著者
渡部 昇一 永盛 一 松尾 弌之 小林 宏晨 大井 孝 斉藤 美津子
出版者
上智大学
巻号頁・発行日
1988

この研究では、3年間にわたって文献の調査、研究者による討議、専門家へのインタビュ-、各種の実験、シュミレ-ションなどが繰り返された。その結果として(1)通訳教育と外国語教育に関する論議が深まり、(2)通訳技術に関する基礎研究が従来なかったレべルにまで進展し、(3)通訳技術をめぐる理論構築の可能性が生まれてきた。外国語教育に関しては、文法や訳読中心の教育ではなく、コミュニケ-ションの全体的内容に着目する(意味を中心とする)カリキュラムが必要であろうといった指摘がなされるに至った。その具体的方法については、報告書「外国語教育の一環としての通訳養成のための教育内容方法の開発に関する総合的研究」に詳しい。通訳技術に関する基礎研究では、さまざまな側面が明らかになったが特に語学の上達には一般的な教養や知識が欠かせないということが計量的に明らかになった。すなわち、ある程度以上の語学能力の発達のためには教養の果たす役割が大きいといえる。理論構築に関しては、過去の業績を踏まえつついくつかの具体的手法が提案されるに至った。
著者
苅部 康子 若林 秀隆
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.1526-1530, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
20

【目的】ロイシン高配合必須アミノ酸(LEAA)混合物摂取が、介護老人保健施設入所の要介護高齢者の日常生活活動(ADL)改善に有効か検討する。【方法】65歳以上の要介護高齢者(n=30、84.9±5.6歳、男性n=8、女性n=22)を対象とした。研究デザインは前後比較試験。ロイシン高配合必須アミノ酸(必須アミノ酸3g、ロイシン1.2g、30kcal)を通常の食事に加え12週間摂取した。一次アウトカムをFunctional Independence Measure(以下、FIMと略)利得、二次アウトカムをMini Nutritional Assessment Short-Form(以下、MNA®-SFと略)変化量とした。解析方法は、t検定、Mann-Whitney U検定と12週間の変化量とした。【結果】FIM利得とFIMスコアの前後の変化は、FIM利得(4.2±5.8、P<0.01)、FIM運動項目(3.5±4.8、P<0.01)で、有意差を認めた。MNA®-SFの変化量(2.2±2.6、P<0.01)に有意差を認めた。Vitality Index(P<0.01)および左手の握力(P<0.01)に有意差を認めた。【結論】ロイシン高配合必須アミノ酸(LEAA)混合物は、要介護高齢者のADL改善と栄養改善に影響を与える可能性がある。
著者
市川 浩 梶 雅範 小林 俊哉 小林 俊哉
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

「科学アカデミー」の実践機関としての,現代にいたるまでの存続は,ロシア・ソヴィエト科学発展のもっとも特徴的な枠組みのひとつとなっている.本研究において,われわれは科学アカデミーを存続させた歴史的諸要因の解明につとめた.最近,さまざまな文書館で公開された,かつての機密資料の研究のおかげで,科学史の分野においても,伝統的なロシア/ソヴィエト社会にたいする伝統的な全体主義モデルはより多元主義的な見方に取って代わられつつある.3年間の活発な研究活動を通じてえられた研究成果は,さまざまな歴史的瞬間において権力に対抗してしめされた科学者のイニシァティヴや主体性を確認するものとなり,結果として,上述した,われわれが現在目撃しているロシア/ソヴィエト科学史研究における重要な変化を補強するものとなっている.

13 0 0 0 OA 北岸部隊

著者
林芙美子 著
出版者
中央公論社
巻号頁・発行日
1939
著者
小林 三智子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.221-227, 2010 (Released:2014-10-03)
参考文献数
26
被引用文献数
1

13 0 0 0 OA 冷蔵資料

著者
農林省水産局 編
出版者
農林省水産局
巻号頁・発行日
vol.第1輯 (冷蔵運搬船・貯氷庫・製氷冷蔵工場実例 其の1), 1927
著者
石橋 淳 木村 百合香 小林 一女
出版者
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.219-224, 2019-06-10 (Released:2019-06-25)
参考文献数
13

以前より喉頭の加齢による位置変化が嚥下に与える影響が指摘されている。今回,加齢による安静時の喉頭の位置変化を明らかにすることを目的とし頸部X線側面像を用いた検討を行った。【対象】男性258名,女性268名。【方法】第3頸椎前縁上端から第5頸椎前縁下縁を基準距離(a)として,第3頸椎前縁上端と同レベルの高さから,舌骨下縁までの距離(b),声門前連合までの距離(c),甲状軟骨下縁までの距離(d)を計測し各距離を基準距離で割り相対数値化し性別・年代別にグループ分けを行い各グループ間の数値をStudent-T検定を用いて検討した。【結果】男女間の検討では(c/a),(d/a)で男性が女性よりも有意に低位であった。男性・女性の年代間の比較では(b/a),(c/a),(d/a)のいずれも加齢により延長する傾向があった。男性の年代間の比較で40代と50代の間で,女性の年代間の比較では40代と60代の間で有意に喉頭が低位となった。【結語】喉頭低下は加齢とともに徐々に進行する。特に40代以降で急速に進行する。
著者
小坂 直輝 小林 哲則 林 良彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.3Rin477, 2020 (Released:2020-06-19)

近年,インターネット上で個人が小説を投稿できる,小説投稿サイトが多数開設され,数多くの作品が投稿されている.こうした作品はweb小説等と呼ばれ,これらの中には商業用に書籍化・映像化される作品も存在している.一方でこれらweb小説に関して,その作品数の多さから読者が好みの作品を探すのが難しいという問題や,人気の作品や最新の作品といった限られた少数の作品に大多数の読者が集中し隠れた良作が出来てしまうという問題がある.本研究の目的は,上記問題点を解決し,ユーザが作品を探すのを助ける推薦システムを実現することである.具体的には,作品の本文とジャンルやキーワードといった付属情報から,作品の類似度や質を推定することで,読者の評価情報が無い作品の推薦や,ユーザによる推薦基準の操作が可能な推薦システムを試作し評価を行った.結果として,作品の類似度や質を一定の精度で予測でき,試作したシステムが隠れた良作を発掘するのに有用であることが示唆された.
著者
小林 敬一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.401-414, 2020-12-30 (Released:2021-01-16)
参考文献数
57
被引用文献数
1 2

近年,教授による学習が効果的な理由を説明する様々な考えが提案されてきた。本論文では,その学習効果の背後にどのような心的過程が仮定されているかという観点から,それらの説明を次の5つの仮説に整理した。(a)知識構成仮説:教授・教授準備が知識構築や生成的処理を促進することで学習効果を生み出す。(b)動機づけ仮説:教師役を務めることが学習内容の知識構成的な処理を動機づける。(c)説明生成仮説:説明産出の行為やその準備が知識構成を促す。(d)メタ認知仮説:教授的説明の産出や生徒役との相互作用がメタ認知的モニタリングを介して知識構成を促進する。(e)検索練習仮説:説明産出に伴う検索練習が学習効果を生み出す。さらに,先行研究の知見を批判的に検討した結果,知識構成仮説とメタ認知仮説を肯定する証拠は多少揃っているが,残り3つの仮説については証拠がほとんどないか知見が分かれていることが示唆された。最後に,教授による学習研究の課題と展望を述べた。
著者
山崎 天 坂田 亘 川本 稔己 小林 滉河 Nguyen Tung 上村 卓史 中町 礼文 李 聖哲 佐藤 敏紀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 93回 (2021/11) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.113-118, 2021 (Released:2021-11-20)

本稿では、対話システムライブコンペティション4のオープントラックに提出した対話システムについて述べる。本システムはTransformerをベースとした言語モデルの「HyperCLOVA」を用い、ユーザの発話に応じて選択するFew-Shotプロンプトを利用して応答候補の生成を行う。プロンプトは4種類あり、一般的な応答生成、知識応答生成、ペルソナ一貫性を考慮した応答生成、短文抑制のための応答生成を目的としたものをそれぞれ用意し、組み合わせて利用する。後に、不適切な発話を除去するフィルタリングを行うことで、最終的な出力を得るシステムとなっている。予選の結果では1位を獲得し、大規模言語モデルが雑談応答生成に有効であることを示したが、攻撃的な応答生成をはじめとしたいくつかの課題が顕在化した。本稿では、大規模言語モデルを用いた雑談応用における現存の課題や今後の方向性を議論する。
著者
林 淳 岡田 正彦 梅田 千尋
出版者
愛知学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

近世には4回の改暦が幕府を中心におこなわれ、暦が全国に流通した。9世紀の改暦以来、長い空白があり、1685年貞享改暦をなされた。貞享改暦が企画された背景には、渋川春海の復古的な国家観があった。渋川によれば、神武天皇が古暦を作成したが、それが失われて、その後に中国暦が伝来した。中国暦をそのまま日本で使うことは、中国の文化的な属国になることを意味するという。貞享改暦以降、暦が全国統一されて、流通したことによって、暦の知識をふまえた暦占・易占が出版というかたちで民衆世界に広がった。また仏教天文学は、暦学の進展にともない近世後半に宗派をこえた思想運動になった。
著者
若林 秀隆
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.627-632, 2021-06-18 (Released:2021-08-16)
参考文献数
12

サルコペニア肥満とは,サルコペニアと肥満を合併した病態である.サルコペニア肥満に関する論文は多数あるが,現時点で統一した定義,診断基準,カットオフ値は存在しない.欧州と日本で現在,検討中である.回復期リハビリテーション病棟では,サルコペニアと体脂肪率で診断したサルコペニア肥満が,ADL自立度や自宅退院率と関連するため,その評価と対応が重要である.運動療法ではレジスタンストレーニングと持久性トレーニングが重要である.栄養療法では栄養のゴールを設定して,1日エネルギー必要量=1日エネルギー消費量-1日エネルギー蓄積量とした攻めの栄養療法が重要であり,ケアプロセスを活用すべきである.
著者
遠藤 秀紀 川嶋 舟 堤 たか雄 佐々木 基樹 山際 大志郎 林 良博
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.1087-1091, s・iii, 1999-10
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

350年以上生態学的に隔離された可能性をもつ,皇居産のアズマモグラ集団の形態学的,および分子遺伝学的特質を把握するため,頭骨の骨計測学的検討を進め,ミトコンドリアDNAのチトクロームbおよび12SrRNA遺伝子の塩基配列を明らかにし,他のアズマモグラ集団およびサドモグラと比較した.頭骨の形態において,皇居産は,ほかの関東地区集団と比較して,大きなサイズをもつことが明らかになった.主成分分析においては,皇居集団が,関東地方産アズマモグラの大型タイプとして,ひとつのクラスターをつくる可能性が示された.しかし,これはアズマモグラの種内変異以上の分離ではないことが推測された.一方,皇居集団は,東京都日野市集団との間に,チトクロームb遺伝子の塩基配列においては98.5%,12SrRNA遺伝子では98.7%という高いホモロジーを示した.
著者
伊藤 早苗 林 望 西村 慎太郎 浅田 徹 内田 保廣 田中 大士 谷川 惠一 井黒 佳穂子
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
国文研ニューズ = NIJL News (ISSN:18831931)
巻号頁・発行日
no.41, pp.1-16, 2015-10-16

●メッセージ「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」への期待●研究ノート仁和寺旧蔵古活字版『魁本大字諸儒箋解古文真宝(後集)』について近代茨城のジャーナリスト・長久保紅堂の「発見」――連携研究「大震災後における文書資料の保全と活用に関する研究」と茨城史料ネット――「国文学論文目録データベースの、あまりよく知られていないこと●トピックス第8回日本古典文学学術賞受賞者発表第8回日本古典文学学術賞選考講評文部科学省における当館大型プロジェクトの展示第39回国際日本文学研究集会日本学術会議と公開シンポジウムを共催第1回日本語の歴史的典籍国際研究集会「可能性としての日本古典籍」総合研究大学院大学日本文学研究専攻の近況