著者
森 昭博
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.103-105, 2020-10-10 (Released:2020-10-31)
著者
緒方 孝行 畠山 規明 鶴田 悦子 森 博美 松野 英子
出版者
一般社団法人 日本薬局学会
雑誌
薬局薬学 (ISSN:18843077)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.158-164, 2019 (Released:2019-10-04)
参考文献数
5

要 旨:リバスチグミンパッチ(以下,リバスチグミン)は認知症治療の経皮吸収型製剤として,その簡便性から広く臨床の場で使用されている.しかし高頻度の皮膚障害が発現することが知られており,その対処法も明確なものは確立されていない.今回,リバスチグミンの皮膚障害に対してステロイド・保湿剤併用療法の有効性を検討した.90 歳代女性,要介護2 で現疾患はアルツハイマー型認知症.イクセロン® パッチ貼付部位に痒みの訴えがあり,その対処法を検討した.リンデロン® V クリーム塗布では変化なし,リンデロン® VG 軟膏塗布ではVAS(Visual analog scale)はやや改善,ひっかき行動は継続した.そこでステロイドローション塗布後,保湿剤を上塗りするというステロイド・保湿剤併用療法を提案し実施したところ,VAS で改善が見られ,かつ皮膚状態に対しても有効性が確認された.この療法はステロイド単剤と比べ,リバスチグミン誘発の皮膚障害に対して有効である可能性が示唆された.
著者
井元 政二郎 森川 信之 藤原 広行
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.7, pp.7_173-7_179, 2015 (Released:2015-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

地震調査委員会による相模トラフ沿いの地震活動の長期評価において、地形・地質データに基づいたM8クラス地震発生確率がBPT分布を用いて推定されている。本稿では、歴史地震と地形・地質データとを統合処理する方法を提案し、大正関東地震(1923)、元禄関東地震(1703)、明応関東地震(1495) 、永仁関東地震(1293)を含めた場合について確率値を試算した。明応地震を含めない場合、30年確率は長期評価された値と大きく変わらないが、明応地震を含めた場合、有意に大きな値となる。BPT分布と指数分布との尤度比について検討を加えた結果、明応関東地震を含む場合では指数分布の適合度がBPT分布より高いことが判明した。明応関東地震の認識論的不確実性は、確率値の評価に大きな影響を及ぼすと考えられる。
著者
森栗 茂一
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.277-304, 1993-03-25

従来,民俗学では,性の問題を取り扱うことは少なかった。また,男の視点からのみ,議論が展開することが多かった。ここでは,水俣病の発生の問題を,地域共同体の崩壊のなかでみようとし,とくに夜這いといわれる共同体的な性の交換制度の崩壊について,議論した。明治に入って,日本の近代化は,新興寡占地主を生み,土地の集中をもたらした。貨幣経済の浸透とともに,土地を持たない農民の間では,相互扶助関係は崩壊し,性の相互交換としての男と女の助け合い関係としての夜這いが衰退した。一方,工場を持たない天草などのより貧困な地域からは,女が売りに出され,近代都市の周辺に売春街が形成された。男の心は,新興地主も,伝統的な旧家も,そして工場労働者も,売春へと向かい,そこに放蕩を繰り返し,没落していった。それは,近代における人間の経済のエロチシズムであったのかもしれないが,その行き着く先は,水俣病という自己破滅であった。
著者
岡田 敬司 笹森 建英
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.72, pp.29-46, 1994-10-03

土笛としてここで検討するのは,縄文時代後期から晩期のものとして出土したものである。筆者が調査することができた数点のものについて概観し,細部に亙っての検討は青森市細越の土笛と,北海道の向有珠の土笛を中心にして行った。形状を考察し,楽器と仮定し,実際に奏してその昔高・音色から,その仮定が妥当であるか検討した。すべてが中空・2孔であり音を作り得,その有休構造は意図的である。楽器としての証左となる類似の楽器と比較し,現に楽器として用いられているアフリカ等の土笛との形態上の類似性から,楽器であった可能性が高いことを実証した。実際に粘土を用い製作を試み,成形の方法を探り,模様を考察し,製作過程を通して膚で感じた縄文時代の製作者の心理に迫りつつ,造形として・音響として,美術・音楽の観点から解釈を試みたものである。
著者
五嶋 聖治 和田 哲 大森 寛史
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.25, pp.86-92, 1996-12-20
被引用文献数
13

ごく最近,新種として記載されたヨモギホンヤドカリの分布と繁殖生態を,模式産地近くの函館湾葛登支の潮間帯において調べた.本種は潮間帯上部の潮線付近の転石域にパッチ状に分布し,季節的移動は見られない.4月から5月にかけて,雄が産卵直前の雌が入っている貝殻をはさみ持つ産卵前ガード行動が観察される.交尾・産卵直後にガード行動は終了する.抱卵雌は4月から2月の間に観察される.抱卵雌の出現時期とその後の卵の発達状態から,主な産卵期は5月で,雌は1年に1回産卵し,約9カ月間という長期にわたって抱卵することが明らかになった.交尾前ガード行動はホンヤドカリ属に普通に見られる行動であるが,長期にわたる抱卵期間は同地に生息する同属他種,あるいは他所に分布する同属のそれと比較しても非常に長く,きわだった繁殖特性といえる.このことは本種の属するホンヤドカリ属は,種類数の豊富さとともに,その繁殖特性にも多様な面が含まれることを示唆している.
著者
福井 亜理 稲森 義雄
出版者
日本バイオフィードバック学会
雑誌
バイオフィードバック研究 (ISSN:03861856)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.35-39, 2003-06-14

本実験の目的は,ハンドベル演奏者の呼吸に同期減少が見られるかを検討することであった.12名の女子大学生がクリスマスメドレーを演奏し,彼女たちの呼吸を計測した.その結果,演奏中に演奏者の呼吸周波数は0.45Hz近辺に上昇した.しかしながら,本実験では呼吸位相が揃う同期現象は明白には観測されなかった.
著者
高橋 英之 石川 悟 大森 隆司
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.202-215, 2008 (Released:2009-10-30)
参考文献数
25
被引用文献数
5

It is thought to be an important brain function for us to modulate our cognitive state depending on recognition of interactive agents. From our behavioral experiment, we have shown that when subjects believed their interactive agent as a human being in a competitive game, specific behavioral tendency could be observed in comparison with a case that they believed their opponent as a computer and this tendency of subjects with autism spectrum disorder (ASD; they are thought to have some problems in social interaction) was different from that of subjects without ASD. We consider that this tendency is a reflection of cognitive modulation depending on recognition of interactive agents. To explain computational theory of this tendency, we propose a computational model that consists of change detection and state space switching evoked by the change of environmental nature. From this model, we reproduce the result of behavioral experiment by a computer simulation and try to discuss our computational model is useful to understand about the brain function for frequent human social interaction.
著者
村元 喬 森 宏仁 大圃 研
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.676-677, 2021-05-24

潰瘍底縫縮の意義 表在性非乳頭部十二指腸腫瘍(superficial nonampullary duodenal epithelial tumor ; SNADET)に対する内視鏡治療では,スコープの操作性や筋層が薄いといった解剖学的な特徴から,他の臓器に対する内視鏡治療に比べて術中に生じる偶発症の頻度が高いことはもちろんのこと,切除後の潰瘍底に直接胆汁・膵液が曝露することで引き起こされる遅発性穿孔や後出血が最大の問題である1).しかしながら,術後の潰瘍底を完全に縫縮することで,遅発性の偶発症が減少することもわかっている2)3).このため,術後の潰瘍底の縫縮が必須であり,いかにして確実に潰瘍底を縫縮するかが重要である.
著者
森本 健幹 長島 裕樹 森本 泰子 徳山 尚吾
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.137, no.9, pp.1129-1136, 2017-09-01 (Released:2017-09-01)
参考文献数
20
被引用文献数
7

Tazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) is a combination antibiotic frequently used to treat pneumonia. It has recently been reported that TAZ/PIPC worsens renal function in patients with existing renal impairment. Creatinine clearance is generally between 10 and 40 mL/min in Japanese patients, so TAZ/PIPC is given at a dose of 2.25 g three times daily or 4.5 g twice daily. If pneumonia is severe or intractable, the dose frequency may be increased to 2.25 g four times daily and 4.5 g three times daily. We examined the effect of these different dosing regimens on renal function. We studied a cohort of 57 patients with impaired renal function hospitalized with pneumonia and treated with TAZ/PIPC between January 2015 and November 2016. Patients were classified into four groups according to TAZ/PIPC dose: 2.25 g three times daily (Group A); 2.25 g four times daily (B); 4.5 g twice daily (C) and 4.5 g three times daily (D). We examined the frequency of acute kidney injury (AKI) and treatment effectiveness. In Groups A, B, C and D, AKI occurred in 5.6%, 0.0%, 25.0% and 38.5% of patient. In groups C and D, hydration and dose reduction were required to address early signs of impending AKI. Our findings suggest that the higher TAZ/PIPC dose of 4.5 g was responsible for the decline in renal function, even if the dose frequency was reduced.
著者
橋本 貴美子 森本 繁雄
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

フランスとポーランドで起こったTricholoma equestreによる中毒事故は、致死的な横紋筋融解症を引き起こした。この原因物質を研究するために、材料となるキノコの入手が可能かどうかを調べた。日本ではT. equestreはキシメジ(T. flavovirens)と同一とされるが、キシメジと食菌シモコシ(T. auratum)の区別が曖昧であり、他にも類似した菌が分布しているため、同定は混乱を極めている。調査の結果、キシメジ、シモコシ、カラキシメジ(T. aestuans)の3種をきちんと同定することが重要であり、宿主植物、発生時期、味等で分別可能であることがわかった。
著者
大森 淳郎
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.2-26, 2021 (Released:2021-11-20)

敗戦を境にラジオはどう変わったのだろうか。そして何が変わらなかったのだろうか。 この問いに対しては、これまでGHQの情報・教育政策や放送法成立過程など、主に法制度史の側面から研究が重ねられてきた。本稿では、それらの先行研究を踏まえつつ、放送現場に軸足を置いて、より内在的な答えを探してゆく。 前編では、敗戦直後の混乱、虚脱状態を脱したNHKが、いわば「アメリカのラジオ」として形づくられてゆく過程を見てゆく。
著者
斎藤 富由起 吉森 丹衣子 守谷 賢二
出版者
千里金蘭大学
雑誌
千里金蘭大学紀要. 生活科学部・人間社会学部 (ISSN:13496859)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-41, 2009-12-08

大学生を対象に見捨てられ不安と愛着パターンおよび愛着行動との関連性を検討した結果、「見捨てられ回避」因子とアンビバレント型に相関が見られた。また見捨てられ不安と最も高い相関を示した愛着行動はアンビバレントな「他者への懸念」因子であった。これまで見捨てられ不安はパーソナリティ障害との関連で強調されてきたが、本研究の結果からは、了解できるストレスフルな青年性心性としても理解できる。今後の課題として、見捨てられ不安の背景要因を追究するとともに、見捨てられ不安に対する集団的なストレスマネジメントプログラムの可能性が議論された。
著者
東野 哲也 加藤 栄司 森満 保
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.33-37, 1995-02-28 (Released:2010-04-30)
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

剣道による聴覚障害 (仮称, 剣道難聴) の実態を明らかにするために一高等学校剣道部員33名を対象として純音聴力検査を行った。その結果33人中10人 (30%) に種々の程度の閾値異常を認め, 男子生徒に, また高学年ほどその頻度が高かった。中でも2kHzまたは4kHzのdip型が「剣道難聴」の初期聴力像と推定され, さらに2, 4kHz障害型や2, 4, 8kHz障害型感音難聴に進行した段階で難聴を自覚するものと考えられた。4kHz-dipよりも2kHz-dip型感音難聴を多数認めたことより, 音響のみでなく打撲による内耳へのより直達的な衝撃がその成因に関与するものと推定された。
著者
森本 茂雄 河本 啓助 武田 洋次
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.122, no.7, pp.722-729, 2002-07-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
12
被引用文献数
21 20

In most variable-speed drives of PMSM, some type of shaft sensor such as an optical encoder or resolver is connected to the rotor shaft. However, such sensor presents several disadvantages such as drive cost, machine size, reliability and noise immunity. Therefore, the sensorless control of PMSM is desired and various sensorless control strategies have been investigated. This paper presents a novel sensorless control strategy for an interior permanent magnet synchronous motor (IPMSM). A new model of IPMSM using an extended electromotive force (EMF) in the rotating reference frame is utilized in order to estimate both of position and speed. The extended EMF is estimated by the least-order observer, and the estimation position error is directly obtained. The proposed scheme corrects the estimated position and speed so that the estimation position error becomes to be zero. The proposed system is very simple and the design of the controller is easy. Several drive tests are carried out and the experimental results show the effectiveness of the proposed sensorless control system.