著者
伊藤 健二 渡部 浩栄 金沢 正浩 村田 智彦 松田 光正 鈴木 利保
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.136-139, 2004 (Released:2005-03-31)
参考文献数
7

術中に低血圧を伴う発作性心房細動(Paroxysmal atrial fibrillation : Paf)を発症した2症例に超短時間作用型β-ブロッカーであるランジオロールを投与した. いずれの症例も投与開始後5分で心拍数の減少を認め, 10分後には洞調律に回復し, 血圧も安定し, 以後心房細動は出現しなかった. 2症例とも術中術後の循環動態や呼吸状態は良好に経過し, 血液検査上も異常を認めなかった. ランジオロールはPafに有効であり, 安全に使用できる可能性が示唆された.
著者
鈴井 伸郎 井倉 将人 渡部 浩司 坂下 哲哉 尹 永根 吉原 利一
出版者
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

これまでの放射性セシウムの動態研究に欠けていた「個体レベル」の動態解析を、新規に開発したポジトロン放出核種Cs-127(半減期:6.25時間)を用いた非破壊イメージングにより実現する。具体的には、生きた作物(ダイズ)と樹木(リンゴやスギ等)におけるセシウム動態を非破壊的に可視化し、子実へのセシウム輸送メカニズムの解明と樹体内のセシウム動態モデルの構築を行う。さらに、Cs-127を生きた動物(ラット)に経口投与し、ポジトロン断層法(PET)を用いてセシウムの3次元動態を非破壊的にリアルタイムで可視化し、各臓器への移行速度を算出することで、放射性セシウムによる内部被ばく線量の正確な評価に資する。
著者
渡部 浩章
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.807-812, 2008-10-31
被引用文献数
1

2004年9月29日09時には台風第21号が九州南部にあった.三重県付近は台風本体の影響を直接は受けていないが,下層の暖湿気塊が流れ込みやすい状態であり,尾鷲では29日の朝から昼前を中心として豪雨となった.2kmおよび5kmの水平分解能の気象庁非静力学モデルを用いて,豪雨をもたらした降水システムが強化された要因を調べた.数値実験の結果は,紀伊山脈南東斜面における発達した降水システム,尾鷲付近における地上の一様な東風,高度1.5km付近の南東風をよく再現した.山岳の影響により海岸線付近から山岳東斜面で対流が活発であった状況の中で,東からの降水セルの合流とともに尾鷲付近で降水システムの組織化と発達がみられた.このとき,さらに厚さ約400mの下層冷気塊によって下層収束が強化された結果,この降水システムが急激に発達し,80mm/hをこえる激しい豪雨をもたらしたと考えられる.
著者
平井 松午 鳴海 邦匡 藤田 裕嗣 礒永 和貴 渡邊 秀一 田中 耕市 出田 和久 山村 亜希 小田 匡保 土平 博 天野 太郎 上杉 和央 南出 眞助 川口 洋 堀 健彦 小野寺 淳 塚本 章宏 渡辺 理絵 阿部 俊夫 角屋 由美子 永井 博 渡部 浩二 野積 正吉 額田 雅裕 宮崎 良美 来見田 博基 大矢 幸雄 根津 寿夫 平井 義人 岡村 一幸 富田 紘次 安里 進 崎原 恭子 長谷川 奨悟
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

本研究では、城下町絵図や居住者である侍・町人の歴史資料をもとに、近世城下町のGIS図を作成し、城下町の土地利用や居住者の変化を分析した。研究対象としたのは米沢、水戸、新発田、徳島、松江、佐賀など日本の約10ヵ所の城下町である。その結果、侍屋敷や町屋地区の居住者を個別に確定し地図化することで、居住者の異動や土地利用の変化を把握することが可能となった。その点で、GISを用いた本研究は城下町研究に新たな研究手法を提示することができた。
著者
渡部 浩二
出版者
九州大学基幹教育院
雑誌
鷹・鷹場・環境研究 = The journal of hawks, hawking grounds, and environment studies (ISSN:24328502)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.71-82, 2020-03

17世紀後期の越後国村上藩主松平直矩(1642~95) の日記(『松平大和守日記』)から直矩の鷹・鷹狩について素描した。直矩所有の鷹は20居前後にもおよび、購入したものや贈答されたものもあったが、村上産のハイタカが中心で、頷内で捕獲する体制が確立していた。直矩は自ら頻繁に鷹狩を行うとともに、鷹を鷹師(鷹匠)に預け、領内各所で頻繁に鷹狩・訓練させ、捕獲した獲物を詳細に注進させていた。江戸藩邸で飼育していた鷹は、縁類の大名が将軍から下賜された鷹場や幕府鷹匠の預り鷹場に鷹師とともに遣わし、鷹狩・訓練させていた。また、直矩は鷹以外にも馬・犬・小鳥などの動物の贈答・購入を頻繁に行っていたことを示し、当時の武家の動物に対する関心の一端を指摘した。また、村上および江戸藩邸でも多様な動物を捕獲していたことなどを示し、当時の動物生息環境の一端を紹介した。
著者
鈴木 譽久 浅野 賢二 間宮 昇 渡部 浩志 堀 吉宏 内原 可治
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.701-705, 1998
被引用文献数
1

We have investigated a clock generated from a wobbled groove for higher density magneto-optical disk. Neither the readout signal nor the recording signal needs to include a clock element, because a clock derived from the wobbled groove is used for recording and readout. Therefore this clock does not depend on the quality of the readout signal. For this reason, a clock generated from the wobbled groove is effective for higher density recording.
著者
井門 謙太郎 平川 勝洋 渡部 浩
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.1-7, 2017-06-01 (Released:2017-10-27)
参考文献数
18

The clinical symptoms of perennial laryngeal allergy include a persistent cough, itching and irritation of the throat. We endeavored to shed some light on the features of antigens and laryngeal findings of perennial laryngeal allergy. A clinical study focusing on the diagnosis of laryngeal allergy was carried out in 53 patients exhibiting a persistent cough, itching and irritation of the throat. A diagnosis of laryngeal allergy was confirmed based on the effectiveness of H1-blockers and the presence of specific IgE antibodies by RAST testing. Laryngeal allergy was diagnosed according to the criteria proposed by the Society of Study for Laryngeal Allergy in Japan(2011).Seventeen of the 53 patients were diagnosed with perennial laryngeal allergy. A major positive perennial antigen in laryngeal allergy is the house dust mite. In comparison to nasal allergy, moth and cockroach antigens have a higher positive frequency with perennial laryngeal allergy.The sensitivity and specificity of nasopharyngeal smears for laryngeal allergy were 59% and 73%, respectively. H1-blockers were significantly effective with positive nasopharyngeal smears.A pale laryngeal mucosa was typical laryngeal feature in perennial laryngeal allergy cases, and patients whom antihistamines were effective tended to exhibit a pale laryngeal mucosa.
著者
飯田 孝 神崎 政子 渡部 浩文 宮崎 奉之 丸山 務
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.583-587, 1999
被引用文献数
1

東京都多摩地区のペットショップおよび一般家庭で飼育されていたイグアナ, プレーリードッグ, カメレオンなどのペット動物における腸管出血性大腸菌O157, サルモネラ, エルシニア, 黄色ブドウ球菌, <I>Listeria monocytogenes</I>およびクラミジアの保有調査を1996および1997年の10, 11月に行った. その結果, 1996年に調査した計140匹の動物の糞便のうち, サルモネラが3検体 (2.1%), 黄色ブドウ球菌が2検体 (1.4%), クラミジアが8検体 (5.7%) から検出された. 1997年には, 計101匹の糞便のうちサルモネラが5検体 (5.0%), <I>L. monocytogenes</I>が1検体 (1.0%), クラミジアが4検体 (4.0%) から検出された.
著者
飯田 孝 神崎 政子 渡部 浩文 宮崎 奉之 丸山 務
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.583-587, 1999-09-20
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

東京都多摩地区のペットショップおよび一般家庭で飼育されていたイグアナ, プレーリードッグ, カメレオンなどのペット動物における腸管出血性大腸菌O157, サルモネラ, エルシニア, 黄色ブドウ球菌, <I>Listeria monocytogenes</I>およびクラミジアの保有調査を1996および1997年の10, 11月に行った. その結果, 1996年に調査した計140匹の動物の糞便のうち, サルモネラが3検体 (2.1%), 黄色ブドウ球菌が2検体 (1.4%), クラミジアが8検体 (5.7%) から検出された. 1997年には, 計101匹の糞便のうちサルモネラが5検体 (5.0%), <I>L. monocytogenes</I>が1検体 (1.0%), クラミジアが4検体 (4.0%) から検出された.
著者
渡部 浩伸 菅野 秀貴
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.101, no.8, pp.967-978, 1998-08-20
被引用文献数
1 11

(はじめに)抗腫瘍剤であるシスプラチン(以下CDDP)は,腎障害,聴器障害,血液毒性などの副作用を有しているが,これらの副作用には,フリーラジカルや脂質過酸化反応の関与が示唆されている.メシル酸デフェロキサミン(以下DFO)は,鉄排泄剤であり,最近になリフリーラジカルスカベンジャー作用のあることが注目されている.したがって,DFOはフリーラジカルの発生が関与されていると考えられているCDDPの副作用に対し軽減効果が期待されることから,ラットを使用し,CDDPの聴器障害に対するDFCの軽減効果の有無,さらに腎障害に対する軽減効果,CDDPの抗腫瘍効果に対するUFOの影響について検討した.<br>(方法)Fisher系雄ラットを,I群)コントロール群,II群)DFO単独群,III群)CDDP単独群,IV群)CDDP•DFO併用群の4群(各群n=10)に分けて使用した.CAP閾値を測定した後,蝸牛有毛細胞障害の状態を走査電顕を用いて観察した.また,血中尿素窒素(以下BCN),血中クレアチニン(以下Cr)を測定した.抗腫瘍効果については,扁平上皮癌担癌ラットを用いて腫瘍体積の増大率より検討した.<br>(結果)聴器障害について,CDDP•DFO併用群はCDDP単独群と比較し,CAP閾値の上昇および蝸牛外有毛細胞の障害程度は明らかに軽度であり,DFOはCDDPによる聴器障害を有意に軽減した.BUN.Crについては,CDDP•DFO併用群は,CDDP単独群よりも上昇程度は軽度であり,腎障害についても軽減効里が認められた.抗腫瘍効果に関しては,CDDP•DFO併用群とCDDP単独群間には有意差はなかつた.<br>(結論)今回の実験において,DFOの併用はCDDPの抗腫瘍効果に影響を及ぼさず,CDDPの聴器障害,腎障害に対して軽減作用を有していることを明らかにた.したがって,CDDPの副作用を軽減する上でDFOは有用な薬物であり,今後その臨床応用が期待される.
著者
渡部 浩章
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.449-455, 2007-05-31
参考文献数
7
被引用文献数
2

福井豪雨をもたらした線状降水域について,1.5kmまたは5kmの分解能を持つ気象庁非静力学モデル(JMA-NHM)で詳しく調べた.福井県の西海上では,実況の解析雨量に対応する線状降水域をほぼ再現した.中層では梅雨前線に沿って高湿度領域となっており,前線付近での風向は一様に西北西であった.下層では前線に沿って前線南側の西風と前線北側の北西風により線状の収束域が持続していた,線状降水域の風上に次々と積乱雲(降水セル)が発生して,バックビルディング型の特徴を示した.降水セルは線状降水域に沿って時速約50km/hで東南東進していた.降水セル下部の収束と上部の発散は,ともに10^<-3>/s以上の大きさであった.また,雨滴の蒸発による冷却効果は見られなかった.