著者
藤川 正毅 石川 清貴 真壁 朝敏 田中 真人 笹川 崇 表 竜二
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
2016
被引用文献数
5

This paper proposes a novel implementation scheme of geometrically nonlinear finite element programs, which automatically compute exact internal force vectors and element stiffness matrices by numerically differentiating a strain energy function at each element. This method can significantly simplify the complex implementation procedure which is often observed in conventional finite element implementations, since it never requires B matrices, stress tensors, and elastic tensors by hand. The proposed method is based on a highly accurate numerical derivatives which use hyper-dual numbers and never suffer from any round-off and truncation errors. Several numerical examples are performed to demonstrate the effectiveness and robustness of the proposed method.
著者
田中 真 相原 優子 池田 祥恵 相原 芳昭
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.14-20, 2011 (Released:2011-01-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1 7

3テスラMRIにて正常者とパーキンソン病(PD)例の黒質神経メラニンをneuromelanin-related contrast(NRC)として画像化し半定量した.正常加齢でNRCは増加した.PDで高度に減少し,重症度・罹病期間と負相関をみとめた.幻覚あり群で高度に低下し,嗅覚障害の有無で差がなく,レム睡眠行動異常で中間的な値を示し,症状発現時期に依存すると推定した.PDのNRCの減少は腹外側から正中に向かって進行した.レビー小体型認知症で減少しているがPD症状があるとより高度に減少した.NRCは既知の病理所見と整合性をみとめたが,NRCの意義や特異性および近縁疾患での検討を重ねる必要がある.
著者
伊藤 恵子 田中 真理
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.73-83, 2006-04-20
被引用文献数
2 3

指示詞コ・ソ・アの理解という点から,自閉症児の語用論的機能の特徴を検討した。具体的には,指示詞「こっち・そっち・あっち」に対して言語教示のみによる理解実験を行い,(1)一般的な指示詞使い分けとの一致率,(2)反応パターンの分析,(3)行動観察の三つの視点から分析を行った。その結果,以下の点が見出された。(1)定型発達児では,実験者(話者)と対象児(聞き手)が同じ側に並ぶ同側条件と,両者が向かい合う逆側条件で,指示詞コ・ソ・アの理解の標準反応一致数に差がなかった。しかし,自閉症児では逆側条件で,この標準反応一致数が同側条件に比べても,定型発達児の逆側条件に比べても有意に少なかった。(2)逆側条件の「そっち」に関しては,従来から他者視点の取得を特に要すると言われているが,逆側条件の「そっち」に関する自閉症児の成績は「こっち」と「あっち」の指示詞理解の成績と差がなかった。(3)逆側条件における自閉症児の反応は,視点固定型が定型発達児に比べ有意に多かった。この視点固定型とは,話者の視点変換を行わず,先に実施した条件での話者視点からの反応を繰り返す反応型である。(4)言語のみで指示対象を特定するといった状況で,曖昧情報を補うために実験者(話者)の顔の向きや視線を手がかりにすることも,指示対象特定に迷うことも,自閉症児は定型発達児に比べ少なかった。
著者
田中 真 内田 純平 宮岡 祐一郎 戸川 望 柳澤 政生 大附 辰夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1383-1394, 2005-06-15
被引用文献数
11

演算器ごとに専用のローカルレジスタを持たせるレジスタ分散型アーキテクチャを用いると,レジスタ間データ転送を利用することによって配線遅延が回路の性能に与える影響を削減することが可能である.しかし,高位合成のスケジューリングの段階からフロアプラン情報を考慮する必要がある.本論文では,レジスタ分散型をターゲットアーキテクチャとし,(1) スケジューリング,(2) レジスタバインディング,(3) モジュール配置,の工程を繰り返し,(3) から得られたフロアプラン情報を(1),(3) の工程にフィードバックすることによって,解(合成結果)を収束させる高位合成手法を提案する.フロアプラン情報をスケジューリングに反映させるために,フィードバックされた配置情報とタイミング制約に基づいて,レジスタ間データ転送を利用することができるスケジューリング手法を提案する.また,レジスタ分散型に対応したレジスタバインディング手法を提案する.提案バインディング手法では,ローカルレジスタを入力側と出力側で区別し,出力側レジスタで可能な限りデータを保持することにより,総レジスタ数を削減する.提案手法により,フロアプランを考慮したレジスタ間データ転送を用いた回路を解として得ることが可能となる.計算機実験によって,提案手法の有効性を示す.By using a distributed-register architecture, we can synthesize the circuits with register-toregister data transfer, and can reduce influence of interconnect delay. In this paper, we propose a high-level synthesis method targeting a distributed-register architecture. Our method repeats (1) scheduling, (2) register binding, (3) module placement processes, and feeds back floorplan information from (3) to (1) in order to decide which functional units use registertoregister data transfers. Our scheduling algorithm can use register-to-register data transfer based on floorplan and timing constraint. We also propose a register binding algorithm on a distributed-register architecture. We show effectiveness of the proposed methods through experimental results.
著者
田中 真 内田 純平 宮岡 祐一郎 戸川 望 柳澤 政生 大附 辰夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1383-1394, 2005-06-15
参考文献数
13
被引用文献数
11

演算器ごとに専用のローカルレジスタを持たせるレジスタ分散型アーキテクチャを用いると,レジスタ間データ転送を利用することによって配線遅延が回路の性能に与える影響を削減することが可能である.しかし,高位合成のスケジューリングの段階からフロアプラン情報を考慮する必要がある.本論文では,レジスタ分散型をターゲットアーキテクチャとし,(1) スケジューリング,(2) レジスタバインディング,(3) モジュール配置,の工程を繰り返し,(3) から得られたフロアプラン情報を(1),(3) の工程にフィードバックすることによって,解(合成結果)を収束させる高位合成手法を提案する.フロアプラン情報をスケジューリングに反映させるために,フィードバックされた配置情報とタイミング制約に基づいて,レジスタ間データ転送を利用することができるスケジューリング手法を提案する.また,レジスタ分散型に対応したレジスタバインディング手法を提案する.提案バインディング手法では,ローカルレジスタを入力側と出力側で区別し,出力側レジスタで可能な限りデータを保持することにより,総レジスタ数を削減する.提案手法により,フロアプランを考慮したレジスタ間データ転送を用いた回路を解として得ることが可能となる.計算機実験によって,提案手法の有効性を示す.By using a distributed-register architecture, we can synthesize the circuits with register-toregister data transfer, and can reduce influence of interconnect delay. In this paper, we propose a high-level synthesis method targeting a distributed-register architecture. Our method repeats (1) scheduling, (2) register binding, (3) module placement processes, and feeds back floorplan information from (3) to (1) in order to decide which functional units use registertoregister data transfers. Our scheduling algorithm can use register-to-register data transfer based on floorplan and timing constraint. We also propose a register binding algorithm on a distributed-register architecture. We show effectiveness of the proposed methods through experimental results.
著者
岸本 正実 幣 憲一郎 田中 真理子 和田 啓子 福田 美由紀 姫野 雅子 桑原 晶子 小川 蓉子 木戸 詔子 稲垣 暢也 田中 清
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.253-258, 2009 (Released:2009-10-29)
参考文献数
13
被引用文献数
4

肥満は通常body mass index (BMI) によって判定されるが, 本来肥満は脂肪細胞過多である。そこで本研究では生活習慣病患者166名を対象に, BMIとbioimpedance analysis (BIA) 法による体組成の関係を検討した。BMIは体脂肪量と, 相関係数0.914と強く相関したが, 除脂肪量とは相関係数0.434と中等度にとどまり, BMIと除脂肪量の相関係数は, BMI≧25 kg/m2群ではBMI<25 kg/m2群より低かった。BMIによる肥満 (≧25 kg/m2) と, 体脂肪率による肥満 (男性≧20%, 女性≧30%) の関係は, 後者の判定に対して前者の特異度は高いが, 感度は低く, BMI25 kg/m2以上では, ほぼ確実に体脂肪率による肥満が存在するが, 25 kg/m2未満でもその存在を否定できない。栄養アセスメントにおいて, BMIに加えて体組成評価の併用が必要であり, また感度・特異度などによる解析を考慮すべきである。
著者
廣澤 満之 田中 真理
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.243-254, 2008-01-31

即時性エコラリアや遅延性エコラリアといった、子どもによって独自の意味が込められ、伝達意図が伝わりにくい発語を非慣用的言語行動という。本研究では、非慣用的言語行動を多用する自閉性障害児に対して、対象児からの応答率が高いかかわり手の発語を明らかにすること、かかわり手の非慣用的言語行動に対する理解の変容過程を明らかにすることを目的とした。1名のかかわり手を対象として、かかわり手の発語と対象児との自由遊び場面に対するプロトコルを分析した。その結果、かかわり手の発語のうち、言葉遊びのように会話ターンの充足自体を目的とした発語・モニタリングへの応答率が高かった。また、かかわり手の非慣用的言語行動への理解は、"意味の付与""有用なコミュニケーション手段としての理解""非慣用的言語行動の積極的利用"という段階があると考えられた。非慣用的言語行動のコミュニケーション手段としての有用性についての議論が行われた。
著者
田中 真美
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2006

ヒトの触感にどのような因子が強く関わるかを、物理パラメータが既知な対象物の製作、さらにそれらを用いた官能調査やヒトの触動作測定、受動触刺激等による評価を通して、調査した。これらの知見を基に皮膚の感覚受容器の特性と触動作を、センサ材料、駆動機構ならびに信号処理方法により実現し、しっとり感、ふんわり感、温冷感、ぺたぺた感、きゅきゅっと感などの多機能な触感計測を可能とするセンサシステムを開発した。
著者
大仁田 義裕 加藤 信 小森 洋平 酒井 高司 橋本 義武 小池 直之 田中 真紀子 入江 博 宇田川 誠一 谷口 哲也 GUEST Martin 田丸 博士 江尻 典雄 安藤 直也
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

微分幾何学における部分多様体論は,ガウス以来の歴史の長い学問分野で,常に他の諸分野と関わりながら発展してきた.本研究課題は,有限次元および無限次元リー理論,幾何学的変分問題,可積分系理論,幾何解析等の分野と関わり,伝統的な方法を踏まえ無限次元的手法まで視点を広げて,部分多様体論の研究を広範かつ集中的に組織・推進した.有限次元および無限次元等径部分多様体,ラグランジュ部分多様体のハミルトン変分問題,調和写像と可積分系等を研究推進,新しい方法と結果を与えた.また,この研究領域における国際的な協力体制を整備し,若手研究者たちの活動も大いに促進した.
著者
前田 真 田中 真悟
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.483-489, 1982-12-30
被引用文献数
1

A sea-fronted sandy beach was selected as the study site for the seasonal change of vertical distribution of collembolan species. The dominant species there were Proisotoma sp. 1,Proisotoma sp. 2,Folsomina onychiurina, Parafolsomia sp. 1,Acherontiella sp. and Onychiurus sp. These species showed remarkable seasonal change in vertical distribution. Acherontiella sp., Proisotoma sp. 2,F. onychiurina and Parafolsomia sp. 1 inhabited in upper layer of soil from April to October, then shifted to deeper layer in winter. Onychiurus sp. showed a reciprocal pattern to this, namely its distribution shifted to deeper layer in summer. Proisotoma sp. 1 inhabited in upper layer throughout the seasons. Moreover, these specificities in the layer preference is related to the seasonal change in ambient temperature of microhabitat, and the temperature is correlated with the abundance of species population as an agent controlling the population level. Co-existence of many species, 23 species found in this study, in the same sandy beach is explained by these reciprocal pattern of seasonal abundance of species populations.
著者
李 熙馥 田中 真理
出版者
Japan Society of Developmental Psychology
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.527-538, 2013

ナラティブ(Narrative,語り)には,ある出来事をどのように組織化し,意味づけるのかに関する構成の側面と,聞き手となる他者にどう伝えるのかに関する行為の側面がある。本研究は,空想のストーリーであるフィクショナルナラティブ(Fictional Narrative:以下FN)に注目し,自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder:以下ASD)児の構成と行為の側面における特性について検討を行った。その結果,ASD児のFNは典型発達児と比べて,FNの組織化において登場する人や場所,時間,行動的状況に関する言及である「セッティング」や,ストーリーの結末を明確にする「結果」に関する言及が少ない,登場人物の言動と心的・情動的状態との因果関係に関する言及が少ない,言動の主体を明確にし,主人公の一貫した観点からFNを構成することが少ないことが示された。一方,行為の側面においては,参照的工夫の言及においては典型発達児との間に有意な差はなく,参照的工夫の行動においては小学生のASD児の方が小学生の典型発達児よりFNを行う際に聞き手をみる行動が多かったことが示され,ASD児は聞き手に伝えようとする意識を有していた可能性が考えられた。今後は,聞き手の状態や働きかけに対し,どのようにナラティブを調整するのかに関する検討が必要であると考えられる。
著者
園生 智弘 徳重 真一 田中 真生 前川 理沙 椎尾 康
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.161-163, 2012 (Released:2013-04-11)
参考文献数
9

Crowned dens syndrome(CDS)は軸椎歯突起周囲の靭帯にピロリン酸カルシウム結晶が沈着し,発熱,頸部痛,炎症所見を示す急性関節炎で,高齢女性に好発する偽痛風の一型である.2症例は72歳女性と31歳女性,いずれも頸部痛,炎症反応の上昇を伴った.頸椎単純CTとその再構成画像で歯突起周囲靭帯の石灰化を認めCDSと診断.非ステロイド性抗炎症薬投与により,自覚症状と炎症所見の消失をみた.炎症所見を伴う頸部痛では本疾患を念頭におき,CTで石灰化の有無を検討する必要がある.
著者
田中 真由美 大湊 佳宏 土田 泰子 Tanaka Mayumi Ominato Yoshihiro Tsuchida Tasuko
出版者
長岡工業高等専門学校
雑誌
長岡工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:00277568)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.19-24, 2009-11

This paper reports the progress of the extensive reading project launched by the English language teaching staff at Nagaoka National College of Technology. The overall aims of this project are to develop a curriculum which incorporates extensive reading into the general English courses, and to examine its effectivenss through practical researches, in order to increase students English proficiency and promote their autonomous attitude towards studying English. As an initial undertaking of the project, extensive reading is being conducted this year mainly in the English reading course for first-year students. The result of the first six-week extensive reading shows that the amount of students reading depended on the teachers guidance and support. It is suggested that teachers need to provide students with a wide variety of support to motivate them to read out of class, in order to cope with the time limitation for in-class reading.
著者
田中 真弓
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.411-426, 2000-10-01
被引用文献数
12 3 7

信濃川活褶曲地帯最南部に位置する十日町盆地を対象に,空中写真判読と詳細な地形・地質調査から,活褶曲と活断層の関係と褶曲運動の運動様式について考察した.当盆地に広がる約50万年前以降に形成された河成段丘群には,基盤である鮮新世から更新世にかけて堆積した魚沼層群の東翼より西翼が急傾斜という,非対称な向斜構造と対応した累積的な変形が認められる.またこの河成段丘群は,既知の活断層である十日町断層・珠川断層・津南断層と新たに認定した小根岸断層・霜条断層・宮栗断層による変位を受けている.当盆地内の活断層の活動度,変位地形から推定した断層面と地質構造の関係から,各断層をタイプ分けした.さらに,十日町盆地の活構造の活動を総合的に検討することを試みた.その結果,当盆地の褶曲運動は,少なくとも約50万年前から現在まで継続しており,盆地南部より北部において活発であることが明らかになった.また,当盆地の水平圧縮速度は1.4~2.7mm/yrより大きいと予想される.