著者
中野 泰 足立 泰紀 林 圭史 渡瀬 綾乃 辻本 侑生
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

1.民俗学者桜田勝徳の調査研究資料の目録を作成し、このアーカイブが、柳田国男の薫陶を受け、民俗学を実践し始めた以降の資料が中心であることを明らかにした。2.桜田のフィールドノートの検討から、その記載形式に一貫性(右面に記載し、左面を補助的に利用)とともに変化(日次、立て横書き等)があること、彼のフィールドワークには2つのスタイルがあること、フィールドノートとフィールドワークの変化は、共に1940年代に認められることが分かった。3.GHQ下の社会調査において、桜田がGHQの改革案を指示する立場で働き掛けていた事実を明らかにし、このようなフィールドワークに関わる実践の民俗学的な意義を明らかにした。

3 0 0 0 OA 漁船統計表

著者
農林省水産局 編
出版者
農林省水産局
巻号頁・発行日
vol.昭和9年, 1938

3 0 0 0 OA 分子時計

著者
宮田 隆 林田 秀宜 菊野 玲子
出版者
Primate Society of Japan
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.9-16, 1986 (Released:2009-09-07)
参考文献数
21
著者
松本 裕子 小林 友彦 坂田 雅夫 遠井 朗子 落合 研一 桐山 孝信 上村 英明
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

人権法以外の国際法の文脈(国際環境法・国際開発法・国際経済法)でも、先住民族が影響を受ける国際規範の定立にその参加が認められる場合があり、程度の差はあるものの、規範の実施にその権利尊重の必要性が認識されつつある。ただし、国家中心的な国際法が構造転換したといえるかについては、現状ではそれを肯定するに十分な実行の積み重ねはない。国際法上の先住民族の権利の日本国内への影響については、国連宣言採択を受けて、国及び一部の地方自治体による公文書等への一定の反映や政策決定の正当性の根拠とする動きはある。ただし、国連宣言の採択が国及び地方自治体の既存の政策の根本的変更を招くような状況は存在していない。
著者
林 和弘 吉本 陽子 佐藤 遼 鈴木 羽留香
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.270-283, 2019-10-25 (Released:2019-10-29)
参考文献数
32

Digitalization means fundamentally changing the framework of science, technology and social industry, and the services and customs that have been developed in that framework, beyond the mere digitization of existing systems and services. In other words, it is accelerating the transformation of science, industry, and society toward the digital native era, and there are signs of discontinuous change in the way universities, corporations, economies, and legal systems work. In such a situation of change, the framework of innovation policy also needs to change drastically. Although it is still fluid as of 2019, digitalization is also necessary in the creation of innovation policies, and it is foreseen that a mechanism with inclusiveness, immediacy, flexibility, etc. and small and quick trials according to the development of ICT will be necessary in the future.
著者
長田 美穂 杉山 真理 小林 茂雄
出版者
日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.T193-T199, 1992-11-25 (Released:2009-10-27)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1 8

目的刺激対象を見慣れれば, その刺激対象に好感を抱くようになるという単純接触の効果が, 服装の印象の場合についても成り立つかどうかを検討することを目的とする.成果新奇な服装図版を刺激対象とした実験を通して, 「親しみやすい―親しみにくい」, 「好きな―嫌いな」の尺度には, 刺激の1回呈示条件ないし10回呈示条件よりも20回呈示条件において好感度が高くなり, 単純接触の効果が現われた.しかしながら, 「感じのよい―感じのわるい」の尺度には, 単純接触の効果は現われなかった.これらのことから服装の場合, 呈示回数が少なくとも10回を超えて20回近くになれば, 単純接触の効果がはっきりと現われることが明らかになった.このように, ただ単に何回も目にするだけで服装に対する好感度が高まってくることは, 服装の流行の採用動機の一つとして, 単純接触の効果が関与していることが考えられる.
著者
小林 悦子 佐藤 陽子 梅垣 敬三 千葉 剛
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.93-98, 2018-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
11
被引用文献数
3 8

海外の健康食品をインターネットで購入できる状況において,健康被害を未然に防止するには,国内だけでなく海外の被害情報を把握することが重要である.「健康食品」の安全性・有効性情報サイトでは,国内外の行政機関から発信された健康食品の注意喚起情報を収集・掲載している.今回,2010から2016年に収集した2,124件の注意喚起情報の特徴を分析した.製品の特徴として,医薬品成分混入が85%を占め,性機能改善および痩身を標榜した製品が68%を占めた.多くは買上調査や自主回収情報であったが,健康被害事例も181件含まれ,痩身および疾病治療を目的とした利用で被害が多く見られた.日本国内では,10~30代女性,痩身目的の利用,インターネットでの購入という特徴が認められた.これらの特徴を,健康被害の未然防止のための適切な情報提供に役立てる.
著者
別所 正博 小林 真輔 越塚 登 坂村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.249-255, 2009-04-01
被引用文献数
10

コンピュータと通信,特にその複合システムの進展に伴い,位置情報を利用したサービス,例えば観光ガイドや歩行者ナビゲーションといったサービスに,いつでもだれでもどこでもリアルタイムにアクセスできるようになってきた.このような位置情報を取得するための技術,すなわち位置認識技術は,ユビキタスコンピューティング環境実現の鍵として特に注目されている.位置認識技術として,屋外では主にGPSがかなり普及してきた.一方で屋内や地下街といった環境ではGPSの利用が難しいため,ユビキタスインフラを活用した方式が注目を集めている.本稿では,このようなユビキタスコンピューティングと位置認識技術の関係を概説する.ここでは,位置認識の要素技術,例えば赤外線や超音波を使った方式や,無線通信技術を活用した幾つかの方式を概説し,更にこれらを組み合わせて用いる複合的位置認識技術についても触れたい.そして,このような技術が可能にする応用を,幾つかの先進的な実例とともに紹介する.
著者
松林 達史 清武 寛 幸島 匡宏 戸田 浩之 田中 悠介 六藤 雄一 塩原 寿子 宮本 勝 清水 仁 大塚 琢馬 岩田 具治 澤田 宏 納谷 太 上田 修功
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.wd-F_1-11, 2019-09-01 (Released:2019-09-01)
参考文献数
29

Forming security plans for crowd navigation is essential to ensure safety management at large-scale events. The Multi Agent Simulator (MAS) is widely used for preparing security plans that will guide responses to sudden and unexpected accidents at large events. For forming security plans, it is necessary that we simulate crowd behaviors which reflects the real world situations. However, the crowd behavior situations require the OD information (departure time, place of Origin, and Destination) of each agent. Moreover, from the viewpoint of protection of personal information, it is difficult to observe the whole trajectories of all pedestrians around the event area. Therefore, the OD information should be estimated from the several observed data which is counted the number of passed people at the fixed points.In this paper, we propose a new method for estimating the OD information which has following two features. Firstly, by using Bayesian optimization (BO) which is widely used to find optimal hyper parameters in the machine learning fields, the OD information are estimated efficiently. Secondly, by dividing the time window and considering the time delay due to observation points that are separated, we propose a more accurate objective function.We experiment the proposed method to the projection-mapping event (YOYOGI CANDLE 2020), and evaluate the reproduction of the people flow on MAS. We also show an example of the processing for making a guidance plan to reduce crowd congestion by using MAS.
著者
下林 典正
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

奈良県吉野郡天川村より採集された,イリデッセンスによって虹色に輝く"レインボーガーネット"を試料に用いて電子顕微鏡観察を行った結果,本産地のレインボーガーネットが通常のガーネットでは見られない波状のラメラ組織および数百nmオーダーの微細なラメラ組織をもつことを示し,後者の微細ラメラによる光の干渉がイリデッセンスを引き起こすことを明らかにした。しかし,電子顕微鏡による観察だけでは,作製試料に依存した局所的な情報のみに限られてしまい,例えば試料全体の歪みの分布などの情報を得ることは困難である。そこで,これまで電子顕微鏡を用いて観察してきたレインボーガーネット中のラメラ組織の形成に格子欠陥等の結晶不整が関連しているのかを検証するために,放射光を用いたX線トポグラフィーによる結晶評価を行なった。実験はSPring-8のBL28B2に設置された白色X線トポグラフカメラを用いて,室温で撮影を行なった。その結果,得られたトポグラフ像においては,ほとんどの回折斑点内に結晶外形に垂直方向に伸長した2または4本の筋が確認できた。これまでの電子顕微鏡による観察から確認されている累帯構造・波状ラメラ組織・微細ラメラ構造のうち,累帯構造および微細ラメラ構造は結晶外形に平行な構造を持っており,本実験で得られた結晶外形に垂直方向に伸びた筋の成因としては考えにくい。そのため,波状ラメラ組織がこの筋の成因だと考えられる。前年度の報告書に「レインボーガーネットの構造色の原因は,初生的には微細ラメらによる多層膜干渉による」が、「その副次的な効果を波状組織が担っている」と仮説した。今回観察された波状組織による僅かな方位のズレがその副次的な効果を与える要因である可能性が示唆された。
著者
林 大輔 青木 健 柴田 瑠美子 市川 邦男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1628-1633, 2010-12-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
10

症例は6歳男児.現在までにアサリ以外は貝類を含む食物のアレルギーはない.2歳よりアサリ摂取後に嘔吐を繰り返しているため近医を受診したが,アサリ特異的IgEが陰性であり,精査のため当院に紹介された.アサリ特異的IgEは1.04UA/mlでスキンプリックテストは膨疹径4mmであった.生アサリによるパッチテストは陽性,リンパ球刺激試験も陽性(5305cpm,SI=1211%)であった.ゆでたアサリによる経口負荷試験では摂取2時間後に腹痛と嘔吐が出現,末梢血好中球数も負荷前の2924/μlから負荷6時間後に16082/μlまで増加した.これらの検査所見よりアサリによるFood protein enterocolitis syndrome(FPEIS)と診断した.現在まで貝類によるFPIESの報告はなく,本報告が初となる.
著者
根本啓一 高橋正道 林直樹 水谷美由起 堀田竜士 井上明人
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013-GN-87, no.17, pp.1-8, 2013-03-11

近年,自発的・持続的な行動変革を誘発するためのアプローチとして,ゲーミフィケーションというアプローチが着目されている.ゲーミフィケーションとは,ポイントやランキングに代表される,ゲームに利用されてきた様々な要素や仕掛けを現実世界の活動に援用するアプローチである.このゲーミフィケーションを活用して,多数のユーザの行動変容を促すことで,社会的な課題を解決する活動なども生まれている.本稿は,このような社会的課題の解決にゲーミフィケーションを活用することに関するものである.従来のゲーミフィケーションは,ウェブ作成者など特定の作者が作成した仕組みを使って,ユーザに対して特定の行動を喚起するために利用されることが多かった.しかし,個々のユーザやコミュニティが抱えている課題は多種多様であるため,課題解決の観点では,従来の方法では本質的課題を捉えることが難しい.課題を抱えるユーザ自身が行動をデザインすること,必要に応じて改良を施していくことが可能な参加型の仕組みが必要である.そこで,課題を持つユーザ達自身による課題解決のための自発的・持続的な行動の設計と実行をゲーミフィケーションのアプローチを利用して支援する仕組みを提案する.我々は,参加者が自らの課題に取り組むためのゲームを設計するワークショップを設計・実践し,さらに,そのアイデアをゲームにして実行に移すことができる,ゲーミフィケーション・プラットフォームと呼ぶウェブサービスを試作した.ゲーム作りのワークショップを計 3 回実施し,48 名が参加した.プラットフォーム上には 9 つのゲームが作成され,課題プレイを通じて,827 個の行動がなされた.本論文では,これらの結果をふまえ,動機付け,能力,誘因という 3 つの観点から自発的・持続的な行動を生み出すための課題について考察する.
著者
小林 賢次
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.182-171, 2005-07-01

本稿は、条件表現の歴史に関するこれまでの研究成果を整理し、文法化の観点から捉え直してみることを目標にしたものである。その観点から、順接仮定条件の場合、「未然形+バ」から「己然形+バ」への交替現象にかかわる「ナラ(バ)」「タラ(バ)」の形式の発達について「モノナラバ」の形式などを参照してその位置づけを行い、順接確定条件の表現形式として、「間」や「程ニ」が発達する状況を確認した。逆接条件に関しては、特に近代語における逆接確定条件の表現形式「ケレドモ」の成立をめぐって、打消推量の助動詞「マジ」が「マジイ」「マイ」へと変遷する過程と関連づけて捉え、また、形式名詞「所」を軸とした「トコロデ」について、その表現機能の変遷を捉えて考察し、全体として、文法化の流れを探った。
著者
小林 亜津子
出版者
鳥取環境大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2000

G.W.F.ヘーゲルの「宗教哲学」の新資料に関する図書や、その他の関連書籍等を購入し、また、ヘーゲル研究会等に出席して「宗教哲学」資料についての情報収集を行ないながら、研究を進めた結果、つぎの二点を明らかにすることができた。1.全四回の講義のうち、1821年「宗教哲学」草稿の記述には、キリスト教精神の世俗世界での実現と言う思想的モティーフガ展開され、キリスト教の歴史を世俗史のなかに移し入れるという発想が登場してくる。こうした発想は、キリスト教救済史の時間性を損なう可能性がある。なぜならキリスト教の聖なる歴史を世俗史に移し入れてしまうことによって、ヘーゲルはキリスト教固有の救済史観を骨抜きにしてしまうことになるからである。21年草稿にみられるへ一ゲルの歴史意識を検討することによって、ヘーゲルの歴史意識と現代終末論によって再興されたキリスト教救済史の時間意識とのあいだに現前している埋めがたい決裂点が浮かび上がってくる。2.ヘーゲルもルターも共に、聖餐における神との直接的で、主体的な接触を介して初めて宗教性がなりたつという核心を共有しながら、その核心の内部では、神との直接的な一体感を享受するという神秘主義そのものと、否定を媒介することで神との合一に達するという神秘主義の精神化といった、二つの対立する態度を示している。これらの研究成果のうち、1については、4月に日本哲学会の学会誌『哲学』上に論文として発表した。2については、京都哲学会の学会誌『哲学研究』に掲載された。