著者
渡辺 貴文 森戸 貴 南 正輝 森川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.39, pp.113-118, 2007-05-10
被引用文献数
4

数千台単位で広範囲にセンサノードを分散配置する無線センサネットワークにおいて,電源の確保は1つの大きな課題である.既存の無線センサネットワークのノードは一次電池による駆動を前提としているが,電池交換の手間や費用などを考えると各ノードはバッテリレスで駆動されることが望ましい.そこで,当研究室では太陽電池等の発電素子をエネルギー源として用いることで,1次電池使用時よりも長期間稼働させること目標としたセンサネットワークシステムである"Solar Biscuit"(以下SBと省略)の開発を進めてきた.しかしながら,太陽電池より得られる電力が微少かつ不安定なSBのノードでは消費電力の徹底した削減が必要となる.本稿では既存のMACプロトコルのうち最も省電力であるスケジュールベースの通信に電波時計による時刻同期を組み合わせ,SBにおいてより省電力な通信を実現する方法について報告する.
著者
三宅 勝 小野 斉 大塚 信明 中川 忠昭 千葉 一夫 渡辺 順一 加納 隆
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.394-414, 1967-03-31

著者等は牛舎施設,乳牛管理,牛舎内気象状況と繁殖成績ならびに疾病発生との関連性を究明するため,十勝地方において多頭数飼育を実施している上芽室生産組合共同牛舎,中札内村新生共同畜舎および帯広畜産大学付属第1農場牛舎において実態調査を行なった。調査期間は昭和39年3月から40年2月までの1年間で,これを第I期(春,4月),第II期(夏,7月),第III期(秋,10月),第IV期(冬,1月)に分け,それぞれの期間中1週間ずつ牛舎にとまりこみで上述の調査を行なった結果,次のような成績を得た。1.牛舎施設,乳牛管理,飼養および飲料水について換気施設の不完全,手入れの不充分および運動場の狭隘のほか,上芽室にあっては搾乳前2,3搾りを捨てないこと,ミルカーのかけ過ぎ,および飲料水はアンモニア性窒素が多く飲料不適であったこと,中札内にあっては敷わらの不足,削蹄の不完全,運動場に汚水の潴溜等の欠陥が指摘された。2.牛舎内気象状況(1)気温……すべての地区とも最高は7月,午後0〜6時のもので上芽室では22.7±4.1℃,中札内では22.2±4.0℃,畜大では26.3±3.1℃であった。また最低は1月で,上芽室では午前6〜12時の2.2±4.0℃,中札内では午後0〜6時の4.7±3.0℃,畜大では午後6〜12時の1.0±3.2℃であった。3地区とも牛舎内温度の多くは至適温度内にあった。(2)湿度……最高は上芽室,中札内では1月,午前0〜6時で,それぞれ94.2±2.6%,94.0±6.0%であったが,畜大では4月,午前6〜12時の90.0±7.4%であった。なお前2者では冬期間夕方より翌朝にかけ湿度は95%を越える日が多かった。最低は上芽室,中札内では4月,午後0〜6時で,それぞれ55.4±1.4%,61.0±13.9%であり,畜大では10月,午後0〜6時の62±12.9%であった。(3)乾カタ度……最高は上芽室では4月,午前9時の11.71±2.84,中札内,畜大では1月で,それぞれ午前9時の11.77±2.69,午前3時の12.9±1.40であり,最低は上芽室では7月,午後9時の7.31±1.60,中札内,畜大では10月で,それぞれ午後9時の7.07±1.85,午前9時の9.4±0.36であった。(4)炭酸ガス量……最高は上芽室では4月,午前3時の0.16±0.024%,中札内,畜大では1月で,それぞれ午後9時の0.26±0.106%,午前3時の0.12±0.095%であり,最低は上芽室,中札内では7月,午後9時で,それぞれ0.06±0.001%,0.05±0.017%で,畜大では10月,午前3時の0.03±0.004%であった。3.繁殖成績について1〜4ヵ年間の上芽室,中札内および畜大における平均受胎率はそれぞれ96.4,88.3,90.3%,受胎効果は1.55,207,1.71回,受胎牛の平均空胎期間は3.69,4.33,6.12ヵ月であった。4.疾病について上芽室,中札内では趾間腐爛,乳房炎の発生が多かった,このほか上芽室では二等乳の発生が多く,12月には全産乳量の30%におよんだ。なお7月行なった分房別異常乳調査では,上芽室で,13.9%,中札内では11.9%に発生が見られた。以上のことから上芽室,中札内の多頭数飼育牛舎にあっては,繁殖成績は良好で仔積の生産は順調であるが,乳房炎,異常乳,二等乳および趾間腐爛の発生が多く経営を困難にさせている。これらの疾病発生は牛舎内の換気不良,高温度,乳房管理あるいは削蹄不良等に原因しているように思われる。
著者
渡辺 大介 湯澤 正通 水口 啓吾
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.87-94, 2014

本研究では,小学校2,3年生(N=160)による減算の求補場面と求差場面の作問課題における言語性ワーキングメモリおよび視空間性ワーキングメモリの役割を検討した。言語性ワーキングメモリおよび視空間性ワーキングメモリの高低群によって作問課題に対する解答内容の違いを調べた結果,求補場面では,言語性ワーキングメモリ得点の高い児童は低い児童に比べて,式と絵の両方に対応している解答を多く行った。一方,視空間性ワーキングメモリにおいては,このような偏りは見られなかった。他方,求差場面では,視空間性ワーキングメモリ得点の高い児童は低い児童に比べて,式と絵の両方に対応している解答を多く行った。一方,言語性ワーキングメモリにおいては,このような偏りは見られなかった。これらの結果から,求補場面と求差場面の作問課題においてそれぞれ言語性ワーキングメモリと視空間性ワーキングメモリが異なる働きをしていること,これらの問題理解の支援において異なるアプローチをとる必要がある可能性が示唆された。
著者
渡辺 勉 曽我部 正道 山崎 貴之 奥田 広之 涌井 一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.53A, pp.77-86, 2007 (Released:2007-08-01)

Many floating tracks have been used for only low-speed trains as vibration reduction system. A study was carried out on dynamic response and running quality, using various floating tracks for high-speed train. A simulation program, DIASTARS was used in this analysis. In this program, the Shinkansen vehicle is three-dimensionally modeled as having a body, two trucks, and four wheelsets connected to each other by spring and dampers. The floating tracks were modeled by three dimensional finite element methods. In this study, the wheel load variations and vehicle body accelerations were investigated by dynamic interaction analysis between vehicle and track. The parameter was the train speed and the stiffness to support track.
著者
伊藤 映 福岡 俊之 藤田 卓志 西山 聡一 渡辺 和之 田口 ひとみ
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.351-352, 1993-03-01

近年、パーソナルコンピュータはその普及のめざましいものがあるが、個人が生活のパートナーとして使うとうい点ではまだまだ、心理的にはパーソナルとはいえない状況である。我々は、コンピュータの操作性という意味での「物理的な壁」はもとより、人とコンピュータのスムーズでかつ深いコミュニケーションを阻む「心理的な壁」をも取り除いた「つき合いたくなるコンピュータ」のためのヒューマンインタフェースの研究を行っている。特に、コンピュータ上に、賢いだけでなく親しみをもって接することのできる生物のような「エージェント」を用いた対話を提案している。その研究の一環として、コンピュータの内部世界を写し出し、利用者とその世界との仲介を行う「仮想生物」というエージェントの導入を提案し、コンピュータ内の「仮想世界」に没入し、仮想生物と対話できるシステムを試作した。本稿では、試作したシステムの概要とその基本モデルの考え方、更にシステムの基盤となるプラットフォームの実現例について述べる。
著者
三輪 敬之 上杉 繁 大崎 章弘 板井 志郎 渡辺 貴文 石引 力
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

居場所づくりの支援には, 無意識の領域にまでコミュニケーションを拡大する技術が必要になる. そこで, 身体と存在的に非分離な影が, 場の創出的メディアとして働くことを示すとともに, 影を使った二領域的通信原理を基に, 人々の間に存在的なつながりが生まれる居場所のコミュニケーション支援とそのネットワーク化に必要な基盤的技術の開発を行い, 場のコンテクストや間合いの創出に着目して, その有用性を確認した.
著者
永田 恵十郎 渡辺 晴基 井口 隆史 平塚 貴彦 北川 泉 岩谷 三四郎 猪股 趣
出版者
島根大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

63年度に行った主な研究作業は, 過去3ヵ年の研究の総括とそのために必要な補足調査である. 研究の総括は毎月1〜2回の頻度で開催した研究会の場で行った. 研究会では, それぞれの分担者が担当課題についての研究結果を報告し, それをめぐって全研究分担者が討論し, 率直な批判検討を積重ねるという方式で進めた. また補足調査は, 自然減社会の実態構造, 減返強化米価引下げによる地代負担力の減少とそのことによる借地返還多発の実態構造等の把握に力を注いだ.以上を通じて, 3ヵ年の研究成果を『過疎山村の再生』というテーマで世に問うことを決定し, 63年度の研究成果公開促進費の交付申請を行った. もっとも, 『過疎山村の再生』というテーマは, すぐれて具体的, 現実的課題をふくんでいるだけでなく, 理論的にも掘下げなければならない課題も多々ある. そこで, 上記研究会には地元の各機関, 団体の関係者の参加も求め, 具体的, 現実的な課題への認識を深めることにした. なお, 共同研究者以外の研究会参加者は延25名(県庁農林水産部, 農林漁業金融公庫松江支店等)であった. さらに, 63年12月にはたまたま来松の機会のあった和田照雄(東京大学), 森田学(京都大学), 陣内義人(鹿児島大学)の3教授にも研究会への参加を要請し, われわれの理論フレーム(仮設)についてコメントを頂いた.
著者
シダラマパァ R. チロール A. 渡辺 巌
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.473-479, 1979-11-20

田面水あるいは湛水水田土壌の根のまわりに施したカルボフラン(2, 3-dihydro-2, 2-dimethyl-7-benzofuranyl methylcarbamate)の稲への吸収と体内移動および土壌中での残留について研究をおこなった.また, カルボフランの土壌中での分解におよぼす土壌の種類, 連続投与の影響も調べた.残留分析には気液クロマトグラフィ, 薄層クロマトグラフィ, および^<14>C同位元素法を用いた.田面水施用とくらべて, 根のまわりへのカルボフランの施用はカルボフランの土壌中での残留性をいちじるしく増した.田面水施用ではカルボフランはただちに稲植物体に吸収され, 地上部への移行がみられたが, 根のまわりに施すと, 稲への吸収・移行はゆっくりと進行した.稲に吸収されたカルボフランは主として葉, とくに先端部分に集積することがオートラジオグラフィにより認められた.植物の茎部分のカルボフラン濃度は常に低かった.土壌でのカルボフランの分解はおもに微生物によるものと思われ, 土壌のpHが低いほど分解がおそかった.
著者
関川 浩司 渡辺 岩雄 川口 吉洋 遠藤 辰一郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.17, no.12, pp.2226-2229, 1984-12-01
被引用文献数
4

胆嚢病変に起因した自発性外胆嚢瘻の報告は比較的まれで,本邦では自験例を含め22例を数えるにすぎない.このうち本瘻孔の基盤となった病変は胆石症17例であり4例が胆嚢癌例であった.今回われわれは胆石症および胆嚢癌症例で腹壁に自潰することにより外胆嚢瘻の形成をみたきわめてまれな一例を経験したので報告するとともに臨床的特徴像について本邦報告例を集計し報告する.
著者
渡辺 雅司
出版者
日本ロシア文学会
雑誌
ロシヤ語ロシヤ文学研究 (ISSN:03873277)
巻号頁・発行日
no.12, pp.58-71, 1980-10-15

1. Постановка вопроса. Народничество представляет собой не единую идеологию, а синтез разносторонних идейных поисков мыслителей XIX века, характеризуемый своего рода умственным настроением (по Богучарскому). Следовательно исследование народничества может проводиться в разностонних фазисах. Гипотеза, представленная в настоящей статье, ставит своей целью проверку идейной сущности одного из главнейших тезисов народников, так называемого "преимущества отсталости" с помощью их взглядов на Азию (символ "отсталости" того времени). Эти взгляды разбираются здесь на примере Л. Мечникова, народника, анархиста, пребывавшего в Японии в середине 70-х годов прошлого века. 2. Деспотизм и Анархия В неоконченной книге, названной "Цивилизация и Великне Исторические Реки", под редакццией известного географа Элизе Реклю, Мечников представил оригинальную теориюо развитии цивилизаций от речной стадии через морскую к океанической Она направлена против тогдашних господствующих теорий расизма и социал-дарвиизма. По Мечникову критерий прогресса есть "кооперация" или "ассоция" людей, определяемая природными условиями вообще, и гидравлнческой системой в частности. Конечная цель Мечникова повидимому состоит в том, чтобы обнаружить научную несостоятельность схемы: ЗАПАД=ЦИВИЛИЗАЦИЯ&xharr;ВОСТОК=ВАРВАРСТВО. 3. Специфический тип китайской цивилизации Разъясняя формирование четырех древних цивилзаций Мечников особое внимание уделял Китаю. В то время как в Китае еще сохранялся депотический строй общества, в остальных частях света речная цивилизация (деспотическая стадия) ушла в далекое прошлое. Критикуя предрассудки большинства ориенталистов, находивших причины этого в "обрядничестве" и "консерватизме" китайского народа, он объяснял специфику китайской циилизации, сохраняющую внешную рамку деспотизма, а внутренне развивающуюся от деспотизма к анархии (высшей стадии по Мечникову). При зтом он ссылался на древне-китайсую филосфню, особенно конфуцианство и видел в нем зародыш анархизма. 4. Место Японии среди восточных цивизацнй У Мечникова есть, насколько мне известно, три работы о Японии ("Эра Просвещения Японии", Эра Японского Просвещения " и "L'Empire japonais" Заметив, что прежние е
著者
渡辺 淑子 筒井 健作 嶋田 浩之
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.273-274, 1991-02-25

NEC では、今春落成したスーパータワー向けに統合オフィスシステム"アラジンII "を開発し、その製品化を進めている。オフィスシステムは企業内のあらゆる部門、あらゆる職種の人達が利用するシステムである。利用者が使う機能や利用頻度は各利用者ごとに大きく異なるため、利用者の利用形態に応じてメニュー選択時の動作などのユーザインタフェースを変更できる「カスタマイズ機能』はオフィスシステムには必要不可欠の機能である。本稿では、NECが開発した統合オフィスシステム"アラジンII "でのカスタマイズ情報の管理方式について述べる。
著者
東 哲史 多久島 秀 林 真照 西沢 博志 仲嶋 一 猪又 憲治 中西 正一 渡辺 幸信
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集 2013年春の年会
巻号頁・発行日
pp.84, 2013 (Released:2013-07-31)

食品中の放射能を高速に測定する装置を開発中である。従来は、検出効率の低さから測定精度の確保に多大な測定時間を要していた。測定の高速化には、アンフォールディング手法を適用するが、測定値の信頼性を確保するには、測定ばらつきによる誤差を抑制する必要がある。そこで、品質工学を用いて安定な出力が得られる装置を設計した。
著者
小藪 国夫 渡辺 純二
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.2241-2246, 1989-12-05
被引用文献数
4 2

Nd : YAGレーザとKOH液を用いたLAEによるセラミックスの微細形状加工技術としての実用化促進をねらい, LAEの特徴を発揮した三つの微細形状加工の形態について検討し, 次の結果からLAEが実用レベルに達したことを確認した.<BR>(1) 高品質の形状で寸法30×90×1000μmの微小片持ちはりを打抜き加工で形成した.<BR>(2) 異種材料を積層した基板に, 各層ごとの打抜きを行うことにより, 立体微細形状を形成した.<BR>(3) マスクを用いた微細形状加工では, 加工条件と転写パタン寸法との関係を明らかにし, 多数の微細パタンを能率良く形成した.