著者
石井 将大 森 健人 松浦 知史 金 勇 北口 善明 友石 正彦
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2018-IOT-43, no.2, pp.1-8, 2018-09-20

本論文では,東工大 CERT におけるセキュリティインシデント対応のフローと,インシデントの重要度,対応に至るトリガー等の判断基準を示し,将来的なインシデント対応の自動化を見据えた,ログ ・ 検知イベント分析基盤の構築と運用方法について述べる.初めに,東工大 CERT が行ってきたインシデント対応のパターンを整理し,本学におけるインシデントの分類とそれらの性質を述べ,インシデント対応のフローやリスク判断について,JPCERT / CC や NIST 等が定める一般的な基準と比較した上で,インシデント対応の自動化に必要な点について明らかにする.更に,高度標的型攻撃対策としての本学における Lastline の運用方法と,SOC 業務の省力化やインシデント対応の自動化を視野に入れた,Splunk を利用したログ分析基盤環境の構築について述べる.最後に,これら自動化の柱をなす機械学習手法の適用について,一部試行的な取り組みを紹介し,考察を与える.
著者
三浦 知之 森 和也
出版者
宮崎大学
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.47-63, 2008-01

宮崎港の北に位置する9.6haの一ツ葉入り江に出現する鳥類について、これまで1年間の調査による出現種の結果を報告したが、本報では出現鳥類の季節的消長と摂餌生態を報告するとともに、入り江を繁殖地とするコアジサシの営巣の状況と営巣地保全に関する考察をおこなった。2002年から2007年まで、一ツ葉入り江において22科60種の鳥類の飛来が記録され、環境庁レッドデータブックで絶滅危惧I類CRのクロツラヘラサギ、絶滅危惧II類VUのズグロカモメ、コアジサシ、セイタカシギ、アカアシシギ、ホウロクシギおよび準絶滅危惧NTチュウサギ、ミサゴ、カラシラサギが確認された。同記載種であるコアジサシは、2002年、2004年、2006年および2007年に営巣した。留鳥はチドリ科のシロチドリ、サギ科のコサギ、ダイサギ、アオサギおよびカラス科のハシボソガラス、シギ科のイソシギ、カワセミ科のカワセミ、タカ科のミサゴおよびサギ科のアマサギであった。他に非湿地性鳥類10種も出現した。シロチドリは入り江の砂嘴部で繁殖した。夏鳥としてはカモメ科のコアジサシ、アジサシ、クロハラアジサシ、ハジロクロハラアジサシおよびサギ科のササゴイの5種であった。冬鳥は、ガンカモ科のマガモを含む12種が記録された。旅鳥はシギ科のハマシギを含む18種が記録された。これらの鳥類に関して、糞あるいはペリットを排出直後に採取し、餌生物の分析を行った。特にシギ類は入り江の甲殻類や魚を良く捕食し、入り江で最も生息個体数の多いコメツキガニが糞やペリットに頻出した。コアジサシがほぼ毎年営巣していたが、特に2006年と2007年の観察を元に一ツ葉入り江のコアジサシ繁殖地としての可能性を考察した。営巣の攪乱要因としては、台風や大雨による水位の上昇および人・車・飼育動物の侵入の影響が大きく、人的攪乱をできるだけさけることが肝心であるが、自然災害に対しては営巣地の数を増やすことが唯一の対応策となろう。営巣地に必要な立地条件としては見通しの良い荒れ地であることが重要であり、草地化を防止し、砂利などを敷けば、一ツ葉入り江は数百規模の営巣が可能になると考える。
著者
三浦 知之 大園 隆仁 村川 知嘉子 矢野 香織 森 和也 高木 正博
出版者
宮崎大学農学部
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.17-33, 2005-03
被引用文献数
2

宮崎港の北に位置する阿波岐原公園には、9.6haの一ツ葉入り江があり、潟湖干潟が形成される。宮崎市内にあり、市民の立ち入りやすい公園内にあることなどから、極めて重要な意味をもった干潟であると考え、2001年から2004年まで、生物相の調査を行った。記録された貝類は、36種(腹足綱16種、掘足綱1種、二枚貝綱19種)であった。フトヘナタリ科巻貝のフトヘナタリCerihidea(Cerihidea)rhizophorarumは南奥部の潮間帯上部で密度が最大で104個体/m(2)を、カワアイC.(Cerihideopsilla)djadjariensisが北部の砂泥地の潮間帯下部で32個体/m(2)を、ヘナタリC.(Cerihideopsilla)cingulaaが南奥部の潮間帯上部で8個体/m(2)を記録した。また、日本本土では絶滅に近い状態にあるムシロガイ科のカニノテムシロPliarcularia bellulaが入り江の南端に普通に見られた。二枚貝類でも絶滅寸前と評価されているムラサキガイSoleellina adamusiiがごく普通に見られる。一ツ葉入り江から出現し記録された十脚甲殻類は、14科34種であり、カニ類だけでも6科26種に達した。飛来した湿地性鳥類は、8目12科39種であった。このような貴重な生物相と都市の中に位置する特徴から、一ツ葉入り江は多様性の保全と環境教育の啓蒙の視点で極めて重要な湿地であると結論された。
著者
松浦 知史 森 健人 金 勇 友石 正彦
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2016-IOT-32, no.27, pp.1-8, 2016-02-25

大学内のログ情報を扱う組織において構築した小規模な仮想化基盤について紹介する.少額の投資から始められ,段階的に機器を導入する事が可能な構成を目指した.ベースはHP ProliantおよびHDDエンクロージャとし,その他に実験用マシン(Mac mini)を組み合わせて初期段階の構成とした.現段階ではvSphere 5.5および仮想マシンのバージョン10という組み合わせが安定運用に適していることが分かった.環境構築に当たってはソフトウェアのバージョンの組み合わせで不具合が発生することも多く,その様な失敗談も踏まえて環境構築の過程を記す.
著者
川口 博憲 狩野 泰則 三浦 知之
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.45-53, 2006-07-20

This paper provides new knowledge on the geographic distribution, habitat preference and identification of Littoraria species on the tidal flats of mainland Japan. Littoraria ardouniana is first recorded from Kyushu and Honshu islands. Other mainland species include L. intermedia and L. sinensis, which have been frequently confused with each other in previous literature. The color of the kidney is used here as a new taxonomic character for the genus to distinguish the latter two taxa. A few juveniles of L. scabra have been collected from the Kii Peninsula in Honshu, but they presumably represent incidental occurrences of this tropical planktotrophic species. At the mouth of Honjo River in southern Kyushu, L. ardouniana, L. intermedia and L. sinensis abundantly co-occur on rocks and concrete walls in the upper littoral zone, while the first species is also found on reeds and tree branches in the supralittoral zone.
著者
杉浦 義典 杉浦 知子 丹野 義彦
出版者
信州大学
雑誌
人文科学論集. 人間情報学科編 (ISSN:13422782)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.79-89, 2007-03-15

強迫症状と関連の深い意志決定の困難さを,強迫症状に限定されないパーソナリティ特性として測定する不決断傾向尺度(Frost & Shows,1993)の日本語版を作成し,その信頼性と妥当性を検討した。非臨床群を対象とした質問紙調査の結果,以下のことが明らかになった。(1)不決断傾向は1因子構造であり,十分な内的整合性を示した。(2)不決断傾向は,強迫症状と正の相関を示した。(3)不決断傾向は,責任の認知および完全主義(ミスを恐れる傾向)との正の関連を示した。(4)不決断傾向は,一般的なパーソナリティ傾向(ビッグファイブ),および,責任の認知と完全主義で説明出来ない強迫症状の分散を説明していた(増分妥当性)。(5)否定的な思考の暴走を防ぐ認知的なスキル(認知的統制尺度の「破局的思考の緩和」)は,不決断傾向を低減できる可能性が示唆された。以上の知見から,日本語版不決断傾向尺度の一定の信頼性と妥当性が確認された。
著者
小林 大高 坂巻 弘之 小松 涼 飯島 伴典 飯島 康典 大津賀 博之 斉藤 克也 関 徹也 中村 英俊 山浦 知之 横林 邦明
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.7, pp.823-828, 2014 (Released:2014-07-01)
参考文献数
4
被引用文献数
2

This study aimed to determine how much time can be saved with the use of unit-of-use packaging for prescription drugs as compared with bulk packaging in community pharmacies as well as to determine the number of errors. In a simulation, mock prescriptions were dispensed either in unit-of-use packages or by transferring medication from a bulk container, and a time study was conducted to measure the time spent on dispensing and prescription auditing by pharmacists. Pharmacists' and patients' degree of satisfaction was also surveyed. The time saved with unit-of-use packaging was 66.25 s per prescription. The sole dispensing error that was found in the study occurred with bulk dispensing. Among both pharmacists and patients, many were of the opinion that dispensing with unit-of-use packaging was preferable to bulk dispensing. Unit-of-use packaging shortens the time that pharmacists spend on dispensing activities and increases the efficiency of their work. Unit-of-use packaging is also thought to reduce the number of counting errors.
著者
三浦 知之
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

平成14年度は従来の研究を文献的に整理し、潜水探査機を用いた生物採集を実際に行うと共に、研究材料となる標本の収集を行った。特に、インド洋ロドリゲス三重合点に関しては、本申請と同時に別途共同調査を申請していた潜航調査に、平成14年1〜3月に申請者も参加できた。平成15年度は1989年に新科として発表したヤドリゴカイ科Nautiliniellidaeに関連して、日本海溝に生息するNautiliniella calyptogenicolaとよく似た、大西洋産種が新種であることがわかり、米国の雑誌に発表した。平成16年7月5日から9日にかけてスペインマドリッドで開催された第8回国際多毛類研究者会議において、シボグリヌム科多毛類すなわちハオリムシ類の生態について発表し、その体系分類のあり方についても外国人研究者との共同研究を発表し、ほかの研究者との情報交換を行った。これまでさまざまな深海調査により、採集してきた資料には、相模湾初島沖1170mで得られた、Nereis surugaense, Euclymene uncinata, Maldane cristata, Lumbrineris japonica, Eunice mucronata, Paraonides nipponicaなど既知種も多数含まれていたが、沖縄トラフ南奄西海丘で採集されたイソメ科多毛類は未記載種であることがわかり、新種として記載することとした。また、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の調査船「よこすか」および「しんかい6500」による南西太平洋熱水生態系の全貌解明に向けた調査が、2004年9月23日から11月24日に実施され、その採集正物の中にハオリムシ類の未記載種が含まれていることがわかり、急遽記載の準備を進めている。採集されたハオリムシ類の一つは、Brothers Caldera (34°51.652'S,179°03.536'E;水深1604m;Oct.26,2004;Shinkai 6500 Dive 851)で得られ、今1種もBrothers Caldera (34°51.671'S,179°03.463'E;水深1598m;Oct27,2004;Shinkai 6500 Dive 852)でえられたものである。年度末ぎりぎりでの入手でもあり、最終報告には間に合わないが、米国の追随調査も予定されており、新年度には入り次第成果の発表に向かいたいと考えている。
著者
永森 静志 松浦 善治 宮村 達男 松浦 知和 蓮村 哲
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

まずはじめに、人工肝感染実験に用いる感染性クローンの構築のため、ヒトに輸血後肝炎を発症させ、しかもチンパンジーに対する感染価も高い、一人のC型肝炎患者血清より完全長のcDNA(NIHJ1)を作製した。このNIHJ1のバキュロウイルス発現系を用いてHCV全長の遺伝子を昆虫細胞で発現させたところ、蛍光抗体法や免疫沈降法で全てのHCV蛋白の発現が認められ、前駆体蛋白のプロセッシングも完全に行われていることが確認できた。次に人工肝感染実験に用いるのに適した細胞を調べる目的で以下の実験を行った。AdexCAT7を各種細胞に感染させイムノブロット法とポリメラーゼ活性を指標にしてT7ポリメラーゼの発現を確認した。調べたほとんどの細胞で、EMCVのIRESを持つpT7EMCLucが最も高い活性を示したが、唯一,FLC4細胞のみでHCVのIRESを持ったpT7HCVLucが最も高い活性を示した。このように、EMCVに比べ効率の低いHCVのIRESを持ったpT7HCVLucの活性がFLC4細胞のみで高い価を示したことは、FLC4細胞には、HCVのミニジーンRNAを特異的に安定化させ翻訳効率を上昇させる何らかの宿主因子が存在することが示唆された。単層培養での慢性C型肝炎患者血清を用いた感染実験の結果もFLC4のみHCVRNAの検出が持続したことからも考え会わせ、このFLC4細胞を人工肝の感染実験に用いることに決定した。そして高密度培養用のバイオリアクターを用いて6O日以上にわたり、安定的に細胞培養が可能であることが示されただけでなく、低温培養により細胞の増殖速度をコントロールすることに成功した。そこでこの人工肝にまず前述のC型肝炎患者血清を感染材料として用い、人工肝から流出する培養液をサンプリングしてHCVRNAをRT-PCRで検出したところ、感染開始後1-2日まではHCVRNAは陽性であったものの、それ以降陰性であった。残念ながら培養液からは感染の確証は得られなかった。現在、我々が作製した全長のクローンおよびUSAより供与されたチンパンジーに感染を成立させた感染性クローンを用いた感染実験を継続中である。
著者
和田 倫和 松浦 知史 野口 悟 猪俣 敦夫 藤川 和利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.444, pp.89-94, 2012-02-16

センサデバイスの普及に伴い,広域に存在するセンサデータを共有する分散システムが実現しつつある.センサデータのような定期的に更新されるコンテンツは,突発的な天候の変動(夕立,突風など)により,ユーザの関心が特定のコンテンツに向かうため特定ノードにクエリが集中する可能性が高い.また時間経過によるコンテンツ人気遷移により,複製を配置する事で負荷分散を試みても,複製を配置し終えたときには他コンテンツへクエリ集中が遷移してしまう恐れがある.そこで本研究では,地理情報に基づいた効率的な複製配置手法の提案を行い,エミュレーションによる評価実験を通して,コンテンツ人気遷移に追従する負荷分散が達成できることを示す.
著者
川村 隆一 植田 宏昭 松浦 知徳 飯塚 聡 松浦 知徳 飯塚 聡 植田 宏昭
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

大気海洋結合モデルならびに衛星リモートセンシングデータ等の観測データを併用して、夏季モンスーンのオンセット変動機構の重要な鍵となる大気海洋相互作用及び大気陸面相互作用のプロセスを調査した。標高改変実験からは亜熱帯前線帯の維持のメカニズム、植生改変実験からは降水量の集中化と大気海洋相互作用の重要性が新たに見出された。また、オンセット現象と雷活動との相互関係、夏季東アジモンスーン降雨帯の強化をもたらす台風の遠隔強制やモンスーン間のテレコネクションのプロセスも明らかになった。
著者
釜野 徳明 速水 格 日野 晶也 小笠原 強 関 邦博 服部 明彦 小竹 文乃 張 恵平 西川 輝昭 竹内 一郎 橋本 惇 三浦 知之 木津 治久 姚 新生 小宮山 寛機 川村 将弘
出版者
神奈川大学
雑誌
年報 (ISSN:13420917)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.117-119, 1996-03

約100万種といわれる海洋生物は、地上における最も未知な世界である。本年度も、この海洋生物から、医薬資源となりうる有用な生理活性物質を発見し、構造を明らかにし、生理活性を検討することを目的として研究を行っている。本年採集した生物は、39件29種であり、今までに189件を採集した。採集生物のリストを最後に示した。バイオアッセイを目印に、そのうち、海草、クダウミヒドラ、スポンジ、エボヤ、ユーレイボヤ、アカフジツボ、クロフジツボ、群体ボヤ、オオワレカラなどにつき有用成分の探索を行った。特に付着生物コケムシ類Bugla nertinaおよびAmathia convolutaを検討し、有益な知見を得た(研究の成果の項参照)。7月21日(金)、22日(土)には、本学平塚キャンパスおいて、「第1回海洋生物科学の基礎と応用(最近の進歩)シンポジウム」を開催した。海洋生物の基礎と応用研究にたづさわる最前線の各研究者の発表と講演を通し、相互の理解と現状を把握し、協力して大きな夢へ向かっての議論が出来たことは一般への啓蒙に加えて大きな成果であった。このシンポジウムには、基礎部門の代表者として本学の日野晶也助教授の協力を得ている。演者とシンポジウムのタイトルを後述する。このような基礎と応用を一同に会したシンポジウムは最初の試みであり、今後も続ける予定である。ちなみに今回の参加者はのべ150名であった。
著者
奥谷 喬司 橋本 惇 三浦 知之
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.91-96, 2004-01-31
被引用文献数
1

鹿児島湾の水深100m前後の海底には,古来から漁業者が「たぎり」と呼ぶ噴気孔がある。その周辺には有鬢動物の1種サツマハオリムシの大群集の存在が知られているが,それに伴って出現するキヌタレガイ科の1種を研究した結果,Solemya(Solemya)に属する新種と考えられるので記載する。Solemya(Solemya) tagiri n. sp.タギリキヌタレガイ(新種・新称)殻長2cm前後,外見は他のキヌタレガイ類と似ていて,細長い亜方形,殻頂はほとんど聳えず,後位7/9付近。漆塗り様の殻皮の色はややうすく,放射状彫刻に沿って細い赤褐色の色帯がある。靱帯は後位,外からは見えず後背縁と靱帯受との間にある。後背縁は僅かに持ち上がる。内部に支柱はない。消化管を欠き,鰓は著しく大きい。鹿児島湾の水深76〜116mの「たぎり」付近。備考:日本産の小型種,アサヒキヌタレは明らかな外靱帯があり(Acharax),またキヌタレガイでは靱帯は内在し(Petrasma),靱帯受にひだがある点で異なる。東太平洋のSolemya reideiはやや大きく(6cm)で,内面に靱帯葉と弾帯受に支柱を持つ点で区別される。