著者
森下 宏美
出版者
北海道大学經濟學部
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.37-48, 1986-06
著者
森下 哲夫 小林 瑞穂
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-88, 1954

我々はさきの報告に於て蛔虫を海〓に多数感染させて, 1週以後に蛔虫の幼虫及び成虫から得た抗元を以て, 罹患海〓に皮内反応を実施し特異な成績を得た.しかもこの反応は蛔虫の種類(人, 豚及び犬に)関係なく陽性であるが, 鉤虫抗元に対しては蛔虫罹患海〓は皮膚反応を示さないことを知つた.その逆に犬鈎虫罹患海〓は鈎虫抗元にのみ陽性の反応を示し蛔虫抗元には反応しない.更に蛔虫及び鈎虫抗元共抗元分析の結果polysaccharide fractionは注射後30分で烈しい発赤を惹起し, 6時間位継続して消褪し, 一方protein fractionは2〜3時間後から水腫を伴つて発赤を起し72時間継続することを知つた.豚蛔虫飼養液を抗元として蛔虫罹患海〓の皮膚反応を行うと蛔虫体成分のpolysaccharide fractionに相当する反応丈を示し, protein fractionに相当する反応は全然認められなかつた.Schultz-Dale反応を罹患海〓の腸に対し施行すると蛔, 鈎虫抗元ともpolysaccharide fractionのみが腸の著しいれんしゆくを示すが, protein fractionでは反応が陰性であつた.蛔, 鈎虫共成虫と幼虫との間には共通の皮膚反応が認められ犬鈎虫の場合はfilaria型幼虫のみならずrhabditis型幼虫が成虫と同様な皮膚反応陽性成分を有するが, 卵には認められなかつた.蛔虫卵に依る抗元の場合は更に判然とした変化を認められ蛔虫卵の数を一定にして抗元を製造すると, 単細胞のものには反応が認められず桑実期迄はこの状態が続くが, 蝌蚪期に至つて多少弱いが皮膚反応が陽性になつて来る.幼虫形成の蛔虫卵では勿論成虫と同様の反応を示した.以上の様な結果に対して更に精しい抗元の性質の究明を試みたのが本報文である.
著者
村上 真 森川 充洋 小練 研司 廣野 靖夫 五井 孝憲 飯田 敦 片山 寛次 山口 明夫
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.1237-1243, 2013-12-31 (Released:2014-07-02)
参考文献数
20

消化器外科手術において汎発性腹膜炎などの創分類classⅢ以上の症例ではSSIは依然高値である。今回,消化管穿孔による汎発性腹膜炎手術でのincisional SSI(以下,I-SSI)予防に持続吸引皮下ドレーンが有用かをretrospective検討した。2006年4月から2011年12月までの期間で,上部消化管を除く消化管穿孔例97例を対象に,持続吸引タイプ皮下ドレーンの有無でI-SSIの発生率を比較した。全体における皮下ドレーン留置群のI-SSIは12.9%で,非留置群の37.9%と比較し有意(p=0.0097)に低率であった。特に大腸穿孔でI-SSIが54.5%から7.1%まで低下した。皮下ドレーンは,使用症例を創分類Ⅲ以上の汚染手術とし,ドレナージチューブの抜去時期,効果的な留置に留意すれば,I-SSIの予防に有効な手段である。
著者
森 正人
出版者
The Human Geographical Society of Japan
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.522-535, 2014 (Released:2018-01-27)
参考文献数
37
被引用文献数
1

This paper aims to track the interlinked trajectories of the production of aesthetic landscape experience and the creation of senses of belonging to Japan during the formation of the modern nation-state of Japan. Particular emphasis was placed on an examination of the monthly tourist magazine Tabi 旅 (official English title is Travel), as tourism is a visual practice that frames vision, and mobilizes and assembles people and nature. The paper elaborates on how the culture of Japaneseness was embodied in the form of national parks and the selection of the New Eight Landscapes of Japan in the late 1920s and the early 1930s, as well as in the quest for the localness witnessed in the 1970s practice of traveling to and around various Sho-Kyoto sites recognized as pretty historic towns. In particular, the article focuses on the intersection of scale, materiality, visuality, and tourism using two periods of time to illustrate how the landscape of nature shaped the racialized homogeneity of Japan. The article clarifies that the national and local geographical scales of are not opposed, but mutual and supplementary. It also addresses how landscapes of nature materiality were used to instill moral and physical discipline, and how photos as a visual assemblage played a significant role in conveying a particular preference for localities featuring nature.
著者
入船 浩平 森本 裕介 内浜 正美
出版者
園藝學會
雑誌
園藝學會雜誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.511-516, 2003
参考文献数
22
被引用文献数
9

シンテッポウユリ鱗茎由来のカルスを用いて,パーティクルガン法により遺伝子導入を行った.プラスミドPAct1-F(イネ由来アクチン1遺伝子プロモーターにβ-glucuronidase(uidA遺伝子)をもつ)を導入しGUS発現により導入条件の至適化を行った.この至適条件に基づきカルスヘプラスミドpDM302 (イネ由来アクチン1遺伝子プロモーターにPhosphinothricin acetyltransferase (PAT)(bar遺伝子)をもつ)を導入し,ビアラフォスによる耐性カルスの選抜をおこなった.得られた耐性カルスを再分化に導き,遺伝子導入約6か月後に耐性株165株を得た.この耐性株から67株についてDNAを抽出しPCRに供した.その結果,導入遺伝子を持つ株が15株において確認された.さらにこの内,3株を用いて導入遺伝子のPAT活性による除草剤耐性試験を行った.
著者
森内 新二 道津 喜衛
出版者
長崎大学水産学部
雑誌
長崎大学水産学部研究報告 = Bulletin of the Faculty of Fisheries, Nagasaki University (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.7-12, 1973-12

Natural egg masses of the sea catfish, Plotosus anguillaris (Lacpede) were collected from the shore of Nomo Bay in Nomosaki (Lat. 32° 35.3' N, Long. 129° 45.5' E). The first egg mass was collected on June 12, 1972. The second and third collections were made on June 2 and July 1, 1973 respectively. The egg masses of the sea catfish were found in the shallow tide pool on the muddy shore during the ebb tide, being deposited in small holes under a vinyl sheet or cement boards probably made by the spawners, and being usually guarded by males. The eggs were spherical in shape measuring from 3.12mm. to 3.50mm. in diameter, non-adhesive and demersal. The egg yolk was considerably large and bright yellow in colour. The rearing and handling of eggs were found very difficult despite the size of egg and hence it was thought indispensable to have the knowledge of incubating habit of the male parent in order to be successful in normal development and hatching of eggs. Hatching was successful only from one egg mass collected on July 1, 1973 which was fortunately fully developed after the eggs were kept in the aquarium for only four days while the other two egg masses still at the early developmental stages were absolutely unsuccessful. The newly hatched out prolarvae, about 6.9 mm. in the total length, could not move to the water surface because of the big yolks and remained at the bottom of the aquarium. It took about 10 days before completing the yolk absorption and attaining the free swimming stage. About 4 days after hatching, the prolarvae began to move crawling along the bottom of the aquarium and gathered themselves at a certain area, showing their instinct of schooling. The rudiment of dendritic appendage of the urogenital papilla appeared already in the newly hatched larvae and it developed into a complicated form in the course of larval development. The postlarvae at the early swimming life stage measuring about 15 mm. in total length, already showed the appearance resembling the adult. From the free swimming stage, the larvae were bred for one month with nauplii of brine shrimp, Artemia salina.
著者
森川 清 木本 寅喜 阿部 良之助
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
日本化學會誌 (ISSN:03694208)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.150-155, 1941

第一報に於て<sub>1)</sub>水素添加法に依る有機物中酸素の直接定量法を試み最適分析條件を決定した.本報では白金シリカゲル上の熱分解機構を實驗に依て解析的に檢討すると共に計算に依て化學平衡論的方面から精細に考察して本分析法の原理を明確にした.
著者
大森 不二雄
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:13440063)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.9-30, 2014

<p> 本稿は,大学教育改革の鍵概念となっている「教学マネジメント」及び「内部質保証」に関し,大学経営と質保証の両面で先行した英国の政策と実態に関する分析・考察から,日本にとっての含意を得ることを目的としている.</p><p> 大学教育に関する日本の政策言説は,全学的な教学マネジメントや大学ガバナンスの内部質保証にとっての有効性に,素朴なまでに信を置いている.しかし,英国の大学における教学マネジメントを含む内部質保証システムの整備の考察からは,経営機能の強化は,質保証の実質化の必要条件であっても,十分条件ではない可能性が示唆される.また,質保証の取組がコンプライアンスにとどまり,教授・学習過程にインパクトをもたらすに至っていない,との批判的分析は,質保証の一筋縄ではいかない複雑性と困難を表す.</p>
著者
鈴木 寿之 森 誠一
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.39-43, 2016-04-25 (Released:2018-04-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1
著者
内田 康之 石田 直也 杉本 実夏 梅森 友賢 鎌田 健福 平沼 満紀 青木 岳史
出版者
公益社団法人 日本設計工学会
雑誌
設計工学 (ISSN:09192948)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.309-322, 2019 (Released:2019-05-05)
参考文献数
33

When terrorism occurred at tunnel of the underground, the police and Japan Self Defense Forces have to scout in the tunnel while confirming the safety in the tunnel. It’s said that they need the robot which does such dangerous work for the unit. So we have been developing the information gathering robot which can travel on the railway track of the underground, the station premises and the ground. This robot has a bogie wheel mechanism to pass easily a gap and a curve of a rail. In this report, we describe the design concept and the design process of the locomotion mechanism of this robot. And we consider the driving performance of it on the imitation railway track.
著者
和田 英夫 南川 光三 大岩 道明 兼児 敏浩 森 美貴 玉木 茂久 高木 幹郎 影山 慎一 片山 直之 南 信行 出口 克巳 白川 茂
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.773-776, 1991 (Released:2009-03-12)
参考文献数
7

特発性血小板減少性紫斑病(ITP), SLE, 慢性関節リュウマチ,再生不良性貧血患者の血中Interleukin-6 (IL-6)値を測定し,ITP例やSLE例では血中IL-6値の増加が認められた。またITPの治療にともない血中IL-6値は減少し,ITP発症時に血中IL-6値と血小板数は弱い負の相関を示した。この血中IL-6値の増加は,ITPの発症に免疫系の活性化が関与していることを示唆すると考えられた。
著者
事柴 壮武 浦辺 幸夫 前田 慶明 篠原 博 山本 圭彦 藤井 絵里 森山 信彰
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】膝前十字靭帯(anterior cruciate ligament;ACL)損傷はストップやジャンプ着地動作,サイドステップカッティング(sidestep cutting;SSC)動作で多く発生している。一般的に"Knee-in & Toe-out"という下肢アライメントの組み合わせが,マルアライメントの代表的なものとしてあげられる。SSC動作の筋活動について,Xieら(2012)はストップ期において大腿四頭筋に対するハムストリングの比(H/Q比)は,側方移動期よりも低値を示したとしている。また,ACL損傷のリスクである膝関節の過度の外反を制動するためには,大腿四頭筋とハムストリングの同時収縮をタイミングよく行う必要がある。よって,ACL損傷のメカニズムや予防を考慮すると,筋活動量だけでなく筋活動のタイミングを検討することは重要であると考える。SSCは足部運動との関連が示されており,足部の外側接地(Dempseyら,2009)や後足部での接地(Cortesら,2012)がACL損傷のリスクになるとされている。しかし,足部の方向(Toe-out)とSSCの関連を調べたものはみあたらない。本研究は,Toe-outでのSSCが膝関節運動学,筋活動様式に及ぼす影響を検討することを目的とした。仮説は,Toe-outでのSSCはNeutralと比較して膝関節外反角度が大きく,H/Q比が低いとし,さらに筋電位ピーク到達時間が遅延するとした。【方法】対象は下肢に整形外科的疾患の既往がない,健常な女性バスケットボール選手6名(年齢20.0±1.4歳,身長158.0±3.5cm,体重49.3±5.3kg,競技歴9.3±5.3年)とした。対象は5m離れた地点から最大努力速度で助走し,軸脚の左脚で踏み切り,右90°方向へSSCを行った。その際,着地条件として足部Neutral(条件N)と足部Toe-out(条件TO)の2条件を設定し,3試行ずつ実施した。なお,反射マーカーを対象の左下肢8ヶ所に貼付し,ハイスピードカメラ(フォーアシスト社)5台を用い,サンプリング周波数200HzでSSCを撮影した。撮影した映像を動作解析ソフト(Ditect社)に取り込み,DLT法で各マーカーの3次元座標を求め,膝関節屈曲,外反角度を算出した。本研究ではSSCを足部接地から膝関節最大屈曲位までのストップ期,膝関節最大屈曲位から足部離地までの側方移動期の2期に分割し,各期の膝関節最大外反角度を分析に用いた。筋活動の記録には表面筋電図(追坂電子機器社)を用いた。被験筋は外側広筋(VL),内側広筋(VM),大腿二頭筋(BF),半膜様筋(SM)とした。筋電図は生波形からRMS(root mean square)に変換して解析した。本研究ではVLとVMの活動量の平均値を大腿四頭筋の活動量,BFとSMの活動量の平均値をハムストリングの活動量とした。Initial contact(IC)を基準(0)とし,筋電波形の振幅がピークに達する時間をピーク到達時間と規定した。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,広島大学大学院保健学研究科心身機能生活制御科学講座倫理委員会の承認を得て実施した(承認番号1327,1335)。対象に本研究の趣旨を十分に説明し,書面にて同意を得た。【結果】膝関節最大外反角度はストップ期の条件Nで7.0±3.8°,条件TOで8.8±5.5°であった。側方移動期の条件Nで4.6±3.9°,条件TOで7.9±5.4°であり,条件TOで有意に高値を示した(p<0.05)。H/Q比はストップ期の条件Nで0.33±0.08,条件TOで0.33±0.13であった。側方移動期の条件Nで0.67±0.22,条件TOで0.48±0.12であり,条件TOで有意に低値を示した(p<0.05)。各筋のピーク到達時間は,条件NでVMは119.9±49.1msec,VLは114.3±49.6msec,SMは102.1±76.1msec,BFは175.4±79.5msecであった。条件TOでVMは145.2±26.2msec,VLは151.9±24.8msec,SMは88.6±62.6msec,BFは194.1±58.8msecであった。条件TOでVMのピーク到達時間が有意に遅延していた(p<0.05)。【考察】本研究の結果より,Toe-outでのSSCはNeutralと比較して,側方移動期の膝外反角度が高値となり,H/Q比が低値を示した。膝関節外反角度が大きく,H/Q比が低いことは大腿四頭筋優位となりACL損傷のリスクが高いことを示している。さらに,VMのピーク到達時間の遅延を認めた。また,有意差はなかったもののSMのみピーク到達時間がNeutralよりも早期であった。VMは内側ハムストリング(SM)と協同して内側機構の支持に働き,膝関節の安定性に関与している(Myerら,2005)。したがって,内側安定機構であるSMとVMのピーク到達時間のずれは,過度の膝関節外反の制動を困難にしていることが考えられる。【理学療法学研究としての意義】Toe-outでのSSCが膝関節運動学,筋活動様式に与える影響を明らかにすることは,ACL損傷メカニズムを解明する一助になるだけでなく,スポーツ現場やリハビリテーション場面において,ACL損傷の予防につながると考える。