】麻痺患者に対するマッサージは、病期に応じて後遺症の予防や軽減を目的に、他の 治療法と併用することにより後遺症の軽減、その結果としてQOL の向上に寄与できる可能性が示 唆された。特に麻痺患者のQOL を著しく低下させる要因である顔面のこわばり感などの違和感に 対してマッサージを行い一定の効果を挙げていることは、この領域における手技療法の意義が考 えられた。一方で、マッサージの方法、効果の検討に関する課題も明らかとなった。
著者
松本 亮介 田平 康朗 山下 和彦 栗林 健太郎
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-36, no.26, pp.1-8, 2017-02-24

Web ホスティングサービスにて管理者がテナントごとのコンテンツを制御できないような高集積マルチテナント Web サーバ環境では,ホスト間のリソース競合を減らすことが安定運用にとって不可欠である.しかしホスト数が増えるにつれ,サーバ内の原因となるホストの監視や制御のコストも増加するため運用は難しくなる.本論文ではリソースの各指標の時系列データの変化点検出,ならびにサーバ内ホストやプログラムの各指標の重みづけによって,システムリソース逼迫状況下で多量のリソースを消費するリクエストを同定し隔離する自律的アーキテクチャを提案する.
著者
内田 豊昭 小林 健一 本田 直康 青 輝昭 小俣 二也 遠藤 忠雄 石橋 晃 小柴 健
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.1701-1707, 1985-10

1)膀胱腫瘍10例(11腫瘍)に対してBCG 30 mgから240 mgによる膀胱腔内注入療法を施行した.2) 11腫瘍中7腫瘍に腫瘍消失,4腫瘍に20~80%の腫瘍縮小効果が認められた.3)腫瘍の大きさ別では米粒大腫瘍の4腫瘍は全例消失し,小指頭大の腫瘍では5腫瘍中3腫瘍が消失し,残りの2腫瘍にも著明な縮小が認められた.4)悪性度の判明した8腫瘍についてみるとGrade 1は5例中4腫瘍全例が消失,1腫瘍が50%縮小し,Grade 2は3腫瘍が20~80%の腫瘍縮小を認めた.5)副作用としては,膀胱刺激症状を10例中7例(70%),発熱4例(40%),血尿3例(30%)を認めた
著者
大橋 聖和 小林 健太 間嶋 寛紀
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.8, pp.426-431, 2008-08-15 (Released:2009-03-25)
参考文献数
8
被引用文献数
3 1

To make thin sections or polished slubs of the brittle fault rocks like fault gouge and fault breccia without volume loss, is pretty difficult because of its fragility and softness. In general, the reinforcement by resin is performed in such specimens, but it's not so effective for the brittle fault rocks that contain swelling clay minerals. Additionally, detailed and through instructions about how to make thin sections of these rocks have not been published. Therefore, we introduce the grinding method which does not use the water for brittle fault rocks and altered rocks containing swelling clay minerals. With this method, we can make the thin sections, polished slubs, even sections specially prepared for SEM, TEM, EPMA analyses of noncohesive fault rocks containing swelling clay minerals without volume loss.
著者
浜野 龍夫 坪井 俊三 今井 厚 星野 尚重 沖本 博 陣之内 征龍 林 健一
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.127-133, 1994-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
6

陸上植物の育苗培地用資材であるロックウールは自然砂に比較して軽く, 作業性にすぐれている。このため, ロックウールを潜孔・埋在性動物の飼育に利用することを目的にその水質保全効果を確かめた。循環水槽にロックウール・イワムシ・クルマエビを組み合わせて収容し水質の経時的変化を観察したところ, ロックウールを使用した飼育ではアンモニア態窒素濃度が抑えられた。とくに, イワムシとロックウールを組み合わせて飼育した水槽のアンモニア濃度は低かった。また, ロックウールか自然砂を入れたビンに海水と配合飼料を加え黒色還元層の発現状況を観察したところ, ロックウール中の還元層の発達速度は天然砂よりも有意に小さかった。これらのことから, ロックウールには水質保全効果があり天然砂に代わる底質材として有効であると判断した。
著者
池崎 秀和 林 健司 山中 章己 立川 理江子 都甲 潔 山藤 馨
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.J74-C2, no.5, pp.434-442, 1991-05-25

筆者らは,既に人工脂質膜を用いたマルチチャネルの味覚センサの特性が,人間の味覚特性と非常に類似していることを示した.本論文では,計測方法の改良を行うことで,センサの再現性をより高め,微妙な味の差の識別を可能とし,工業的な味の計測の実用化を計ることを目的とする.改良点は,以下のとおりである,第1は,絶対値測定から,センサにあらかじめ味のバイアスをかけた相対値測定にした点である.これにより,センサのトランスデューサ部は被検液に侵されにくくなり,繰返し使用が可能となった.第2は,センサに一定周期で外乱を与え,これに同期させて計測を行う点である.これにより,センサ出力が安定するまでの待ち時間が大幅に短縮でき,また,外乱による影響を受けなくなった.これらの結果,測定の再現性を飛躍的に向上させることに成功し,人間以上の詳細な味の識別が可能となった.そして,相対値測定の際のバイアスの変動や,測定時間の長さに測定結果が依存しないことを実験的に示し,これらの改良の妥当性を示す.更に実際の食品への適用例を挙げ,その有効性を示す.