著者
奥山 裕照 岩田 辰吾 小浜 和貴 田中 仁 橋田 裕毅 中村 吉昭 牧 淳彦 高林 有道
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.2364-2368, 1998-12-01
被引用文献数
2

回腸腸間膜静脈瘤を原因として消化管出血を来したWilson病の1例を経験した.症例は28歳の女性.19歳時よりWilson病と診断され, 小康状態であった.ところが平成8年12月13日より突然下血を繰り返したため, 平成8年12月16日, 精査目的に入院となった.血管造影(上腸間膜静脈相)にて右卵巣静脈とシャントを形成する回腸腸間膜静脈瘤を認め, その部位からの出血と診断し, 腸間膜静脈瘤を含む回腸部分切除術を施行した.既往歴に虫垂切除術があり, 腸間膜静脈瘤の発生に関与したと考えた.Wilson病を基礎疾患とする異所性静脈瘤の報告例は本邦初でまれであり報告した.
著者
田中 直紀
出版者
関西学院大学
雑誌
年報・フランス研究 (ISSN:09109757)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.81-94, 2006

ランボーによる散文詩作品『地獄の季節』(1873)は九つのパートをもってひとつの物語をなす。彼の二通のいわゆる「見者書簡」(1871)に示された文学理論の実践による作品であると同時に、その実践の過程が物語りの筋となっているところから、見者理論の実践そのものについての作品ということができ、故にランボー自身の伝記もしくは精神の伝記ととらえられてきた。ランボーが書簡で「見者詩人」として提示する詩人像は、ロマン派の預言者的詩人像を汲むものあり、人間精神に「未知なるもの」をもたらし、その根本的変革を図るものとして、プロメテウスに喩えられている。『地獄の季節』の語り手はランボーの分身のような人物であり、神秘を暴く魔術師を自称し、キリスト教思想と近代の進歩主義をともに否定対象としている。そして労働の推奨は語り手の叛逆対象者の思想の中に位置を占め、語り手の挑戦は常に労働の拒否をともなっているのであった。本論では、語り手の試みの何たるかと、その放棄への軌跡とを裏側から浮かび上がらせる鍵として、作中における労働についての言及を追っていくことにする。
著者
田中 哲朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.770-775, 2002-07-15

個人的には,ある程度以上のレベルに達した参加者ならば,CよりもC++やJavaの方がプログラミングコンテストでは有利ではないかと思っている.そこで,今回は過去3回で使われたCではなくC++ とSTLを利用して,なるべく手を抜いてプログラムを記述することを試みることにする.使用するSTLの要素に関しては必要に応じて簡単な説明を加えるので,STLの知識がなくても概略は理解できるだろう.
著者
中丸 禎子 川島 隆 加藤 敦子 田中 琢三 兼岡 理恵 中島 亜紀 秋草 俊一郎
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

言語・時代の枠組みを超えた文学の超領域的研究と、教養教育・社会人教育における研究成果の還元モデルの確立を目的に、各研究者がアンデルセン『人魚姫』に内包される諸テーマを緩やかに共有した。個々の研究者が「人魚姫」「世界文学」「教養教育」などのテーマで成果を発表した。また、ブース発表「「人魚」文学を扱う授業の実践報告―多言語文学間の共同研究と教養教育への還元モデル」、シンポジウム「異界との交流」、シンポジウム「高畑勲の《世界》と《日本》」(映画監督・高畑勲氏を招聘)において、共同・連名で成果を発表した。
著者
願 力栩 田中 直樹 金子 豊久 Haralick R. M.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.2696-2704, 1997-10-25
被引用文献数
30

文字は主に細長い線分で構成されることから, 画像中に存在する文字領域は「細長い領域」を検出することにより抽出が可能と考えられる. 本論文では, まず数学モルフォロジーを用いて濃淡画像における領域の幅(文字線幅)を得る方式について述べ, 更にそれに基づく文字領域抽出方式について述べる. 本方式は, 多様な背景部をもつ画像に適用可能であり, 背景部と文字領域が複雑に入り組むような場合にも単純な画像の場合と全く同等に処理できる. 雑誌の表紙画像を実験対象として文字列抽出実験を行った結果, 白黒濃淡画像に対して81%, カラー画像では95%の抽出結果を得ることができた. また, 解像度の関係で, 今回用いた最小の構造化要素と同等の文字サイズしかもたない小さな文字を除くと, それぞれ92%, 100%の抽出結果を得ることができた.
著者
田中 芳文 竹中 裕貴 Yoshifumi TANAKA Yuki TAKENAKA
出版者
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.47-55, 2010

現代アメリカ英語における医療語や、そこから派生した表現を分析した。主に、Mike Peters の漫画 Mother Goose & Grimm を素材に、アメリカにおいて日常的に使用されたり、注目を集めたりしている医療に関わる英語を取り上げ、それらの語や表現を理解するために必要であると同時に、特に英語を母国語としない、または英語文化圏の外にいる者にとって非常に大きな障害となる、言語文化的背景の考察を行った。
著者
田中 直樹
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6628号)
著者
秋庭 義明 田中 啓介 村雨 勇治
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2003, no.1, pp.135-136, 2003-08-05

A bearing steel (JIS SUJ2) and nickel chromium molybden steel (SNCM439) were fatigued with the ultrasonic fatigue-testing machine (20kHz) in laboratory air. In the very long-life regime, the decline of fatigue limit was seen. The origins of crack initiation were mostly internal inclusions. However, even when the specimen broke in a long life region, some cracks were initiated from specimen surface. Fracture surface were observed with a scanning electron microscope (SEM). The fish-eyes were observed in the specimens broken from the internal inclusions. The fracture surface could be divided into three regions. The first region surrounding inclusion was a facet area. The crack propagation in the facet region was Stage A and the crack propagation outside the facet region was Stage B. When the fatigue cracks reached the specimen surface, the fatigue cracks propagated as surface cracks. The crack propagation rate in each region was estimated to be a power function of the stress intensity range. Fatigue life was calculated by integrating with the crack propagation laws determined from the data obtained for the rotating bending. The predicted fatigue life agrees with the experimental result.
著者
藤野 義之 浜本 直和 蓑輪 正 鈴木 龍太郎 田中 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.13-16, 2008-12-11
被引用文献数
6

安心・安全な社会の実現のため非常災害時における確実な通信手段の確保の必要性が叫ばれている.これらの社会的機運の高まりをうけ、地上通信と衛星通信を統合した新たな共用端末のためのモバイル衛星通信システムの検討が開始されている.これは、地上の携帯電話と同等程度の小型端末で直接衛星との通信を可能とすることにより、地上通信と衛星通信を同一端末で実現するシステムである.通信衛星に大型展開アンテナを搭載し、サービスエリアを数多くのマルチビームで覆うことにより、衛星側の通信能力を飛躍的に高めることや、地上の携帯電話と同一周波数帯の使用を実現することで可能となる.本稿ではこのシステムについて紹介し、技術的課題について述べる.
著者
柴田 近 鹿郷 昌之 田中 直樹
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

意識下成犬において寒冷受容体(TRPA1)刺激剤のallyl isothiocyanate (AITC)の結腸内投与は結腸運動を亢進させ排便を誘発した。このようなAITCの効果は、ムスカリン, ニコチン, 5-HT3, TRPA1の各受容体拮抗薬の存在下で抑制され、TRPV1拮抗剤の存在下では影響を受けなかった。結腸壁を切離・吻合、または外来性神経を切離するとAITCの結腸運動亢進、排便誘発効果が減弱した。これらは、AITCが結腸知覚神経末端のTRPA1に作用し、アセチルコリン、5-HT3を介して結腸運動を亢進させ排便を誘発するが、その作用には外来性神経と壁在神経が重要なことを示唆していた。
著者
小野 博 穂屋 下茂 田中 周一 工藤 俊郎 加藤 良徳
出版者
福岡大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

多くの教員は学生のコミュニケーション能力を感覚的に把握しているが、数値化された測定方法が共通化されていないため、測定方法を開発した。学習に際し大学生に求められるコミュニケーション能力の構成要素は、(1)発信力、(2)受信力、(3)初対面積極性、(4)学習積極性の4要素が重要だと考えた。約6、000名の学生に質問紙調査を実施した(1)質問紙の評価、(2)教員の面接による評価、(3)客観的な日本語力調査を実施し、学生のコミュニケーション能力と基礎学力等の検討を行い、教員の感覚と一致する測定方法を開発した。
著者
財満 鎭明 竹中 充 坂下 満男 田中 信夫 竹内 和歌奈 中塚 理 高木 信一
出版者
名古屋大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2010

CMOSデバイスの省電力、高速化に向けて、高キャリア移動度歪GeおよびGeSn層の結晶成長と電子物性制御に関する研究を推進した。基板構造の制御、低温成長、歪構造制御技術を駆使して、27%にまで達する超高Sn組成GeSn層成長やGeエピタキシャル層の双晶・積層欠陥低減を実現した。さらに、GeSn層の点欠陥、キャリア物性やMOS界面構造制御技術を構築するとともに、GOIおよびSGOI基板を作製し、その高キャリア移動度を実証した。
著者
田中 宏幸
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (環境学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6532号)
著者
王 立華 WANG Licheng CAO Zhenfu 満保 雅浩 SHAO Jun 青野 良範 BOYEN Xavier LE Trieu Phong 田中 秀磨 早稲田 篤志 野島 良 盛合 志帆
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

従来の公開鍵暗号システムは量子計算機の発展に伴い安全性が揺らぎつつあるため、Lattice暗号と非可換暗号の研究によって、量子攻撃に耐えられる新しい暗号の構築を目指している。一方、クラウドコンピューティングというネットワーク環境が発展するにつれて、利便性が要求されると同時に、安全面やプライバシー保護への需要も高まってくる。そこで、この需要に応じる代理再暗号(PRE)や準同型暗号など暗号プリミティブとLattice、Braidなど非可換代数構造のプラットフォームを結合して、量子攻撃に耐えられ、クラウドなど新な応用環境に適応する長期利用可能な新しい暗号方式を設計することが本課題の目的とする。