著者
堤 裕昭 門谷 茂 高橋 徹 小森田 智大
出版者
熊本県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

有明海奥部では、近年、中央部および東側の海域で海底堆積物表層の泥分の増加および赤潮プランクトン由来の有機物の堆積による有機物含量の増加が起きていた。これらの事実は、同海域における潮流の減・および海水の鉛直混合力の減少を示し、梅雨期や秋雨期に河川水の一時的な流入量の増加に対して、形成される塩分成層の強度が強まることを示唆している。海域への栄養塩流入量が増加しなくても、成層強度の強化による赤潮の頻発、海底における汚泥堆積、夏季における貧酸素水発生が起きるメカニズムが解明された。
著者
杉森 勝宣 平尾 敬幸 瀬谷 秀俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.3, pp.310-312, 1994-03-25

無停電電源システムの小形化に向けてその技術動向を解説する
著者
品川 森一 平井 克也 本多 英一 見上 彪 小沼 操 堀内 基広 石黒 直隆
出版者
帯広畜産大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

1.PrP遺伝子に関連する制限酵素切断断片の多様性:日本で飼育されている羊のスクレイピ-の感受性に関わる遺伝的な背景は知られていない。潜伏期及び感受性に関係するPrPの遺伝子に関連した染色体DNAの制限酵素切断断片に多様性(RFLP)が認められ、このRFLPのパターンと潜伏期あるいは感受性の間に関連があることが明らかにされている。日本の羊におけるRFLP型の調査と特定の型とスクレイピ-の関連の有無を検討した。日本各地から集めた羊の組織から染色体DNAを分離し、EcoRIあるいはHindIIIで消化したDNA断片を羊のPrPコード領域をプローベとしてSouthern Hybridizationを行なった。日本の羊はI〜VIの6型に分けられた。またI〜III型は英国で報告された型と一致していた。スクレイピ-の羊18頭の型はI型に8頭と集中しており、一方II型とVI型は、正常な羊128頭で見られる頻度に比べて低く、抵抗性であることが示された。さらにスクレイピ-感受性にかかわる遺伝学的な背景を明らかにするために、地方別のRFLP型の分布を161頭の羊で調べたところ、ある程度の地域差が認められた。2.PrP^<Sc>検出によるスクレイピ-汚染状況の調査:1988年から1993年までに北海道、東北、関東および中部地方から集めた主にサフォーク種の羊197頭の脳、脾臓およびリンパ節からPrP^<Sc>の検出を行った。そのうち北海道の16頭および他地域の2頭からPrP^<Sc>が検出されたが、後者も北海道から導入された個体であった。このことから、日本では現在なおスクレイピ-の汚染は北海道に限局していることが示唆された。しかし北海道外で発生を見た地域では、その地域での伝播が起きていないことが確かめられるまで、中枢神経症状を示した羊があれば詳細に検索する必要があろう。また北海道からの羊の移動および有病地(国)からの導入は慎重を期す必要がある。
著者
鄭 雲珠 末松 はるか 伊藤 貴之 藤巻 遼平 森永 聡 河原 吉伸
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

散布図の集合を用いた高次元データ可視化の一手法を提案する。本手法ではまず、高次元データから相関性の高い複数の次元ペアを選択し、各々の次元ペアから複数の散布図を生成する。 続いて、次元を共有する散布図どうしを連結したネットワークを構成し、力学モデルを適用することでネットワークの画面配置を適正化する。 以上により、関係性の高い散布図が画面上で隣接するような可視化結果を得る。
著者
高川 真一 森鼻 英征 下田 廣一郎 山内 裕 神野藤 保夫 井上 和也
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
関西造船協会誌 (ISSN:03899101)
巻号頁・発行日
no.214, pp.177-185, 1990-09-25
被引用文献数
1

The pressure hull of deep submergence research vehicle is an utmost important structure that secures the safety of crew members against the hydrostatic pressure in deep sea, and should be as compact in size and light in weight as possible in order to obtain easy operation and high maneuverability of the vehicle. In design and fabrication of the pressure hull, the application of high strength material which has reliable characteristic for practical use, of design method suitable for such material and fabrication procedure which satisfies the quality requirement of the highest degree have been encouraged. In the develoment of the 6500m deep submergence research vehicle "SHINKAI 6500", which is the latest submergence research vehicle following the 2000m deep submergence research vehicle "SHINKAI 2000" in Japan, the investigation in various fields was carried out in order to adopt titanium alloy, which has superior strength/weight ratio, for the pressure hull. The production procedure of heavy thickness and large size plate and forging material, and the fabrication procedure of the pressure hull were investigated by the fabrication of the full scale model made of titanium alloy and by material tests with specimens cut from the model. The collapse behaviour was examined by collapse tests using scale models of titanium alloy and by nonlinear behaviour analysis with FEM procedure. Finally, in order to confirm both the fabrication procedure and design method in total, the cyclic loading test and collapse test using scale model fabricated according to the procedure equivalent to that for the actual pressure hull. This paper presents the design and fabrication of the pressure hull of "SHINKAI 6500".
著者
清水 隆司 森田 汐生 竹沢 昌子 赤築 綾子 久保田 進也 三島 徳雄 永田 頌史
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.35-42, 2003-03-01
被引用文献数
3

職場のメンタルヘルスと自己表現スキルの関係を調べる準備調査として,自己表現スキルの1つであるアサーティブネスを測定するRathus Assertiveness Schedule (RAS)の日本語版を作成し信頼性・妥当性を検討した.対象は,某製造業A社の従業員364名とアサーティブネストレーニング(AT)を受講した社会人73名とした.方法は,AT受講者が受講前に回答した結果とATのトレーナーが客観的に受講者の自己表現を評価した結果を比較し,日本語版RASの妥当性を検討した.また,A社従業員の回答結果から内部一貫信頼性を調べた.次に,同意を得られたA社社員98名に対して再度調査を行い,再テストの信頼性を調査した.調査結果から,30項目全てよりも3-7,9,13,19,20,25,28を除く19項日の日本語版RASの方が,トレーナーの客観的評価と相関が高く,妥当性が高いと思われた.また,クロンバッハのα係数や,初回と2回目の結果の相関も共に0.80以上と高く,30項日及び19項日の日本語版RASの内部一貫信頼性と再テストの信頼性は高いと考えられた.今回の結果から,日本人のアサーティブネスを測定するには30項日全てよりも19項日の日本語版RASの方が好ましいと考えられた.
著者
櫻井 清一 霜浦 森平 新開 章司 大浦 裕二 藤田 武弘 市田 知子 横山 繁樹 久保 雄生 佐藤 和憲 高橋 克也
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

農村経済多角化に資する経済活動の運営方式と、地域レベルの経済活動を下支えする社会的成立基盤との関係性を分析し、以下の諸点を明らかにした。(1)農産物直売所が開設されている農村社会では、高齢出荷者の社会活動レベルの低下および出荷活動の停滞がみられる一方、後発参入者が広域的な社会ネットワークを広げ、出荷活動にも積極的である。(2)多角化活動の実践は地域社会における経済循環を形成している。(3)政府による農商工等連携事業において、農業部門の自主的な参画・連携がみられない。(4)アイルランドで活発な地域支援組織LAGはプロジェクト方式で自主的に運営され、地域の利害関係者間に新たな協働をもたらしている。(5)アメリカの消費者直売型農業にかつてみられたオールタナティブ性が変化し、対面型コミュニケーションが希薄化している。
著者
高橋 徹 清水 裕子 井上 一由 森松 博史 楳田 佳奈 大森 恵美子 赤木 玲子 森田 潔
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.4, pp.252-256, 2007 (Released:2007-10-12)
参考文献数
38
被引用文献数
6 9

昨今の生命科学の進歩は薬理学の研究をより病態に応じた新薬の開発へと向かわせている.しかし,肝不全,腎不全,多臓器不全など,急性臓器不全は高い死亡率を示すにもかかわらず,その治療において決め手となる薬物は未だ開発されていない.これら急性臓器不全の組織障害の病態生理は完全に明らかでないが,好中球の活性化や虚血・再潅流にともなう酸化ストレスによる細胞傷害が大きな役割を果たしている.酸化ストレスはヘムタンパク質からヘムを遊離させる.遊離ヘムは脂溶性の鉄であることから,活性酸素生成を促進して細胞傷害を悪化させる.この侵襲に対抗するために,ヘム分解の律速酵素:Heme Oxygenase-1(HO-1)が細胞内に誘導される.HO-1によるヘム分解反応産物である一酸化炭素,胆汁色素には,抗炎症・抗酸化作用がある.したがって,遊離ヘム介在性酸化ストレスよって誘導されたHO-1は酸化促進剤である遊離ヘムを除去するのみならず,これらの代謝産物の作用を介して細胞保護的に機能する.一方,HO-1の発現抑制やHO活性の阻害は酸化ストレスによる組織障害を悪化させる.この,HO-1の細胞保護作用に着目して,HO-1誘導を酸化ストレスによる組織障害の治療に応用する試みがなされている.本稿では,急性臓器不全モデルにおいて障害臓器に誘導されたHO-1が,遊離ヘム介在性酸化ストレスから組織を保護するのに必須の役割を果たしていることを述べる.また,抗炎症性サイトカイン:インターロイキン11,塩化スズ,グルタミンがそれぞれ,肝臓,腎臓,下部腸管特異的にHO-1を誘導し,これら組織特異的に誘導されたHO-1が標的臓器の保護・回復に重要な役割を果たしていることを示す.HO-1誘導剤の開発は急性臓器不全の新しい治療薬となる可能性を秘めている.