著者
中野 常男 橋本 武久 清水 泰洋 杉田 武志 三光寺 由実子
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,不正会計・財務に関連する歴史的事件を取り上げ,それぞれの事件が持つ歴史的意義を分析した。対象となる国,時代はイギリス(南海泡沫事件,東インド会社),オランダ(チューリップ狂事件),フランス(ミシシッピ会社事件),アメリカ(公益事業会社規制)と様々で,それぞれ歴史的重大性を持つ事件である。それぞれの事件において会計の持つ役割は決して主導的なものではないが,不正会計の事件においては会計の持つ道具性が強調されたことを明らかとした。
著者
坂本 圭 福元 哲也 平井 奉博 橋本 伸朗 前田 智 中馬 東彦 松下 任彦 酒本 高志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.161-164, 2018-03-25 (Released:2018-05-21)
参考文献数
10

壊死性筋膜炎は進行すると死亡に至る重篤な感染症であり,死亡率は32.2%と高く,早期の治療が必要である4).壊死性筋膜炎の診断で緊急に切断術を施行した3症例を経験したので報告する.
著者
池田 崇博 今井 浩 西村 茂樹 下浦 弘 橋本 武夫 天目 健二 三藤 邦彦
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.69(1994-AL-040), pp.89-96, 1994-07-22

最短路問題は、あらゆる分野での応用が考えられる最も基本的な問題の1つであり、近年急速に普及しつつある経路誘導システムとも深いつながりを持っている。本研究では、2点間の最短路問題に関して、ダイクストラ法・A^*・アルゴリズム・両方向探索といった従来のアルゴリズムを概観し、新しい手法に基づくA両方向探索アルゴリズムを提案する。また、実際の道路網のデータにこのアルゴリズムを適用した結果を基に、実際の効率及び特徴について論じる。
著者
橋本 陽
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.24-38, 2016 (Released:2017-01-30)

アーカイブズにおける電子記録の具体的な整理方法については意外にも研究が少ない。本稿の目的は、その方法論を明らかにすることである。最初に、英語圏の先行研究に依拠し、電子記録の整理方法を確認し、そこには長期保存の対策が伴う事実を指摘する。次に、インターパレスが電子記録の信用価値について提示する要件も考慮に入れながら、アトムとアーカイブマティカというアプリケーションを使って、整理の過程はどのような手順を経るかについて具体的に検討する。続いて、電子記録の長期保存においてはアーカイブズに移管される前の作成の段階からの記録管理が重要な役割を果たすため、そのあり方について、イタリアのアーカイズ学の知見と比較しながら論じる。最後に、作成段階からの管理が、保存機関であるアーカイブズでの編成と記述にどのように作用するのかその影響について考察する。
著者
橋本 将 HASHIMOTO Masashi
出版者
金沢大学国際基幹教育院外国語教育系
雑誌
外国語教育フォーラム = Forum of Language Instructors (ISSN:18842356)
巻号頁・発行日
no.13, pp.51-58, 2019-03

金沢大学は2016 年度に「TOEIC 準備」科目と「English for Academic Purposes」科目を 1 年生の英語の必修科目として導入した.「TOEIC 準備」科目では,第1 クォーターから第3 ク ォーターの終わりに共通期末試験を,第4 クォーターの終わりにTOEIC L&R IP テストを実施している.本研究では,2017 年度と 2018 年度の第 2 クォーターの共通期末試験について,項目反応理論を用いて共通項目による等化を行った.素点は 2018 年度の方が 2017 年度よりも全体に低かったが,等化によって推定された能力値は2018 年度の方が高かったことがわかった.このことは,2018 年度の第2 クォーターの共通期末試験は2017 年度のものよりも問題が難しくなっていたことを示している.現在の最終成績の計算方法では,最終成績は期末試験の素点に大きく依存しているが,試験問題の難易度によって最終成績が左右されることのないように,最終成績の計算方法の改善策の検討が今後必要であろう.Kanazawa University has made TOEIC Preparation and English for Academic Purposes courses mandatory for its first-year students since academic year 2016/17. In TOEIC Preparation courses, students are required to take a common final examination at the end of Quarters 1 to 3 and a TOEIC L&R IP test at the end of Quarter 4. In this study, the scores of the Quarter 2 (Q2) final examinations administered in 2017 and 2018 were equated by common items using an Item Response Theory-based method. It was found that the examinees of the 2018 Q2 final examination outperformed those of the 2017 Q2 final examination, although the mean of the raw scores of the 2018 Q2 final examination was lower than that of the 2017 Q2 final examination. It indicates that the 2018 Q2 final examination was more difficult than the 2017 Q2 final examination. To reduce the influence of variation of difficulty of examinations on final grades, it would be desirable to develop a grading method which does not heavily rely on unadjusted raw scores of final examinations for the TOEIC Preparation classes.
著者
橋本 純次
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.158-159, 1949-12-20 (Released:2008-12-25)
著者
田辺 満子 小森 春佳 茂本 咲子 橋本 麻由里 黒江 ゆり子
出版者
岐阜県立看護大学
雑誌
岐阜県立看護大学紀要 = Journal of Gifu College of Nursing (ISSN:13462520)
巻号頁・発行日
vol.20, no.特別号, pp.105-112, 2019-09

本学の卒業者支援・キャリア形成支援におけるオリジナリティは、第一に、4 年間の体系的な就職進路ガイダンスにより、専門職としての自分の将来の在り方を考える機会を在学時から各学年に合わせて配していることである。第二に、卒業者と在学生が意見交流できる機会が多様に設けられていることであり、在学生は専門職者として活動している先輩の体験談を直接的に聞くことで、卒業後の自己の成長をイメージする機会となっている。同時に、卒業者にとっては、卒業後の自己の実践活動を振り返り語ることで、今後の活動のあり方を考える機会となっている。第三に、卒業後の新任期に母校に集まり同級生・同窓生と意見交流する機会が設けられていることである。たとえば、新卒者交流会では、就業後3 か月程が経過した頃に集まり、仕事への対応がまだ十分にできない自分について悩んでいるのは自分ひとりではないことに気づき、明日への活力を得ており、卒後2 年目卒業者交流会では、就業後1 年が経過し、自身が新人を迎える時期に今後のあり方を考える機会となっている。さらに第四として、大学教員が県内医療機関を訪問し、看護管理者・卒業者・大学院修了者と話し合うことを通して、現場と大学が協働して人材育成の在り方を考える機会に繋がっていることである。すなわち、在学期から卒業後までの継続的な支援、および大学と現場との繋がりをもった支援を体系的に推進していると言えると考える。
著者
梅林 大督 原 政人 橋本 直哉
出版者
三輪書店
雑誌
脊椎脊髄ジャーナル (ISSN:09144412)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.985-991, 2018-11-25

はじめに Augmented reality(AR)とは,現実環境において視覚・聴覚などの知覚に与えられる情報をコンピュータ処理により追加,削減,変化させる技術である5,11).コンピュータ上で作成した仮想画像,映像,音声などを現実世界に反映する技術を示す.すでにわれわれの生活に広く浸透しており,スマートフォンやカーナビゲーションなどに用いられている.カーナビゲーションの実際を図示する(図1).カーナビゲーションは古典的には紙媒体の地図を読むことからはじまる.その後,ディスプレイの地図上に矢印を走らせることで経路を確認するナビゲーションが一般化された.これに対してARカーナビゲーションでは,ディスプレイの代わりにフロントガラスなどへ映像を投影して現実空間と融合させる手法が利用される.位置情報に付帯する情報を,ナビゲーションシステムを用いてフロントガラスに投影して現実視野と融合させたもの,これがARカーナビゲーションである.このナビゲーションシステムは自動車だけでなく,手術におけるナビゲーションにも有用であり応用されてきた.本稿では,AR技術の脊椎手術への応用の実際について紹介する.
著者
Choviwatana Palin 木内 俊克 岡 瑞起 橋本 康弘 小渕 祐介 隈 研吾
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.90-101, 2019-10-25 (Released:2019-10-28)
参考文献数
16

本研究では,近年のコミュニティサイクル事業で非接触式ICカードや携帯端末等を用いた認証決済システムが多く利用されていることに着眼し,GPSデータのみから自転車による回遊行動の実態を推定する指標策定を試みた.具体的には,1)迂回度,2)進行方向の変化度,3)滞在時間分布を表す移動速度の3指標を定義し,大局的な目的地経由のみでなく,GPSデータの特徴である面的で網羅的な特徴を生かした細かな回遊行動の連なりを可視化し,移動過程の部分ごとの移動の質についての評価を可能にする点で新規性のある指標を提示した.また,提案指標を用いた自転車利用者の傾向分析への応用例として,自転車利用者が感じる都市への関心度合いに関するアンケートを実施し,回遊特性指標を用いた自転車利用者のクラスタ分析結果とアンケート回答の照らし合わせ,回遊特性指標と都市への関心の関連性の分析の二例を示した.
著者
橋本 嘉代
出版者
お茶の水女子大学生活社会科学研究会
雑誌
生活社会科学研究 (ISSN:13410385)
巻号頁・発行日
no.19, pp.1-14, 2012-10

日本では1990年代後半に少子化が社会問題となり,政府は父親・母親が育児に共同参画すべきという啓発・広報活動に力を入れ始めた.その後,2005年か\ら2006年に,育児期の男性を対象とする雑誌の創刊ブームが起こった.仕事中心の生活をしてきた自らの父親とは異なり,私的領域を充実させるという新たな生き方を求められ始めた男性たちに向けて,それらの雑誌では,父親が家族と過ごす休日を楽しむための情報や家族関係,子どもの教育などの情報が提供されている.これは出版産業において父親という新たなオーディエンスが出現したということといえる.父親たちはメディアサービスの消費者であるが,それと同時に,出版社によってその属性が細かく把握され,広告主に売り渡される「商品」でもある.\本研究では,現在,育児期の男性を対象とする雑誌でどのような言説が商品として流通し,また,どのような父親像がオーディエンスとして商品化してい\るかを,4つの雑誌の編集方針と2007年・2009年・2011年に発行された号を対象とする言説分析を通じ,明らかにしようと試みた.その結果,これらの雑誌の言及分野は「教育・しつけ」と「消費・遊び」に二分化され,「教育熱心な父親」「消費を楽しむ父親」がオーディエンスとして商品化される傾向が強いことが明らかになった.\しかしながら,父親たちは,「娯楽サービスの消費者かつ広告主に売られる商品」というだけではなく,育児に関与したり父親としてライフスタイルを楽しむという文化生産活動を行う主体でもある.日本の男性の育児休業取得率は国際的にみれば低水準であるが,2011年度は2.63%と少ないながらも過去最高値を示している.また,できれば育児休業を取得したいと希望する父親が多いという調査結果もある.理想と現実のギャップを埋めるのには時間がかかるかもしれないが,メディアが文化レベルで「育児する父親」のロールモデルを描き続けることが,父親たちの行動を後押しすることにつながると思われる.In the late 1990s, with Japan's declining birth rate becoming problematic, the Ministry\of Health, Labour and Welfare conducted a PR program to change public sentiment on parental responsibilities and began to promote a philosophy that embraced cooperation\and equality of responsibility. Then, from 2005 to 2006, a variety of new magazines\targeted at men raising children appeared in response to a new trend of focus on work-life\balance. In contrast to the situation of their forefathers, who were tied up with work, this new generation of men found enrichment in their personal lives and came to follow the lifestyles and emulate the role models presented in such magazines and other publications. In this way, fathers became a new audience created by media companies. Readers of these magazines became media service consumers and a commodity among primarily advertising-funded media.\In this research, I analyzed articles from four magazines on fatherhood aimed at men\with children to determine what kind of role models the media presents to males of this\generation, who are redefining themselves in today's modern era. In previous research, it\was discovered that the main focus of modern fatherhood in the media seemed to be on\magazines specializing in education at home. However, the results of this analysis showed\that other topics, such as leisure-time fashion for young fathers and information about playing with children are now given increasing focus. This audience as a media-created commodity is thus divided into two patterns ‒ fathers enthusiastic about education for their kids, and fathers who enjoy leisure-time consumption with their families. Although fathers are not the only commodity audience, they can enjoy leisure time with their families and relish childrearing.\The percentage of men taking paternity leave in Japan reached a record high in 2011 -\although this "high" was only 2.63 percent. According to an NPO survey, many fathers\would like to take longer periods of such leave. Against this background, it can be said\that the media is capable of bringing about a change in the actual activities of fathers by\presenting role models of those who value their families at a certain level of culture.
著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.106-120, 2016-05-24

我々は,災害時にTwitterに投稿される膨大な情報を効率良く検索するために対災害SNS情報分析システムDISAANAを開発し,スマートフォンおよびPCで誰もが利用可能なWebアプリケーションとして試験公開している.本稿では,まず先行システムについて説明し,その問題点についてまとめる.次に,それらの問題をDISAANAがどのように解消するかを説明する.特に,不適切な回答候補の抽出を回避するために導入したモダリティ解析について詳述する.評価実験では,東日本大震災時のツイートに対して,人手で構築した192問の質問とその回答からなる評価セットを用いて本システムの評価を行った.評価の結果,先行システムに比べてF値が7ポイント改善した.エラー分析結果に基づいて,今後の改善方針について考察する.さらに,自治体で実施したDISAANAの有用性検証実験の結果についても報告する.
著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2015-CDS-14, no.14, pp.1-13, 2015-09-24

我々は,災害時に Twitter に投稿される膨大な情報を効率よく検索するために対災害 SNS 情報分析システム DISAANA を開発し,誰もが利用可能な Web アプリケーションとして試験公開している.本論文では,これまでに行ってきたシステムの改善ならびに不適切な回答候補を抽出する事を回避するために新たに導入したモダリティ解析,ツイート属性判定,予報表現抽出について議論する.その上で,これまで東日本大震災関連の災害情報のみで行われてきた本システムの評価を,台風や大雪といった一般的な災害にまで拡張し評価を行う.その結果,さらなる改善の余地が残されているものの,実用可能な性能に達していることを確認できた.
著者
松井 康人 長野 有希子 橋本 訓 吉崎 武尚
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.337-344, 2019-10-15 (Released:2019-10-16)
参考文献数
11

国立大学の法人化に契機として,京都大学では安全管理の強化が行われた.2010 年以降に発生した約 1 900 件の事故情報を対象としてリスクを定量的に評価するために,アンケートのパラメータ間の比較と自由記述部の自然言語処理を用いた分析を実施した.分類毎の事故の報告数では,針刺し,転倒,交通事故,体液曝露,切れ・こすれの合計が,総報告数の7 割近くを占めていた.発生月は6 月が最大であり, 11 月も多い二峰性を示していた.自然言語処理では,車道から歩道に移動する際の自転車による転倒など,分類調査だけでは分からなかった傾向を,ベクトル俯瞰図から得た.またこれらの転倒は,接触型とスリップ型に分類でき,それぞれの要因についても明らかにした.