著者
東 善一 松井 知之 瀬尾 和弥 平本 真知子 盛房 周平 森原 徹
出版者
日本肘関節学会
雑誌
日本肘関節学会雑誌 (ISSN:13497324)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.5-8, 2016 (Released:2019-05-27)
参考文献数
15

われわれはトップレベルである全女子プロ野球投手における投球フォームと肘関節最大内反トルクとの関連について検討した.対象は全力投球可能な女子プロ野球投手12名とした.全力投球時の球速をスピードガンで,投球フォームを三次元動作解析装置で測定した.球速および投球動作中の各関節角度と肘関節最大内反トルクとの関係をPearsonの相関係数によって検討した(P<.05).球速と肘関節最大内反トルクとの間には相関を認めなかった(r =.17, P=.61).投球動作中の各関節角度と肘関節最大内反トルクとの間では,9変数との関連を示し,特に投球方向への腰椎回旋角度と最も高い正の相関を認めた(r =.83,P <.01).体幹によってエネルギーを産出できない場合,代償として上肢依存の投球となり,肘関節最大内反トルクは高値を示したと考えた.
著者
幸田 仁志 甲斐 義浩 来田 宣幸 松井 知之 東 善一 平本 真知子 瀬尾 和弥 宮崎 哲哉 木田 圭重 森原 徹
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.127-131, 2018-10-16 (Released:2018-10-19)
参考文献数
25

〔目的〕投球肩・肘障害を有する高校野球投手の特徴を,関節可動域や筋力の非投球側差より分析した。〔方法〕京都府下の野球検診に参加した高校野球投手76名を対象とした。測定項目は,投球肩・肘障害の判定,関節可動域および筋力とした。関節可動域および筋力は両側に対して実施し,投球側から非投球側の値を減算することで非投球側差を算出した。統計解析には,投球肩・肘障害ごとに,対応のないt 検定を用いて陽性群と陰性群の関節可動域および筋力の非投球側差を比較した。有意水準は5%とした。〔結果〕投球肩障害では,陽性群の肩関節内旋可動域の非投球側差は陰性群と比較して有意に低値を示した(p<0.05)。投球肘障害では,陽性群の肩関節外旋可動域の非投球側差は,陰性群と比較して有意に低値を示した(p<0.05)。〔結論〕肩関節外旋可動域や内旋可動域の非投球側差による分析は,野球選手の機能低下や障害予測を判別する一助となる可能性がある。
著者
森 友久 芝崎 真裕 鈴木 勉
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.40, 2013

精神依存には,薬物を摂取しようとする試み,摂取による薬物の感覚効果,さらには,摂取時の環境要因が密接な関わりを持っている。そこで,薬物の感覚効果を指標にする薬物弁別試験,薬物による強化効果を指標にする薬物自己投与試験,さらに薬物摂取時の効果と環境要因を条件づけする条件づけ場所嗜好試験が薬物依存形成能の評価や作用機序の解明に現在までに広く用いられてきた。非常に強い精神依存を引き起こす薬物としてメタンフェタミン,コカインならびにモルヒネなどが知られている。これらの依存性薬物の精神依存の機序として,中脳辺縁ドパミン神経系の活性化が重要であることが明らかにされてきた。メタンフェタミンおよびコカインは,中脳辺縁ドパミン神経系の投射先である側坐核におけるドパミンの放出ならびに再取り込みを阻害することにより,精神依存を発現する。モルヒネは,中脳辺縁ドパミン神経系の細胞体である腹側被蓋野のGABA神経上に分布する&mu;-オピオイド受容体に作用し,脱抑制機構を介して,側坐核からドパミンを遊離することがよく知られている。また,アルコールの依存にも側坐核からのドパミンの遊離が関与していると考えられている。一方,クラブドラックとして乱用されてきたフェンサイクリジンおよびMDMAなどは,セロトニンおよびドパミン受容体作動作用ならびにNMDA受容体拮抗作用が精神依存の形成に関与していることが示唆されている。さらに,大麻の作用には,主成分であるテトラヒドロカンナビノールが脳内のカンナビノイド受容体に作用することにより幻覚を発現する。最近では,MDMAおよびカンナビノイド誘導体が続々と合成され,「違法ドラッグ」として嗜好品の如く販売されている物も多いが,これらの依存形成機序はほとんど明らかにされていない。<br>
著者
間瀬 久雄 絹川 博之 森井 洋 中尾 政之 畑村 洋太郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.94-103, 2002 (Released:2002-04-04)
参考文献数
13
被引用文献数
6 5

This paper describes a system that directly supports a design process in a mechanical domain. This system is based on a thinking process development diagram that draws distinctions between requirement, tasks, solutions, and implementation, which enables designers to expand and deepen their thoughts of design. The system provides five main functions that designers require in each phase of the proposed design process: (1) thinking process description support which enables designers to describe their thoughts, (2) creativity support by term association with thesauri, (3) timely display of design knowledge including know-how obtained through earlier failures, general design theories, standard-parts data, and past designs, (4) design problem solving support using 46 kinds of thinking operations, and (5) proper technology transfer support which accumulates not only design conclusions but also the design process. Though this system is applied to mechanical engineering as the first target domain, it can be easily expanded to many other domains such as architecture and electricity.
著者
森川 譯雄 モリカワ ノブオ Nobuo Morikawa
雑誌
修道商学
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.307-325, 2010-02-28
著者
大森 望
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1166-1167, 2019-11-15
著者
森 征一
出版者
慶應義塾福澤研究センター
雑誌
近代日本研究 (ISSN:09114181)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.161-179, 1987

福澤門下生特集
著者
侘美 靖 森谷 きよし
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.117-129, 2006 (Released:2007-03-13)
参考文献数
33
被引用文献数
1

本研究は,北海道の YOSAKOI ソーラン祭り参加者を対象に,練習及び祭りへの参加による感情及びメンタルヘルスの向上について調査することを目的とした.POMS テストの結果,約 4ヶ月の練習期間中にオーバートレーニングの様子は認められなかった.踊り練習前後の感情変化を Mood Check List-Short Form 1 により測定した結果,5, 15, 25回目練習日のいずれの時期においても快感情得点は練習後に有意に向上した.練習前に比べ練習後にリラックス感得点が有意に向上したのは15回目練習日以降であったが,対照群より低いレベルの変化であった.不安感得点に有意な変化は認められなかった.精神的健康パターン診断検査の結果,練習開始期に比べ,祭り後の心理的・社会的ストレス度は改善していた.YOSAKOI ソーラン祭りと練習への参加は,北国住民の感情及びメンタルヘルス改善に対する効果が期待される.
著者
森 文秋 丹治 邦和 若林 孝一 三木 康生
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ストレス顆粒は、ストレス状況下で、RNAとRNA結合タンパク質によって細胞質に形成される。神経変性疾患においてRNAからタンパク質への翻訳過程を制御することで、異常たんぱくの産生ならびにタンパク質の異常凝集を防ぐとされる。本研究では、多系統萎縮症患者ならびに正常対照の剖検脳組織、αシヌクレイノパチーの細胞モデル、さらに、シヌクレイントランスジエニックマウスを用いて、ストレス顆粒ならびに細胞内分解系に関連するタンパク質の動態を検討した。多系統萎縮症のαシヌクレイン封入体の形成過程、神経細胞死との関連を明らかにすることで、多系統萎縮症の予防治療戦略の可能性を示した。
著者
落合 敏夫 森本 文雄 渋谷 正德 大山 豊 岩井 伸幸 飯田 友巳 宇佐美 一幸
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.720-722, 2015-12-28 (Released:2015-12-28)
参考文献数
3

目的:千葉県東葛飾北部地域における蘇生対象となったCPA(cardiopulmonary arrest)に対する静脈路確保について,現場における救急救命士数の影響を検討する。対象および方法:東葛飾北部地域メディカルコントロール協議会の検証グループで静脈路確保に関するチェックシートを作成した。平成22年4月1日から平成23年3月31日の間,域内で発生し救急隊が出動し心肺蘇生術(cardiopulmonary resuscitation)を施行した845件について記入を行った。得られたデータを基に,救急救命士1名乗車と2名乗車とに分け,静脈路確保の試行と成功とを検討した。また救急救命士2名乗車における薬剤投与認定救急救命士(以下,認定と略す)の影響を,認定2名の場合と認定1名の場合および非認定2名とで比較検討した。結果:救急救命士1名乗車589件(69.8%)に対し,2名乗車は256件(30.2%)であった。1名乗車の静脈路確保試行は290件(49.2%),成功は150件で,成功率は51.7%であった。2名乗車での静脈路確保試行は172件(67.2%),成功は116件で,成功率は67.4%と,1名乗車と比較し有意な差を認めた。認定2名乗車時は統計学的に有意な差はないが,最も高い試行率・成功率であった。結語:救急救命士2名乗車は,1名乗車に比べて静脈路確保の試行率・成功率ともに高く,薬剤投与認定救急救命士2名乗車が最も高かった。救急救命士2名乗車体制の有用性が示唆された。
著者
江木啓訓 尾澤重知 森裕生
雑誌
ワークショップ2013 (GN Workshop 2013) 論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1-2, 2013-11-21

本発表では,ワークショップなどの場の効率的な運営と情報システムとの連携を目的として,配布される菓子のデザインと活用法について議論する.
著者
佐藤 洋介 高尾 昌幸 近藤 拓也 大森 茂樹 斉藤 剛史 三宅 英司 門馬 博 倉林 準 八並 光信
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ca0271, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 我々は、第46回日本理学療法学術大会でバドミントン選手において、股関節内転可動域は立位での回旋動作に影響することを報告した.体幹の動作解析は、前後屈における腰椎骨盤リズムなど矢状面上の解析が多く報告されているが、回旋動作の動作解析を報告したものは少ない状況である.体幹の回旋動作は日常生活、スポーツでも頻繁に行われる動作であり、同動作で症状を訴える症例は臨床でもよく経験する.それらの症例を前にして、体幹の回旋動作に影響する因子を知っておくことは、障害予防・パフォーマンス向上においても重要であると思われる.本研究は、健常成人を対象に回旋動作の2次元動作解析を行い、メディカルチェック(以下、MC)との関連性を明らかにし、評価・治療の一助とすることを目的とした.【方法】 対象は立位における体幹回旋動作で痛みが生じない健常成人47名(男性37名、女性10名、平均年齢25.4±3)とした.静止画撮影は、デジタルカメラ(HIGH SPEED EXILIM EX-ZR 10BK、CASIO)を用い、反射マーカを両側肩峰・両側第5肋骨・両上前腸骨棘の計6点に貼り、正面から行った.運動課題は、足隔を肩幅に開いた静止立位から体幹の立位最大回旋動作を行った.運動課題時は、体幹回旋時に肩甲帯の前方突出を防ぐため、上肢を固定した.さらに口頭にて足底全面接地、両膝関節伸展位保持を指示し、確認しながら計測を行った.得られた画像に対して画像処理ソフトウェアImageJで各反射マーカの座標を求め、肩峰・肋骨・上前腸骨棘レベルにおいて静止画像と体幹回旋後の画像から左右のマーカの直線距離を算出し、三角関数を用いて回旋角度を求めた.MCは、関節可動域表示ならびに測定法:日本リハビリテーション医学会(以下、ROM)に準じた方法で、座位体幹回旋、股関節内転、股関節内旋(背臥位)の可動域を測定した.さらに腹臥位で膝関節90度における股関節内旋(以下、股関節内旋(腹臥位))可動域を測定した.得られた座位体幹回旋、股関節内転、股関節内旋(背臥位)の可動域は、関節可動域の参考可動域を基準として、制限がある群とない群の2群に分類した.股関節内旋(腹臥位)の可動域はこの計測データにおける中央値を基準に、制限がある群とない群の2群に分類した.体幹の立位最大回旋動作時の肩峰・第5肋骨・上前腸骨棘の各レベルに対する回旋角度について、一元配置分散分析を行い、要因の主効果が認められた場合に多重比較検定を行った.有意水準は危険率5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】 所属法人における倫理委員会の許可を得た.対象には、ヘルシンキ宣言をもとに、保護・権利の優先、参加・中止の自由、研究内容、身体への影響などを口頭および文書にて説明した.同意書に署名が得られた対象について計測を行った.【結果】 座位体幹回旋制限群と股関節内旋(腹臥位)制限群の双方は、肩峰、第5肋骨、上前腸骨棘の各レベルにおいて有意差を認めた(P<0.05).股関節内転可動域制限群は、肩峰レベルでのみ有意差が認められた(P<0.05).背臥位での股関節内旋可動域制限群は各レベルで有意差を認めなかった.【考察】 前回報告したバドミントン選手における傾向と同様に、体幹の立位最大回旋動作は、股関節内転が参考可動域より下回ることで、制限を受けることが認められた。体幹の立位最大回旋動作と股関節内旋(腹臥位)とで関連性が認められた.股関節内旋(腹臥位)は、測定肢位が股関節中間位であり、股関節周囲の軟部組織における緊張が、立位と同様である点が反映したものと考えられた.股関節内旋(背臥位)と体幹の立位最大回旋動作で関連性が見られなかったのは、股関節内旋可動域(背臥位)は股関節屈曲位で測定するため、軟部組織の緊張や股関節面の適合度が立位での回旋動作と異なったためと考えられた. 今回の結果では、座位体幹回旋と股関節内旋可動域(腹臥位)と、体幹の立位最大回旋動作との関連が考えられた.股関節内旋可動域(背臥位)は立位での体幹回旋動作と関連しないと考えられた.体幹の立位最大回旋動作は、股関節中間位における関節面適合度と股関節周囲における軟部組織の影響が及ぶと考えられた.同じ股関節の運動で、肢位によって関連性に差がみられたことから、各種作業やスポーツ動作それぞれに応じた姿勢で評価しなければ動作を反映しているとは言い難く、姿勢に合わせた評価・治療が重要であると考えた.【理学療法学研究としての意義】 体幹の回旋動作は日常生活、スポーツ動作でも頻繁に行われる動作である.今回の実験結果から、立位での体幹回旋動作は体幹回旋可動域と腹臥位での股関節内旋に着目していく必要性が示唆された.