著者
坂井 陽一 越智 雄一郎 坪井 美由紀 門田 立 清水 則雄 小路 淳 松本 一範 馬淵 浩司 国吉 久人 大塚 攻#橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.7-20, 2010

瀬戸内海安芸灘に位置する大崎上島の沿岸魚類相について,餌釣りと潜水観察による調査を実施した。ガラモ場の存在する桟橋を中心に調査定点を島の南部北部それぞれに設定し,オキアミ類とゴカイ類を餅に約10名が1時間釣りを行う作業を2007年5月から2008年3月まで隔月で実施し,出現魚類の季節変化を検討した。また,2007年5月から7月にかけて,屋代島から竹原までの安芸灘広域に9ゾーン26調査点を設け,同様の調査を実施し,出現魚類の水域ゾーン間の相違を検討した。本調査により総計29科63魚種を記録した。そのうち高水温期にのみ出現する南方系魚種は4種のみであった。記録した魚種の76%(48種)は伊予灘で記録されているものであった。一方,宇和海での魚類相データとの魚種共通率は30%前後に留まり, 安芸灘を含む伊予灘以北の水域が生物地理学的に中間温帯区(西村, 1981)と定義されていることの妥当性が裏付けられた。大崎上島において周年および冬期を除き常時記録されたのは,カサゴ,メバル,ハオコゼ,クジメ,アサヒアナハゼ,マダイ,ウミタナゴ,スズメダイ,メジナ,コブダイ,ホシササノハベラ,キュウセン,ホンベラ,クラカケトラギス,ホシノハゼ, イトヒキハゼ,ヒガンフグ,コモンフグであった。これら18魚種の多くは安芸灘広域調査においても広く出現が認められ,安芸灘の浅海魚類群集の基本構成種と考えられた。ホシササノハベラは愛媛県中島周辺水域での出現頻度が極めて高く,同様の安芸灘における主要な個体群が安芸灘南西エリアに存在する可能性が示唆された。また,過去に瀬戸内海での記録のないホシノハゼが安芸灘広くに確認され,急速に分布拡大を進めていることが示唆された。
著者
永井 智之 島田 宗昭 湊 敬道 田中 恵子 土岐 麻実 工藤 敬 橋本 千明 星合 哲郎 徳永 英樹 八重樫 伸生
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.92-97, 2019 (Released:2019-06-08)
参考文献数
11

Objective: To evaluate the usefulness of diagnostic laparoscopy in patients with advanced ovarian cancer.Methods: We retrospectively analyzed nine patients for whom primary debulking surgery was considered unfeasible. We evaluated whether laparoscopic procedure was adequate in making pathological diagnosis and intraabdominal assessment.Results: Median age was 63 years (range, 47-79 years), and median operation time was 59 minutes (range, 43-103 minutes). All nine patients were pathologically diagnosed with high-grade serous carcinoma and were considered unfit to undergo primary debulking surgery. All patients received chemotherapy. Six patients underwent interval debulking surgery. Only one patient showed mild adhesions between the omentum and the abdominal wall. Conclusion: Diagnostic laparoscopy is safe and feasible in advanced ovarian cancer patients.
著者
橋本 侑樹 村松 大吾 小方 博之
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-4, 2010
参考文献数
6

人が筆記を行う際のペンの持ち方は個人ごとに異なっており, 個人認証に有効だと考えられる.本論文では, ペンの持ち方特徴を用いた個人認証手法を提案する.提案手法では, カメラを用いてペンの持ち方画像を撮影し, 複数の特徴をその画像から抽出する.抽出した特徴を事前登録されているデータと比較し非類似度ベクトルを計算し, それらを3層パーセプトロンで組み合わせることにより認証スコアを取得する.収集したデータベースを用いた実験ではなりすまし攻撃に対して等誤り率5.6%という結果になった.
著者
村松 大吾 橋本 侑樹 小方 博之
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-8, 2011-05-12

筆記をする際のペン持ち方に注目し,カメラで撮影したペン持ち方画像を用いて個人を認証する手法を検討する.ペンの持ち方は,手の大きさ等の人の身体的特徴に由来する個人性とともに,どのようにペンを持つのか,という人の癖に由来する個人性が存在すると考えられ,個人認証に有効なモダリティだと考えられる.本研究ではその有効性を確認するために,ペン持ち方を撮影した画像 (ペン持ち方データ) から多数の特徴を抽出し,各特徴から計算される非類似度を統合することで認証を行う.本研究では 33 個の特徴から計算される非類似度スコアを realAdaBoost を用いて統合し,ユーザ依存しきい値と比較することで認証を行った.30 人から取得したペン持ち方データを用いた評価実験では,他人の握り方を真似したなりすまし攻撃に対して等誤り率 4.1% という結果を得た.We focus on a biometric person authentication method using features of pen holding style. The manner of holding pen can be distinctive among persons and be useful modality for person authentication, because the manner is affected by both the physical features and habitual behavior. In order to evaluate the efficiency, we extract several features from the pen-holding image, and fuse them for verification. In this paper, realAdaBoost algorithm is used for the fusion, and user-dependent threshold is applied for a decision making. The developed algorithm is evaluated using the database collected dorm 30 persons. The algorithm achieved an EER of 4.0% against the impersonation attacks.
著者
村松 大吾 橋本 侑樹 小方 博之
出版者
The Institute of Image Electronics Engineers of Japan
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.47-55, 2013

筆記は個人性が現れる動作のため,個人を認証する特徴として利用されている.従来の筆記を用いた個人認証はオンライン署名認証に代表されるような運筆動作に注目した手法である.本稿では,運筆動作ではなく,筆記時のペンの持ち方に着目した個人認証手法を提案する.提案手法では,筆記者のペンの持ち方をカメラにより撮影し,撮影された画像から「持ち方」の違いや「手」の違いを考慮して「ペン持ち方」に関係する特徴を複数抽出し,それらをスコアレベルで統合することで認証を行う.30人から取得したペン持ち方画像を用いた精度評価実験では,提案手法により等誤り率2.7%で本人と他人を判別できる結果を得た.また本人の持ち方を真似したなりすましデータを用いた攻撃耐性評価実験では等誤り率4.1% という結果を得た.
著者
原田 直哉 中島 容子 中村 徹 橋本 平嗣 林 道治 堀江 清繁 赤崎 正佳 小林 浩 井上 芳樹 高井 一郎 潮田 悦男 大井 豪一 小畑 孝四郎 喜多 恒和 下里 直行
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-10, 2013

妊婦健康診査(以下,健診)をほとんど受診することなく分娩に至る妊婦健診未受診妊婦(以下,未受診妊婦)に関する既報では多くが施設単位であるため,奈良県全体での実態を把握するためのアンケート調査を実施した.未受診妊婦の定義は,(1)全妊娠経過を通じての産婦人科受診回数が3回以下,または(2)最終受診日から3カ月以上の受診がない妊婦,のいずれかに該当する場合とした.県内のすべての分娩施設に対し,平成22年1月からの1年間の分娩数と,未受診妊婦があれば個別に母児の状況を調査した.年間11,168例の総分娩数中の11例(0.10%)の未受診妊婦を認めた.初産婦は4例(36.4%)で,5回あるいは7回と多産の経産婦もいた.未入籍は9例(81.8%),妊娠のパートナーと音信不通になっている者が5例(45.6%)いた.重篤な合併症を認めた母体が3例(27.3%),集中治療室に収容された新生児が3例(27.3%)であった.産褥健診を受診しなかった1例(9.1%)は,新生児の1カ月健診も受診しなかった.未受診を防ぐことは,母児の健康を確保するだけでなく,周産期母子医療センターへの患者集中を防ぎ,周産期の医療資源の有効利用にもつながるため,社会全体でその解消に取り組む必要がある.また未受診であった妊婦に対しては,虐待のハイリスクグループと考え,その後を通常の妊婦と異なる個別の対応を行うことにより,虐待を防止することができるかもしれない.〔産婦の進歩65(1):1-10,2013(平成25年2月)〕
著者
高柳 達 中島 謙一 村上 進亮 橋本 征二
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.31, 2015 (Released:2015-10-19)

固定価格買い取り制度によって、自然エネルギーの開発及び利用が年々増加している。ここで太陽電池を例に取ると、その普及は、太陽電池パネルに必要なレアメタルの需要の増加や近未来における使用済み太陽電池パネルの排出の増加を意味する。したがって、使用済みパネルに含まれるこれら元素を有効利用できれば、資源安定供給の一翼を担うことにもなる。本研究では、太陽電池パネルおよび周辺機器に使用される元素の今後の需要量と太陽電池を完全にリサイクルするとした場合のこれら元素の供給量のバランスを2010〜2050年にわたり検討した。その結果、廃棄される太陽電池に含まれる元素の量がその元素の全体の需要量に対して大きいのは、Si、In及びTe等であった。周辺機器に利用されるAl、Cu、Fe などの汎用元素を回収しながら、合わせてSi、In及びTe等を優先的にリサイクルするようなシステムを検討することが有益と考えられた。
著者
小泉 由美 河野 由美子 久司 一葉 木本 未来 坂井 恵子 酒井 桂子 坪本 他喜子 橋本 智美 北本 福美
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.4_91-4_99, 2012-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
17

タクティールケアは,スウェーデンで開発された施術者の手で背部や手部・足部を『柔らかく包み込むようにゆっくり触れる』ケアである。本研究は,タクティールケアの効果を明らかにすることを目的として,実践記録の施術対象者の状態や発言内容を“反応”として内容分析を行った。結果,タクティールケアの反応として,【心地よかった】【リラックスした】【穏やかになった】【眠気を催した】【夜よく眠れた】【積極性が増した】【温かくなった】【温かさが持続した】【熱くなった】【痛みが和らいだ】【腸の動きが変化した】【便通が良くなった】【唾液が増えた】の13カテゴリーが生成された。効果としては,情緒の安定を促す,良質な睡眠を促す,高齢者の活動性を高める,温かさが持続する,痛みを緩和する,排便コントロールを促す,が見出された。タクティールケアは,臨床や介護現場において活用できる手法であると考える。
著者
河北 雄一郎 新居 早也佳 橋本 博子 永谷 基浩 村井 一人 竹田 博幸
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2015

【目的】国立循環器病研究センターの減塩食「かるしおレシピ」は素材のうま味を引き出す京料理の考え方をベースとして、美味しく食べられるように工夫されている。レシピの基本はだし汁1.3Lに淡口醬油50ml、砂糖30g、塩6gを合わせた八方だしで、煮物から下茹でなど様々な調理に利用できる。一般的な八方だしには淡口醤油が多用されるが、かるしお八方だしにも淡口醤油が必須の調味料として使用されている。そこで本研究では、かるしお八方だしに淡口醤油を使う意義を解明することを目的とした。【方法】減塩調理に醤油が及ぼす影響を評価するため、淡口醤油と濃口醤油各々で調製した八方だしで、長芋の煮物、大根とうす揚げの煮物、ぶり大根、鯛の煮付け、治部煮、筑前煮を同条件で調理し、SD法による官能評価を行った。既に我々は塩味とだし風味について、淡口醤油中の方が濃口醤油中に比べ低い濃度で識別できることを報告してきたが、甘味は検討できていなかったため、本報告では甘味を識別できる濃度を調査した。淡口醤油と濃口醤油を用いてうどんだしを調製し、砂糖濃度1%を中心としてその濃度差を変えて2点識別試験片側検定にて甘味の閾値を比較した。【結果】減塩調理時の官能評価では全てのメニューで淡口醬油が濃口醤油よりも「素材の味が生きる」項目で有意差が見られた(P<0.001)。また、淡口醤油では砂糖濃度1%と1.25%の差を有意水準0.1%で識別できたが、濃口醤油では識別できなかった。以上より、淡口醤油は、塩味やだし風味に加えて、甘味を感じやすいことが明らかとなり、素材の味を引き立て、料理を低塩で美味しく仕上げることができる点で、かるしお八方だしに必須であることが示唆された。
著者
鎌野 千佐子 大沢 弘和 橋本 和政 坂田 紗弥子 山本 美生 吉田 秀光 齋藤 サビーネ 京子 木嶋 祥一郎 柏木 哲也 飯野 靖彦 片山 泰朗
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.573-580, 2009-08-28 (Released:2009-10-06)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

血液透析(hemodialysis;HD)で血液がダイアライザーと接触すると補体,凝固・線溶系,血小板,白血球,サイトカインなどの活性化がおこる.このため血小板や白血球はHD開始直後に低値を示し,HD終了後にほぼ前値へ回復するとされている.われわれは,当院入院中の維持HD患者でダイアライザーが原因と考えられる血小板数の低下を認めた2症例を経験した.いずれの症例も,発症時にFPX®(polysulfone membrane;PS膜)を使用していた.血小板数はHD終了ごとに減少していたためダイアライザーを変更すると,HD後に血小板が減少することはなくなり,血小板数は回復した.経過および検査結果よりdisseminated intravascular coagulation(DIC)は否定した.1症例目は抗凝固剤heparinの投与は一切なく,2症例目ではheparinを中止することなくダイアライザーの変更のみで血小板数が回復したことからheparin induced thrombocytopenia(HIT)は否定した.薬剤歴および骨髄所見から薬剤性骨髄抑制も否定的であった.患者の状態が安定したところで,インフォームドコンセント(informed consent;IC)を得て再度FPX®を使用したところ,HD後に血小板数は著明に低下した.Heparinの投与量に関してはactivation coagulating time(ACT)を用いて評価を行った.FPX®は,生体適合性が比較的高いと考えられている.しかし,2症例ともFPX®使用開始後に血小板減少を認めており,血小板数はHD後に減少する傾向がみられ,ダイアライザーの変更のみで血小板数が前値へ回復した.またFPX®を再使用した際HD後の血小板数が半減した.このため血小板数の減少にはFPX®の関与が示唆された.
著者
松野 元樹 田中 翔 原 拓希 川本 峻頌 下山 翔 川島 崇 積田 大介 城戸 康 橋本 司 高木 友博
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本研究ではマルチエージェントシステムを念頭に、タスク実行に必要なリソースとメンバー能力のマッチング問題を考える。我々はタスク・リソースマッチング問題に対し深層強化学習を用いて現代的な解法を構築し、基準となるいくつかの既存手法と多角的な観点から比較しながら提案手法の評価を行った。数値実験の結果により、深層強化学習は組み合わせ最適化問題において実行時間と組み合わせ精度の両立を狙う際に有用であるということが明らかにされた。
著者
橋本 衛 池田 学
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.427-432, 2015-04-01

びまん性白質病変の精神症状を考察するうえで,皮質病変の影響を除外することは重要な問題である。特に高齢者ではアルツハイマー病(AD)を高頻度に合併するため,皮質下虚血性病変による症候と捉えていたものの中に皮質症状が混じっている可能性が十分ある。しかし,両者を厳密に分離することは困難であるので,本稿ではADと皮質下虚血性病変との相互作用,ADに皮質下病変を合併した際の臨床症候について考察する。虚血性白質病変やラクナ梗塞などの皮質下の小血管病変は,前頭葉を中心とした神経ネットワーク(前頭葉基底核視床回路)を障害し,高齢者においては認知機能低下,特に遂行機能障害を引き起こすことが報告されている。また,これらの病変がうつのリスクであることは繰り返し指摘されてきた。さらにこれらの皮質下虚血性病変がAD患者の妄想やせん妄などさまざまな精神症状のリスクとなる可能性も指摘されているが,研究は少なくそのメカニズムもいまだ不明な点が多い。
著者
有井 薫 公文 義雄 池田 幸雄 末廣 正 橋本 浩三
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.72, 2007

【目的】関節リウマチ(RA)の病態形成に酸化ストレスの関与が示唆されているが、これまでに実際にRA治療で臨床応用されている抗酸化剤は今のところない。我々は、脳梗塞を発症した関節リウマチ患者をフリーラジカル消去剤である塩酸エダラボン(Ed)で治療した際、RA活動性が低下した1例を経験した。そこで、RAの病態形成に及ぼすEdの影響についてin vitro、in vivoの検討を行なった。【方法】RA患者より採取したヒト滑膜細胞(SC)を培養し、IL-1βで刺激したSCの増殖能や遊走能、IL-6、MMP-3産生能、caspase-3/7活性に与えるEdの影響を検討した。また、細胞内転写因子であるNF-κBに与えるEdの影響についても検討した。in vivoの検討では、雄性DBA/1J マウスにコラーゲンで関節炎を誘発させ、Edによる治療効果を関節炎スコアで評価した。【結果】IL-1β刺激により増加したSCの増殖能・遊走能、およびSCからのIL-6、MMP-3産生はEdにより有意に抑制された。IL-1β刺激により抑制されていたSC のcaspase-3/7活性はEdにより有意に回復した。また、IL-1β刺激により活性化されたNF-κB活性は、Edにより有意に抑制された。雄性DBA/1J マウスを用いたコラーゲン誘発性関節炎の肉眼的関節炎スコアはEdの静脈内投与により有意に低下した。【結論】EdはRAの病態形成に対し抑制的に作用し、新しい治療薬となりえる可能性が示唆された。
著者
橋本 俊行 八尋 美希 瓜生 隆弘 有田 信夫
出版者
近畿大学九州短期大学
雑誌
近畿大学九州短期大学研究紀要 (ISSN:09164383)
巻号頁・発行日
no.36, pp.45-56, 2006

洋菓子店のWeb サイトに関する制作指針を検討した。最初に、検索エンジンとしてヤフーとグーグルを用いて112 の実店舗Webサイトを抽出した。抽出されたサイトに対して学生の評価をベースとして絞り込んだ9つのサイトについて別の学生集団による5段階評価を実施し、上位3つのサイトを選考した。また、これとは別に洋菓子店に関するアンケートを実施した。両方の結果を分析した結果、洋菓子店のサイトでは、ケーキの写真が決定的に重要であること、単品に偏らないこと、文字が多すぎないこと、リンク表示がわかりやすいこと、制作の舞台裏情報が分かること、駐車場情報が重要なこと、などいくつかのサイト制作指針が得られた。これらはいずれも常識的な指針と言えるが、そのような常識的な指針をはずしたサイトも多く見られた。
著者
橋本 博之 山下 亜希子 藤田 孝輝 岡田 正通 森 茂治 園山 慶 北畑 寿美雄
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of Applied Glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.169-176, 2004 (Released:2008-03-24)
参考文献数
42

Oligosaccharides with α-D-galactosidic linkages, especially the positional isomers of α-galactobiose (α-Gal 2), participate in such biological processes as immunity and pathogen-to-cell adhesion on the basis of molecular mechanisms for ligand-receptor interaction. α-Linked galactooligosaccharide (α-GOS) containing positional isomers of α-Gal 2 produced from galactose by the reverse reaction of α-galactosidase, is a potential food for the prevention of infections by pathogens, neutralization of toxins, and regulation of immune system. α-GOS (7.5 kg) was produced from galactose (18 kg; prepared from lactose hydrolyzate) by the reverse reaction of α-galactosidase from Aspergillus niger APC-9319. α-GOS contained 58% disaccharide, 28% trisaccharide and 14% oligosaccharides larger than trisaccharide. The disaccharide in α-GOS consisted largely of α-1,6-galactobiose (73%). α-GOS was stable at neutral and acidic pHs, and high temperatures. The sweetness of α-GOS was 25% of that of sucrose. The taste of α-GOS was mild and mellow. α-GOS reduced acid taste, bitterness, astringency, and harsh taste without spoiling the original taste in various fruit juices, and emphasized the original flavor of food materials in various cooked foods. α-GOS was not hydrolyzed in an in vitro digestion method. In oral tolerance tests of α-GOS, the blood glucose level did not change at all. α-GOS had a strong selective growth activity for Bifidobacterium sp. and Clostridium butyricum. An α-GOS intake in rats made the contents of lactate and n-butyrate in the cecum higher, and pH in the cecum lower than for a control intake. The viable count of Candida albicans in cecum and colon of mouse was decreased by an α-GOS intake more than by a raffinose intake. Therapeutic oral treatment with α-GOS had a potent inhibitory effect on adjuvant arthritis in Wister rats and on type II collagen-induced arthritis in DBA/1 J mice. Dietary α-GOS ameliorated allergic airway eosinophilia at least partly via post-absorptive mechanisms in Brown Norway rats.
著者
橋本 哲夫 坂上 修栄 小嶋 素志 坂井 正
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.219-225, 1991
被引用文献数
6

照射直後にみられる岩石薄片からの蛍光あるいはアフターグロー (リン光) の新観察法を通常のカラーフィルムを用いて開発した。γ線照射した岩石薄片を暗袋の中でカラーフィルムに直接押し当てて2-5分間露出したところ, 得られた写真は薄片中の鉱物組成に依存した驚くほど色彩豊かなものであった。また, アフターグロー画像 (AGCI) の強度は, 全吸収線量よりむしろ線量率に依存していた。熱変性による色調の変化のみならず, 個々の鉱物においてさえ, さまざまな発光強度の変化が観察された。繰り返しAGCI観察の結果からは, 壊変挙動が定性的に観察できた。ここで提案した簡便なAGCI技法は, さまざまな鉱物学的な研究のみならず, 他の固体物質の固有の物性に関した情報にも適用可能であろう。
著者
中村 やよい 橋本 樹範 松尾 美貴
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集 2007年度秋季
巻号頁・発行日
pp.223-228, 2007-09-20 (Released:2017-06-08)

弊社ではISO9001を取得し,プロセス改善の取組みを行なってきたが,多様なシステム開発を行う会社として,以下の課題があった.(1)『標準プロセス』とその改善の重要性の理解が進まず,現場に浸透していない.(2)ISO9001での要求事項は抽象的かつ汎用的なため,開発現場の具体的な活動への展開が難しい.(3)開発内容が多岐に渡るため,開発プロセスの標準化が難しい.このため,開発にフォーカスしたプロセス改善手法であるCMMI(レべル3)のフレームワークを活用し,以下の取組みを行なうこととした.(1)トップダウンによる現場へのプロセス改善意識と知識の普及(2)CMMIフレームワークを用いての,開発にフォーカスした『標準プロセス』の構築(3)CMMIのテーラリングの概念を用いての各種開発プロセスの統合活動の結果,ISO/CMMIを統合した『標準プロセス(QMS)]を構築し,また,CMMIレべル3を達成している(2007年3月)今後,このQMSを成長させつつレべル4,5を目指した改善活動を進めていく.
著者
橋本 敏博 桝永 秀彦 奥山 牧夫
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.149-154, 1991-02-28 (Released:2011-08-10)
参考文献数
8

胃内発酵によりアルコール性低血糖をおこした血液透析患者の1例を報告する.症例は72歳男性で, 慢性血液透析を施行していたが, 幽門部胃潰瘍を合併し, 固形物は食べ難い状態であった.昭和63年9月10日, 意識障害にて入院, 著明な低血糖を呈し, ブドウ糖の静注にても血糖維持が困難であった.呼気にアルコール臭がするため, 胃内発酵によるアルコール性低血糖を疑い胃管を挿入したところ, アルコール臭のする多量の食物残渣が吸引された.それととともに, 低血糖症状は消失した.胃管挿入前の血漿エタノール濃度は0.2mg/mlであったが, 胃吸引後は測定限界以下となった。胃液培養からはCandida alubicansおよびTorulopsis glablataが検出され, in vivoでそのアルコール発酵能が証明された.