著者
谷口 さやか 武田 篤
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.8, pp.1546-1551, 2015-08-10 (Released:2016-08-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Parkinson病(Parkinson's disease:PD)は運動症状だけでなく,多彩な非運動症状を呈する.主な非運動症状には認知・精神機能障害,睡眠障害,自律神経障害,感覚障害がある.一部の症状は運動症状の発症前に出現することから,画像診断や補助検査法と併用することで発症前診断に役立つ可能性がある.また,非運動症状は生活の質(quality of life:QOL)を低下させる要因であり,早期の発見と治療が重要である.
著者
武田 篤 鈴木 徹 藤井 慶博 高田屋 陽子
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究では、複合的場面緘黙児の実態を把握するとともに、学校での支援体制や学級での具体的な支援方略を構築することを目的とした。平成30年度は、複合的場面緘黙児に関する質問紙調査を実施した。A市の小学校(41校)・幼稚園(6園)・こども園(11園)の58校園を対象に質問紙調査を実施した。調査内容は、1)場面緘黙児の有無、該当児童がいた場合、2)場面緘黙の状態と3)自閉症スペクトラム傾向、4)学級内での具体的な支援、とした(2)以降の質問内容については、場面緘黙児のいるクラス担任に回答を依頼した)。なお、本調査を実施するにあたり、依頼文書において「得られた回答は決められた手順に従って得点化すること」、「児童や回答した教員に関するプライバシーは守られること」の2点を明記した。回答のあった51校園に在籍する幼児児童数は、14939名(男児7592名、女児7357名)であった。そのうち、場面緘黙児が「有」と回答したのは13校園(小学校9校、幼稚園2園、こども園2園)で、在籍数は20名(0.13%)であった。男女の内訳は、男児8名(0.11%)、女児12名(0.16%)であった。これらの結果は先行研究を支持するものであった。本調査は、質問紙の内容を決定するまでかなりの時間を要した(年度末に実施した)。そのため、2)以降の調査データ(場面緘黙と自閉症スペクトラム障害との関連)の解析は次年度に行う予定である。
著者
久保 真人 饗場 郁子 下畑 享良 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.219-227, 2021 (Released:2021-04-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

医師のバーンアウトの現状と対策を検討するため日本神経学会の全学会員8,402名に対しアンケート調査を行い,15.0%にあたる1,261名から回答を得た.本論文では男性医師と女性医師の比較結果について報告する.勤務・生活状況では既婚者のみに有意な差が認められた.労働時間など勤務状況では男性のほうが厳しい条件で勤務していること,家事分担では女性の負担が重いことが確かめられた.日本版バーンアウト尺度による分析では,全体の得点では性差は認められなかったが,バーンアウトと関連する要因については,男女に共通した要因にくわえて,男性あるいは女性特有の要因が明らかとなった.
著者
中根 俊成 溝口 功一 阿部 康二 熱田 直樹 井口 保之 池田 佳生 梶 龍兒 亀井 聡 北川 一夫 木村 和美 鈴木 正彦 髙嶋 博 寺山 靖夫 西山 和利 古谷 博和 松原 悦朗 村松 慎一 山村 修 武田 篤 伊東 秀文 日本神経学会災害対策委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.643-652, 2020 (Released:2020-10-24)
参考文献数
57

東日本大震災の甚大な被害を踏まえて日本神経学会の災害対策活動はスタートした.2014年,正式に日本神経学会災害対策委員会が発足し,災害支援ネットワーク構築と指揮発動要件設定を行い,模擬訓練を実施した.2016年の熊本地震で我々は平常時の難病患者リスト作成,個別支援計画策定の重要性を認識し,避難所等における難病患者のサポートのあり方を検討した.2017年,我々は災害対策マニュアルを刊行し,難病患者の災害時調整役として各都道府県に神経難病リエゾンを配置することを定めた.神経難病リエゾンの役割は「被災地の情報収集・発信」,「医療支援調整」,「保健活動」であり,平常時と災害時の活動が期待される.
著者
下畑 享良 久保 真人 饗場 郁子 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.89-102, 2021 (Released:2021-02-23)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある.
著者
武田 篤志
出版者
東北社会学会
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.117-124, 2008-07-17 (Released:2013-12-27)
参考文献数
15

1974年に刊行されたアンリ・ルフェーヴルの主著『空間の生産』は,英訳されたのを機に,1990年代以降,都市論や地理学の分野でひろく再評価がすすんでいる.しかし,この書の第Ⅲ部には「空間の建築術(Architectonique spatiale)」⑴と題される章が設けられているにもかかわらず,また,この「建築」が彼の空間論において要諦をなしているにもかかわらず,『空間の生産』における「建築」の意義について積極的な言及はほとんどみられない⑵.本稿は,ルフェーヴルにおける空間論と建築との理論的関連に焦点を当て,この書の建築理論としての可能性を提起することを目的とする.
著者
下畑 享良 久保 真人 饗場 郁子 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001533, (Released:2021-01-26)
参考文献数
24
被引用文献数
1

医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある.
著者
鈴木 徹 武田 篤
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.211-222, 2022 (Released:2022-08-25)
参考文献数
19

これまで自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: 以下,ASDと記す)傾向を示す場面緘黙児への介入については十分に研究が行われてこなかった。本研究では,ASD傾向を示す場面緘黙生徒を対象に,ASD傾向を踏まえた上で場面緘黙の解消に向けた取り組みを行った。対象生徒には,見通しの持ちにくさやソーシャルスキルの不足,他者とのポジティブな交流経験の不足といったASD傾向が認められた。そのため,取り組みでは,ASD傾向に配慮したセッションを行うとともに,エクスポージャーを並行して実施した。セッションでは,スムースに話し出すようになる,表情が柔らかくなりよく笑うようになった。エクスポージャーはおおむね良好であり,設定した課題を達成できた。これらの取り組みの成果をもとに,ASD傾向を示す場面緘黙児へのアプローチの在り方について論じた。
著者
武田 篤
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.91-97, 2013-02-01 (Released:2013-03-06)
参考文献数
37
被引用文献数
2 5

われわれは最近,嗅覚障害がパーキンソン病(PD)認知症の併発を予測する徴候であることを報告した.重度嗅覚障害を示すPD群は認知機能低下と関連して報告されて来た脳代謝低下分布を示した.またvolumetric MRIによる検討から,嗅覚障害は扁桃体や他の辺縁系をふくむ局所脳萎縮と関連していることが明らかとなった.ドパミン補充療法の発達,そして高齢発症例の増加により,現在PDの予後をもっとも大きく悪化させるのは随伴する認知症の存在であることが知られている.しかしながらその発症を早期に的確に予測できる方法論は未だ確立していない.嗅覚テストは今後,進行期PD の治療において重要な役割を果たして行くと考えられる.
著者
北島 英樹 武田 篤 KITAJIMA Hideki TAKEDA Atsushi
出版者
秋田大学教育文化学部総合教育実践センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
no.29, pp.35-44, 2007-05-01

自閉症では,他者の指示に従い,与えられた課題をこなすことができるが,自らの要求や判断を介在させた生活を送るのが難しいことが指摘されてきている.したがって,自閉症の教育では,早くから主体性の確立に向けた支援を行っていくことが求められている.今回,この取り組みのひとつとして,ことばのない自閉症の児童に,VOCA(Voice Output Communication Aid : 音声出力型コミュニケーション装置)を活用することによって,自己の要求を積極的に伝えられるようになる支援を試みた.その結果, VOCAの使用によって,自分の要求を相手に伝えられるようになっただけでなく,集会の司会進行を努められるようになるなど,それまで苦手としていた集団での学習にも意欲的に取り組むようになった.本研究では,1年半にわたる学校と家庭でのVOCA指導の経過について報告するとともに,その有効性について検討する.
著者
柳井 亮二 武田 篤信 吉村 武 園田 康平
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.74-82, 2014
被引用文献数
2

ぶどう膜炎とは,狭義には「ぶどう膜組織の炎症」であるが,臨床的には「眼内の全ての炎症」を指す.ぶどう膜炎は単一の疾患概念ではなく,自己免疫疾患,感染症,造血器悪性腫瘍など多種多様な原因や背景をもとに発症する.ぶどう膜炎の多くは再発する可能性のある慢性病であり,姑息的に眼炎症をコントロールするだけでなく,長期的観点から患者の視機能の維持を考える必要がある.Behçét病は,放置すれば中途失明に至る重篤な全身疾患である.コルヒチン・シクロスポリンを中心とした従来の治療法に抵抗性の患者が多く,視機能予後の悪いぶどう膜炎の代表格であった.しかしながら,2007年から始まった生物学的製剤である抗TNF-α療法はBehçét病の治療に大きな変革をもたらしている.眼発作回数が激減したことで,患者が失明の恐怖から解放されたと言っても過言ではない.現在,Behçét病以外のぶどう膜炎では生物学的製剤の使用が認められていない.しかし,遷延化したVogt-小柳-原田病やサルコイドーシスの患者では副腎皮質ステロイドでの治療が難しく,新たな治療が求められている.本稿ではぶどう膜炎の病態について概説し,生物学的製剤を用いた新規治療についての現況を報告する.
著者
前田 弘人 高鍋 隆一 武田 篤徳 松田 祥伍 加藤 智久
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2014年度精密工学会秋季大会
巻号頁・発行日
pp.751-752, 2014-09-01 (Released:2015-03-01)

高品質・低コストの大口径SiCウェハの実現に向けて、高能率かつ高精度の切断加工技術の開発が求められている。切断速度と切断精度はトレードオフの関係にあるが、本研究ではワイヤーソーの高線速化を実現し、4インチの単結晶SiCインゴットに対して切断時間が4時間(6インチのインゴットを9時間で切断する速度に相当)にも関わらず、切断ウェハのSORIが約25μmという高速・高精度切断加工を実現した。
著者
熊地 需 佐藤 圭吾 斎藤 孝 武田 篤 KUMACHI Motomu SATO Keigo SAITO Takashi TAKEDA Atsushi
出版者
秋田大学教育文化学部
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学 (ISSN:13485288)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.9-22, 2012-03-01

The research paper herein investigated into the current conditions and issues related to children without mental retardation but enrolled in special support schools for intellectually disabled persons across Japan. The objectives of the research are three: (1) how many such children with developmental disorders but without mental retardation are enrolled in special support schools for intellectually disabled persons; (2) the reasons why such children have been transferred to or enrolled in these schools; (3) the issues at special support schools where such children are enrolled. The research findings showed that such children were enrolled in nearly half of the schools, specifically, 141 of 313 schools. Also, the number of such children was 689 (1.7%) out of 39,813 children in 313 schools. Regarding the reasons for enrollment/transfer, the majority of the reasons are associated with secondary emotional difficulties triggered by developmental disorders, such as poor academic performance and learning difficulties, inability to adapt and deal with other people, and school refusal or hikikomori. The special support schools examined are facing problems in supporting and dealing with such children with developmental disorders and a large number of issues regarding expertise of their school faculty members and school support system for such children.
著者
武田 篤
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 教育科学 (ISSN:13485288)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.45-50, 2005-03-31

A questionnaire survey was conducted on 17 adults using cochlear implants and the following results were obtained. 1) Duration of use is whole day excluding those working in noisy workplaces. Place of use include homes, hospitals, banks, outdoors such as when walking on streets, workplaces, etc. 2) One to one dialogue can be conducted sufficiently with the use of lipreading, but there are limits to dialogue between multiple parties and the place of noise. 3) All replied that sound quality of cochlear implant differs from before deafness. Eleven replied that different from before deafness but no discomfort, while six replied considerably different from before deafness and discomfort. 4) Cochlear implant enables not only users to hear what other are saying, but also recognition of environment sounds such as cars driving and birds chirping, providing sense of security and enrich to users. 5) All users replied that they were glad they had undergone surgery for cochlear implant. Compared to before cochlear implant surgery, users participated in conversations more actively as well as in gatherings, enhancing the social activities and quality of life for users of cochlear implant.
著者
武田 篤 村井 盛子 浅野 義一 亀井 昌代 村井 和夫
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.258-265, 1993-08-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8

難聴児がその同胞にどのような影響を及ぼしているかを検討するために, 当言語治療室で聴能訓練を行った52例にアンケートを実施した。 回答のあった47例の内17例 (36.2%) に, 腹痛, チック, 足痛, 吃音, 過食, 万引きなどの神経症的発症がみられた。 これらの予後は, 1年以内に改善ないし改善傾向を示すものが多いが, 3年以上かかるものや不変例もみられた。 しかし, これらの症状は祖父母同居例に発症が少なく, また発症後スキンシップを図ることにより症状が改善する傾向を示したことから, ともすれば難聴児にばかり親の目がいき, その同胞をなおざりにしてしまうことによる「愛情欲求不満」が関与していると推定された。 難聴児の訓練, 指導にあたっては, その同胞に対しても十分な配慮を行うべきと思われた。
著者
田野 大人 金子 仁彦 菊池 昭夫 長谷川 隆文 武田 篤 青木 正志
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.308-311, 2013-04-01 (Released:2013-04-19)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

症例は74歳男性である.61歳時に動作緩慢で発症,認知機能障害,垂直性核上性眼球運動障害,仮性球麻痺,パーキンソニズムをみとめ,精査の結果進行性核上性麻痺と診断した.ドパミン作動薬の急激な増量ならびに過剰投与による開顎ジストニアをみとめたが,ドパミン作動薬の漸減・中止により開顎ジストニアは軽快した.進行性核上性麻痺症例の中にはドパミン作動薬が有効な例もあるが,本例のようにドパミン作動薬の急激な増量ならびに過剰投与が各種ジストニアの原因となることがあり注意が必要である.
著者
北島 英樹 武田 篤
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.75-87, 2009-05-30

近年,AAC(AugmentativeandAlternativeCommunication)が注目されるようになり,自閉症児に様々なAAC手段を活用したコミュニケーション指導が行われるようになってきたそこで本研究では,特別支援学校の教員を対象に,自閉症児のコミュニケーション能力を高めるために,どのようなAAC手段を活用しているか,また,指導にあたる教員のAACに関する意識について調査をすることとした.結果は以下の通りである.1)自閉症児へのコミュニケーション指導は,小学部・中学部・高等部のいずれの学部でも,特定の時間を設けて指導するよりは学習全般をとおして行っていた.2)教員が有効と思うAAC手段としては,絵や写真カードは多かったが,マカトンサインやVOCAは少なかった.有効と思うこれらのAAC手段について,学部の問に差を認めなかった.3)自閉症の教育を推進する特別支援学校では,他の学校に比べ,教員のAACに関する知識や理解も高く,積極的な活用が行われていた.これらの結果をもとに,AACを活用した自閉症児へのコミュニケーシヨン指導のあり方と課題について検討した。"In recent years , the Augmentative and Alternative Communication(AAC) technique is drawing increasing interest , and various communications training programs applying this technique are gradually being carried out for autistic children. In this study , a survey was conducted on special support schools teachers to investigate the AAC methods applied to enhance communication skills in autistic children , and the views of teachers on AAC. The following are the results.l)In elementary , junior high , and high school , communication training for autistic children is generally carried out in all classrooms , instead of setting aside a special class for such training.2)ACC methods which teachers consider effective mostly use drawings , photos , and character cards. Not many gave Makaton sign and Voice output communication aid as effective . No significant differences were found between the different grades regarding the ACC methods which the teachers consider useful.3)Compared to other schools , teachers at special support schools which promote education for autistic children have better knowledge and understanding of AAC , and carry out AAC related activities keenly.Based on these results , the ideal methods of teaching communication skills to autistic children using AAC and the tasks involved were reviewed."