2 0 0 0 OA 法と言語行為

著者
森際 康友
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.1980, pp.122-142, 1981-10-30 (Released:2008-11-17)
参考文献数
25
著者
平野 淳平 大羽 辰矢 森島 済 財城 真寿美 三上 岳彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.86, no.5, pp.451-464, 2013-09-01 (Released:2017-12-08)
参考文献数
32
被引用文献数
3 5

本研究では,東北地方南部に位置する山形県川西町において1830年から1980年までの151年間,古日記に記されていた天候記録にもとづいて7月の月平均日最高気温を推定し,その長期変動にみられる特徴について考察した.推定結果からは,1830年代と1860年代,および1900年代に寒冷な期間がみられ,これらの寒冷な時期が東北地方における飢饉発生時期と対応していることが明らかになった.また,20世紀後半には,1980年代から1990年代前半にかけての時期は寒冷であり,この時期の寒冷の程度は,1830年代や1900年代に匹敵する可能性があることが明らかになった.一方,温暖な時期は1850年代,1870年代~1880年代,および1920年代にみられた.1850年代前半には現在の猛暑年に匹敵する温暖な年が出現していたことが推定された.
著者
森田 匡俊 奥貫 圭一 塩出 志乃
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.608-617, 2012-11-01 (Released:2017-11-16)
参考文献数
16
被引用文献数
1

高齢化に関して,都市部における老年人口の多さが社会的問題になりつつある.ところが,高齢化率のみを見ると,都市部では総人口も多いために問題を過小評価する可能性がある.そこで本稿では,愛知県を対象地域として,老年人口密度の分布を考慮した高齢化率の空間的分布パターンの把握を試みた.まず,高齢化率と老年人口密度についての階級区分図から,両値の空間的分布パターンを比較検討した.次に,2変量ローカル・モラン統計量を用いて両値の空間的相関関係に基づく地区の類型化を行った.その結果,老年人口密度の高い都市部における高齢化と,高齢化率のみが高い農山村部における高齢化とを,その性質の違いを踏まえて同時に把握できた.そのほか,都市部における高齢化を二つのタイプに分けて把握できた.また,可変地区単位問題による分析結果への影響を考察した結果,愛知県では,1 kmメッシュデータの利用が有効であった.
著者
平野 淳平 大羽 辰矢 森島 済 三上 岳彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.275-286, 2012-05-01 (Released:2017-10-07)
参考文献数
22
被引用文献数
4 5

本研究では,東北地方南部に位置する山形県川西町において1830年から1980年までの151年間,古日記に記されていた天候記録にもとづいて冬季平均気温を推定し,その長期変動にみられる特徴について考察した.まず,古日記天候記録から推定した気温の変化を古気象観測記録にもとづく冬季気温の長期変動と比較したところ,両者の変動傾向はよく類似しており,本研究による推定結果の信頼性の高さが裏付けられた.また,気温の推定結果からは,従来の研究で,定性的に暖冬であったことが示唆されていた幕末期について,1)1840年代後半~1850年代前半と2)1860年代後半に,気温が現在の平年値とほぼ同程度である暖冬年が一時的に存在していたことが推定された.一方,これらの暖冬年を除くと,19世紀中頃以前の大部分の年では冬が現在よりも寒冷であったことが推定された.
著者
森田 匡俊
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.179-196, 2008-05-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
18
被引用文献数
1

私たちが道路ネットワークデータを取り扱うとき, 高速道路や国道などの主要道路のみを整備したもの, 主要道路に県道や市道を含めて整備したものといった具合に, 同じ地域でも詳しさの違うデータがある場合が多い. 詳しさが違うと, 道路ネットワークの総延長距離が異なったり, 道路ネットワーク上の任意の2点間の最短経路が異なったりする. 本稿では, このネットワークの詳しさを詳細度と呼び, その違いが空間分析に与える影響を考えた. 具体的には, 空間分析法の中でもネットワークK関数法を取り上げ, ネットワークの詳細度によってその分析結果が異なってしまう問題を検討した. まず, ネットワークK関数値の振る舞いを放射ネットワークについてモデル化して, ネットワークの詳細度との関係を検討した. 次いで, 実際の道路ネットワークを利用して, ネットワークK関数値の振る舞いとネットワークの詳細度との関係を明らかにした. その結果, ネットワークK関数値にはネットワークの詳細度によらない下限値のあることがわかり, その下限値を利用すればネットワークの詳細度によらず分析結果を一意に解釈できる場合のあることがわかった.
著者
竹内 淳彦 森 秀雄 八久保 厚志
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.20-40, 2002-01-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
41
被引用文献数
1

大田区を中心とする東京城南地域の工業集団は,多様な加工業をベースに東京地域機械工業体系の技術集団として重要な役割を果たすとともに,ME化など技術の先端化に自助努力で対応してきた.1990年代に入り,厳しい経済環境変化の中で工業集団は新たな対応を示している.すなわち,戦後創業した第1世代の職人的技術に加え,ME技術を持ち,あるいは,新しいセンスを備え持った新世代が台頭している.両者は融合・結晶化し,それによって,ますます高度化する技術の自前化を進めるとともに,地についた企業間父流とそのネットワーク化を実現している.その結果,大田区の地域的な技術集団の機能はさりに局まっている.同時に,大田区の工業集団は,日本機械工業の技術高度化の核心としての新たな役割を担いながら,他地域との間の分業システムを強化させている.
著者
加藤 晶子 森 將晏
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.4_131-4_136, 2010-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
10

看護師が静脈穿刺を目的に駆血帯を装着する方法について、主に駆血圧について検討を行った。6医療施設の看護師74名に採血を想定して各人の駆血帯を同一対象者の上腕に装着してもらった。駆血帯装着部位は静脈穿刺想定部位から平均9.1㎝中枢側で、ほぼ教科書通りであった。しかしながら、駆血圧は60㎜Hgから271㎜Hgまで広い範囲に分散しており、平均は145±56.1㎜Hgと高かった。ほぼ適切と考えられる100㎜Hg以下は20名(27%)と少なく、200㎜Hg以上の高圧で装着する看護師が16名(22%)もいた。駆血圧は1週間あたりの静脈穿刺回数や経験年数にもあまり関係が見られなかった。また巻く強さについての気持ち(少しゆるめに巻いたなど)と駆血圧間には関係がなかった。これらのことは、看護経験の長さや、静脈穿刺の頻度などが適切な駆血圧で駆血帯を装着することには役に立っていないことを示している。この原因としては、駆血帯の構造上意図した強さで装着することが難しいことなどが考えられた。
著者
村上 雅裕 三浦 友里 桂木 聡子 大野 雅子 天野 学 森山 雅弘
出版者
Japanese Society of Drug Informatics
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.140-144, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
5

Objective: For pharmacists to select a suitable auxiliary device for eye drop administration for patients who have difficulty in applying eye drops, the pharmacists need to know the characteristics and level of difficulty of using each device.Methods: Thus, we compared the characteristics of New Rakuraku Tengan, Rakuraku Tengan III, and an eye-drop self-help device and also conducted a survey involving 40 healthy volunteers on each device’s accessibility and suitability for people with motor disabilities.Results: New Rakuraku Tengan received the highest score for “usage was able to easily understand” (70.0% of the respondents answered positively) and “suitability for poor-sighted people” (65.0%).  Rakuraku Tengan III received the highest score for the “effectiveness of photos and illustrations in the manual” (77.5%), but was evaluated to be difficult to use.  The eye-drop self-help device received the highest score for “suitability for people with difficulty raising their shoulders and arms” (75.0%).Results: Thus, we observed the need for pharmacists to have thorough knowledge of the products in order to recommend suitable auxiliary devices for eye drop administration for each patient.
著者
森 功次
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.16-29, 2009-12-31 (Released:2017-05-22)

Dans la pensee de l'art chez le premier Sartre, l'image et le reel sont-ils distinctement separes? Sartre a-t-il meconnu la materialite de l'oeuvre d'art? Il serait excessif d'affirmer cela. Premierement, si l'on examine les concepts de <<spontaneite pre-volontaire>>, de <<degradation>>, et de <<motivation>> dans la theorie de l'image de Sartre, il apparait clairement que dans l'experience de l'oeuvre, le reel se maintient derriere l'imaginaire. La negation de l'existence de l'objet d'appreciations esthetiques ne signifie pas ne pas voir l'oeuvre. Deuxiemement, par comparaison avec le reve, l'experience de l'oeuvre d'art maintient des relations plus etroites avec le reel. Certes, le reve et l'experience esthetique constituent pareillement une experience de la conscience captive et concernent l'imaginaire, et Sartre lui-meme a d'ailleurs souvent decrit la ressemblance entre les deux. Mais dans L'imaginaire, a certains egards-notamment la distance vis-a-vis du reel, la facilite de la reflexion, et la nature du sentiment-, Sartre a clairement distingue l'experience esthetique de celle du reve. De ce point de vue, dans la theorie sartrienne, la realite de l'oeuvre, elle aussi, joue un role efficace.
著者
池田 浩子 今井 昇 井川 雅子 岩井 謙 道端 彩 高森 康次
出版者
日本口腔顔面痛学会
雑誌
日本口腔顔面痛学会雑誌 (ISSN:1883308X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.55-63, 2017 (Released:2019-04-24)
参考文献数
34

症例の概要:72歳男性.咀嚼時の両側咬筋の疲労感・開口障害による咀嚼困難を主訴に口腔外科を受診した.顎跛行,開口障害,複視,めまい,体重減少,間歇的な頭皮の痛みなどの症状が認められたため,精査目的に専門施設(神経内科)を紹介した.頸動脈エコー,側頭動脈生検の結果,巨細胞性動脈炎と診断された.ステロイド治療が施行され,速やかに症状の改善が認められた.考察:巨細胞性動脈炎は頭痛以外にも多彩な症状を呈する.顎顔面領域にも顎跛行や開口障害など様々な症状が発現するため歯科を受診する可能性も高いと考えられる.巨細胞性動脈炎が呈する症状のうち,顎跛行,複視,側頭動脈の拡大・圧痛・拍動消失は陽性尤度比の高い症状とされており,そのような症状が認められた場合は速やかに専門施設へ紹介することが重要である.そのためには歯科医師も巨細胞性動脈炎の病態を正確に理解しておく必要性があると考えた.結論:顎跛行および開口障害を主訴に口腔外科を受診し複視,めまい,体重減少,間歇的な頭皮の痛みおよびリウマチ性多発筋痛症の合併も考慮された巨細胞性動脈炎の症例を経験した.
著者
川村 卓 島田 一志 高橋 佳三 森本 吉謙 小池 関也 阿江 通良
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.0812080087, (Released:2008-12-10)
参考文献数
20
被引用文献数
25 4

The purpose of this study was to analyze three-dimensionally two groups of baseball strikers, i.e. high and low swing speed groups, and to compare the kinematics of their upper limb motion. Sixteen skilled male strikers were videotaped with two synchronized high-speed video cameras operating at 200 Hz. One trial in which the maximum bat head speed was achieved was selected for each subject and digitized to obtain three-dimensional coordinates of the segment end-points and the bat using a DLT technique. Subjects were divided into High (n=8) and Low (n=8) groups according to the bat head speed. The angles compared between the two groups were abduction-adduction, horizontal abduction-adduction, flexion-extension and internal-external rotation for both shoulders, flexion-extension for both elbows, supination-pronation for both forearms, radius-ulnar flexion, and dorsi-palmar flexion for both hands. The sequential data were normalized with the time from the point when the speed of the grip was over 3 m/s to the ball impact, and then averaged.
著者
大竹 文雄 黒川 博文 森 知晴
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学
巻号頁・発行日
vol.8, pp.81-85, 2015

本研究では所得税と消費税の等価性を検証する実験を行った.ある所得分布と所得に応じた消費パターンを前提として,所得税(20%)と消費税(25%, 24%, 22%, 20%)のそれぞれどちらが好みかを被験者に選択させた.消費税(25%)は所得税(20%)と税負担が同等である.消費税(24%, 22%)は所得税(20%)よりも見た目の税率は高いが税負担は低い.消費税(20%)は所得税(20%)と見た目税率は同じだが,税負担は低い.被験者は見た目の税率が消費税の方が高いときは所得税を好み,見た目の税率が同じときは消費税を好んだ.消費税の方が税負担は低いにもかかわらず,被験者が所得税を好んだという結果は,消費税誤計算バイアスの存在を示唆する.消費税誤計算バイアスとは,外税表記の消費税を所得税と同様に内税かのように考えて消費税額を計算してしまうバイアスである.等価な消費税と所得税では所得税の方が被験者に好まれることから,消費税誤計算バイアスにより,等価性が成り立たないことが明らかとなった.
著者
中山 順 西村 睦夫 森本 一成
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.46-49, 2007
参考文献数
3
被引用文献数
1

本研究はユニバーサルデザインの視点で、高齢者に配慮してできるだけ多くの人が使いやすい麻雀用具の開発を目的とする。そのために筆者らの提案する要素マトリックス手法を用いてデザイン開発を行った。この要素マトリックスは、身体的カテゴリーと高齢者配慮要素の2軸を配置している。これを用いると問題分析から設計に至るまでに一貫性を持って設計できる。身体面の高齢者配慮要素には「軽負担性」「単純・明瞭性」「連続性」「融通性」「安全性」の5要素、心理面では「親和」「達成性(ステータス性)」の2要素がある。この要素マトリックスを用いて麻雀ゲームに係わる行為について、問題抽出と分析を行い、個別の開発コンセプトを検討し、具体化し、評価を行った。その結果、要素マトリックス手法を用いたことにより、高齢者に配慮した新しいモノづくりにつながり、本手法の有用性を確認できた。
著者
森井 裕一
出版者
JAPAN ASSOCIATION OF INTERNATIONAL RELATIONS
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.167, pp.167_88-101, 2012-01-30 (Released:2013-09-21)
参考文献数
46

Germany ceased conscription for its military, the Bundeswehr, in July 2011. Ever since the establishment of the Bundeswehr, the system of conscription had played a key role in connecting the Bundeswehr and German society. The concept of “Staatsbürger in Uniform” (citizen in uniform) was a guarantee to keep the Bundeswehr as a military for peace. This paper discusses why Germany stopped conscription, even though it had long been regarded as a vital component of Germany's postwar security culture.In the first section of this paper, historical developments in the German security culture and the role of the Bundeswehr are discussed. During the process of German rearmament in the 1950s, a new military was established in a way that would prevent it from being able to become an independent and undemocratic institution outside society—as it did in the days leading up to World War II. The Bundeswehr gained respect from society and became one of the most successful institutions in postwar Germany.In the second section, the changing role and the military transformation of the Bundeswehr after the end of the Cold War are examined. The changing international security environment forced Germany to reconsider the role of its military. During the period up until the end of the Cold War, the use of Germany's military was restricted to the defense of its own and its allies' territories. However, this previously respected self-imposed restriction became an obstacle in the new international environment. The 1994 decision by the Federal Constitutional Court (FCC) made the deployment of the Bundeswehr outside NATO areas legally possible, although the FCC at the same time gave more power to the Bundestag, the German parliament, to control the deployment of the Bundeswehr. In the 1990s, the new military role for international crisis management demanded the military transformation of the Bundeswehr. Since the mid-1990s, many proposals were made to reform and reorganize the Bundeswehr, but they were not totally successful, because the domestic political discourse did not change as rapidly as the technical needs had changed. In addition, constraints upon the state budget made the reform even more difficult. After more than ten years of discussion, conscription was finally suspended under the strong leadership of the politically popular defense minister, Karl-Theodor zu Guttenberg. According to zu Guttenberg's reform, the Bundeswehr would be an effective, efficient and flexible military for international crisis management.The final section analyzes the implications of the reform of the Bundeswehr on Germany's security culture and foreign policy. Germany's security policy defined in multilateralism, i.e. within NATO and the EU, would stay unchanged. However, the new security environment might change the domestic understanding of Germany's military, and thus Germany's security culture in the future.