著者
森山 三千江 大羽 和子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.38, 2004 (Released:2005-04-02)

目的 スプラウトは年中安定して入手できる野菜でビタミンやミネラル、食物繊維の良い供給源である。ブロッコリーなど新種のスプラウト中のビタミンC(VC)量およびラジカル捕捉活性が従来のスプラウトより高いことをすでに報告した。ポリフェノール含量などの機能性成分量を測定するとともに、近年、リスクファクターとして注目される硝酸量も測定して、様々な角度から、スプラウト類が健康増進によいかどうかを検討することを目的とした。方法 市販および生産農園から直送されたスプラウトを用い、細かく刻んでメタリン酸やリン酸バッファーとともに完全に磨砕し、冷却遠心分離後、上清を試料液とした。試料液を希釈、フィルター濾過した後、イオン交換カラムを用いHPLCで分離し、ビタミンCや硝酸イオンを検出し、検量線より含量を測定した。結果および考察 貝割れ大根のVC量が緑豆もやしの約5倍であったのに対し、硝酸量は緑豆もやしの約60倍と著しく高い値であった。クレソンやレッドキャベツの硝酸量は貝割れ大根の含有量より多く、そばスプラウトの硝酸量の2倍以上であった。豆苗ではVC量が他の新種のスプラウトと同様に高かったが、硝酸量は著しく低かった。VC量では殆ど差は見られなかったブロッコリースプラウト類のうちスーパースプラウトの硝酸量が多かった。また、生産農園によってスプラウトの硝酸量が異なったので、栽培する際の肥料の違いにより硝酸量に影響があると考えられた。ブロッコリースプラウトは抗癌作用も報告されており、VC量、ラジカル捕捉活性も新種のスプラウトの方が従来のスプラウトより高いことから、施肥方法によって硝酸量を低く押さえると、健康増進に良い食品となることが示唆された。
著者
渡邉 誠 金村 尚彦 今北 英高 森山 英樹
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.675-678, 2005-07-10

はじめに 末梢神経障害に対するリハビリテーションは,末梢神経損傷後の再生時にmisdirectionの問題が存在するために,知覚再教育としての知覚のリハビリテーションが必要となる. 末梢神経損傷後の知覚再教育は30 cpsと256 cps音叉の振動刺激および動的触覚のある部分が手掌まで回復してきた段階で開始するのが一般的である.Dellon1)は,末梢神経損傷後の知覚回復に関して,痛覚,動的触覚,静的触覚,振動覚の順に回復が認められたと報告している.この初期の回復段階,30 cpsや動的触覚は,皮膚機械受容器の一つであるマイスナー小体によるものとされる.マイスナー小体が初期に回復する理由として,複数の神経線維により神経支配されるため,神経再支配が起こりやすいと考えられている.機械受容器に関しては,立川ら2)は,日本ザルの前肢を用いた両側固有指神経切除後のマイスナー小体の形態的変化について,Navarroら3)は,坐骨神経の挫滅または切断後1~7週でのマウスfoot padへの感覚と神経再生の時間的順序を報告している.知覚障害に対するリハビリテーションの観点から,末梢神経と機械受容器の変性および再生過程の解明が進みつつある. 本研究の目的は,機械受容器の一つであるマイスナー小体に焦点を当て,ラット前肢の神経切断直後からのマイスナー小体の変性過程を形態および組織学的に検討することにある.とくに,このマイスナー小体の層板細胞より産生される非特異的コリンエステラーゼの分布域を調べることで,神経切断によるマイスナー小体の酵素活性領域の経時的変化を検討した.
著者
原田 晋 森山 達哉 谷口 雅輝 森岡 芳雄
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1283-1288, 2017-07-01

64歳,女性。健康食品として春ウコン粉末を初めて服用した直後よりアナフィラキシー症状が出現。プリックテストで秋ウコンのターメリックは陰性であったが,春ウコンが陽性であったことより,春ウコンアレルギーと診断した。ウコンアレルギーの既報告は接触皮膚炎や多発性固定薬疹など遅延型アレルギーの機序に基づく症例が大部分で,即時型アレルギーの既報告は接触蕁麻疹症例のみであり,自験例はウコン摂取によりアナフィラキシーをきたした世界初の報告と考えた。また,既報告では同定し得た症例のほぼ全例で,秋ウコン中の主成分であるクルクミンが原因抗原であったが,自験例ではクルクミン以外の抗原が原因抗原である可能性が考えられた。
著者
伊藤 俊一 久保田 健太 隈元 庸夫 森山 秀樹
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.45-51, 2009
被引用文献数
2

慢性腰痛に対する筋ストレッチングとセルフエクササイズの効果に関して検討した.<br> 研究デザインは無作為化対照試験とし,外来受診からの治療期間を最大3カ月間として,コントロール群と,SLRと体幹筋強化を行ったエクササイズ1(E1)群,SLRと体幹筋強化とさらに腰背部ストレッチング加えたエクササイズ2(E2)群として,3カ月後,6カ月各群の痛みと身体機能変化と健康関連QOLをご検討した.<br> 結果,E2群では痛みおよび身体機能は3カ月以内の改善を認め,E1群も6カ月では同様の結果を示した.痛みの軽減と最も関連が高かった項目は,体幹の柔軟性と伸展筋力であった.<br> 以上の結果,慢性腰痛にけるセルフエクササイズによる体幹伸展筋力強化と柔軟性の改善を優先しての外来でのフォローアップは,疼痛および身体機能改善と患者満足度の改善により効果的と考えられた.
著者
齊藤 昌子 中村 弥生 森山 厳與 河本 康太郎
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.98, no.11, pp.585-592, 2014-11-01 (Released:2015-02-02)
参考文献数
9
被引用文献数
1

To evaluate the performance of white LEDs as museum lighting, the authors have conducted research and reported on the effect of illuminance level and color temperature on textiles dyed with natural dyes. In this research, four additional white LEDs with various correlated color temperatures and different material constructions and three types of conventional fluorescent lamp were tested yellow textiles that were sensitive to light and ranked in the highly responsive category of the CIE Technical Report (CIE-157-2004) for blue and red dyes. The color degradation degree caused by white LEDs was almost larger than that caused by conventional NU fluorescent lamp. Among the white LEDs, the degradation degree was LED/D (7483K) > LED/UV+RGB (5265K) > LED/B+YAG (5098K) > LED/L (3633K). For the same illuminance level when the content of the 400-500 nm radiation became larger, the degradation degree became larger. When the correlated color temperature was the same, the degradation degree was larger with LED/UV+RGB than with LED/B+YAG. The acceleration degree of degradation differed depending on the LED construction (combination of LED chip and fluorescent material) . From these results, it can be determined that for introducing white LEDs to museum lighting, not only the annual maximum exposure but also the material construction (combination of LED chip and phosphor) should be considered.
著者
西堀 すき江 小出 あつみ 山内 知子 間宮 貴代子 松本 貴志子 森山 三千江 山本 淳子 近藤 みゆき 石井 貴子 小濱 絵美 加藤 治美 伊藤 正江 筒井 和美 野田 雅子 亥子 紗世 菱田 朋香 熊谷 千佳
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】愛知県は尾張地方と三河地方に分かれる。また、名古屋は江戸時代より経済活動が盛んで、昭和の初期には既に人口100万人を擁した大都市で、商業や工業が発展していた。周辺の農村地帯は、豊かな生産性の高い土地で、農村特有の食文化を形成していた。一方、海岸地区では海辺に自生する植物で、奥三河の山里では木の葉でもちを包んだりし、身近な自然からの恵を利用した食文化を形成していた。<br />【方法】愛知県を①名古屋市,②尾張水郷(海部),③尾張稲沢(尾張北部),④愛知海岸(知多,西三河・東三河の海岸,渥美),⑤西三河・安城,⑥東三河・豊橋,⑦愛知山間・奥三河の7地区に分け,聞き書き調査,並びに料理の撮影を行った。聞き書き調査は,平成24・25年,撮影は平成27年に行った。聞き書きは,各地区に長年暮らし,その地域の家庭料理を伝承されている方を調査対象者とした。撮影に当たっての料理作成は,聞き書き対象者が高齢であるため,各地区の伝統的家庭料理の保存活動を行っている団体・個人などに作成依頼を行った。先の調査を収録した『日本の食生活全集(23) 聞き書 愛知食事』を参考にした。<br />【結果】茶の湯の盛んな名古屋地区は、有名な和菓子屋が数軒有り、来客時のお茶菓子や、通常のおやつは店で購入することが多かった。名古屋の和菓子として名高いういろうも購入していた。農村地帯では、稲作や年中行事に関わるおやつが多かった。奥三河地区では、貴重な米を使った五平もちはご馳走であった。また、雪深く、正月は花が咲かないことから作るもち花や、身近なほう葉を使ったほう葉もちと山間部の特徴が見られた。また、米が貴重で、もちを搗く時は、普段は必ず大豆、きび、あわ、よもぎなどを混ぜて搗いた。
著者
原田 晋 森山 達哉 田中 昭
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.708-713, 2011-06-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
14

症例1,28歳女性.液状のローヤルゼリーを初めて一口試食した直後より,頸部の紅潮・気分不良・腹痛・下痢が出現.症例2,21歳女性.ローヤルゼリーグミを初めて食べた数時間後より鼻閉・両側眼周囲の腫脹が,さらに10日後に同じグミを摂取した4時間後より鼻閉・呼吸困難・全身の紅潮〜膨疹が出現.プリックテストで両者共にローヤルゼリー自体で陽性であったため,ローヤルゼリーアレルギーと診断した.初回摂取時に発症した理由としては,過去に知らず知らずの間にローヤルゼリーに対して既感作であったとの機序を考えたが,症例2ではヨモギの特異的IgEおよびプリックテストが共に陽性であり,ヨモギアレルギーとの交叉反応によって発症した可能性も疑われた.ローヤルゼリーは本来クラス1アレルゲンと考えられているが,過去にも初回摂取後の発症の報告例が多く認められており,花粉類などとの交叉反応により発症に至るクラス2アレルギーの可能性も考慮した上で検索を行う必要があると考えた.
著者
鈴木 康之 森山 聡之 杉本 等
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

1)「携帯端末の高度情報取得」を司るシステムの検討:高度測定の要素技術としてRTK測位に着目し、この手法を援用しシステム化を行い評価することを目指している。具体的には、申請者の所属する機関に過年度設置され観測データが無償公開されたRTK基準局との間で、当該サーバに新たに本研究の経費で電波の送信設備を設け(管理者から内諾取得済み)無線通信を行いながら補正情報をスマホに取り組む方法の、高効率化を含む必要な計測を行う。対象地域が広範なため、加えて小セル方式のWiFiは実用性に乏しいため、WiFi以外に電波法上取り扱いの支障が少ない「デジタル簡易無線(H30年度までに措置済み、フィージビリティの確認済み)」「LoRaWAN等のデジタル系特定小電力無線(H31措置予定)」を利用し、どちらの方式が優位か比較検討する。2)端末とサーバ間インターフェースを司る基本構成の検討:端末の取得データを各種データベースと紐づくサーバに集積するソフトを設計し実装する、現在骨格部分の設計が完了しており、最大の関門を通過した。前項のRTK基地局からの補正データを受信すると同時あるいは逐次に端末の測位データを危険度マップ生成サーバに向け送受信する機構を構築する必要があり、送受の切り替えタイミングや周波数相互間干渉の有無について、パラメータを大きく振った網羅的な試験研究と最適化検討を引き続き行っている。3)単体での運用によるフィージビリティの確認:今後、優先順位づけの基本となる「勝率データ」の蓄積の有効性について検討する予定である。端末1台を試作し100か所の「出発地点」と20種類の「水害到来シナリオ」を設定し高度測定・結果判定・サーバへの蓄積の状況を確認する準備が整った。4)その他:測位航法学会・日本災害情報学会・地理情報システム学会等において情報交換を行う。H30年度は日本災害情報学会で発表した。
著者
福井 勝則 大久保 誠介 森山 守 青木 智幸 小塚 孝 松原 誠
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ : journal of the Mining and Materials Processing Institute of Japan (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.123, no.9, pp.467-474, 2007-10-25
参考文献数
14
被引用文献数
2

The main drive of Hida Tunnel for Tokai-Hokuriku Highway was excavated by a world-largest-class TBM with the diameter of 12.84 m. The TBM have bored over 3.0 km of the tunnel through Nouhi Rhyolite, Granite Porphyry and Hida Gneiss. The uniaxial compressive strength of these rocks was found to be extremely high. Such high strength accompanied by high content of silicon dioxide resulted in significantly high wear rate of the disc cutters mounted on the TBM.<BR>In this study, cutter wear was carefully measured together with the operation conditions such as thrust force, penetration rate, cutter-head rotation rate and the rock properties such as uniaxial compressive strength, rock strength estimated from TBM cutting force, abrasivity obtained from turning operation test, chemical composition determined by X-ray analytical microscope.<BR>It was found that the extent of cutter wear largely depends on position of the disc cutter; cutter wear per unit rolling distance near the fringe of cutter head was extremely larger than that near the center of cutter head. A combination of rock strength estimated by TBM cutting force and length of wear flat in turning-operation test was found to be an excellent index to predict cutter wear rate.
著者
西原 賢 久保田 章仁 丸岡 弘 原 和彦 藤縄 理 高柳 清美 磯崎 弘司 河合 恒 須永 康代 荒木 智子 鈴木 陽介 森山 英樹 細田 昌孝 井上 和久 田口 孝行
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.A0675, 2007

【目的】運動時の活動電位を観測する研究は多いが活動電位の伝導方向や神経筋の部位まで調べる試みは少ない。現在、画像診断で筋構造を大まかに観測することは可能であるが、神経または筋の神経支配領域までを調べるには不十分である。これらが調べられることによって、運動に関る神経・筋の機能的評価が可能となり、臨床上大変有用となる。さらに、神経の走行部位を予測して、筋肉注射時に神経損傷を予防する場合にも役立つ。そこで、これまでわれわれが開発した筋電図処理技術を応用して、神経や筋の組織解剖学的研究と照し合せながら本研究の検証を行う。<BR>【方法】19-22歳の健常人男性12人を対象にした。被験者は右手首に1kgの重垂バンドを装着し、肩屈曲30°肘屈曲90°で上腕二頭筋収縮、肩外転45°で三角筋収縮を1分間持続させた。上腕二頭筋では、被験者の内側上腕二頭筋の中心に双極アレイ電極を筋の方向に沿って取り付けた。三角筋では、肩峰から腋窩横線までの距離から下3/8の地点を中心に筋の方向に沿って取り付けた。各筋から4チャネルの生体アンプで検出した筋電図を計算機に保存した。筋電図原波形のうちの5秒区間を、本研究のために開発した計算機プログラムを用いて、設定閾値以上のパルスのピークを検出して加算平均した波形を算出した。チャネルによる加算平均パルスの向きの逆転(+側か-側か)や遅延時間の方向から(パルスが順行性か逆行性か)、電極装着部位を基準にした神経支配領域の位置を推定した。<BR>【結果】上腕二頭筋において、12被験者のうち8人で、加算平均パルスの向きの逆転があった。4人はパルスの向きの逆転は観測されなかったが、遅延時間が順行性に変化した。三角筋において、12被験者のうち、加算平均パルスの向きの逆転があったのは2人だけであった。残りのうち2人は遅延時間が順行性に、3人は逆行性に変化し、4人は解析困難であった。<BR>【考察】(1)上腕二頭筋の神経支配領域の推定:加算平均パルスの向きが逆転されたチャネル付近に神経支配領域が存在する。結果により、12被験者のうち8人の神経支配領域の位置が特定された。残り4人は電極装着部の近位に神経支配領域あることが考えられる。(2)三角筋の神経支配領域の推定:12被験者のうち2人だけが神経支配領域の位置の推定ができた。残りのうち2人は電極装着部の近位に、3人は遠位に神経支配領域があると考えられる。(3)上腕二頭筋と三角筋の比較:三角筋は上腕二頭筋と比較して神経支配領域の位置の特定が困難であった。上腕二頭筋は紡錘状筋で、筋線維は筋の方向に沿って均一に走行している。それに比べて三角筋は羽状筋に近く、筋線維は筋の方向に対して斜めで不規則に走行している。三角筋の場合はさらなる調査が必要であるが、かなり詳細な筋構造が皮膚表面で調べられることが明かになった。
著者
森山 雄介 渡邉 恵介 新海 正晴 後藤 秀人 石ヶ坪 良明 金子 猛
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.755-759, 2013 (Released:2013-12-26)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

背景.Garcin症候群とは,主に頭蓋底部の腫瘍性疾患などにより,一側性多発性に脳神経が侵され,四肢麻痺及び頭蓋内圧亢進症状を認めないものとされている.Garcin症候群による症状を契機に発見された肺癌症例は2例のみ報告されているが,いずれも神経症状の改善は得られていない.症例.61歳の女性.嗄声,嚥下障害を主訴に当院を紹介受診した.左側IX~XIIの脳神経障害を認め,頭部CTにて左側後頭蓋窩に単発の腫瘤を認めた.また,胸部CTで右肺S2内側に腫瘤及び縦隔リンパ節腫大を認めた.頭蓋骨の腫瘍生検を施行し,肺小細胞癌,頭蓋骨転移及び片側性多発脳神経障害(Garcin症候群)の併発と診断した.カルボプラチン(carboplatin)+エトポシド(etoposide)にて化学療法を開始したところ,神経症状の改善及び腫瘍の縮小を得た.結論.片側性多発脳神経障害を認めた際,頭蓋底部の腫瘍性疾患を念頭に置く必要があると考えられた.また,肺癌の頭蓋底転移による腫瘍の縮小が認められると神経症状が改善する可能性が示唆された.