著者
中村 聖平 諏訪 啓 森田 晋一 山本 和彦 若山 俊夫 大島 正資 前川 良二 松田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.52, pp.13-18, 2011-05-13
参考文献数
8

既存の電波源が放射する電波を用いて,レーダ機能を実現するパッシブレーダ方式による目標観測では,新たな送信局の設置コストの低減,受信局の秘匿性向上などの特長がある.著者らは,地上デジタル放送波を用いたパッシブレーダ方式による目標の逆合成開口レーダ(inverse Synthetic Aperture Radar : ISAR)画像取得アルゴリズムを開発中である.筆者らのグループでは,同アルゴリズム検証のためのフィールド実験を2010年に実施した.本稿では,取得した実験データから高分解能なパッシブISAR画像を取得するために実施した処理内容について報告する.取得したデータを用いて,パッシブISAR画像を再生した結果,得られたパッシブISAR画像上の目標サイズが,観測した目標はレンジ方向に約35m,クロスレンジ方向に約40mの広がりを持つ目標であることを確認した.実際に観測した目標サイズは,全長39.5m,全幅34.3mであるので,画像上から読み取れる目標サイズと実際の目標サイズと概ね一致する結果を得た.
著者
呉 禮媛 網中 眞由美 森 那美子 西岡 みどり
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.10-27, 2021-01-25 (Released:2021-07-21)
参考文献数
54

本研究では,有料老人ホームと介護保険施設における薬剤耐性Antimicrobial resistance(AMR)対策の実態を明らかにし,AMR対策のあり方を検討することを目的とした.無作為抽出した高齢者施設(有料老人ホーム,介護老人福祉施設,介護老人保健施設,介護療養型医療施設),計2,800施設の感染管理担当者を対象に自記式質問紙調査を行った.254施設(9.1%)の回答を集計した.有料老人ホームは薬剤耐性菌が拡がりにくい条件が揃っていたが,他の施設類型と同様にMRSA,ESBL産生菌,CRE,MDRP,MDRA,VREによる集団感染が発生していた.高齢者施設のAMR対策は,マニュアル配備,研修,入所時対策などが不十分であった.入所時スクリーニングの実施率は22~33%であり,対象菌はほぼMRSAに限定されており,薬剤耐性菌を拡げやすいケア(尿道留置カテーテル管理,おむつケアなど)における対策にも課題があった.したがって,見落とされた保菌者の薬剤耐性菌を拡げやすいケアを介した拡大リスクが示された.高齢者施設のAMR対策は,入所時スクリーニングを行わず,すべての入所者の薬剤耐性菌を拡げやすいケアの際に,標準予防策に加えて接触予防策を強化することが有効と考える.また,保健所や地域中核病院からの支援を推進するために診療・介護報酬によるインセンティブも必要と考える.
著者
大森 一矢
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2001, pp.56-61, 2001-03-12

「品質マネジメント研究会」の研究対象としては、品質に関するグローバライゼーションの動向としてISO・9001s(2000)の改定内容と、アメリカの「シックス・シグマ戦略」についての調査研究を継続し、これまでの発表においてその概要を紹介してきた。「シックス.・シグマ戦略」の理念や全般体系については、日本においても図書や技術雑誌等において、しばしば紹介されてきたが、具体的な手法(tool)については殆ど触れられてこなかった。今回、アメリカから「シックス・シグマ教育図書」としての2000頁にも及ぶ下記の図書を入手したので、品質管理技法の観点からその具体的手法(tool)について検討を行い、日本における対応についての問題事項を探ると共に、その対策についての方策を取り纏めた。(これまでに入手した図書) Mikel Harry Ph,.D.著: 「シックス・シグマ : 世界的な最優秀企業に革新させる戦略的マネジメントの進撃作戦」 以下:V1書と称す 約280頁 第6版 (1997) Mikel Harry Ph,.D.著: 「未来像:シックス・シグマの展望 : 進撃のための道標」 以下:V2書と称す 8分冊: 約1800頁 第5版(1997) Mikel Harry Ph,.D.著: 「シックス・シグマの特性」 (モトローラ社の文書) 以下: M書と称す 約25頁 (作成年次・不詳)
著者
小林 ゆい 森下 はるみ
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.77-88, 2000-01-10
被引用文献数
4

A study was performed to clarify the relationship between basic movements and respiration patterrn in Kyogen, a Japanese traditional performing art. The subjects were three professional Kyogen actors (Oukura-ryu, Yamamoto-ke), with performing careers of 10, 19 and 53 years, respectively. The latter subject had been designated an important intangible cultural property. The subjects were asked to perform four typical Shosa (kata) at three speeds and three Komai-a chain of dance movements. We recorded the respiration curve using a rubber strain gauge placed on the actor's thorax, and observed the relationship between movements and respiration phase, cycle, and ratio of inspiration time to expiration time. The results were as follows:Shosa (kata)Subj.10-year career : Regardless of movement speed, the respiration phases were harmonized, which is a typical feature of sports performance.Subj.53-year carrer : In all shosa, the respiration phases were independent of movements. However the respiration cycle and the ratio of inspiration time to expiration time were proportional to the speed of movement. Subj.19-year career : The subject showed features intermediate between those of the subjects with 10- and 53-year careers. Komai Subjs.with 19-and 53-year careers : The respiration curve was independent of movement, and appeared similar to that during the singing of "Utai" music by Jiutai actors. It was found that the the respiration curves between basic movements and the respiration pattern in Kyogen gradually changed from harmonization to separation, according to the actor's skill. However, during performance of "Utai", the respiration pattern was harmonized with the "Utali" melody.
著者
松森 晶子
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.30-40, 2012-04-30
被引用文献数
2

Based on the descriptive studies of some 3-patterned and 2-patterned accentual systems in Northern Ryukyuan (Amami-Okinawa region), this research report proposes a list of vocabulary classified according to groups of accentual or tonal patterns which are supposed to exist for nouns, verbs, and adjectives in Prato-Ryukyuan. The list contains the vocabulary belonging to A, B, and C categories for nouns, and A and B categories for verbs and adjectives. Labelling these categories as "Keiretsu (categories)" and the vocabulary list as "Keiretsu-betsu goi," the paper argues that the vocabulary list will be useful in future field research on synchronic as well as diachronic studies on accent and phonology of the Ryukyuan linguistic systems.
著者
三保 紀裕 本田 周二 森 朋子 溝上 慎一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Suppl., pp.161-164, 2017-01-15 (Released:2017-03-06)
参考文献数
10
被引用文献数
4

本研究では,反転授業をアクティブラーニングの一形態として捉えた上で,授業における予習の仕方と対面授業でのアクティブラーニングの関連について検討を行った.反転授業を採り入れた3大学7授業に協力を頂き,プレ・ポスト調査を実施した.結果,アクティブラーニングを通じた認知プロセスの外化が生じている度合いが高い授業では,深い学習アプローチや学習意欲の上昇がみられ,予習の仕方にも内容理解を深めるような形での変化が生じていた.内容理解を深めるための予習の仕方が,授業内でのアクティブラーニングをより活発なものとする役割を担っているようであった.このことは,反転授業における予習の仕方の重要性を示す結果であった.
著者
吉田 哲二 金山 秀樹 山本 亘 向山 澄夫 金森 洋史 青木 滋
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
スペース・エンジニアリング・コンファレンス講演論文集 : Space Engineering Conference (ISSN:09189238)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.18, pp.67-70, 2010-01-28
被引用文献数
1

月太陽発電「ルナリング」構想は,工ネルギを化石燃料に依存するパラダイムから,月からの無限に近いクリーンエネルギを自由に使うという発想へ転換するものである.本構想では月の赤道を周回する太陽電池を設置し,発電した電力をマイクロ波などで地上へ伝送する-人類が使う工ネルギの全部の量を月から送り電力供給と水素製造を行う.食糧・水の確保や水素社会が促進されると同時に化石燃料の燃焼を停止させ炭酸ガスの排出を低下させる.実現には宇宙太陽発電システムや月資源探査,月面での製造技術が必要.月面口ポットや有人施設だけでなく,国際的な協定・合意など法制面の確立も必要.清水建設の20余年にわたる宇宙建設研究をべ-スに夢のある将来像を描いた.
著者
田中 智子 森下 敏子 茶山 健二
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.342-347, 2007 (Released:2007-05-02)
参考文献数
15

手作り豆腐では, 調製条件によって豆腐中のミネラル含有量が異なるが, 絹ごし豆腐と木綿豆腐を調製し, スーパーマーケットで購入した市販品と比較して次のような結果を得た。  1) 手作りの絹ごし豆腐と木綿豆腐のミネラル含有量を比較するとZn, Fe, Mn, Ca, Mg含有量が木綿のほうが高くなった。  2) 豆腐100g中のミネラル含有量の調製グループによる差は, 市販品と比較して少なかった。しかし, 凝固剤として加えられたミネラルの変動は大きく, これは市販品も同じ傾向を示した。  3) 手作り品と市販品を比較すると,手作りの木綿豆腐のミネラル含有量が高い傾向にあった。  4) Ca/Mg比は五訂食品成分表に比べ, 手作りは高く, 市販品は低かった。また, 市販品でもカルシウム塩を凝固剤として使用している製品のCa/Mg比は高かった。
著者
福田 諒 髙森 康次 臼田 聡 道端 彩 池田 浩子 金生 茉莉 宮下 英高 角田 和之 河奈 裕正
出版者
日本口腔内科学会
雑誌
日本口腔内科学会雑誌 (ISSN:21866147)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.37-43, 2019 (Released:2020-06-30)
参考文献数
16

今回われわれは左側顎関節部に生じた結節性偽痛風と診断した1例を経験したので報告する。症例は48歳男性で左側顎関節部の疼痛を主訴に受診。補正偏光顕微鏡による弱い正の複屈折性を示す長方形の結晶の存在の確認,X線上での下顎頭周囲の点状の石灰化像より結節性偽痛風と診断した。顎関節部周囲の石灰化を伴う症例において結節性偽痛風は重要な鑑別疾患の一つと考えられる。
著者
森 孝仁 奥田 薫
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.29, pp.2, 2007

面積678,330平方キロメートル(日本の1.8倍)、人口約52,000千人のミャンマー連邦(The Union of Myanmar)は、宝石の産出国として世界でも類を見ない国です。<BR>西洋・東洋において、それぞれ最も人気のあるといわれるルビー・ジェイダイトの最高品質は、いずれもミャンマーで産出されます。両者の生成には、全く異なる地質条件が必要であり、それを満たす土壌が同じ国内に共存するということは、大変不思議なことです。また、ミャンマーでは、それ以外にも、ブルーサファイア、レッドスピネル、ペリドット、アイオライト、ジルコン、アクアマリン、シリマナイト、カイヤナイト、ブルーアパタイト、イエローダンビュライト等、様々な宝石が産出し、いずれも品質の高いものが見られます。また、宝石質のダイヤモンドもわずかに産出します。それぞれの宝石の簡単な特徴について紹介するとともに、このような多種の宝石を産出するミャンマーの土壌に関して、ミャンマー現地に宝石研究所を有する当社が得た情報を報告します。<BR>また、同研究所では、過去5年間に持ち込まれた全てのルビーについて、採掘された地域、外観特徴、拡大検査、可視分光吸収および成分分析のデータを蓄積しています。今回、今まで得られたデータを整理することで、ミャンマー産ルビーの特徴を明らかに、他の産地におけるルビーとの判別方法について報告します。