著者
北村 千寿 吉岡 孝 石倉 秀樹 森脇 秀俊
出版者
島根県立畜産技術センター
雑誌
島根県立畜産技術センター研究報告 (ISSN:18821030)
巻号頁・発行日
no.41, pp.17-19, 2010-03

2009年8月までに収集した黒毛和種の枝肉記録36,871件を用いて枝肉重量及び脂肪交雑基準値の育種価を推定した。推定した育種価を用いて2008年1月から2009年12月までに島根県内市場に上場した子牛の父牛(種雄牛)と母牛(繁殖雌牛)の平均育種価を求めた結果、父牛が母牛に比べて枝肉重量及び脂肪交雑基準値ともに高かった。枝肉重量育種価のバラツキは父牛が母牛に比べて大きく、脂肪交雑基準値育種価のバラツキは、母牛が父牛に比べて大きかった。繁殖雌牛の母方祖父牛の生年別平均育種価は、1989年以降(平成)生まれが1988年以前(昭和)生まれに比べて枝肉重量、脂肪交雑ともに高かった。2009年3月の島根中央子牛市場名簿から求めた繁殖雌牛の父牛、母方祖父牛及び曾祖父牛の平均年齢は、それぞれ21.3才、28.4才、34.3才であり、2009年3月のM県、2009年9月のT県及びO県の子牛市場名簿から求めた平均年齢に比べていずれも高かった。
著者
藤原 広行 功刀 卓 安達 繁樹 青井 真 森川 信之
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.2-16, 2007 (Released:2010-08-12)
参考文献数
5
被引用文献数
6 8

1995年兵庫県南部地震以後, 日本における地震観測網, 特に, 強震観測網は大きく変化し, 世界でも希な高精度・高密度強震観測網が構築されることとなった.K-NETは, その代表的なものの1つである.兵庫県南部地震からほぼ10年が経過し, 地震直後に整備された観測網の機器の更新が必要となってきている.この10年間における, データ通信, 計算機関連技術の発展は目覚ましく, 様々な新しい技術が利用可能になってきた.防災科学技術研究所では, 強震記録をオフラインで利用する従来のスタイルの強震動研究だけでなく, 地震直後の即時対応にも利用可能な強震動データリアルタイムシステムの構築を目指し, 新型K-NET システムを開発し, 新型K-NET 強震計の整備を実施した.
著者
勝亦 徹 相沢 宏明 柿沼 靖幸 又重 英一 小室 修二 森川 滝太郎
出版者
自動制御連合講演会
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集 第48回自動制御連合講演会
巻号頁・発行日
pp.25, 2005 (Released:2006-01-01)

蛍光を利用した計測は、試料を破壊することなく評価できる優れた方法である。ここでは、蛍光を使った穀物・でんぷん製品の非破壊検査の可能性について報告する。紫外線(波長365nm)の照射によって、穀物や、でんぷん製品から波長460nm付近にピークを持つ強い蛍光が観察できた。落花生、大麦、精米、もち米、粟、精製でんぷん、小麦粉や、他の多くの穀物、でんぷん製品から紫外線光源、CCDカメラとフィルターを用いて蛍光画像を撮影した。さらに得られた蛍光画像を画像処理することにより、穀物やでんぷん製品の均質性、異物の混入、多品種間のブレンドの状態などの非破壊検査に応用できることがわかった。蛍光スペクトルは、穀物の種類・産地などによって変化しており、蛍光を使って穀物やでんぷん製品の品質検査が可能である。
著者
八十島 誠 山下 尚之 中田 典秀 小森 行也 鈴木 穣 田中 宏明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.707-714, 2004-11-10 (Released:2008-01-22)
参考文献数
45
被引用文献数
4 5

In recent years, antibiotics resident in sewage and in the water environment have become an emerging public concern in many developed countries. However, limited knowledge is available on the occurrence of antibiotics in sewage and discharge from wastewater treatment plants (WWTPs) in Japan. Moreover, little is known on the significance of their occurrence in the water environment from the viewpoints of biological adverse effects. The objectives of this research were, therefore, to determine the occurrence of selected antibiotics, namely levofloxacin (LVFX) and clarithromycin (CAM). That are commonly used in Japan, in discharge from WWTPs and then to evaluate their possible effects on algal growth. Therefore, we developed a novel analysis method for LVFX and CAM in wastewater by LC/MS/MS whose detection limits and recovery ratios are 2-3ng·l-1 and 53-87%, respectively. We also conducted algal growth inhibition tests using Pseudokirchneriella subcapitata, and results showed that the EC50s of LVFX and CAM are 1200μg·l-1 and 11μg·l-1, LOECs are 630μg·l-1 and 6.3μg·l-1, and NOECs are 310μg·l-1 and 3.1μg·l-1, respectively, LVFX and CAM concentrations in secondary effluent of five WWTPs that use the activated sludge process ranged from 152-323ng·l-1 and 303-567ng·l-1, respectively, which indicates that the PEC/PNEC ratio of LVFX is less than one but that of CAM exceeds two at the maximum secondary effluents if a safety factor of ten is considered. This suggests a possibility of algal growth inhibition due to CAM in WWTP discharge in the case of insufficient dilution of the receiving waters.
著者
江口 圭 宮尾 眞輝 山田 祐史 金野 好恵 金子 岩和 峰島 三千男 田岡 正宏 佐藤 隆 萩原 雄一 道脇 宏行 英 理香 細谷 陽子 田尾 知浩 土田 健司 水口 潤 谷川 智彦 宮本 照彦 森石 みさき 川西 秀樹 中川 章郎 岩隈 加奈子 吉田 友和 今井 陽子 小畑 日出登 松嶋 哲哉
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.695-703, 2009-09-28 (Released:2009-11-17)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1 1

全自動透析装置(GC-110N,JMS社製)の補液モードを利用した,逆濾過透析液による間歇補液血液透析(intermittent infusion HD, I-HD)を考案し,その臨床効果を多施設共同研究にて評価したので報告する.対象は維持透析患者20例で,通常の血液透析(normal HD, N-HD)とI-HDを同曜日に一回ずつ施行し,クロスオーバー試験にて評価した.検討項目は除去率,クリアスペース,クリアランスとし,尿素,クレアチニン,尿酸,無機リン,β2-microglobulin(β2-MG),α1-microglobulin(α1-MG),アルブミンの7種の溶質について検討した.また,透析中の循環血液量をヘマトクリットモニタにて,患者末梢血流量をレーザー血流計にて連続モニタリングし,間歇補液の有無との関係を調べた.結果として,すべての患者について間歇補液に同期した循環血液量および組織血流量の増加が観察された.治療時間平均の循環血液量減少率は,除水量がほぼ同等であるにもかかわらず,I-HDの方がN-HDにくらべ有意に低値であった.また,除去率に差違は認められなかったが,クリアスペースの平均値は全ての溶質でI-HDがN-HDにくらべ高値を示し,無機リン,α1-MGでは有意に高値であった.この結果は末梢循環が良好に保たれることにより,物質移動の推進力となる毛細血管の有効表面積やプラスマリフィリングが保持されたことにより,組織間液中に分布する溶質を効率よく移動・除去させたことによるものと考えられた.一方,α1-MGのクリアランスは,1hr値にくらべ4hr値でN-HD:73%低下したのに対し,I-HD:30%の低下にとどまった.これは間歇的な逆濾過補液により,膜への蛋白のファウリングが軽減されたため,溶質透過性が保持されたものと推察した.全自動透析装置の補液モードを利用した間歇補液血液透析は,安全かつ確実に施行可能であり,透析中の末梢循環動態の是正,患者からの溶質除去特性の改善に有用な治療であることが明らかとなった.
著者
紫芝 良昌 今井 常夫 神森 眞 栗原 英夫 鳥 正幸 野口 仁志 宮内 昭 吉田 明 吉村 弘
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.51-56, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
16

甲状腺の手術の際,発生する合併症の一つである永続性副甲状腺機能低下症の日本全国の症例数を検討した成績はこれまでにない。甲状腺手術を専門とする15病院に対してアンケートを行い2012年~2013年の甲状腺手術について回答の得られた5,445例について術式別に永続性副甲状腺機能低下症の発生率を求めた。その結果,甲状腺片葉切除で0.08%,全摘・亜全摘4.17%,甲状腺全摘と頸部中央および(または)外側区域郭清で5.75%であり甲状腺切除術全体を通じて2.79%に永続性副甲状腺機能低下症がみられた。また,副甲状腺腫瘍手術344例について14例(4.07%)の永続性副甲状腺機能低下症例を得た。この数字を厚労省がん統計資料に当てはめて日本全国での甲状腺・副甲状腺手術による永続性副甲状腺機能低下症の頻度を求めると,年間705人となる。手術のピーク年齢を68歳,手術後の平均存命期間を9年として,すべての甲状腺・副甲状腺手術患者が上記の条件を満たす単純モデルで計算すると,永続性副甲状腺機能低下症の本邦総数は31,725人になる。特発性副甲状腺機能低下症患者数は本邦で900人と推定され全体では32,625人となり人口10万人あたり26人。米国18.3人,デンマーク24人と報告されている。
著者
大森 房吉
出版者
東京大学
雑誌
震災豫防調査會報告
巻号頁・発行日
vol.88, pp.1-61, 1919-03-30
著者
森 正樹 床井 浩平
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.7-10, 2014

本研究では自由視点映像の生成のために,運動する物体の周囲3方向に深度センサを設置し,それらから得たデプスマップを融合して,物体の全周形状を再構成する手法を提案する.動物体の全周形状の再構成という高負荷の処理に対して本研究では,GPUによる独自の形状処理・可視化手法を導入し,高速化を実現している.また,再構成した形状を立体視HMDを用いて観測するシステムの実装を行った.
著者
森下 徹
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.199, pp.301-320, 2015-12

萩藩領の瀬戸内沿岸部では、近世後期にかけてもさかんに新田開発(開作)が行われていた。その普請にかかわった労働力については以前検討を加えたことがあり、瀬戸内一帯を移動する請負人とそれに率いられた石船、そして現地で普請を管轄する石頭という業者との組み合わせからなっていたことをのべたことがある。本論は、石垣とセットだった土手の普請もあわせて取り上げ、開作普請における労働の特質を再考しようとするものである。開作の周囲を取り囲む堤は、石垣と土手の二重構造からなっており、それぞれを石船(石組)と砂船という、出稼ぎ集団が担当していた。また普請全体を管轄するものとして石頭がおり、その下で多数の丁場を一括する請負人がいた。ただし長さ二十間単位に分割された個々の丁場に即すると、在所を同じくする数艘の石船ないし砂船の出稼ぎ集団が造成作業にあたっていた。石垣ばかりか土手についてもそうした専門集団が担当していた理由として、数人規模で達成するという、造成現場における作業の共同性があげられる。すなわち仕様を理解し資材を揃え、作業の計画を立て現場で指揮をする、そうした統括者に率いられた集団でなければならなかった。あわせて水中で行う作業だったこともあって、統括者と一体化した機動性も不可欠なものだった。個々の作業自体をバラバラにみると、石を組み上げる、あるいは土で土手を作ってゆくという、熟練度は低位で互換可能なようにみえたとしても、集団としての組織性が必須であり、そのことが普請現場での労働編成や調達の仕方を規定していたと考えることができるわけである。In the coastal area along the Seto Inland Sea in Hagi Domain (Yamaguchi Prefecture), large areas were reclaimed for rice production in the late early modern times. A prior analysis of labor for reclamation construction revealed that it had consisted of contract workers migrating in the Seto Inland Sea region, their boats called "Ishibune" and construction management agents called "Ishigashira". This paper reviews the characteristics of labor for reclamation construction by analyzing the construction of mounds held up with stone walls. As banks to enclose rice fields, stone walls and sand mounds were constructed by migrant worker groups called "Ishibune (Ishigumi)" and "Sunabune", respectively. The entire construction process was managed by a leader called "Ishigashira", under whom there were contract workers to manage multiple sections. One section was 20 ken( 36 meters) long and constructed by several groups (Ishibune and Sunabune), each of which was composed of migrant workers from the same area. The reason why not only stone walls but also mounds were constructed by specialized groups was because it was teamwork: a task requiring a group of people to complete. In other words, banks were constructed by groups led by respective leaders who understood specifications, procured materials, planned work schedules, and supervised workers in the field. The mobility as a group integrated with the leader was also essential because they worked underwater. Although individual tasks (e.g., piling up stones and making sand mounds) seem to have been rather simple and easy for anyone to do, the entire process required teamwork, which determined how to recruit and organize workers for construction.
著者
森田 喜久男
出版者
九州大学基幹教育院
雑誌
鷹・鷹場・環境研究 = The journal of hawks, hawking grounds, and environment studies (ISSN:24328502)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-16, 2018-03

小稿は、日本古代の王権が主宰する鷹狩について概観したものである。王権の鷹狩を支えた養鷹・放鷹官司の変遷について、ヤマト王権の段階の鷹甘部や律令制下の主鷹司・放鷹司を中心に論じた。そのことに関連して鷹狩に従事した鷹飼についても言及し、「尋常の鷹飼」と「猟道を知る親王公卿の鷹飼」の二類型の鷹飼の実態を明らかにしようと試みた。また、鷹狩が行われた猟場である禁野の実態についても触れ、平安時代前期に増加しつつ民業と対立している点を問題とした。さらに『新議式』を素材に、野行幸と呼ばれる犠式としての鷹狩の次第について考察し、鷹狩とセットで実施される出野河海支配を確認する儀礼の重要性を指摘した。その上で、昌泰元年(898) 10月に実施された宇多太上天皇主催の競狩の実態についても考察し、この競狩について醍醐に譲位した後も自身が国政を仕切るという決意の現れであることを指摘した。最後に天皇や上皇の代理で諸国に派遣される狩使についても考察した。The purpose of this study is to give an overview of the history of falconry presided over by the ancient Japanese royalty. First, I analyze the Falconry Office (鷹甘部 taka-kai-be) and falconers (養鷹 shuyoushi, 放鷹宮司 hoyoushi) that kept hawks during the Yamato period. Second, I attempt to distinguish two types of falconers, one, the ordinary falconer and the other a specialist who had good knowledge on which royal society could rely. But, the expansion of royal hunting grounds (禁野 shimeno) during the Heian period caused conflicts with the people who lived in these areas. Third, relying on the book New Ceremonies (新儀式 Shingishiki) I point out that the "going to the fields for falconry" ceremony (野行幸 Nogyoukou) continued as a confirmation of Imperial rule of fields, mountains, and rivers .Furthermore, I investigate falconry games held by the retired Emperor Uda in 898.As a result, I suggest that this ceremony constituted a declaration that Uda was the real political leader in the realm. Last, I consider the hunters (狩使 karishi) who the Emperor dispatched nation-wide to hunt on his behalf.
著者
矢永 勝彦 西崎 隆 副島 雄二 吉住 朋晴 内山 秀昭 杉山 圭蔵 森本 修充 柏木 征三郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.903-906, 1996-04-01

死体肝移植の施設特定を受けた本学での患者13人の登録と現況を呈示し, わが国における死体肝移植離陸への条件を述べる. 登録13人中5人が待機中に死亡, 3人が海外渡航し, 1人は飲酒再開にて登録抹消した. C 型肝硬変症の1人は27か月の待機の後, 多臓器不全への移行期に本学で血液型不適合移植を行うも, 術後73日目に死亡した. 肝細胞癌合併患者では待機中の quality of life が明らかに不良であった. 現在3人が待機中で, うち2人は counseling が精神面の管理に効果的であった. わが国の現状では死体肝移植の登録は患者に精神的余裕がある時期に行うのが良く, 肝細胞癌合併例では Stage l でコントロール可能な場合に限ると考えられる. また, 精神科医の治療への参加は極めて有用である. さらには病状の終末化, 癌進展, 飲酒再開などに備え, 登録抹消基準の明確化が重要である.
著者
久次米 真吾 野呂 眞人 中島 香織 板倉 英俊 森山 明義 沼田 綾香 熊谷 賢太 酒井 毅 手塚 尚紀 中江 武志 原 久男 坂田 隆夫 杉 薫
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.97-107, 2005

<BR>【症例】33歳,女性.<BR>【主訴】動悸.<BR>【経過】生後より,全内蔵逆位・右胸心・右室性単心室・肺動脈弁狭窄症・共通房室弁閉鎖不全症と診断され,3歳時にBlalock-Taussig短絡術を,8歳時にWaterston手術を受けている.23歳時に心房内リエントリーを機序とする心房頻拍(AT)に対してカテーテルアブレーション(CA)を行い,以後,動悸は消失した.最近,週に1回程度の動悸を自覚するようになり来院,Holter心電図でQRS幅の狭い持続性頻拍を認めたため入院した.電気生理学的検査の結果,この頻拍は,前回と類似した房室接合部近傍を起源とするATであり,少量のATPで停止した,AT中の最早期興奮部位に通電したところ,通電中にATは停止し,その後は誘発されなくなった.<BR>【まとめ】成人期まで生存し得た右室性単心室症例に合併した,AT再発例に対するCA成功例を経験したので報告する.
著者
真田 樹義 宮地 元彦 山元 健太 村上 晴香 谷本 道哉 大森 由実 河野 寛 丸藤 祐子 塙 智史 家光 素行 田畑 泉 樋口 満 奥村 重年
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.291-302, 2010 (Released:2010-07-15)
参考文献数
23
被引用文献数
17 8

The purpose of this study was to develop prediction models of sarcopenia in 1,894 Japanese men and women aged 18-85 years. Reference values for sarcopenia (skeletal muscle index, SMI; appendicular muscle mass/height2, kg/m2) in each sex were defined as values two standard deviations (2SD) below the gender-specific means of this study reference data for young adults aged 18-40 years. Reference values for predisposition to sarcopenia (PSa) in each gender were also defined as values one standard deviations (1SD) below. The subjects aged 41 years or older were randomly separated into 2 groups, a model development group and a validation group. Appendicular muscle mass was measured by DXA. The reference values of sarcopenia were 6.87 kg/m2 and 5.46 kg/m2, and those of PSa were 7.77 kg/m2 and 6.12 kg/m2. The subjects with sarcopenia and PSa aged 41 years or older were 1.7% and 28.8% in men and 2.7% and 20.7% in women. The whole body bone mineral density of PSa was significantly lower than in normal subjects. The handgrip strength of PSa was significantly lower than in normal subjects. Stepwise regression analysis indicated that the body mass index (BMI), waist circumference and age were independently associated with SMI in men; and BMI, handgrip strength and waist circumference were independently associated with SMI in women. The SMI prediction equations were applied to the validation group, and strong correlations were also observed between the DXA-measured and predicted SMI in men and women. This study proposed the reference values of sarcopenia in Japanese men and women. The prediction models of SMI using anthropometric measurement are valid for alternative DXA-measured SMI in Japanese adults.
著者
小原 雄治 加藤 和人 川嶋 実苗 豊田 敦 鈴木 穣 三井 純 林 哲也 時野 隆至 黒川 顕 中村 保一 野口 英樹 高木 利久 岩崎 渉 森下 真一 浅井 潔 笠原 雅弘 伊藤 武彦 山田 拓司 小椋 義俊 久原 哲 高橋 弘喜 瀬々 潤 榊原 康文
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動では、支援課題の公募を行い、領域外有識者による審査委員会により選考し、支援を行った。経費上限設定など多くの採択ができるように努めた結果、応募188件、採択93件(採択率49.5%)となった。支援の成果として2017年度に54報の論文発表がなされた。②大規模配列解析拠点ネットワーク支援活動においては、最先端技術を提供するためにそれらの整備や高度化を進めた。遺伝研拠点では染色体の端から端までの連続した配列完成を目指して、ロングリードシーケンサー(PacBio Sequel)、長鎖DNA試料調製技術、さらに1分子ゲノムマッピングシステム(Irysシステム)の最適化を進め、実際の試料に応用した。東大柏拠点では、1細胞解析技術を整備し支援に供するとともに、Nanopore MinIONを用いた一連の要素技術開発を進めた。九大拠点では微生物ゲノムのNGS解析最適化を進めた。札幌医大拠点ではLiquid Biopsyによる体細胞における低頻度変異検出技術開発を進めた。③高度情報解析支援ネットワーク活動では、支援から浮かび上がった課題を解決するソフトウェアの開発を進めた。支援で特に活用されたものは、真核2倍体用denovoハプロタイプアセンブラPlatanus2(東工大)、染色体大規模構造変異高精度検出アルゴリズムCOSMOS、変異解析結果の信頼性を評価するソフトウェアEAGLE(以上、産総研)、エクソン・イントロン境界におけるスプライソソーム結合頻度の解析パイプライン(東大)、であった。また、CLIP-seqデータの解析パイプライン、高速オルソログ同定プログラムSonicParanoid、ロングリード向けアラインメントツールminialign(以上、東大)は今後の活用が予想される。高度化等の成果として48報の論文発表がなされた。