著者
森島 美佳 荻須 麻希 宮本 教雄
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.146, 2005 (Released:2005-12-08)

本研究では、マスクの性能と装着感との改善策を提案することを長期的な目的とする。市販されているマスクは、実験的には多量の粉塵、花粉、ウィルスを吸着することができる。しかしながら、実際の装着時におけるその効果は明確ではない。その理由として、マスクと顔との隙間から粉塵、花粉、ウィルスを吸い込んでしまうという点が挙げられる。また、本研究の一環として行ったマスクに関するWeb上でのアンケートでは、現在市販されているマスクに対して、70%の回答者が満足しておらず、その理由として、息苦しい(20%)、蒸れる(16%)、サイズ不一致(10%)、フィット感(6%)、ずれ感(6%)等の装着感の悪さが、防護効果に影響を及ぼすことが予測される。本報告では、装着感に関する問題点とその要因を把握するために、市販マスクに対する息苦しさに着目し、市販マスクのデザインの観点から検討していく。実験では、様々なデザインを有する市販マスクを採用し、官能検査と一般性能を計測した。試験試料は、ガーゼマスク、ガーゼ立体型マスク、不織布マスク、不織布立体型マスク、不織布紐マスクの計5種類である。官能検査では、(1)息苦しさとそれに関連すると予測される(2)吸い難さ、(3)吐き難さおよびアンケート結果から抽出した(4)蒸れ感、(5)ずれ感、(6)フィット感、(7)重量感、(8)圧迫感の計8項目について5段階評価で行った。被験者は18_から_20歳の女性20名である。また、一般性能については、通気性計測、厚さ計測、質量計測、形態観測を行った。本発表では、官能検査で得られた息苦しさとそれに関連する装着感およびマスクの一般性能について、そのデザインの観点から報告する。
著者
藤野 武彦 村田 晃 宇都宮 弘子 森田 ケイ 武谷 溶
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.59-64, 1983-03-30
被引用文献数
1

Effects of ascorbic acid on common cold and influenza were studied in 352 young students from 1978 to 1980. Ascorbic acid was administered by the following manner ; 6g per day (1g every hour) on 1st day, 4g per day (1 g at each meal and before sleep) on 2nd to 4th day, 2g per day (1g in the morning and the evening) on 5th to 7th day, Ascorbic acid values in plasma were measured in the part of subjects during and after cold, and in the healthy students. A question, whether the ascorbic acid was effective or not, was asked to the subjects after the treatment. The answers of "effective", "fairly effective" and "not effective" were 59.6%, 31.6% and 8.8%, respectively in 1978 to 1979, 47.1%, 42.6%, and 10.3% in 1979 to 1980. Plasma level of ascorbic acid was lower in the subjects during the cold than in the healthy students who did not have a cold for 4 years. The seven of subjects showed the lower level of ascorbic acid during cold than after recovery. These results are suggestive of effectiveness of ascorbic acid on common cold.
著者
遠藤 秀紀 森 健人 細島 美里 MEKWICHAI Wina 小川 博 恒川 直樹 山崎 剛史 林 良博 秋篠宮 文仁
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine = 日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.131-138, 2012-09-01
参考文献数
13
被引用文献数
4

軍鶏,タイゲーム(カイ・チョン),ソニア,ファヨウミ,ロードアイランドレッドに関して筋肉重量を比較し,闘鶏用を含む直立型ニワトリ品種における筋肉系の形態学的特徴と機能的意義を検討した。軍鶏とタイゲームに関して,闘鶏用品種の筋肉系の機能形態学的特徴を以下のようにまとめることができた。1)ソニア,ファヨウミ,ロードアイランドレッドよりも軍鶏やタイゲームにおいて,体重に占める骨格筋の総重量比が大きかった。2)軍鶏とタイゲームにおいて,筋肉重量は後肢に集中し,走行,跳躍,直立姿勢に適応していた。3)闘鶏において柔軟で速い頸部の運動が要求されるが,軍鶏とタイゲームの頸部構造における筋重量比や筋重量指数は他品種に比べて小さかった。4)軍鶏とタイゲームの間では,検討した各筋肉の筋重量比や筋重量指数は類似していた。
著者
金森 悟 坂本 宣明 白田 千佳子 海野 賀央 江口 泰正 山下 奈々 北島 文子 厚美 直孝 小林 宏明 高家 望 福田 洋
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.79-86, 2021-02-28 (Released:2021-03-10)
参考文献数
6

目的:筆者らは,多職種産業保健スタッフの研究会にて「コロナは世界・健康教育・ヘルスプロモーションをどう変えたのか?」というテーマで夏季セミナーを開催した.本報告ではセミナーの開催概要を紹介するとともに,参加者によるセミナーの評価について報告する.方法:2020年9月13日に多職種産業保健スタッフの研究会のコーディネーター12名がセミナーを開催した.参加形態はZoomを用いたオンライン形式とした.全体の構成は第I部に基調講演,第II部は産業保健の現場からの話題提供,第III部は「オンラインの対面型コミュニケーションツールで可能になったことや新たな使い方」についてのグループワークとした.セミナーの評価を行うため,参加者を対象にGoogle formを用いた質問票調査を実施した.結果:参加者は71名,調査への回答者は52名(73.2%)であった.回答者のうち女性が69.2%,年代では40代が34.6%,職業では看護職が53.8%であった.各部について参考になったという者は80.8~96.2%であった.学んだことを今後に活用していこうと思う者は94.2%,全体について満足であった者は96.2%であった.結論:本セミナーでは,新型コロナウイルス流行下での健康教育やヘルスプロモーションの意義や事例,可能性が議論された.参加者のほとんどがセミナーに満足し,本セミナーの開催は意義があった.
著者
伊藤 将司 森本 章倫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.847-852, 2010-10-25
参考文献数
10
被引用文献数
2

宇都宮市は、魅力的で持続可能な都市づくりのために、LRT導入を目指して先進的な取り組みを実施している。LRT導入においては、市民意向が重要視され、市民合意形成を図るためのわかりやすい情報を提供が重要な課題である。本研究は、わかりやすい情報提供ツールであるイメージ動画を活用した市民の意識変容を把握するとともに、その知見をもとに合意形成手法の提案を行ったものである。市民の意識変容では、イメージ動画を見る前と後での意識の違いを分析し、イメージ動画が市民の認知度や理解度を向上させ、賛否の態度形成に有効であることが分かった。また、合意形成手法では、イメージ動画を用いた情報提供を行いながら、広く説明する、深く議論する、広く深く議論し方向性を導く3つの合意形成のステップを提案した。
著者
西山 勇毅 柿野 優衣 中 縁嗣 野田 悠加 羽柴 彩月 山田 佑亮 佐々木 航 大越 匡 中澤 仁 森 将輝 水鳥 寿思 塩田 琴美 永野 智久 東海林 祐子 加藤 貴昭
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.1630-1643, 2021-10-15

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大にともない,多くの大学ではキャンパス内での感染予防のために,キャンパスの封鎖とインターネット越しに授業を配信するオンライン授業が導入され,学生たちは自宅から授業に参加している.このような在宅中心の新しい生活様式は,感染予防効果が見込める一方で,運動不足による二次的な健康被害が懸念される.新しい生活様式における大学生の身体活動の実態,特に学生の属性や時間帯ごとの身体活動量とその内容を明らかにすることは,二次的な健康被害を予防するうえで必要不可欠である.そこで本研究では,日常生活中の身体活動データ(歩数と6種類の行動種別)を大学生が所有するスマートフォンを用いて自動収集し,大学生の身体活動量を明らかにする.身体活動データは,必修の体育授業を履修する大学1年生305名から10週間収集した.その結果,通学(7時から10時)や教室での授業,課外活動(11時から24時)の時間帯における歩数の減少と静止時間の長時間化が明らかになった.本結果は,新しい生活様式における大学生活が平日の身体活動量の低下を招く可能性を示唆する.
著者
滝本 裕則 吉森 聖貴 満倉 靖恵
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.J399-J406, 2012 (Released:2012-10-25)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

In this paper, we propose a technique for automatic generation of pixel art from character images based on color-difference tolerance. Pixel art is one of image expressions for digital images and is based on the pixel level. Character images that are expressed by pixel art are composed of edge lines and a few colors. The proposed technique is for automatically generating pixel art from a photograph where there was only a single object. However, in the conventional method, it is difficult to determine several parameters of edge detection and decrease color for automatic generation of pixel art. In this paper, to create the optimal decreased color image for each target image, we propose a clustering method using a maximum distance algorithm (MDA) based on the human color-difference tolerance. Moreover, the complete automation of making pixel art is achieved by using the result obtained by clustering using the MDA for the threshold decision of the Canny edge detector. As a result, it is shown that several optimum parameters for pixel art are obtained by using the proposed method.
著者
森川 洋
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.111-125, 2009

<p>In May 2004 the National Land Council introduced the concept of 'service areas of central cities (living areas)' in the 'regional structure of two tiers'. It consists of two parts: 9 regional blocks with 6 to 10 million inhabitants, and 82 living areas principally with more than 300,000 inhabitants in areas delimited by a one-hour-distance (by family car) from central cities with over approximately 100,000 inhabitants. However, in actually considering their distribution as uniform as possible throughout the whole country, there are smaller areas such as the living area of Imabari City with only 190,000 inhabitants in 82 living areas which are distributed similarly to the 85 commuting and schooling areas prepared by the Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism. Within these 82 living areas about 90 percent of total population of the country can enjoy fundamental urban services and maintain their high living condition. Accordingly, the concept of living areas is intended to prevent population decreases in non-metropolitan areas.</p><p>Although this concept that intends to maintain a uniform living standard for the inhabitants of non-metropolitan areas seems to be mostly effective in the period of population decrease forecast for the future, it tends to overestimate the service areas of central cities as compared to the actual commuting area of each central city as shown in Table 3. Commuting areas of smaller cities located on the peripheries of designated living areas, such as the commuting area of Kashiwazaki City near by Nagaoka City and the commuting area of Mihara City near Fukuyama City, are fearful of extraordinary decline under decreasing population brought about by the measures for the promotion of these 82 central cities. In order to prevent the rapid population decrease of central cities and their surrounding areas in non-metropolitan areas, and to keep a population balance between them and metropolitan areas, it is necessary to designate smaller central cities with living areas of 100,000 to 300,000 inhabitants as the second tier, adding to the living areas of over 300,000 inhabitants. In addition, the author will propose the promotion of central places with living areas of more than 10,000 inhabitants as the third order. The promotion measures of larger cities strikes a severe blow to smaller cities, so it is necessary to promote not only large cities but also small cities. Since some of these small central places have under-populated areas within their living areas, these measures will contribute to relieving the population decrease in under-populated areas and areas rich in natural surroundings.</p>
著者
森岡 正博
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
no.5, pp.p67-87, 1991-10

本論文は、パソコン通信のフリーチャットに典型的に見られる、匿名性のコミュニケーションを分析し、電子架空空間で成立する匿名性のコミュニティの諸性質について論じる。その際に、都市社会学の観点からの分析を試みる。パソコン通信を都市社会学の観点から議論する試みにはほとんど前例がない。本論文で提起されるいくつかの仮説は、今後のメディア論に一定の影響を与えると思われる。
著者
誉田 実希子 久保 孝富 森村 成樹 池田 和司
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2019-MPS-122, no.12, pp.1-5, 2019-02-21

スナメリ (Neophocaena asiaeorintalis) は通常,比較的少数の群れをつくる.採餌行動においても一つの魚群に対して複数のスナメリが採餌を行うが,そこでは一部のイルカで見られるような明示的な役割分担は見られない.しかし,それぞれの個体が他個体を無視し,完全に単独で採餌しているかどうかは明らかではない.本研究ではドローンによるスナメリの採餌行動の動画を用い,スナメリの採餌行動に集団性が見られるかどうかを検討した.
著者
木村 大治 亀井 伸孝 森田 真生
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第46回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.51, 2012 (Released:2012-03-28)

この研究は「数学することとは,きわめて身体的な行為であろう」という予想のもとに,数学研究者たちの会話・身体動作から,彼らが数学的対象をどのように扱って研究を進めているかを明らかにしようとするものである。分析からは,現実世界には具体的な対応物のない概念に対しても,身体的と呼びうる操作がおこなわれているさまを見ることができた。