著者
野口 照久 小坂 璋吾 橋本 喜信 菊池 正義 宮崎 幸信 加治 有恒
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.353-358, 1968-03-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

Examinations were made on the effect of oral administration of 2-naphthyl N-methyl-N-arylthiocarbamates (naphthiomates), an effective antimicotic agent for external use, against experimental trichophytosis. Finely powdered 2-naphthyl N-methyl-N-(m-tolyl)-thiocarbamate (naphthiomate-T) and 2-naphthyl N-methyl-N-(1-naphthyl) thiocarbamate (naphthiomate-N) showed an effect comparable to griseofulvin in about four-fold dose of the latter. In vivo metabolism of naphthiomate-T was examined in guinea pigs and rabbits, and it was found that the majority is excreted in the feces without decomposition, and little is absorbed through the intestinal tract. N-Methyl-m-toluidine and β-naphthol were detected from urine, feces, and blood as the metabolites.
著者
常徳 千夏 松井 聖 斉藤 篤史 西岡 亜紀 関口 昌弘 東 直人 北野 将康 橋本 尚明 角田 慎一郎 岩崎 剛 佐野 統
出版者
The Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.189-197, 2015

目的:関節リウマチ(RA)の治療は近年大きく変化しており,抗リウマチ薬に加え生物学的製剤が7種類使用できるようになった.このため,相互作用や副作用管理が急務となり.医療師全体で取り組む事が重要となってきている.今回,調剤薬局薬剤師の関わりの実情と問題点を把握し,今後の薬剤師の役割の方向性を考えるためアンケート調査を実施した.<br>対象:兵庫医科大学病院外来通院中RA患者のうち,平成25年3月~5月に当薬局に来局,本調査への参加に同意した70名を対象にアンケート調査を実施した.<br>方法:日常診療実態下における非介入試験 ①日常生活動作 ②関節リウマチ治療状況 ③精神的影響に関する状況のアンケートを実施した.<br>結果:メソトレキサート(MTX)に関しては,効果の理解度は86%と高かったが,用法の不便さを訴える回答がみられた.生物学的製剤については,注射へのストレスを感じないが67%で,効果を実感している回答も62%と半数を超えた.しかしながら,副作用への不安や,高額の医療費の負担の不安もあった.<br>結論:調剤薬局薬剤師として,MTXや生物学的製剤などの積極的な治療が必要な患者さんには,積極的に関わることで,個々の状況を聞き取り不安や問題の解決を目指すことにより,アドヒアランスの向上及び治療成功へのサポートを行って行くことが重要であると考える.
著者
橋本 典明 河合 弘泰 松浦 邦明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1221-1225, 2005
被引用文献数
1

過去半世紀間において日本列島の南方海域では, 台風の平均中心気圧が低下してきた. また, 気象庁のRCM20で予測した100年後の気圧や風の日平均データから台風を抽出し, その属性を統計解析すると, 今後100年間に九州南部などでは平均中心気圧が低下する可能性があり, その一方で, 本州の東部や日本海における変化は少ないことが分かった. さらに, 地球温暖化の影響の一つとして, 台風属性の時間変化量の平均場が緯度・経度方向に平行移動すると仮定し, 確率台風モデルによって将来に発生する台風の属性を与えた. そして, そのような平均場の移動によって, 三大湾の周辺に来襲する台風の中心気圧や風速の極値が変化することを示した
著者
瀬古 俊一 青木 良輔 宮田 章裕 橋本 遼 石田 達郎 伊勢崎 隆司 渡辺 昌洋 井原 雅行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.470, pp.19-24, 2014-02-27

災害から身の安全を確保できた後,避難者が必要としたのは災害に関する情報を得ることであった.しかし,インターネットが繋がらず,スマートフォンなどから情報を得ることが困難であった.そこで我々は,災害時にインターネットが繋がらない状況においても,周囲にいる人同士と災害関連情報を公衆無線LANとブラウザで共有可能な端末間連携技術を提案する.公衆無線LANを用いて検証した結果,インターネットの接続可否によらず,さらに専用アプリのインストールなしに情報流通が実現可能なことを示した.
著者
山崎 幸子 藺牟田 洋美 橋本 美芽 繁田 雅弘 芳賀 博 安村 誠司
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.20-27, 2008-06-25

本研究では,都市部在住高齢者における閉じこもりと家族関係,社会関係の特徴を検討し,閉じこもり予防・支援のための基礎資料を得ることを目的とした。東京都A区在住の65歳以上の住民に対する郵送調査の有効回答者3,592名から,要介護者等を除き,訪問許可のあった閉じこもり95名,性別と年齢,移動能力をマッチングさせた非閉じこもり95名を対象とした。調査完了者は閉じこもり69名,非閉じこもり73名であった。分析の結果,閉じこもりは,1.同居家族との会話が少なく,同居している他世代との家計が一緒である傾向が示され,2.同居家族がいる場合には家庭内における役割が少なく,3.居宅から30分以上の距離圈における交流人数や,情報的サポート,外出援助に非閉じこもりと差異があることが確認された。以上から、閉じこもりの同居家族に対する情緒的依存傾向や,周囲との関係性が非閉じこもりと異なっていることが推察された。
著者
橋本 博 高木 薫
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, 1980-12-15

方向性水圧発破とは, 発破に水反射体を使って, 全体として水で爆力を制御しつつ, 発破エネルギーに一定の指向性を与えるものである。この発破による圧力波形は管軸に直角の方向にだ円形をなす。このだ円形の長軸の方向と一致して並べたせん孔の方向性水圧発破は, 岩盤をラインカットすることができる。これによって発破エネルギーは制御され, 一定の指向性を与えられる。これをトンネル工事におけるNATM工法の掘削に応用すれば, 地山のスムースブラスティングによって吹付けコンクリートやロックボルト工に対して, 地山表面を平滑にし, 地山を傷つけない。これにより地山支保材の密着がよくなり, 空隙をなくし, 受働土圧を期待できる。また, これにより掘削断面を在来工法の場合より多少小さくできる。また, 浮石処理の手間が減り, 落石・落盤事故を防ぎ, 飛石少く低振動発破ができる。また平行せん孔発破であるから, せん孔, 装薬, 発破が合理化され, 在来のトンネル工法に比べ安全で工費が1割安くなる。
著者
中西 希代子 宮本 文夫 橋本 博之 本郷 猛 林 千恵子 石井 俊靖
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.37-41, 2013

Daily intake of glyphosate in 2010 and 2011 at Chiba prefecture was estimated using total diet samples prepared according to the market basket method. One hundred eighty six and 175 kinds of foods were purchased from supermarket at Chiba in December 2010 and December 2011, respectively. The purchased foods were divided into 14 food groups as total diet samples, and contents of glyphosate in those groups was analysed by high-performance liquid chromatography with fluorescence (HPLC-FL). Glyphosate was detected from second food group (Cereals and potatoes) and 13th food group (Seasonings and spices, other foods) among 14 food groups. Estimated daily intake of glyphosate in all food groups were 24.2μg/day in 2010, and 17.6μg/day in 2011. These estimated daily intake were accounted for 0.064% in 2010, and 0.047% in 2011 of the ADI assuming a body weight of 50 kg. The foods contribute to glyphosate detected from second food group were breads, fu, boiled noodle, macaroni, and that in 13th food group was soy sauce. Glyphosate detected by HPLC-FL method from above two food groups and those foods was identified by liquid chromatography with tandem mass spectrometry. Above these foods were all contained flour. Therefore, it seems to be high possibility that detected glyphosate is originated from flour.
著者
東海林 創 橋本 眞也 櫻井 俊明 日比野 郁夫
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp."304-1"-"304-5", 2013-11-01

This paper describes the motion analysis of the Japanese bow made from carbon fibers with the linen string for archery. The final target of this study is to establish the realistic relationship between human body and the bow with the string in giving instruction and to propose a suitable text book for players to keep healthy. In this case, a vibration characteristic of the bow with the string is noticed due to experiments and calculations by the Rigid Motion Analysis. The calculation model consists of rigid bodies and rotational springs. When the string of the bow is drawn and released, displacements and vibration characteristics of the upper and lower of the bow are measured by video-camera and calculated by computer. A good coloration between experiments and calculations is taken. It is considered in the next step to make human body models with some kinds of the skeleton.
著者
矢野 正 橋本 健次郎
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.895-901, 1998-11-01
被引用文献数
3

A woman's complexion color is an important and familiar factor in the evaluation of preferred color appearances under illumination. For this reason, a new method of estimating preference for Japanese complexion color under illumination is proposed is the present study. T clarify the relationship between preference for Japanese woman complexion under illumination and the chromaticity coordinates of the complexion on the CIE 1976 u' v' chromaticity diagram, we analyzed subjective evaluation data obtained by evaluating the color appearance of 40 complexions by using seven evaluation categories in detail. A new preference index PS for Japanese complexion color under illumination was derived from the experimental results. It was clarified that the new index PS correlated well with not only the experimental data but also with preference for Japanese woman complexion color under illumination produced by various kinds of light sources adopted. The new index PS can evaluate the preferences concerning Japanese woman complexion color related to light sources better than the standard illuminant D_<65>, which can not be evaluated by the present index R_a proposed by CIE and JIS. The preference index for the complexion color PS proposed in the present study will be useful related to a practical estimation index of the color rendering properties of light sources from the viewpoint of preference of complexion color.
著者
高田 宜武 阿部 寧 長尾 正之 鈴木 淳 小林 都 大井 理恵 橋本 和正 渋野 拓郎
出版者
The Japanese Coral Reef Society
雑誌
日本サンゴ礁学会誌 (ISSN:13451421)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.7, pp.37-48, 2005
被引用文献数
6

サンゴ礁生態系は世界的に劣化しつつあるといわれており、陸域から流入する「赤土」等の懸濁物粒子による海水濁度の上昇が、その要因の一つとして挙げられている。そこで、サンゴ礁池における海水濁度の変動レベルとその要因を知るために、石垣島浦底湾において2年間の採水観測を行った。岸近くの突堤表層では、濁度は2.26NTUを中央値とするが、変動幅が大きく、最高値92.9NTUを記録した。サンゴの生育している湾奥 (150m沖) と湾中央部 (370m沖) では、0.58NTUと0.36NTU (それぞれ表層の中央値) となった。海水濁度の変動要因として、降雨と風向の影響を解析したところ、降雨量と濁度の相関は弱いが、北西風により濁度が上昇する傾向があった。冬期に濁度が高くなるのは、冬期に多い北よりの風の影響だといえる。浦底湾のように、河川流入の影響が小さい礁池では、風波によって底質に沈殿していた粒子が再懸濁することと、表層に発達する高濁度かつ低塩分水の吹送が、礁池内の海水濁度に大きく影響すると考えられた。
著者
木之内 誠 平石 淑子 大久保 明男 橋本 雄一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近代百年を通じてロシア、中国、日本の諸勢力がせめぎあい、多元重層的な文化の場を形成した植民都市大連の過去、現在を景観のうちに透視し、ここに生きた人々の場所をめぐる集合的な記憶を都市文化の未来への展望につなぐ歴史地図を制作した。各種の旧地図などの歴史的な文献資料と、現地調査結果を総合して描かれた立体鳥瞰図的な多色表示による、五千分の一縮尺を基本とした二十枚ほどの区分図によって、この地図は構成される。建物の建造年代別の色分けや道路の起伏の表示など、現地を歩く利用者にとって使いやすい、直感的な了解をたすける可視化の手法を追及した。
著者
水川 瞳 広渡 俊哉 坂本 佳子 橋本 里志
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.241-255, 2010-12-30

スイコバネガ科Eriocraniidaeはほとんどの種がカバノキ科とブナ科の植物を寄主として利用しており,カバノキ科植物に注目すると,日本ではオオスイコバネEriocrania semipurpurellaなどがシラカバBetula platyphylla,ハンノキスイコバネE.sakhalinellaがケヤマハンノキAlnus hirsutaを寄主とすることが知られている.最近の著者らの研究により,カバノキ科のアカシデCarpinus laxifloraを利用するスイコバネガが東海地方と紀伊半島に生息することが明らかとなった.成虫の形態を比較した結果,アカシデを利用するスイコバネガは,後翅の鱗粉が細長いなどの派生形質をオオスイコバネと共有し,オオスイコバネにもっとも近縁であるが,明らかに小型で,♀交尾器のバジナルスクレライトの形態にも差が認められることからEriocrania属の未記載種であろうと考えられた.さらに,大阪府和泉葛城山でアカシデの他にイヌシデC.tschonoskiiから,愛知県段戸高原でサワシバC.cordataといった同属のシデ類からも,スイコバネガ科の幼虫が採集された.これらの幼虫と成虫の対応やオオスイコバネとの関係を明らかにするために,ミトコンドリアDNAの解析(COIおよびND5領域)を行った.その結果,イヌシデ,サワシバなどのシデ類を利用するスイコバネガ類はアカシデを寄主とするものと同一種であり,シラカバを利用するオオスイコバネとは姉妹群関係にある可能性が高いことが推定された.また,両種の分岐点までの遺伝的距離(D)は,ND5およびCOI領域でそれぞれD=0.028,D=0.036であった.Eriocrania carpinella Mizukawa,Hirowatari&Hashimoto sp.nov.アカシデスイコバネ(新称)寄主植物:アカシデ,イヌシデ,サワシバ分布:本州(愛知県,三重県,奈良県,大阪府)成虫は日本産スイコバネガ科の中でも小型(開張6-8mm)で,オオスイコバネ(開張10-14mm)と比較すると前翅の青みが強い.成虫は4月中〜下旬に出現し,幼虫は5月上旬にアカシデ等のシデ類の葉に潜孔する.幼虫は成熟すると葉から脱出して地表へ落下し土繭を作ってほぼ1年を通じて翌春まで地中で過ごす.そのため,一般的にはスイコバネガ類では飼育による幼虫と成虫の対応が困難である.しかし,一部の幼虫については飼育によってアカシデを寄主とすることが明らかになり,さらに分子データによる解析からサワシバとイヌシデを寄主植物として利用しているものと同一種と考えられた。シデ属Carpinusの植物を寄主とする種としてはヨーロッパ産のEriocrania chrysolepidellaが知られているが,極東地域においてシデ属植物を利用する種が見つかったのは初めてである.本種は,カバノキ類を寄主とするオオスイコバネの極東における分布南限である中部山岳地帯のさらに南部の限られた地域(東海地方と紀伊半島)に,オオスイコバネとは異所的に分布している.形態と分子データから両者は姉妹群関係にある可能性が高いことと遺伝的距離に基づく年代推定から,鮮新世の寒冷な時期に共通祖先から寄主転換によって分化し,その後,東海地方や紀伊半島に分布が限定されたと想定された.この仮説については,今後ヨーロッパやロシア沿海州などの材料を含めてさらに検証する必要がある.
著者
水川 瞳 広渡 俊哉 橋本 里志
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.149-155, 2006-06-30
被引用文献数
1

1989年と2002年の4月下旬に,大阪府和泉葛城山において特異な斑紋をもつスイコバネガ科の成虫が採集された.翅脈の特徴から,この種がスイコバネガEricrania属に含まれること,また,雌雄交尾器などから新種であることが明らかになったので記載した. Eriocrania komaii sp. nov. ムラサキマダラスイコバネ(新称) 本種は,前翅に金色の条線が融合し網目状となる(暗紫色の小斑点を多数もつ)こと,ビンクルムから前方に伸びる一組の突起が幅広いこと,雌交尾器の産卵管が幅広いことなどで同属の他種と区別できる.また,本種成虫の採集からおよそ3週間後,採集地点付近でバラ科のウラジロノキに潜葉しているスイコバネガ科の幼虫が採集された.筆者らは和泉葛城山には本種の他にアカシデに潜る種(Eriocrania sp.)とブナに潜る種(イッシキスイコバネIssikiocrania japonicella Moriuti)が同所的に生息することを確認しているが,これら2種の成虫は4月上中旬に出現するのに対して,本種成虫は4月下旬にミドリヒゲナガやムラサキツヤマガリガなどとともにコナラの花に果ていたところを採集されており,幼虫の出現時期もずれていた.これらのことから,ウラジロノキに潜る本科の幼虫は本種の可能性が高いと推測された.スイコバネガ科はブナ科とカバノキ科の植物を主に利用することが知られている.これまでにもDavis (1987)と黒子(1990)がバラ科植物に潜るスイコバネガ科の幼虫について報告しているが成虫の記録はない.本種成虫と潜葉していた幼虫の関連が明らかになれば,スイコバネガ科の寄主植物について重要な情報となる.