著者
渡辺 華月
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷哲学論集 (ISSN:09176284)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.88-100, 2005-01-31
著者
渡辺 恒雄
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.449-456, 1981-09-25
被引用文献数
7 1

東北地方(青森, 秋田, 岩手, 山形の4県)と南西諸島(沖縄本島, 奄美大島)の48か所の土壌からPythium属菌を分離し, 分布, 種類, 菌量などを検討した。植物については試料が得られた場合のみ検討した。土壌からの分離は, Waksmanの直接接種法の変法と, キュウリ, ルーピン, トウモロコシの種子を基質とした捕捉法の2方法を用いた。捕捉法では土壌に埋没した種子を一定温度下で1〜7日間放置後取り出して素寒天培地(WA)上に置き, 伸び出した単菌糸を分離して純粋分離株を得た。植物の根部からはWA上で単菌糸分離により直接分離株を得た。土壌からの分離の結果, 東北地方では供試した27か所中25か所, 南西諸島では21か所の全試料からPythium属菌が検出された。捕捉法における基質の土壌埋没時の処理温度は, 分離される菌の種類に大きな影響があり, 好高温性のP. aphanidermatumは, 東北地方産の試料では, 36Cの高温下で分離した43株中10株を占めたが, 7Cと20Cの低温下では150株中わずか1株にすぎなかった。南西諸島産の試料では24Cでも106株中37株を占めたが, 7Cでは全く分離されなかった。また同菌は, 東北地方産の4種の植物と南西諸島産3種の植物から分離された。植物の根部から分離された合計52菌株の温度反応を調べたところ, 南西諸島産の15菌株は, 東北地方産の37株と比較すると好高温性の菌株が多かった。土壌および植物からの分離菌は, 未同定菌を除き, それぞれ13種と8種に同定された。また土壌中の菌量を直接接種法の変法により定量したところ乾土1g当たり50個以下の試料は, 供試した48点中19点, 51〜200個の試料は17点, 201〜1040個の試料は12点であった。
著者
杉原 一昭 渡辺 弥生 新井 邦二郎
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

本研究の目的は,子どもの認識形成に直接経験・実体験がどの様な効果を及ぼしているかを探り、子どもの健全な発達をもたらす方略を見つけ出すことにあった。具体的には、(1)現在の子どもたちは、動植物についてどれくらい見聞、接触、飼育、栽培などの実体験をしているか、その実態を調査し、実体験の種類と量を規定している要因を探る(2)小動物に関するビデオによる認識形成と実体験による認識形成の差異を明らかにする(3)実際の動物(鶏)飼育経験が認識形成に及ぼす効果について検討することが目的であった。その結果、以下のことが明らかにされた。(1)園児は動植物にかなりの興味・関心を持っているが、実際に家庭で飼育しているのは金魚が多く、単に「見ている」か、せいぜい、「時々餌をやる」程度の接触である。動物との接触は、大都市の子どもほど、年少児ほど希薄である。(2)園児が積極的に飼育にかかわることが、認識形成に影響を及ぼす。(3)ビデオ視聴前(プレテスト)と視聴後(ポストテスト)の変化を見てみると、ビデオ視聴は、動物に関しての認識形成・知識の向上において、有効な手段である。(4)ただ漠然と動物を飼育しているだけでは教育的効果は薄い。動物飼育から幼児が何等かの学習をするためには、観察や接触を促すような働き掛けが必要である。(5)動物(鶏)の動作についての知識に関しては、その正確さにおいて、実体験前後で顕著な差が認められた。実際に体験することによって、動物の動作について、しっかり理解することができる。(6)絵や言葉だけではなく、実体験に裏打ちされた知識によって、しっかりとした認識の土台が形成される。
著者
呉 宣児 高木 光太郎 榊原 知美 余語 琢磨 伊藤 哲司 奥田 雄一郎 竹尾 和子 砂川 裕一 崔 順子 片 成男 姜 英敏 周 念麗 渡辺 忠温
出版者
共愛学園前橋国際大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

日本の大学と中国、韓国、ベトナムの大学がペアになり交流授業を行い、集団間の異文化理解が起こりやすい授業の方式や素材の検討を行った。授業の素材としては、映画、イラスト-によるストーリ、公的な場所での規範・ルールなどが有用であることを確認した。また異文化理解へのプロセスを検討する分析概念として 「歪んだ合わせ鏡」「対の構造」「対話の接続と遮断」「情動反応」などの用語が有効であることが示された。
著者
西澤 常彦 稲員 とよの 小泉 明 渡辺 晴彦 荒井 康裕 森 正幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.II_143-II_150, 2011 (Released:2012-03-16)
参考文献数
11

管路更新計画における更新順序の決定では,管路単体の物理評価だけでなく管路ネットワーク構造における上下流関係を定量的に評価することが重要である.すなわち,ある管路上で発生した断水事故の影響は,まず,直近の仕切弁を閉じて作られる断水領域として生じ,次いでその影響が管路のネットワーク上の発生箇所によって異なる形で波及するといえる.そこで本研究では,管路ネットワーク上の仕切弁で閉じられる個々の断水領域を需要者ユニットと定義することにより,管路事故時における水供給への影響度を需要者ユニット間の相互関連構造から評価する方法を提案した.さらに,ケーススタディで,提案したネットワーク構造に基づく影響度評価を行うとともに管網解析の結果との整合性を確認することで本提案の有効性を示した.
著者
豊巻 敦人 渡辺 隼人 柳生 一自 室橋 春光
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.41-49, 2013-04-30 (Released:2014-01-07)
参考文献数
21
被引用文献数
1

社会的認知の偏奇を中核障害とする自閉症スペクトラム障害においても安静時機能画像によるDefault mode networkを評価した検討が多くあるが必ずしも所見は一致していない。機能画像ではなく,脳波・脳磁図を用いたDefault mode networkの評価も関心が持たれてきおり,本研究では脳磁図による機能的結合の解析を行い,自閉症スペクトラム障害でDefault mode networkの異常の有無を検討した。信号源波形の位相同期性による機能的結合について自閉症スペクトラム障害ではベータ帯域において前部帯状皮質と後部帯状皮質の結合強度が低下している傾向が観察された。また内側面の局所的な結合強度の増大は,細部への注意やコミュニケーション能力と相関していた。これらのことから,脳磁図計測でも自閉症スペクトラム障害の認知特性に寄与するDefault mode networkの異常を評価出来ることが示された。
著者
加藤 陸奥雄 石井 孝 渡辺 孝男 吉田 勝一
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.83-88, 1966
被引用文献数
8

ドライアイスから発散する炭酸ガスを誘引源とする蚊採集用トラップ(図4, 図5)を考案した. 1964年夏, 宮城県名取市下余田にある畜舎(豚舎, 牛舎)に加藤式蚊トラップをつけ, この近くに新らたに考案したトラップを設置して, 2種トラップ間での 1) 採集蚊の種類数構成比較, 2) 夜間1時間ごとに採集した場合の採集蚊数変動比較を行なつた.結果は次の通りである : 1) 採集された蚊はコガタアカイエカ, キンイロヤブカ, シナハマダラカ, アカイエカ, オオクロヤブカの5種類で, 採集蚊の種類数構成は多くの場合2種トラップ間で有意的差があつた(表1, 図7). 2) 夜間1時間ごとに採集した場合の採集蚊数変動はコガタアカイエカ, アカイエカ, シナハマダラカについては2種トラップ間で顕著な差を示したが, キンイロヤブカにおいてはあまり顕著でなかつた.
著者
桂 幸司 寺田 一樹 力丸 裕 横川 隆一 渡辺 好章 Lin Liang-kong
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.655, pp.25-30, 2003-02-14
被引用文献数
2

2台の高速度ビデオカメラを用いて飛行中のコウモリの軌跡を3次元で解析し,テレメーターマイクを用いて観測した超音波パルスの変化とコウモリと標的までの距離との関係について検討した.その結果,エコーロケーションシステムについて,特にCF,FM,パルス間隔,CF_2周波数,ドップラーシフト補償について,多くの情報を得ることができた.
著者
丁 海文 河野 広隆 渡辺 博志 鈴木 雅博
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.1117-1122, 1999-06-21
被引用文献数
1 4

自己収縮の温度依存性を調べるために高温の一定温度養生の供試体と水和熱による温度履歴を受けるコンクリートブロック供試体で検討を行った。自己収縮ひずみは各温度履歴に対し依存する傾向を示した。始発から一定温度で養生した条件では養生温度が高くなるほど初期の膨張が大きく,自己収縮の終局値は小さくなる傾向を示した。また,水セメント比が小さくなるほど高温の影響が大きかった。ブロック供試体は水和熱による高温の温度履歴にもかかわらず初期の膨張がなく,自己収縮も大きくなった。自己収縮ひずみのマチュリティによる表現は難しいと考えられた。
著者
渡辺 邦夫
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

アリストテレスの倫理学と心の哲学が心身関係論を回避せず積極的に荷担したことを示した。かれは徳の説明において感情の状況に応じた「量」にかかわる主張を提出し、状況に応じた直観的認知としての実践的知性から行動が起こると説明したと解釈した。意志の弱さの問題をめぐってもかれは心身因果にかかわる解明を遂行した。心の哲学ではアリストテレスが、欲求を補佐して行動を生む認知の問題に取り組み、行動における人間の認知を、規範という視点から考察しつつ、心身一元論を守ったと解釈した。またかれはスキルや知識や道徳性の学習成果が付帯的知覚としても知性認識としても現れると考えており、知性主義的で一元論的であったと解釈した。
著者
影山 隆之 大賀 淳子 河島 美枝子 舞 治代 佐田 美貴恵 渡辺 英宣 東保 みづ枝
出版者
大分県立看護科学大学
雑誌
大分看護科学研究 (ISSN:13456644)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.33-39, 2002-06

在宅精神障害者の日常生活における困りごとについて調べるために、大分郡に在住する精神障害者とその同居家族45組に対して自記式質問紙調査を行った。精神障害者自身が認識している困りごとと、その家族が評価した援助の必要性を比較した結果、二つの観点の大きな乖離が詳細に示された。乖離の様相には男女差も認められた。この乖離は、保健師が在宅精神障害者のためのホームヘルプ事業などに係るケースマネジメントを行う際に、参考になる。
著者
渡辺 雅彦 若林 敬二
出版者
就実大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

モンシロチョウに存在する分子量98,000の蛋白質、ピエリシン-1、は種々のがん細胞に対して細胞傷害活性を示す。そこで、in vivoにおけるピエリシン-1の抗腫瘍活性を調べる目的で、ピエリシン-1の実験動物に対する毒性の解析を行った後、移植がん細胞に対するピエリシン-1の抗腫瘍効果を調べた。ピエリシン-1を単回腹腔内投与した場合のBALB/cマウスに対するLD50値は約5μg/kg body weightであった。1x10^7個のHeLa細胞を6週齢BALB/c雌ヌードマウスの腹腔内に移植し、翌日、3μg/kg body weightのピエリシン-1を単回、腹腔内投与し、80日目にマウスを屠殺し解析した結果、ピエリシン-1非投与群では全例(10/10)に腫瘍が確認され、その平均重量は1.16gであった。一方、ピエリシン-1投与群では10例中3例に肉眼上腫瘍を認めなかった。また、1例では腹膜に2mmの小結節を認めたのみであった。ピエリシン-1投与群の平均腫瘍重量は0.56gであり、有意に低下していた。以上より、ピエリシン-1はHeLa細胞に対し、in vivoで抗腫瘍活性を示すことが分かった。続いて1,340頭のモンシロチョウさなぎからピエリシン-1の大量精製を行い、47.6mgの精製ピエリシンを得た。さらにピエリシン-1およびその酵素ドメインであるN末端断片の酵素的性質を解析したところ、C末端断片が存在すると、酵素活性が大きく低下する条件が認められた。N末端断片およびトリプシン活性化本酵素による転移反応のturnover numberは55および25、24時間反応における転移数は10^6レベルであり、単一分子によって細胞に致死レベルの付加体が生成し得ることを示した。