著者
森 祥寛 佐藤正英 大野浩之 笠原禎也 井町智彦 高田良宏 東 昭孝 二木 恵 NAKASAN CHAWANAT
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.29-42, 2019-09-17 (Released:2019-09-17)
参考文献数
35

近年,ICTの技術的発展と社会的浸透によって,教育への情報化の推進などの取組が着実に進められつつある.特にSociety4.0(情報化社会)からSociety5.0に向けた人材育成は急務といわれている.そのための前段として携帯型パソコン必携化のような取組は,必要不可欠なものになるだろう.そこで,本稿にて,金沢大学で平成18年度から12年間実施してきた新入学生に携帯型パソコン必携化を軸に,ICTに関するさまざまな方策を紹介し,併せてそれら上手に活用させるためのICT活用教育実施とサポート体制について紹介する.
著者
尾縣 貢 木越 清信 遠藤 俊典 森 健一
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.117-124, 2015

Purpose of this study was to examine the recovery process of delayed onset muscle soreness, jump performance, force to contact with the ground and lower limbs movement after intensive jump exercise (IJE), and the relationships between muscle soreness, changes of jump performance and lower limbs movement. Nine males who have experience in special jump exercise participated in this study voluntarily. For the measurement, subjective investigation of the muscle soreness, drop jump performance using a 30 cm high box [jump height, contact time and drop jump index (jump height / contact time)], ground reaction force and movements of lower limbs. This measurement was carried out before IJE (Pre), and at 4 hours (P4), 24 hours (P24) and 72 hours (P72) after IJE. Main results are as follows ; at the time of P24 when intense muscle soreness appeared, significant jump height decreases and contact time increases were shown, and the jump index decreased markedly. This decrease of performance correlated to the change of knee and ankle joint movements during the eccentric phase. At P4, for a subject who felt strong muscle soreness, the decrease of jump height and jump index were considerable. At P72, most subjects recovered to the levels of jump height and contact time to the Pre level. The findings reveal that the jump performances are related to the degree of delayed onset muscle soreness.
著者
福森 雅史
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.195-216, 2009-03

「開」概念表示語である日本語動詞アケルとヒラクに注目し,各々の多義構造を解明することを目的とする。その際,「図地分化」([英語]Figure-Ground Segregation/[西語]segregacion de Figura y Fondo)の認識という概念的見地に立脚して観察することによって,各々の共通点や相違点などの概念的関係をも明らかにする。また,英語やスペイン語の例を挙げることによって,「図地分化」の認識が自身の生身の肉体や知覚器官を通して繰り返し経験することで獲得した経験である「人間の本性の産物」であることを実証する。さらには,同じ「開」概念表示語である英語動詞openおよびスペイン語動詞abrirにも論旨は及ぶ。
著者
福森 雅史
出版者
近畿大学英語研究会
雑誌
Kinki University English Journal = 近畿大学 英語研究会 紀要 (ISSN:18827071)
巻号頁・発行日
no.5, pp.47-65, 2010-01-01

「個の時代」が強調されて久しい今日、我が国ではオリジナル・テキストの作成やオフィス・アワーの活用など個の活動が大学教育で盛んに求められている反面、語学教員として「個」が如何にあるべきか、という研究・教育姿勢については必ずしも重視されているようには感じられない。そこで、本論文では、大学教育における語学教員として各自の研究が教育に反映されるべき姿勢のあり方を、まさに「個」を表す表現である英語再帰代名詞 SELF およびスペイン語再帰代名詞 si/se を通じて提議する。特に、この「その1」では、「oneselfは主語が指示する物と同一物を指示する」とする先行研究の問題点を認知言語学理論も交えて指摘する。
著者
福森 雅史 高橋 紀穂
出版者
近畿大学語学教育部
雑誌
語学教育部ジャーナル = Kinki University Department of Language Education journal
巻号頁・発行日
no.5, pp.27-45, 2009-03-01

著者専攻(福森): 認知言語学・スペイン語学・ポルトガル語学, 著者専攻(高橋): 社会学・人類学, 福森, 雅史
著者
森田 ゆり
出版者
南山大学人間関係研究センター
雑誌
人間関係研究 = Human Relations (ISSN:13464620)
巻号頁・発行日
no.3, pp.227-246, 2004-03-01

南山大学人間関係研究センター公開講演会日時:2003年5月12日(月)午後1時~2時30分場所:南山大学名古屋キャンパス D棟講師:森田ゆり(エンパワメント・センター主宰)
著者
永田 智子 鈴木 真理子 稲垣 成哲 森広 浩一郎
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Suppl., pp.161-164, 2008-02-10 (Released:2016-08-04)
参考文献数
4
被引用文献数
4

現職教師がデジタル・ティーチング・ポートフォリオを作成する活動とそのためのブログ環境を設定し,実践,評価した.実践では4名の現職教師が理科の授業についてブログに書き込みを行った.実践に参加した現職教師へ行ったインタビューから,本ブログ環境はおおむね使いやすいものであり,活動は授業の振り返りに役立つことがわかった.それに加えて,教師が実践や振り返りを継続するために,「日々のデータの蓄積」「蓄積されたデータの再利用」「他教師との比較による刺激」「実践継続の励み」「課題の提示」という機能が必要であり,ブログ環境や支援活動に組み込む必要があることがわかった.
著者
天野 敦雄 秋山 茂久 森崎 市治郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

Porphyromonas gingivalis線毛遺伝子(fimA)は核酸配列の違いにより5つの型に分類される.Polymerase chian reaction(PCR)法を用いたプラーク細菌叢の分析により,歯周病患者から分離されるP. gingivalis株と,健康な歯周組織を有する被験者からのP. gingivalis株の線毛遺伝子(fimA)型の相違を検索した.30歳以上の健康な歯周組織を有する被験者380名と歯周病患者139名からプラークと唾液を採取し,P. gingivalisの検出とfimA型の決定を行った.87.1%の歯周病患者と,36.8%の健康被験者からP. gingivalisが検出され,そのP. gingivalisのfimA型は,健康被験者では80%近くは1型fimA株であり,逆に歯周病患者では2型と4型fimA株が優性であった.特に,2型fimA株は歯周病との相関が,オッズ比で44と計算され,これまで報告されている中で最も強い歯周病のリスクファクターであることが示された.また,2型fimA株の分布は歯周ポケット深さと強い相関性を示し,8mm以上の深いポケットから検出されるP. gingivalisは90%以上が2型株であった.歯周炎に高い感受性を示す遺伝的素因を有し,早期に重篤な歯周疾患が併発するダウン症候群成人患者と,プラークコントロールが著しく不良な精神発達遅滞成人においても同様の検討を加えたところ,歯周病の重篤度とP. gingivalisの2型がfimA保有株との強い関連性が認められ,どのような因子をもつ宿主においても2型fimA保有P. gingivalisの歯周炎への密接な関与が示された.上記5つの型の線毛に対応するリコンビナントタンパク(rFimA)を新たに作製し,ヒト細胞への付着・侵入能を比較した.上皮細胞へのrFimAの結合実験では,2型rFimAが他のrFimAと比較して3〜4倍量の付着を示し,さらに細胞内への侵入も群を抜いて顕著であった.一方,繊維芽細胞への結合では型別による有意な差は認められなかった.rFimAの細胞への付着・侵入は,抗線毛抗体,抗α5β1インテグリン抗体により顕著に阻害され,同インテグリン分子が線毛を介したP. gingivalisのヒト細胞への付着・侵入に関わっていることが示唆された.さらに,各線毛型の代表菌株を用いた付着実験を行った結果,2型線毛遺伝子を保有する株は,30%と高い上皮細胞への侵入率を示したが,3,4,5型線毛株の侵入率は2-5%であった.これらの結果から2型線毛遺伝子を保有するP. gingivalisは口腔内上皮細胞への高い付着・侵入能を有し,上皮によるinnnate immunityを踏破し歯周組織への定着を果たすと考えられ,同遺伝子型のP. gingivalisが歯周病の発症に強く関与していることが示唆された.
著者
森田 智幸
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.319-327, 2012-03-10

This paper illuminates some historical aspects of the concept of 'Gōgaku'in the process of editing "Nihon-Kyouikushi-Shiryo" and clarifies what the historical process of it the Ministry of Education described in order to raise some issues for further discussion. This paper takes the following three points into consideration: first is that 'Gōgaku'was embedded in various case not classified in schools of feudal domains (han-ko) or private schools and academies (terakoya and shijuku) when "Nihon-Kyouikushi-Shiryo" was published, though the concept of 'Gōgaku'was found in the process of editing. This is because "Nihon-Kyouikushi-Shiryo" was edited for depicting the history that 'Gakusei'was adopted as the period of renovation of education in Japan. Secondly, according to original document, 'Gōgaku'was established with a mission for building new society that was not assumed in "Nihon-Kyouikushi-Shiryo". Thirdly, we have to explore the history of 'Gōgaku'as a history of the education of post elementary level.
著者
森 勝彦
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
鹿児島経大論集 (ISSN:02880741)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.p127-139, 1995-10
著者
太田 成男 大澤 郁朗 金森 崇 麻生 定光
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

ミトコンドリアに局在するアルデヒド脱水素酵素ALDH2は、エタノール代謝においてアセトアルデヒドから酢酸への反応を触媒する。その一塩基置換の遺伝子多型であるALDH2^*2はドミナント・ネガティブに働き、ALDH2活性を抑制する。我々は、ALDH2^*2が晩期発症型アルツハイマー病(AD)の危険因子であり、ALDH2^*2をもつ健常人集団の血清には、過酸化脂質がより多く蓄積していることを示した。過酸化脂質は、毒性の強いアルデヒド類である4-ヒドロキシ-2-ノネナール(4-HNE)に自然に変換されることから、4-HNEがALDH2の標的基質であることを想定した。すなわち、ALDH2酵素活性が低下すると4-HNEが蓄積し、毒性を発揮すると想定した。この想定を証明するために、マウス型ALDH2^*2遺伝子をPC12細胞に導入し、ALDH2活性をドミナント・ネガティブ低下させた。そして、ALDH2活性欠損株に酸化ストレスを与えると、4-HNEの蓄積と細胞死が促進されることを証明して、この仮説が正しいことを証明した。すなわち、ALDH2は酸化ストレスへの防御機構として働いていることが示唆された。次に個体レベルにおいてALDH2活性の欠失が及ぼす影響を調べるため、アクチン・プロモーター下にマウスのALDH2^*2を挿入し、トランスジェニック(Tg)マウスを作製した。3系統のTgマウスについて解析したところ、骨格筋において、過酸化脂質の分解物であるマロンジアルデヒドと4-ヒドロキシアルケナールが蓄積していた。しかも、筋繊維は生後直後正常であり、age-dependentの筋繊維の萎縮であることを見いだした。そこで、ALDH2欠損マウスでは、酸化ストレスが亢進されていることが推定された。さらに、ALDH2欠損筋繊維では、ミトコンドリア脳筋症の指標であるragged-red-fiberとミトコンドリアの凝集が認められた。このTgマウスでは、ALDH2^*2によりALDH2活性が抑制され、酸化ストレスによって生じるアルデヒド類の解毒能が低下した結果として筋萎縮が生じたものと考えられる。ragged-red fiberが出現したことから、ミトコンドリア脳筋症のモデル動物となる可能性がある。