著者
遠藤 秀紀 前田 誠司 山際 大志郎 九郎丸 正道 林 良博 服部 正策 黒澤 弥悦 田中 一栄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.57-61, 1998-01-25
被引用文献数
7 10

リュウキュウイノシシ (Sus scrofa riukiuanus) の下顎骨の形態に関して, 奄美大島, 加計呂間島, 沖縄島, 石垣島, 西表島の5島間の島嶼間変異を明らかにするため, 骨計測学的検討を行った. 上記5島より得られた下顎骨の内, 成獣と判定された95例の標本を用い, 14の計測部位を採用して議論した. 下顎骨全長において, 石垣島産標本は, 西表島産より明らかに大きかった. また, これまで提唱されてきた下顎骨全長に関するクラインを, 沖縄島を含む南西諸島全体において認めることはできなかった. 下顎骨全長に対する各項目の割合から, 石垣島産および西表島産は, 他島嶼産に比較して, 下顎枝が側方に発達し, 下顎体が背腹方向に成長するという傾向が見られ, また奄美大島産においては, M_2からP_3までの臼歯長と下顎連合面長が短いことが明らかになった. 以上の結果から, イノシシは, 種内集団間の形態学的変異がきわめて多様な種であることが示唆され, いくつかの形質の相違のみで, 南西諸島産集団を日本本土産集団に対して独立した種のレベルで扱うことは適切でない, と結論できた. 今後蓄積される形態学的データを基に, 各島嶼集団の形態変異に関する適応的意義が検討され, 歴史時代における各集団のサイズとプロポーションの変化に関する考古学的解明が進むことが期待される.
著者
田中 麗子 和田 康夫
出版者
協和企画
巻号頁・発行日
pp.44-47, 2020-01-01

・ヘッドホン「え~パンダ」による接触皮膚炎を経験した.・イヤーパッドによるアレルギー性接触皮膚炎が疑われた.・ヘッドホンの1時間着用にて,紅斑が生じるようになった.(「症例のポイント」より)
著者
松野 寿生 田中 敬二
出版者
一般社団法人 日本ゴム協会
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.87, no.10, pp.434-439, 2014 (Released:2015-04-29)
参考文献数
18

The adhesion of L929 fibroblast on polymer bilayers composed of a glassy polystyrene (PS) prepared on the top of a rubbery polyisoprene (PI) was examined. Since the top PS layer is not built on a glassy foundation, the system becomes mechanically unstable with decreasing thickness of the PS layer. When the PS film was thinner than 25 nm,the number of cells adhered to the surface decreased and the cells could not be well spread. Fluorescence microscopic observations revealed that the formation of F-actin filaments in cells attached to the bilayers was more pronounced with a thicker PS film than with a thinner one. On the other hand, the thickness dependence of the cell adhesion was not observed for the PS monolayer films. Taking into account that the amount of adsorbed protein molecules was independent of the PS layer thickness of the bilayer films, our results indicate that cells, unlike protein molecules,could sense mechanical properties derived from the deeper region of the scaffold.
著者
荻原 啓文 加茂 智彦 田中 亮造 加藤 巧 遠藤 まゆみ 角田 玲子 伏木 宏彰
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.218-229, 2020-08-31 (Released:2020-10-01)
参考文献数
29
被引用文献数
5

This study was aimed at (1) determining the risk of falls in patients with chronic dizziness/vertigo using the Timed Up and Go test (TUG), Dynamic Gait Index (DGI), Functional Gait Assessment (FGA), and Activities-specific Balance Confidence (ABC) scale, and (2) investigating the correlations and agreements among the measurements results of assessment by the aforementioned methods in these patients. A total of 52 patients with dizziness/vertigo were included in the study, and the risk of falls in these patients was evaluated by the TUG, DGI, FGA, and ABC scale. We analyzed the correlations and agreements in the fall risk assessed by the aforementioned methods using Spearman's rank correlation and kappa statistics. Of the 52 patients, 11 (21.2%), 26 (50%), 29 (55.8%), and 18 (34.6%) patients were assessed as being at a risk of falls by the TUG, DGI, FGA, and ABC scale, respectively. The results of the assessments by the above methods showed significant good correlations and agreement. However, the kappa coefficients for some results were low (TUG-DGI: k=0.423, TUG-FGA: k=0.351, TUG-ABC scale: k=0.299, DGI-FGA: k=0.885, DGI-ABC scale: k=0.385, and FGA-ABC scale: k=0.294). Risk factors for falls in patients with dizziness and vertigo include disturbances of psychological balance and gait. Multiple methods to assess the fall risk may yield more accurate results than assessment by one method alone.
著者
田中 あさひ 新井 康通 平田 匠 阿部 由紀子 小熊 祐子 漆原 尚巳
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.504-515, 2019-10-25 (Released:2019-11-22)
参考文献数
21
被引用文献数
4

目的:本研究の目的は高齢者におけるポリファーマシー,抗コリン作動薬及び鎮静作用薬の使用による薬剤負荷の影響を調査することである.方法:川崎市在住非介護高齢者コホートThe Kawasaki Wellbeing Projectにて2017年3月から12月までに参加した396名を対象とした.ベースライン時の薬剤情報から薬剤数を算出,抗コリン作動薬及び鎮静作用薬に該当する薬剤から対象者のDrug Burden Index(DBI)を算出し薬剤負荷とした.アウトカム指標であるADL,IADL,MMSE,J-CHS,EQ5D5Lについて多変量回帰分析を行い,使用薬剤数又はDBIとの関連性を検討した.調整には性別,年齢,疾患数,教育歴,飲酒歴,喫煙歴を用いた.結果:解析の対象となった389名において年齢の中央値は86歳,男性は48%にあたる187名であった.ポリファーマシーに該当した対象者は243名(62%)であり,DBI該当薬の使用者は142名(36.5%)となった.各アウトカム指標の結果から本集団は身体機能,QOLが高く,フレイルのリスクの低い集団であることが分かった.使用薬剤数はJ-CHS(β:0.04),EQ5D5L(-0.01)と有意に負の関連を示し,DBIスコアはEQ5D5L(-0.04)と有意に負に関連していた.結論:調査結果から本集団は一般的な高齢者と比較すると身体機能及び認知機能の高い健康な集団であることが示された.しかし,ポリファーマシー及び抗コリン作動薬及び鎮静作用薬による薬剤負荷は高齢者のフレイル,QOLの低下と関連していることが示唆された.今後はより大規模で多角的な調査項目を含めた長期間の観察を行うことが望ましい.
著者
木暮 槇太 中島 誠 高橋 幸吉 稲神 馨 須藤 芳三 待田 行雄 林 禎二郎 平尾 常男 五十嵐 三郎 仲野 良男 竹林 克明 吉田 徳太郎 宮内 潔 江口 正治 林 幸之 佐々木 周郁 渡辺 忠雄 近藤 義和 渋谷 勲 須貝 悦治 田中 茂光 小山 長雄 田中 一行 竹田 寛 竹鼻 孝夫 室賀 明義 蒲生 俊興 高橋 保雄 西村 浩 長谷川 金作 森 幸之 永友 雄 梅谷 与七郎 中村 晃三 松本 介 宮沢 正明 加藤 康雄 土橋 俊人 高木 直温 柳沼 泰衛 小野 四郎 村山 隆之 近森 俊哉 辻 辰四郎 小川 敬之 小松 四郎 大岡 忠三 妹尾 計一 森本 宏 梶浦 みち子 萩原 清治 瓶子 まち子 中条 紀三 高木 春郎 飯島 荘資 横内 和多良 清水 滋 堀内 彬明 堀内 ちよし 原田 忠次 木村 敬助 青木 秀夫 後藤 四男 小林 恵之助 皆川 基 皆川 豊作 岡村 源一 小河原 貞二 村山 穰助
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.244-255, 1956-06-28 (Released:2010-11-29)

蚕卵発育中に於けるPhasphataseの組織化学的所見2雄核の接合に関する細胞学的観察カイコガのモザイク複眼の構造とできかた家蚕蛹の頭部が産卵に及ぼす影響家蚕の血組織に関する生理学的研究 (II) 蛹の発育に伴う囲心細胞及び周気管細胞中の遊離アミノ酸の消長家蚕その他数種絹糸虫における誘引物質の共通性と類縁関係に関する研究蚕種の冷蔵障害と水銀塩による沈澱物前胸腺移植後の結紮と絹糸腺の成長家蚕のフラビン化合物に関する研究 (V) 蛹の器官特に中腸におけるフラビン化合物について (予報)家蚕の計量的形質と脳-食道下神経節連合体の機能追加7.白殫病菌の蚕卵への接種試験繭・繊維の部熱風乾燥に関する研究 (II)繭解じよの向上についての研究 (IV) 病蚕成立繭特に硬化病, 軟化病, 膿繭蚕繭の性状繭及び生糸の繊度変異に関する研究 (9) 定粒生糸と定繊度生糸の性能比較について生糸の摩擦係数に関する研究 (7) 精練度と摩擦係数について糸条斑と繰糸管理について生糸の練減率測定に関する2, 3の知見絹の膨潤現象から見た中心層発現の-所見チオ尿素樹脂の還元性について繭層セリシン溶液の粘度吐糸営繭に伴なう繭形の変化 (続)営繭条件と分離細繊維との関係フイブロインの糸条形成について (VIII) フイブロインの溶液中における分散状態について絹糸構造の研究 (I)酵素製糸の研究 (II)酵素精練の研究 (II)追加8. 落緒に関する研究 (II) 落緒形態の出現率とその分布
著者
岩切 勝彦 川見 典之 佐野 弘仁 田中 由理子 竹之内 菜菜 星野 慎太朗 梅澤 まり子 坂本 長逸
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.6, pp.971-978, 2013 (Released:2013-06-05)
参考文献数
26

胃食道逆流症と睡眠障害の関連性が注目されている.夜間胃酸逆流の主な発生機序は日中と同様に一過性下部食道括約筋(LES)弛緩時に発生するが,夜間胃酸逆流発生後の胃酸排出機序は日中とは異なり,二次蠕動波が重要である.しかし,非びらん性胃食道逆流症患者や逆流性食道炎患者では二次蠕動波の出現率は健常者に比べ低下しており,夜間胃酸逆流が発生すると胃酸が長時間食道内に停滞すると同時に,逆流症状をおこしやすい上部食道に胃酸が達するため,逆流症状が出現し睡眠障害をおこす可能性がある.また一過性LES弛緩発生時の睡眠状態は覚醒時または浅い睡眠状態であり,睡眠障害自体が夜間逆流を誘発している可能性もある.
著者
飯塚 幸澄 櫻井 栄一 田中 頼久
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 = Journal of the Pharmaceutical Society of Japan (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.121, no.5, pp.365-369, 2001-05-01
参考文献数
12
被引用文献数
7 10

The antidiabetic effect of hot water extracts from Folium Mori was investigated in GK rat; one of the animal models of non-insulin dependent diabetic mellitus types. Folium Mori extracts (150 mg/kg) significantly reduced the blood glucose of GK rat from 203.8±29.8 to 138.5±21.2 mg/dl at 14 days after oral administration. However, in normal rats, blood glucose and insulin levels were not changed by treatment with Folium Mori. The Folium Mori also decreased blood glucose and improved glucose tolerance at 14 days after repeated administration in GK rats. The Folium Mori treatment significantly increased glucose metabolism in the glucose clamp test for GK rats. These results suggest that Folium Mori has quite unique properties such as raising insulin sensitivity and improving insulin resistance.
著者
高松 操 川原 啓孝 伊藤 裕道 宇敷 洋 鈴木 信弘 佐々木 純 大田 克 奥田 英二 小林 哲彦 長井 秋則 坂尾 龍太 村田 長太郎 田中 淳也 松坂 康智 立野 高寛 原 正秀 岡﨑 弘祥
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.32-42, 2016 (Released:2016-02-15)
参考文献数
10

In the experimental fast reactor “Joyo”, it was confirmed that the top of the irradiation test subassembly of the material testing rig named “MARICO-2” was broken and bent onto the in-vessel storage rack as an obstacle, damaging the upper core structure (UCS). In this paper, we describe the in-vessel repair techniques for UCS replacement, which are developed in Joyo. The UCS replacement was conducted in the following four stages: (1) jack-up of the existing damaged UCS, (2) retrieval of the existing damaged UCS, (3) installation of the O-ring, and (4) insertion of the new UCS. Since the UCS replacement was not anticipated in the original design, the work conditions at Joyo were carefully investigated, and the obtained results were applied to the design of special handling equipment. The UCS replacement was successfully completed in 2014. In-vessel repair techniques for sodium-cooled fast reactors (SFRs) are important in confirming the safety and integrity of SFRs. However, the techniques demonstrated in the actual reactor environment with high temperature, high radiation dose, and remaining sodium are insufficient to secure the reliability of these techniques. The experience and knowledge accumulated in the UCS replacement provide valuable insights into further improvements of in-vessel repair techniques for SFRs.
著者
田中 誠二 河村 典子 田丸 雅也
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 36.18 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.1-4, 2012-03-23 (Released:2017-09-21)
参考文献数
2

写真フィルムの粒子構造をヒントに、単板撮像素子特有の色モアレの発生を抑えることを可能にする撮像素子「X-Trans CMOS」を開発した。この撮像素子はカラーフィルタ配列の非周期性を高めることにより、高周波折り返りによる色モアレの発生を抑えることを可能にする。色モアレの発生が抑えられたことで、従来の色モアレ低減手段であった光学ローパスフィルタが不要となり、レンズ性能を限界まで引き出せる撮像システムを実現させることができた。
著者
田中 美苗 河合 直樹 近藤 孝夫
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.4, no.s1, pp.s61-s64, 2020 (Released:2020-10-09)
参考文献数
7

360°ビューモーフィングは、ひとつの空間の中の2地点で撮影したパノラマ写真を合成してVR空間を生成する技術である。この技術では、2つの撮影地点間をウォークスルーするように移動したり、任意の地点で立ち止まって周囲を見回したりするような没入感の高い体験がWebブラウザ上で可能である。パノラマ写真2枚から生成可能なため、制作負荷が低く、手軽に空間をアーカイブすることができる。本発表では、この技術の概要と歴史的建造物や展覧会での使用事例を紹介すると共に空間アーカイブの意義と課題についても触れる。
著者
岡澤 重信 濱崎 透 田中 智行
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集 第60回理論応用力学講演会
巻号頁・発行日
pp.117, 2011 (Released:2011-09-29)

近年,科学技術の進歩により航空機・リニアモーターカーなど輸送機器の高速化が進んできており,宇宙空間に目を向けると地上では想像もできないような超高速度での現象が多数存在している.そしてこの様な高速度状態において小さな物体との衝突では貫通問題が起こりうると考えられ,輸送機器の安全性に重大な影響を及ぼす可能性がある.そのためこのような貫通問題を取り扱うことは非常に重要であり,製品サイクルの短い今日においては,開発コストを抑えるため正確なシミュレート技術もあわせて必要になると考えられる.そこで本研究では,超高速衝突化における貫通の様子を再現するため,速度依存性を考慮した解析手法の開発を行うこととする.速度依存性を再現するため,本研究ではJohnson-Cookモデルを用いることを提案した.さらに提案された解析コードの妥当性を検討するため,実験結果との比較を行う.