著者
茨木 俊行 池田 浩暢 太田 英明
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.3-7, 1997-01-25
被引用文献数
4

葉ネギのMA貯蔵に適した雰囲気ガス条件を得るため, 15℃の環境下において種々のガス濃度組成が呼吸速度, 成分および鮮度保持力に及ぼす影響を検討した。<BR>二酸化炭素排出速度は, 大気下の葉ネギでは111mgCO<SUB>2</SUB>/ kg/ hrであったが酸素濃度の低下 (二酸化炭素濃度の上昇) とともに減少した。大気下や, 酸素濃度が高く, 二酸化炭素濃度が低い雰囲気下のものではアスコルビン酸含量, 全糖含量およびグロロフィル含量は経時的に減少した。しかしながら, 酸素濃度と二酸化炭素濃度がそれぞれ7.6と4.1%のものではこれらの成分の低下は認められなかった。葉先枯れも酸素濃度が低いほど抑制できた。葉ネギの鮮度を保つには酸素と二酸化炭素の濃度をそれぞれ7.6%と12.6%から4.1%と17.1%に保つと良いと考えられた。
著者
高橋 宏佳 今井 克美 高山 留美子 美根 潤 大谷 早苗 池田 浩子 久保田 裕子 高橋 幸利 井上 有史 藤原 建樹
出版者
The Japanese Society of Child Neurology
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.305-308, 2011-07-01

乳児期に発症した難治性のてんかんに対して緩和ケトン食が著効した1例を経験した. 生後8カ月からてんかん性スパズムが出現し, 一時ACTH療法にて発作は消失したが, 1歳1カ月時に部分発作で再発し, 2歳以後は部分発作とスパズムの複合発作となり, 種々の抗てんかん薬に抵抗性であった. 2歳6カ月時に絶食期間をおかず, カロリー制限・水分制限をせず, MCTオイルを使用した緩和ケトン食を開始し, 20日目に発作消失かつ脳波も著明改善した. 従来の古典的ケトン食を緩和した緩和ケトン食療法は副作用が少なく継続しやすいため, 難治性のてんかんにおいて試してみる価値のある治療法であり, わが国においても再評価されるべきである.
著者
池田 浩 古川 久敬
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.69-75, 2015
被引用文献数
1

This study examined the interactive effect of management by group goals and job interdependence on employee's activities in terms of task and contextual performance. A survey was conducted among 140 Japanese employees. Results indicated that management by group goals was related only to contextual performance. Job interdependence, however, had a direct effect on both task and contextual performance. Moreover, moderated regression analyses revealed that for work groups requiring higher interdependence among employees, management by group goals had a positive relation to contextual performance but not to task performance. When interdependence was not necessarily required, however, management by group goals had no relation to contextual performance and even negatively impacted task performance, respectively. These results show that management by group goals affects task and contextual performance, and that this effect is moderated by job interdependence. This provides a theoretical extension as well as a practical application to the setting and management of group goals.
著者
池田 浩
出版者
大阪府立大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2009

平成21年度は有機ラジカルELの関連実験として,2-(1-ナフチル)-2-フェニル-1-メチレンシクロプロパン(1)を含むメチルシクロヘキサンマトリクスへのγ線照射-昇温(77-130K)実験を行い,トリメチレンメタン型ビラジカル(^32^<・・*>)の三重項-三重項蛍光に基づく青緑色の熱ルミネッセンス(TL)の観測に成功した.しかし,この実験には制約が数多くあり,蛍光量子収率(Φ_F),蛍光寿命(τ_F)などの光物理データの測定は不可能であった.そこで平成22年度および繰越による23年度は,ダブルレーザーフラッシュフォトリシス(DLFP)法を採用して,基質1の光誘起電子移動反応による基底状態の^32^<・・>の発生と,その光励起による^32^<・・*>の発生を達成し,室温・溶液中における^32^<・・*>の発光解析を検討した.ジクロロメタン中,N-メチルキノリニウムテトラフルオロボレート-トルエン共増感系で,第一レーザー(Nd:YAG,λ_<EX>=355nm)を照射し,過渡吸収スペクトルを観測したところ,λ_<AB>=385nmに^32^<・・*>の過渡吸収が観測された.そこで,第一レーザー照射の500ns後に第二レーザー(355nm)を照射すると,λ_<PL>=470nm付近に発光ピークが観測された.この発光波長は,^32^<・・*>のTL発光波長(λ_<TL>=479nm)に近く,DLFP法によっても^32^<・・*>の発光が観測されていると考えられる.TLとDLFPでは発光スペクトル波形に若干の違いが認められた.本研究ではこれを^32^<・・*>の配座異性体の数とその相対的割合が温度によって異なるためであると考え,参考として^32^<・・>の配座異性体の密度汎関数理論計算を行った.DLFP法によるΦ_F,τ_Fの決定実験も行ったが,最終データ得るにはまだ至っていない.なお,当該年度内に基質合成の新しいルートも開拓した.
著者
池田 浩子 川脇 寿 富和 清隆
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.185-191, 2003 (Released:2003-09-04)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

ロフラゼプ酸エチル(メイラックス®)が脳波異常と症状の一部に対して有用であったLandau-Kleffner症候群(以下LKS)の9歳、男児例を経験した。患者は3歳2カ月より進行性の発語量低下を示し、脳波で多焦点性棘徐波に加え睡眠時に全般性の棘徐波複合がみられ、検査にて言語性聴覚失認を認めLKSと診断された。ステロイドパルス療法を含め、各種抗てんかん薬治療が無効であったが、ロフラゼプ酸エチルにより、流涎減少、口唇と舌の動きの改善、著明な脳波の改善が得られた。ロフラゼプ酸エチルは、近年難治性小児てんかんに使用されつつあるが詳細な報告例は少ない。我々の症例は副作用、耐性もなく開始後2年経過しており、LKSに対して他の治療で効果がみられないときにはロフラゼプ酸エチルを試みる価値があると考えられた。しかし、言語についての改善がみられておらず、長期に脳波異常が持続した例では回復が困難になる可能性が高いようで、早期の脳波改善策が重要と考えられた。
著者
池田 浩太郎
出版者
成城大学
雑誌
成城大學經濟研究 (ISSN:03874753)
巻号頁・発行日
no.101, pp.1-26, 1988-10
著者
池田 浩太郎
出版者
成城大学
雑誌
成城大學經濟研究 (ISSN:03874753)
巻号頁・発行日
no.100, pp.15-35, 1988-07
著者
池田 浩
出版者
福岡大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、メンバーを奉仕するサーバント・リーダーシップに着目し、その効果を実証的に検討した。その結果、サーバント・リーダーシップは従来の変革型リーダーシップとは異なる効果を持っていた。すなわち、変革型リーダーシップは、有能性を意味するメンバーの「認知的信頼」を引き出していたのに対し、サーバント・リーダーシップは「情緒的信頼」を引き出していた。また、サーバント・リーダーシップは、メンバーの基本的な心理的欲求(有能感、自律性、関係性)を満たすことで、自律的なモチベーションや職務パフォーマンスを引き出していた。さらに、サーバント・リーダーシップは職場全体に波及する効果も持っていた。
著者
池田 浩二 中野 隆之 藤井 信 侯 徳興 吉元 誠 倉田 理恵 高峯 和則 菅沼 俊彦
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.5, pp.355-361, 2012-05-15
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

芋焼酎粕の有用成分に着目し,米麹を添加した独自の香味改善と機能性の増強を目的とした製造方法で得られた芋焼酎粕飲料(新飲料)について,生理作用を検討した。その結果,次のことが明らかになった。<br>(1)新飲料には,クエン酸,アミノ酸がそれぞれ約1%,ミネラルではカリウムが多く,ビタミン類ではナイアシン,パントテン酸,ビオチン,ビタミンB2,葉酸などが比較的多く含まれていた。ポリフェノールは約0.1%,食物繊維は0.3%,GABAも含まれており,様々な成分による相乗効果が期待される栄養豊富な飲料であることが考えられた。<br>(2)動物試験において,新飲料はその嗜好性から飼料摂食量が増えたが,体重増に有意差が見られず新飲料摂食により代謝が高まることが考えられた。なお,臓器重量には有意差はみられなかった。<br>(3)新飲料摂食試験の結果,強い血清中性脂質抑制効果,総コレステロール抑制効果,特に悪玉であるLDLコレステロールを大幅に有意に減少させ,善玉であるHDLコレステロールは減少させない結果が得られ,さらに,血糖値を抑制する効果が明らかになった。<br>以上のように,芋焼酎粕を原料とした新飲料の脂質代謝改善作用,高血糖抑制効果などの生理作用や食品機能を明らかにできたことから,生活習慣病やメタボリックシンドロームなどの予防や改善効果をもたらすすぐれた飲料であると考えられる。
著者
深尾 百合子 池田 浩治 並木 美太郎 高木 隆司
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

レポート等の文章を書く能力を養成するための教材を作成した。理工系の留学生の最終目的が科学技術論文,レポート,レジュメを書くことを考慮して,題材を基礎科学分野(中学・高校レベル)からとった。開発教材は15のトピックからなっている。これらの教材の開発については「理工系留学生を対象としたボトムアップ型の作文指導および教材開発」という題で研究発表を行った。上記の教材を使って留学生を対象に作文指導を行ったところ,1つの教材に対して様々な解答文が可能であることが明らかになった。そこで,科学技術文として適切な解答文はどのようなものであるかを明らかにするために,教材[木炭の燃焼]を使用して日本語母語話者73人の解答文を収集した。これらの解答文を工学部専門教官3人(分担者を含む)に評価してもらい,この結果について分析を行った。評価の高かった解答文の分析により,科学技術文として不可欠な要素が抽出された。また,評価の低かった解答文データから,不適切とされた箇所を取り出し分類した。この研究結果を,論文「科学技術作文教材の開発およびモデル解答作成のための解答文分析」にまとめた。また,工学系学部日本人学生のレポート文を収集し,レポートの「考察」部分(一部結果を含む)の文章をデータベース化した。これらの文章を工学部専門教官に「考察」として適切な構成,表現であるかを評価してもらい,共通する欠点をまとめた。また,個々のレポートについてのコメントも記述した。
著者
櫻井 しのぶ 小島 照子 小島 照子 中野 正孝 池田 浩子 櫻井 しのぶ
出版者
三重大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

平成11年度に行われた研究の結果、「女性」では、従来からの「女性性」を表現する言葉が多く挙がる一方で、「心・芯は強い」という従来には見られなかった女性性の概念が抽出された。また「男性」では、「たくましい」「強い」「頼りになる」等の、従来の「男性性」と一致した表現となっていた。しかし「女性」とは反対に「気が弱い」等の精神的な弱さを挙げた者も多く、これらの傾向は20代の対象者に強く見られた。これらを元に、平成12年度は、「看護」との関連性に焦点を当て調査した。分析した結果では、「看護」に対し、「優しい」「大変・しんどい」「強い・強い精神力」という項目が上位を占めた。さらに、「女性・女性中心の仕事」という項目も、対象者の10%が挙げていた。また、看護に対するイメージと「女性性」、「男性性」としてあげられた項目において、共通する言葉を分析したところ、「女性性」との共通の方が有意に高いことが確認できた。以上の結果から、一般の人々が抱いている「看護」に対するイメージは、従来の「女性」をイメージする「優しい」等と、新しい「女性」を表す「強い」というイメージの両方を持ち合わせていることが明確となった。看護教育を考える上で、「看護」と「女性性」というものが強く結びついていることを理解し、看護者は看護に対する伝統的な女性的役割である「やさしい」だけでなく、「頼りになる」「強い」という看護の側面も、社会的に要求されていることを事実として受け止めなければならない。以上の結果をもとに、現在論文を作成中である。
著者
池田 浩敬 中林 一樹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.66, no.549, pp.223-230, 2001
参考文献数
11
被引用文献数
6 1

The Hanshin-Awaji Earthquake clarified the importance of preparedness of housing recovery and urban reconstruction. This is a basic study on the construction of methods for estimation of demands for the preparedness of shelter and housing recovery measures after the next earthquake disaster. The questionnaire survey was made at main cities in Shizuoka prefecture, where the Tokai Earthquake of M.8 shall occur in the near future. The purpose of this survey is to clear the demands of shelter and housing recovery for residents after the earthquake. The results are as follows; 1)the elderly and the people of low income need a shelter much more. 2)The renters of private houses, the elderly and people of low income need not only temporary houses but also temporary stay in the public houses after a sheltering. 3)The renters need the public houses very much for a permanent housing. The estimation methods will be able to be built through these analyses, which give the parameters for estimation models.
著者
中林 一樹 池田 浩敬 饗庭 伸 市古 太郎 澤田 雅浩 薬袋 奈美子 福留 邦博 米野 史健 石川 永子 ハイリエ センギュン
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

災害からの復興の仕方は、国や地域によって異なる。被災した地域の文化、社会経済状況、地域社会構造、法制度の特徴が反映されるからである。1999年マルマラ地震では、トルコの災害法の規定に基づき、震災復興の第1段階は、全壊した住宅と事業所を、郊外に新規開発した復興住宅団地に「移転復興」させることであった。この段階は、地震の直後から取り組まれ、2000~2004年に約43千戸の恒久住宅と約1000戸の復興個人事業所の建設・供給によって基本的に完了した。一方、被災市街地での現地復興については、安全性に配慮して、地盤条件に対応させて個別耐震基準の遵守とともに都市計画による建築階数規制がダウンゾーニングされ、建物の階数制限が強化された。被災した6~8階建の建物が、再建にあたっては2~4階建以下に制限された。それは郊外に移転復興する住宅と事業所の空間量を差し引いた被災市街地の再建空間計画であった。しかし、郊外に移転した事業所の営業はふるわず、被災市街地の中心商業地域では2階建の仮設店舗が再建され、賑わいを取り戻しだしたのが2003~2006年頃で、これが復興第2段階である。一方、これらの郊外に供給された復興住宅・事業所を獲得する権利は借家層にはないこともあって、全壊しなかった損傷程度の建物は修理して使い回されるようになっていった。本研究の成果では、上記のような復興過程に引き続き、2007-2009年を研究期間とし、第3段階の被災市街地の復興実態を明らかにした。空地が増えていた被災市街地では、商店街での現地再建が急速に進展しはじめた。主要な被災都市であるアダパザル市とデールメンデレ市の中心市街地を事例都市として、定期的な現地踏査による市街地の復興過程と街並み景観の変化をデータ化し、階高不揃いの街並み再建の実態を明らかにした。同時に、この時期にトルコの地方自治体制度が改定され、大都市自治体制度に移行し、被災市街地の復興から大都市圏整備計画としての都市開発に移行している現状を明らかにした。さらに、被災市街地での再建および新築建物の階高制限にもかかわらず、全員合意の区分所有制度は改定されず、被災建物の再建復興は、個人あるいは企業が、区分所有者の権利を買い集めることによって個人建物として再建が進んでいることを明らかにした。こうした都市復興の理解と同時に、10人の被災者への詳細なインタビュー調査を実施し、被災者の生活再建過程について都市部では復興への関わり方を通して、被災者の個々の復興過程の多様化の実態を明らかにした。
著者
池田 浩敬 中林 一樹
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
no.1, pp.125-130, 1999-11
参考文献数
6
被引用文献数
3

The purpose of this study is the production of a knowledge for preparedness of recovery and reconstruction measures. In this case study of the 1995 Great Hanshin-Awaji Earthquake, we estimated the degree of social/economic damage such as the decrease of population, amount of sales, number of shops and factories, manufacturing products and so on after the earthquake by 18 municipal regions that were damaged severely. Additionally we analysed the relationship between those damages and characteristics of local economy and society. As a result, the degree of population decrease is related closely to houses damage ratio, owner-occupied house ratio and low-income ratio. The damage of manufacturing is also related to damage ratio of buildings, but not to productivity. The damage of retail is related to the decrease of population as regional consumers.