著者
林 紀幸 東 照久 吉田 裕二 岡山 房雄
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.315-323, 1986-10

M-3S型ロケットは1号機から4号機まで順次, MS-T 4たんせい4号, ASTRO-Aひのとり, ASTRO-Bてんま, そしてEXOS-Cおおぞらをそれぞれの目標軌道に投入したミュー型第4世代のロケットであるが, これらの尾翼および尾翼筒はミューロケットシリーズでは14号機から17号機にあたる。各号機共設計, 製造から打上げに結び付く各オペレーション作業までを行なってきているが, ここではM-3S-1号機から同4号機までの尾翼および尾翼筒について全般の報告をのべる。
著者
小林 聡 宮川 眞一 清水 明
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

癌細胞に特異的に結合するペプチドが同定できれば、そのペプチドで抗癌剤を修飾し、癌組織により高濃度に、また非癌部組織により低濃度に抗癌剤を分布させ、効果を高めつつ副作用の低減を図ることが可能となる。当研究では、ファージライブラリーを用いたバイオパンニング法という方法で、肝細胞癌に特異的に結合するペプチドを同定した。同ペプチドを提示したファージ、ならびにビオチン修飾した同合成ペプチドを用いて、各種悪性腫瘍由来細胞株ならびに肝細胞癌手術切除標本において、その肝細胞癌結合性を確認した。
著者
林 徳治 黒川 マキ 井上 史子
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.133-140, 2003-08-31

本稿は、パキスタン国立アラマイクバル公開大学(Allama Iqbal Open University, Islamabad : 以下 【AIOU】と略す)における遠隔教育のためのマルチメディア教材開発プロジェクトの活動報告について論述した。筆者のうち林は、国際協力事業団(Japan International Cooperation Agency : JICA)の短期派遣専門家として2003年3月18日~同年5月3日の間、AIOUにおけるマルチメディア教材開発の現状調査および任地のカウンターパートであるサイエンス学部長の協力によりスタッフを対象としたマルチメディア教材開発能力の向上を目的としたSD(staff development)支援を実施した。黒川、井上は、SD研修のための教材作成補助として協力した。 任地でのインタビュー調査の結果、マルチメディア教材開発における大学スタッフの習熟度は、デザイン、 素材編集(動画、ナレーション、静止画、コースウェア)、技術(知識・スキル)の面で概ね良好であった。しかし、遠隔によるCD教材利用の学習と対面授業による学習との教育効果の比較調査、マルチメディアCD教材利用に対する学習者の意欲などを情意関心面を調査する内容・方法などが確立されていなかった。そこで筆者(林)は、マルチメディア教材の開発過程において設計・実施・評価および改善の標準モデルを考察した。特に不十分であった評価の点を重視し、SD用教材や資料を用いて研修を実施した。 なお本件に関しては、日本教育情報学会第19回年会(2003,8)にて発表した。
著者
植田 宏文 藤原 秀夫 丸茂 俊彦 五百旗頭 真吾 林田 秀樹
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、資産の証券化を通じた市場型間接金融の拡大等に代表される金融システムの変革が、どのような経路を通じて経済の成長に資するのか、さらにその問題点は何かについて理論・実証的に明らかにすることを目的として分析を継続してきた。これらの分析は、現在における経済諸問題の背景を明確化させ、混迷を深める今日において将来のあるべき方向性を示す上でたいへん意義があるものと言える。
著者
大森 修一 奈良林 直 森 治嗣 渡邉 史紀
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.75, no.751, pp.403-405, 2009-03-25

A Steam Injector (SI) is a simple, compact and passive pump. We are developing this innovative concept by applying the SI system for core injection system in emergency core cooling systems (ECCS) to further improve the safety of nuclear power plants. Passive ECCS in nuclear power plants would be inherently very safe and would prevent severe accidents by keeping the core covered with water (Severe accident-free concept). The passive core injection system (PCIS) driven by high-efficiency SI is a system that, in an accident such as a LOCA, attains a higher discharge pressure than the supply steam pressure used to inject water into the reactor by operating the SI. This report describes the experiments and the analytical simulation on a SI-driven PCIS for innovative-simplified nuclear power plant. In addition, we conducted the analytical simulations of SI, which grew in size for the actual nuclear power plant.
著者
木村 暢之 小林 順 上出 英樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2009, no.3, pp.163-164, 2009-09-12

Hot and cold fluids are mixed at the core outlet of sodium cooled fast reactors. The temperature fluctuation causes high cycle thermal fatigue in structural components. The temperature fluctuation at the core outlet region has not a sinusoidal waveform but an irregular spike waveform. In the study, the evaluation method for the high cycle thermal fatigue was investigated against the spike waveform of temperature fluctuation. It was found that the combinational method between the peak-to-peak value of temperature fluctuation and the frequency response function of structure could evaluate the fatigue damage in structure.
著者
大場 正昭 伊藤 一秀 小林 信行 倉渕 隆 菊池 世欧啓 菊地 世欧啓
出版者
東京工芸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、様々な風向時における建物内外の乱流構造について風洞実験と数値シミュレーションにより検討し、局所相似モデルを提案し検証するとともに、開口部到達全圧の推定方法を提案した。得られた知見は次のとおりである。(1)アプローチフローが建物開口部に正対する条件では、建物前面下部に形成される循環流と開口部直上面を下降する気流との相互作用により、下向きの運動量輸送が開口部直前で増大し、流入気流が開口部を急激に下降しながら室内に流入した。開口部の圧力損失係数は流入角と風向角に依存した。(2)建物内外の乱流構造の把握を自的とした風向正面の場合の通風気流に関する乱流モデルの予測精度検証を行った。LKモデル,LK改モデルは、標準k-εモデルでは困難である建物前面下部の大きな循環と流入気流の下降をある程度再現し,流入乱流エネルギーの過大評価を緩和できた。LESモデルは通風量,風速ベクトル,乱流エネルギー,風圧係数等の統計量に関して風洞実験結果とよく対応し,k-εモデルに対し大きな改善が見られた。(3)開口部の流管形状解析から、開口部付近の短い区間での加減速の影響により,この区間の流管形状に大きな変化が生じていることが明らかになった。(4)様々な風向における通風時の乱流構造の把握において,風向角変化に伴う圧力変化について考察し,風向45゜まで全圧が概ね一定,以後低下する原因は風上コーナーでの気流の剥離に伴う乱流エネルギー生産でことが判った。(5)通風の局所相似性の仮定に基づく通風量予測モデルを提案し,妨害気流の横風成分が強い通風気流に対して.局所相似モデルは風向角に依らず一意的に開口部の流入特性を表現できることを示した。(6)壁面近傍の動圧測定値を風圧に加算して、開口部到達全圧を簡便に推定する方法を提案した。今回のケースでは開口部長辺の1/4程度壁面から離れた地点の動圧を用いることが適当であり,全圧の簡易測定結果は直接測定結果とよく対応した。
著者
小林 章夫 永富 友海 高橋 和久 高岸 冬詩
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

当研究の主たる目的は、文学と教育を関係づけ、文学教育の新しい可能性を探ることである。そのために次の2点の企画をおこなうことにカを注いだ。1.代表者の小林章夫がコーディネーターとなり、上智大学で翻訳の輪講授業を導入した。この授業では、プロの翻訳家の方々に順次講義をお願いし、現在、上智大学においてもっとも人気の高い授業のひとつとなっている。2.現在活躍中の若手作家を少人数のゼミにお招きし、読書をめぐる討論会をおこなった。うち2回についてはあらかじめテクストを決定し、それについての読書アンケートを作成、学生に回答させておいた。討論会の講師としてお招きした作家と議論の対象にした作品は以下のとおりである。 (1)2005年度恩田陸氏『夜のピクニック』 (2)2006年度宮部みゆき氏 (3)2007年度万城目学氏『鹿男あをによし』どの講演会も、学生からの活発な質問と、作家の方々の気さくな受け答えにより、盛況のうちに終わり、読書体験の少ない学生たちの、文学作品への関心を高めるという目的を、十二分に達成することができた。
著者
池田 浩敬 中林 一樹
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
no.1, pp.125-130, 1999-11
参考文献数
6
被引用文献数
3

The purpose of this study is the production of a knowledge for preparedness of recovery and reconstruction measures. In this case study of the 1995 Great Hanshin-Awaji Earthquake, we estimated the degree of social/economic damage such as the decrease of population, amount of sales, number of shops and factories, manufacturing products and so on after the earthquake by 18 municipal regions that were damaged severely. Additionally we analysed the relationship between those damages and characteristics of local economy and society. As a result, the degree of population decrease is related closely to houses damage ratio, owner-occupied house ratio and low-income ratio. The damage of manufacturing is also related to damage ratio of buildings, but not to productivity. The damage of retail is related to the decrease of population as regional consumers.
著者
渡辺 浩一 岡崎 敦 高橋 実 大友 一雄 臼井 佐知子 蔵持 重裕 林 佳世子 三浦 徹 丑木 幸男 須川 英徳
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

平成16年度は、11月に二日間にわたり、韓国国史編纂委員会の協力を得て、同委員会にて「近世東アジアにおける組織と文書」という国際研究会を開催した。日本側報告4本・韓国側報告4本・中国の報告1本を中央政府・地方行政組織・村落と家・商人の4つのセッションに編成した。参加者は約30名。平成17年度は、8月に二日間にわたり、復旦大学歴史地理研究所の協力を得て、上海において「東アジアにおける文書資料と家族・商業および社会」という国際研究会を開催した。日本側報告4本・中国側報告5本が行われたほか、韓国・トルコからのコメントも寄せられた。参加者は約30名。平成18年度は、9月に一日間で、アンカラ大学歴史地理言語学部の協力を得て、同大学において「オスマン朝と中近世日本における国家文書と社会動態」という国際研究会を開催した。日本側報告2本・トルコ側報告3本のほか、中国・韓国からのコメントも寄せられた。参加者は38名。平成19年度は、まず6月に、フランス国立古文書学校の協力のもとフランス国立文書館(パリ)において「アーカイヴズ、社会、権力(中世・近世の西欧と東アジア)文書管理働くさまざまな力」という国際研究会を行った。日本側報告4本・欧州側報告3本のほか世界各地からの多彩な比較コメント20本を、国家・都市・商人の3つのセッションと総合討論に配した。参加者は約40名。ついで、12月には本研究の総括として、立教大学において「近世アーカイブズの多国間比較」という国際シンポジウムを二日間にわたり開催した。日本側報告2本のほか、トルコ・西欧・中国・韓国から報告者を招聘し、「統治と社会」「実践」の二つのセッションに編成した。参加者は約100名。各研究会・シンポジウムの前後には国際共同史料調査を実施した。
著者
高島 正典 林 春男
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
no.2, pp.69-78, 2000-11
参考文献数
10
被引用文献数
1

In this paper, the validity of the method,to estimate damaged area using DMSP/OLS (Defense Meteorological Satellite Program/ Optical Linescan System)night-time imagery developed by our research group(Hayashi et al, 2000). OLS mounted on the DMSP satellites captures city lights distribution reflecting extent of human activity. The area shows significant decrease of light intensity after the earthquake compared with before the event is estimated as impacted area in the DMSP method. We compared the actual damage with estimated damaged area of Marmara earthquake in Turkey (1999) and of Hanshin-Awaji earthquake (1995) based on the DMSP method. As a result, it is clarified the DMSP method can detect various kinds of damages rather than only severe housing damages.
著者
竹林 英樹
出版者
神戸大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

神戸市灘区の六甲山南麓市街地において実施した観測結果を基に,広域海陸風と冷気流の出現頻度の関係,及び,市街地における冷気流の影響距離に関する検討を行った.広域海陸風が弱い条件に限り,山際から1km程度までの市街地において冷気流による気温低下効果が期待できる.しかし,山から離れるとその可能性は低くなり,広域の風が強くなると冷気流は吹き消され,市街地での気温低下効果は期待できなくなる.谷の中での測定とモデル計算により,冷気の集積,流出の過程について検討を行った.谷の中の気温を比較すると,広域海陸風の弱い場合には,堰堤で最も低く,中間,上流の順になっており,冷気集積効果を反映していた.浅水方程式モデルにより,広域海陸風が弱い条件での冷気の集積,流出過程について検討を行った結果,地形により冷気が谷筋に集積され,重力に従って標高の低い方へ流出する様子が再現された.浅水方程式モデルを用いて,広域海陸風が弱い場合の神戸市全域における六甲山の谷等から流出してくる冷気流の分布(谷による集積)が求められた.樹林内における冷気生成メカニズムを知るため,実測調査と数値計算により気温鉛直分布の形成機構について検討を行った.晴天夜間は気温低下が大きく,上下気温差の変動も大きい.曇天夜間は日没後の冷気の集積と思われる一時的な気温低下が見られるが,その後の気温低下は小さい.数値計算でも実測結果と同様の現象を再現することができた.観測結果を基に,冷気流の市街地冷却効果としての活用可能性について考察を行った.斜面地に位置する市街地における熱環境の特性に基づいて議論されたワークショップの結果を基に,冷気流を積極的に活用する方法が提案された.今後の課題としては,計画指針図において緑化推奨ゾーンとして指定された場所で,屋上緑化などにより確保された緑被がどの程度の冷気源となり得るか,その下流域で立替協調によるスリット構造化ゾーンに指定された場所でどの程度効率よく冷気流を活用することが可能かという点について研究を進め,積極的な冷気流の活用に向けた検討を行っていく必要があると考えている.
著者
田中 実 小林 悟
出版者
基礎生物学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010-04-01

身体が作られる過程において、雌雄の決定(性決定)はまず体細胞で行われる。この影響を受けて生殖細胞は卵になるか精子になる(生殖細胞の性決定)が、生殖細胞内でどのようなメカニズムによって性が決まるかは不明であった。本研究の結果、遺伝的制御の基盤が明らかとなり、身体の性決定前から生殖細胞にはY染色体依存的な性差があることが明らかとなった。さらに最終的に卵か精子になるスイッチ遺伝子の同定に成功し、スイッチを切り替えると、卵巣内で機能的な精子が作られる。また適切な性分化のためには、内分泌制御によってゲノムワイドにエピゲノム状態が影響されることが必要で、その制御が乱れると性転換が生じるとの知見が得られた。
著者
西村 光博 林 恵介
出版者
九州大学農学部附属農場
雑誌
九州大学農学部農場研究報告 (ISSN:13465643)
巻号頁・発行日
no.11, pp.1-5, 2003-03

本報告では環境保全型農業経営を視野に入れ,荒廃した草地を簡易に植生回復する追播技術の確立を図ることを目的として,追播時の覆土が雑草,特にエゾノギシギシ(Rumex obtusifolis L .)の発芽および茎数に及ぼす影響について検討を行った 追播時の雑草発芽に対する生態的抑制を図るため,既報(西村,2001)を基に,草地用条播機による追播を想定した覆土が雑草,特にエゾノギシギシの発芽に及ぼす影響について試験を行った。その結果,追播後における,越冬前12月3日,越冬後3月23日および翌春4月26日各々の発芽・個体数(本/m^2)は,覆土区の場合,それぞれ4,6,10本であり,無覆土区については,12,22,26本となり,それぞれの時期における発芽・個体数については,覆土区のものは無覆土区の33%から40%と有意に低い値(p<0.05)を示した.また,オオイヌノフグリ(Veronica persica)およびハコベ(Stellaria medica)の発芽・茎数(本/m^2)についても,覆土区は無覆土区よりそれぞれ低い値を示す傾向があることが認められた. 本研究の結果,草地用条播機による追播の際生じる雑草の発芽抑制策として覆土を用いることは地表面や土壌中に拡散した好光発芽性の雑草,特に強害雑草であるエゾノギシギシの発芽抑制に対して有効であることが示唆された.This study was designed to examine the germination of weeds, especially Broad Leaf Dock (Ro) in a seed-bed covered with the soil (commercial clay). The objective was to examine a natural control mechanism for the control of geminating Ro on a directly drilled pasture sward with the intent of recovering degrading grassland. In this experiment, the number of germinating Ro plants was measured for 6 months (wintering before: December 3, wintering after: March 23, spring: April 26) after sowing in a seed-bed covered or not covered with commercial clay. The number of stem/m^2 for each time period showed 4,6,10 individually in the case of the covered soil, and in the case of the non-covered seed-bed showed 12,22,26 for each respective time period. The number of stems at each time period of the covered soil showed a 33%, 27% and 38% (p<0.05) lower germination than that of the non-covered seed-bed. As regards Veronica persica and Stellaria medica, these number of stems at each time period of the covered soil showed a tendency to be lower germination than that of the non-covered seed-bed. Result from this study suggested that covering the seed-bed with clay soil controlled the germination of Ro as a weed by intercepting light reaching Ro seeds that are light germinators. The present method would be effective in improving direct drilling technology in terms of weed control and recovery of the vegetation in the degrading grass-land.