著者
小林 悟志 藤山 秋佐夫
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.324-333, 2006 (Released:2006-09-01)
参考文献数
9

正しい情報を提供し,正確な理解を求めることは科学コミュニケーションの基本であり,常に意識しておくべき重要な課題である。日本語バイオポータルサイトJabion(ジャビオン)は,一般社会と専門家との間にとどまらず,専門家同士の相互理解の架け橋となることも目指して構築運用しているWebサイトである。このサイトは,一般向けには専門用語の解説および科学ニュース等を分かりやすく説明したコラムや科学教育サイトに関する情報を提供するとともに,専門家向けには最新の研究情報,日本語での利用が可能な文献検索やゲノム情報等を提供している(http://www.bioportal.jp/)。
著者
林 祥介 高木 征弘 榎本 剛 はしもと じょーじ 杉本 憲彦 今村 剛 堀之内 武 三好 建正 石渡 正樹
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2019-06-26

世界初の本格金星気象撮像探査機「あかつき」の軌道投入以前、金星大気の観測は断片的であり、数値モデルには仮定が多く、スーパーローテーション(四日循環)の存在に象徴される金星大気の循環構造はほとんど未知であった。本研究では、我々が開発を進めてきた地球シミュレータ上の金星大気大循環モデル(AFES-Venus)を元に金星大気データ同化システム(ALEDAS-V)を構成し、「あかつき」観測と矛盾せず力学的に辻褄のあった金星大気循環場の生成を試みる。金星大気中の未知な擾乱を同定し、その分布と角運動量輸送、物質輸送と雲構造などを明らかにしスーパーローテーションにいたる金星大気大循環の構造を解明する。
著者
日高 照晃 石田 武 張 佑林 専徳 博文 笹原 政勝 谷岡 良弘
出版者
山口大学工学部
雑誌
山口大学工学部研究報告 (ISSN:03727661)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.p93-100, 1988-10

A strain wave gearing (commonly known as harmonic drive gearing) has been widely used as the reduction gear drive in industrial robots. Assembling an industrial robot system with an input motor, a strain wave gearing and an output arm, the amplitude of vibration in the robot system had been measured previously. Translating the robot system into an equivalent vibration model, the vibration occurred in the robot system was analyzed theoretically to compare the theoretical value with the experimental one and to determine the cause of the vibration with following result : The amplitude of the vibration occurred in the robot system was influenced by the variation of the spring stiffness and by the composite error in meshing, due to the machining and assembly errors of elements.
著者
本田 俊介 立花 孝 西川 仁史 峯 貴文 長井 大治 船曳 久由美 小林 佐智 野村 星一 中村 真理
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.31 Suppl. No.2 (第39回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A1025, 2004 (Released:2004-04-23)

【はじめに】 肩関節は人体最大の可動域を持つ多軸性関節であり、その動きを3次元的に捉えることは難しい。そして結帯動作について、指椎間距離という指標はあるが、その実測値は不明瞭であり、結帯動作として記述した報告が少ない。そこで今回下垂位から最大結帯位に至るまでの連続的動作の実測値を導き出し、肩甲骨の動き及び上腕骨の内旋や伸展の関連度合いを理解する事を目的として、Motion Captureを用いた3次元的動作分析を行った。【対象と方法】 健常成人男性10名(平均年齢27歳,平均身長171cm)の右肩関節を対象とした。体表指標点として、体幹に4点(第7頚椎,第7胸椎,胸骨頚切痕,剣状突起)、肩甲骨に5点(烏口突起,肩鎖関節,肩峰角,棘三角,下角)、上腕骨に3点(三角筋粗面,内・外上顆)と内・外側茎状突起に2点の計14点の反射マーカを貼付した。撮影は立位にてまず下垂位を撮影し、以降結帯動作をとってもらい、被検者の母指先端が尾骨、第5腰椎、第12胸椎、第7胸椎の位置に達した所で撮影した。その際皮膚上のマーカと実際の骨上とはずれが生じているため、各々の撮影場面でマーカを定位置に張り直した。なお、体幹側屈の代償を抑えるために反対側も同様の動きを行ってもらった。使用システムはQualisys社製ProReflex ,MCU-500で7台のCCDカメラを使用。サンプリングレートは60Hzである。そしてQToolsを用いてデータ解析を行った。【結果】 まず肩甲骨の動きについて、前傾は下方回旋と比べて序盤動きが大きいものの、最終的には16.9°で、下方回旋とほぼ同じ数値を示した。上腕骨の動きについて、まず内旋は0°から41.4°と初期に大きな動きを行う特徴を示し、最終的に47°で、肩甲骨の動きに対して1対2.8という比率を示した。伸展は下垂位-3.1°から最終的に26.7°まで変化した。外転は、最後の第12胸椎から第7胸椎の相では変化が少ないという特徴を示した。【考察】 肩甲上腕関節の運動について、まず内旋に着目すると母指先端が尾骨から第7胸椎に到達するまでに6.6°しか内旋しておらず、下垂位から母指先端が尾骨に到達するまでにほぼ最大に近い内旋を行っている事がわかった。次に外転と伸展について、この2つの運動は、臼蓋に接触した小結節を徐々に前方から下縁に向かって移動させている事に貢献しているものと思われる。また、第12胸椎から第7胸椎の相で内旋と外転は殆ど変化が無い事から、肩甲上腕関節運動の限界が示唆され、第12胸椎以降は肩甲骨運動によって行われていると思われる。肩甲骨の前傾と下方回旋については、臼蓋の関節面を前下方へ向けるためのもので、小結節の移動を行いやすくさせると同時に、見かけ上の上腕骨の内旋及び伸展を補強していると考える。
著者
菅原 拓也 荒井 浩一 倉本 敬二 東海林 徹 浅倉 聖岳 白石 正
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.678-686, 2016-10-10 (Released:2017-10-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1

We previously reported that insoluble particulate matter formed during the mixing of injectable drugs. We considered that the contamination derived from the disposable injection syringe used for the mixture as one of the causes. Therefore, in the present study, we evaluated the amount of insoluble particulate matter caused by using a 50-mL syringe of each manufacturer, using syringes of various capacities and number of piston times (suction and expulsion) of the syringe. Furthermore, we were able to identify the components of the insoluble particulate matter that formed. As a result, we found that a lot of insoluble particulate matter was expelled from the 50-mL syringes of each manufacturer that increased with the capacity of the syringe and the number of piston times. In addition, we found that the insoluble particulate matter was from the silicone oil coating on the inner surfaces of the syringes.
著者
松原 聖人 林 耕平 光本 大記 濱田 康弘 小野 順貴 嵯峨山 茂樹
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.535-536, 2016-03-10

入力音声をケプストラム分析し、それによって取得した情報を基本周波数に関して操作したあと、パワースペクトルを経由して位相復元を用いて音声波形に戻すことによって、ピッチ変更などの変化を入力音声に与える。ケプストラムドメインで音声を加工することと、それを位相復元で音声波形領域に戻して可聴とすることの組み合わせによる音声加工法の提案である。
著者
梅林 大督 原 政人 橋本 直哉
出版者
三輪書店
雑誌
脊椎脊髄ジャーナル (ISSN:09144412)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.985-991, 2018-11-25

はじめに Augmented reality(AR)とは,現実環境において視覚・聴覚などの知覚に与えられる情報をコンピュータ処理により追加,削減,変化させる技術である5,11).コンピュータ上で作成した仮想画像,映像,音声などを現実世界に反映する技術を示す.すでにわれわれの生活に広く浸透しており,スマートフォンやカーナビゲーションなどに用いられている.カーナビゲーションの実際を図示する(図1).カーナビゲーションは古典的には紙媒体の地図を読むことからはじまる.その後,ディスプレイの地図上に矢印を走らせることで経路を確認するナビゲーションが一般化された.これに対してARカーナビゲーションでは,ディスプレイの代わりにフロントガラスなどへ映像を投影して現実空間と融合させる手法が利用される.位置情報に付帯する情報を,ナビゲーションシステムを用いてフロントガラスに投影して現実視野と融合させたもの,これがARカーナビゲーションである.このナビゲーションシステムは自動車だけでなく,手術におけるナビゲーションにも有用であり応用されてきた.本稿では,AR技術の脊椎手術への応用の実際について紹介する.
著者
小林 哲郎 稲増 一憲
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.85-100, 2011

社会心理学およびコミュニケーション研究の観点からメディア効果論の動向について論じる。前半は,マスメディアの変容とその効果について論じる。特に,娯楽的要素の強いソフトニュースの台頭とケーブルテレビの普及がもたらしたニュースの多様化・多チャンネル化について近年の研究を紹介する。また,メディア効果論において重要な論点となるニュース接触における認知過程について,フレーミングや議題設定効果,プライミングといった主要な概念に関する研究が統合されつつある動向について紹介する。後半では,ネットが変えつつあるメディア環境の特性に注目し,従来型のメディア効果論の理論やモデルが有効性を失いつつある可能性について指摘する。さらに,携帯電話やソーシャルメディアの普及に関する研究についても概観し,最後にメディア効果論の方法論的発展の可能性について簡単に述べる。
著者
小林 則雄 土井 進
出版者
信州大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践研究 (ISSN:13458868)
巻号頁・発行日
no.9, pp.101-110, 2008-12

入学問もない1年生に毎日宿題を課した.宿題は, A4片面1枚としその裏面に音読用の詩を載せた.現代詩から『論語』,『平家物語』, 『百人一首』, 『実語教』, 『尊徳語録』など幅広いジャンルからの詩を提供した.詩を暗記できたら「音読認定証j にシールを貼り, 5作品を暗記するごとに音読認定証3級から順次等級の認定を行った.保護者の理解と援助も得られ,保護者から子どもに称賛が与えられ,また保護者と子どもの関係がより密接になった.それにより子どもたちが安定した学校生活を送れるようになった.低学年でも古典に親しむことができることが分かった.音読は声に出して読むことにより,本人および周囲の者との良好な関係を構築する力があることが分かった.新しい学校で3年生を担任することになった.これまでの経験を生かし音読の宿題を課しているが,子どもたちにも好評であり学級も落ち着いている.
著者
葛西 恭一 石田 恵梨 小林 由佳 曽我 幸一 金光 大石 坂本 京子 竹中 信也 柳田 國雄 伊谷 賢次
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.257-261, 2013 (Released:2013-05-21)
参考文献数
12

症例1は75歳男性.心房細動にてダビガトラン220mg/日服用開始したところ,5日後より食道閉塞感,ゲップを自覚.上部消化管内視鏡検査にて中部食道に白色の膜様付着物を伴った潰瘍性病変を認めた.ダビガトランを継続しながらプロトンポンプ阻害剤(以下PPI)を服用したところ潰瘍は治癒した.症例2は68歳,女性.発作性心房細動に対しダビガトラン300mg/日服用開始77日後より胸焼けを自覚.上部消化管内視鏡検査にて中部食道に白色の膜様付着物を伴った潰瘍性病変を認めた.ダビガトランを中止しPPI投与したところ潰瘍は治癒した.ダビガトランは循環器領域で使用頻度が高まると予想される薬剤であり,薬剤性食道潰瘍の原因となり得ることを念頭に置く必要がある.
著者
朴 柄宣 居林 香奈枝 松下 光範
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究では,キャラクタの性格に基づいたコミック検索支援システムの実現の端緒として,エゴグラムを用いたキャラクタ性格分類を試みる.現状のコミック検索システムでは,コミックの内容情報に基づいた検索が困難である.そこで,Web 上のリソースから抽出したデータを用いて,エゴグラムに基づくキャラクタの性格分析手法をについて提案する.提案手法では,性格を表す語にエゴグラムの自我状態を基底とするベクトルを付与し,そのベクトルの値によって,キャラクタの性格を分類する.実験により,本手法のキャラクタ分類精度は 55.0% を示した.
著者
林 四郎
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
1980

identifier:http://hdl.handle.net/2241/4602
著者
石井 克枝 大林 景子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.329-332, 2012-03

家庭科食教育教材を視野に入れ,手打ちうどん作りの捏ね回数や小麦粉の種類に注目し調理技術とおいしさの関係について以下のことを明らかにした。捏ね回数200回,400回,800回のうどんを官能検査により評価した結果,800回捏ねたうどんが最もおいしいことが認められた。捏ね時間は大学生で経験者が8分であったのに対し大学生,中学生の初心者が13~15分とほぼ同じで,小学生の初心者が16~17分と経験者に比べ約2倍であった。粉の種類は中力粉が適しているが,小学生で捏ねる力が弱い場合は強力粉:薄力粉が1:2の混合粉が捏ねやすく,中力粉に比べ大きな差はなくおいしいうどんができることがわかった。