著者
梅原 頼子 福永 峰子 山田 芳子 田中 治夫
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿短期大学紀要 (ISSN:09158421)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.37-43, 1994-02

女子短大生の昼食弁当について調査を行った,結果は次のごとくであった。1)お弁当作りの意識について,「色どりを考える」85.7%,「味付けを考える」,「分量を考える」39.3%,「主食・主菜・副菜の組合せを考える」25.0%であった。2)お弁当の食物総重量は,平均283.1±71.8gであり,重量比では主食55.9%,主菜・副菜40.3%,デザート3.8%であった。3)出現した料理数は,平均6種類。食品数は,7〜10種類の使用が多かった。4)食事形態別にみると主食・主菜・副菜・デザートの組合せが31.0%,主食・主菜・副菜の組合せが61.9%であった。5)料理を主材料別に分類し,料理名をそれぞれ5位まであげると,白飯,卵焼きは6割以上を占め1位であった。ついでウインナーソテー,レタス,ほうれん草のお浸しであった。6)出現した料理名について学生の好みと使用頻度をみると,主食にはおにぎり,主菜にはハンバーグ,鶏唐揚げ,卵焼き,副菜にはプチトマト,デザートにはみかん,いちごが好まれ,よく使われていた。7)栄養素等摂取量は,所要量と比較するとエネルギー(78.5%),カルシウム(24.9%),鉄(47.5%)が不足傾向であった。栄養比率をみると脂肪エネルギー比がやや高値であった。8)学生によってお弁当の評価を行った結果,改良を必要とするのは全体の71.4%であった。改良の内容には,食品数が少なく料理を1〜2品増やす必要があり,なかでも乳製品,果物,野菜が不足していることを指摘した。本研究の要旨は,第40回日本栄養改善学会で発表した。
著者
柳生 理子 秋山 康智 田中 功一 笠井 則充
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.18, pp.37-42, 2000-02-09
被引用文献数
2

情報共有型サービスにおける情報の効率的な配布を目的として、通信衛星利用データ配信システムの設計、実装を行った。今回、従来の機能に加え、データ配信中断機能、DNSを用いたISP仕様への対応に伴う配信方式の設計と実装を行った。本稿では、これらの機能の設計する上で、検討事項となった事柄と解決方法について述べる。We have designed and implemented a data distribution system using a communication satellite for attaining a high degree of efficiency. We have included two special functions in addition to standard ones for suspending data distribution and for adapting the system to servers specified by ISP using DNS. In this paper, we mainly explain those problems we have encountered during design and the approaches we have taken to solve them.
著者
田中 隆一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.151-155, 1999-03-20

松果体部には多種多様な腫瘍が発生し, その治療方法も腫瘍の種類によって異なるため, まず組織の確認のために直達手術が必要である.摘出術の意義の大きい腫瘍は, 成熟型teratomaやmeningiomaのほか, 悪性teratomasを含むgerminoma以外の悪性germ cell tumors, pineocytomaあるいはlow grade gliomasなどである.occipital transtentorial approachは, 空気塞栓の危険のない側臥位や腹臥位でも手術でき, 松果体部腫瘍のほとんどすべてのバリエーションに対応できる利点がある.ここでは, アプローチ側を下にするlateral-semiproneを紹介し, この体位によるoccipital trastentorial approachの手術手技の要点を述べた.松果体部腫瘍は重要な深部静脈に囲まれており, 摘出に際してはこれらの静脈を温存することが特に重要であるので, 摘出は細切切除が原則である.また, 腫瘍によっては内大脳静脈を直視下に置くinfrasplenial approachの併用が安全かつ有用である.
著者
田中 統治 藤田 晃之 根津 朋実 井上 正允
出版者
筑波大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

最終年度に当たる18年度は、才能教育とリーダー育成の両面において大きな教育効果が期待される文化祭の行事をカリキュラムとして単元開発することを試みた。まず、文化祭の運営を通じたリーダー育成の機能を明確にするため、各参加団体の企画と運営を担った在校生の「デコ責(デコレーション責任者)」に対して集団面接を行い、彼らが獲得している能力要素を検討した。次に、とくに起案力と調整力について職種や分野による有用性の違いを確認するため、卒業生(平均年齢45.3歳)に対し集団面接を実施した。これらの調査結果をもとに18年度の文化祭ではその単元を改善する形で試行してみた。すなわち、学級別による高2生の参加形態を「組」別に再編し、選択性と専門性をより高めて、そのカリキュラムとしての評価を教員への質問紙調査によって実施した。教員からの評価によれば、先を見通す力、事務処理能力、および問題処理能力の発揮において「組」の間で大きな差異が生じていた。そして、この差異を生み出す要因として、とくに信頼関係を築く上でリーダーの必須条件である「丁寧な合意形成」の重要性が確認された。3年間に及ぶ本研究の成果として、中高一貫校における才能教育とリーダー育成に向けたカリキュラム開発の条件が次のように導き出された。すなわち、(1)生徒の自主的な活動が展開されるように学習環境を整えるとともに、(2)リーダー経験の機会を豊富にして、より多様な役割を経験させ、(3)仲間との間で粘り強く合意の形成を求めて活動する経験内容を充実することなどが必要である。
著者
田中 福人
出版者
清心女子高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

○研究目的生物がもつ概日時計は多くの場合約24時間周期であり、光や温度などの環境サイクルへ同調することで正確に24時間の周期を保っている。動物の場合、光波長も概日時計を調節する能力を決める重要な因子であるとして研究が進んでいるが、植物では研究があまり進んでいない。よって本研究では、カタバミ科が概日時計の制御の下で行う就眠運動に対し、特に影響を与える光波長を明らかにすることを研究目的とした。○研究方法まず、温度を20度で一定にしたインキュベータ内に野外から採取したムラサキカタバミとイモカタバミを静量した。その後、赤・青・緑の波長の異なる3色のLED蛍光灯を用いてそれぞれ光を照射し、就眠運動の様子を観察した。用いたLED蛍光灯の波長は、赤色光が615~635nm、青色光が464~475nm、緑色光が520~535nmであり、与える光周期は(1)明期:暗期=12:12、(2)明期:暗期=3:3、(3)明期:暗期=1.5:1.5の3パターンとした。観察には赤外線Webカメラを用い、カメラを通じてパソコン上に写した画像を常時記録した。撮影終了後、10分おきに葉の開閉状況を調べ、各時間帯に葉が開いている割合を百分率で表し、光周期と合わせてグラフを作成した。○研究成果ムラサキカタバミとイモカタバミの両方において、(1)~(3)のいずれの光周期の場合であっても、光周期に同調して就眠運動を行う様子が観察できたが、暗期に光照射してから就眠運動が行われるまでの時間を各光波長で比較したところ、青色光が照射後約40分、緑色光が約50分、赤色光が約90分後であった。就眠運動は葉枕細胞内の容積変化によって引き起こされると考えられているので、この容積変化については青色光の効果が最も大きく、赤色光の効果が最も小さいことが明らかになった。
著者
佐藤 和好 佐藤 匠海 武蔵 徳明 田中 諭 内田 希 植松 敬三
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.109, no.1276, pp.1055-1056, 2001-12-01
被引用文献数
1

A confocal scanning laser microscope (CSLM) was applied to identify the location of fracture origin in alumina ceramics. Alumina-referceram was ground to obtain JIS R-1601 specimens using a grinding machine. They were fractured in four point bending to measure strength. CSLM and scanning electron microscope (SEM) micrographs of fracture surface were compared. With a CSLM, the location of fracture origin could be easily determined, while it was very difficult with a SEM. Fracture toughness K_<IC>=2.3MPa ・ m^<1/2> ealculated from the measured size of fracture origin and the flexural strength
著者
山口 巧 堀尾 郁夫 青木 亮太 山下 登 田中 守 出石 文男 宮内 芳郎 荒木 博陽
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.133, no.11, pp.1249-1259, 2013 (Released:2013-11-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1 7

In 2009, the Japan Anti-Doping Agency (JADA) established Sports Pharmacist—a system for certified pharmacists. There are many over-the-counter drugs that contain prohibited substances in Japan, and they are easily available. In Japan, most doping violations are committed when athletes unintentionally take prohibited substances. Therefore, the Sports Pharmacist has a vital role in promoting the prevention of doping. In the present study, surveys involving a total of 350 athletes, (including 260 representatives of Ehime Prefecture in the National Athletic Meets and 90 college students who participated in the intercollegiate athletics Shikoku area meets), on awareness regarding doping and medical drugs were conducted. Using correspondence and logistic regression analyses, the results were examined to develop a model for the prediction of athletes' actions to cope with sickness based on changes in their awareness of anti-doping, and the relationship between them was also analyzed. The survey results suggested that attitudes towards doping were strongly influenced by gender, rather than the athletic ability and whether or not a doping test is scheduled. Their behavior and criteria for the selection of drugs to address sickness were strongly correlated with awareness of anti-doping. Therefore, athletes with an increased awareness of anti-doping are expected to consult a pharmacist prior to using medicine. The Sports Pharmacist should further promote environmental development, such as activities to improve awareness of doping among young athletes and the establishment of medical drug consultation services for athletes (female athletes in particular).
著者
田中 秀幸
巻号頁・発行日
2000

第1章 序論 楽器にはそれぞれ長い歴史があり、多くの職人の手によって改良されて進化してきた。演奏家達に操られた楽器は聴衆を魅了する音色を響かせる。 ピアノはイタリアでクリストフォリにより1709年に第1号が製作された。それまで使われていたチェンバロは爪で弦を引っかけて音を出すために音の強弱変化が少なくそのことが楽器として大きな欠点であった。それを克服するため ...
著者
田中 光晴
出版者
日本比較教育学会
雑誌
比較教育学研究 (ISSN:09166785)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.38, pp.87-107, 2009

In Japan, the issue of private tutoring expenses has been debated as a social issue for some time. We have recently seen a new phase regarding private tutoring expenses; for example, several public junior-high schools are affiliated with specific private tutoring schools and offer after-school facilities to support extra education for students. Despite the significant function and impact of taking advantage of private tutoring, past educational research has neglected to focus on these aspects. Different from other educational issues such as equal educational opportunity and diversity in public education, these issues go beyond public education and limitations exist to discuss them only within the public education arena. How private tutoring and public education will establish a cooperative relationship has presented considerable controversy.In South Korea, the issue of private tutoring has also been debated for several years, yet with considerably more intensity. Since the 1960s, private tutoring expenses have been recognized as social issues and the South Korean government has been attempting to take various measures toward them. However, while the government is tackling the issues, we have not seen much progress or improvement. This article investigates the reasons behind this lack of progress, aiming to disclose the historical background, relevant factors and the current situation of private tutoring expenses in South Korea. It approaches the subject from the perspective of educational policy, revealing a vicious circle whereby new governmental policies concerning private tutoring expenses have in turn caused other private tutoring expense issues.Through reviewing the background of issues concerning private tutoring expenses, it becomes obvious that the primary reason why private tutoring expenses developed as social concern is rooted in radical entrance examination policies after the 1960's, which evolved with the development of mass education. Although these policies achieved a high degree of equality of educational opportunity, the rigid college admission system is characterized by contradictions. Therefore, many students started to seek supplementary education outside of school to differentiate themselves from their peers. In South Korea, a paradigm shift in private tutoring has recently become apparent. (View PDF for the rest of the abstract)
著者
本間 香貴 岡井 仁志 黒瀬 義孝 須藤 健一 尾崎 耕二 白岩 立彦 田中 朋之
出版者
近畿作物・育種研究会
雑誌
作物研究 (ISSN:1882885X)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.27-32, 2010
被引用文献数
1

農家圃場における潅水適期診断の一助として開発した水収支モデルを,実農家圃場に適用した.2圃場においてモデルの出力値である有効土壌水分量(<i>Aw</i>)を土壌体積含水率(<i>SMC</i>)に変換し最適化を行ったところ,実測<i>SMC</i>とR<sup>2</sup>=0.75および0.53で一致し,モデルは農家圃場における水分変動を評価しうると考えられた.モデルを実際に運用するに当たっては,各農家圃場に固有のパラメータである有効土壌水分保持能力(AWHC)を推定する必要がある.本研究では黒瀬(2007)による簡易土壌水分計を用いた推定方法について検討を行った.データ数が少ないものの,簡易土壌水分計における1日当たりの指示値の変化量(<i>&Delta;IR</i>)とモデルによる有効土壌水分比(<i>Aw</i>/AWHC)との間には直線関係がみられたため,その関係を解析に用いた.AWHCは3期間における水分計の指示値(<i>IR</i>)の変化量を用いることにより推定でき,圃場間で24〜73mmの範囲を示した.さらに推定したAWHCの値を用いることにより,<i>IR</i>の推移を予測することが出来た.今後,さらに観測数を増やし,信頼性を高めていくことが重要と考えられた.
著者
田中 健 外山 史 東海林 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.82, pp.43-48, 2001-08-04
被引用文献数
2

本論文では、作曲を、データベースにある曲のリズムと音高パターンの最適な組合わせを見つける最適化問題とみなし、これを遺伝的アルゴリズム(GA )を用いて解く手法を提案する。データベースには、起承転結のような構造の分かりやすい曲(童謡、唱歌など)を格納した。そして、別々の曲のリズムと音高パターンを小節ごとに組み合わせてできた曲をGA の評価対象とした。提案した手法により曲を生成した実験結果を示す。In this paper, we regard an automatic composition as an optimization problem which finds an optimum combination of rhythm and pitch transition patterns in the database. We selected the pieces of music that are simple in structure from the children's songs, the ministry of education songs, etc., and we stored them into the database. The fitness function of a GA evaluates the composed pieces of music that are sequences of the combination of rhythm patterns and pitch transition ones taken from the database in each measure. The pieces of music composed by the proposed method are shown.
著者
鵜殿 治彦 勝野 広宣 田中 昭 助川 徳三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス
巻号頁・発行日
vol.93, no.45, pp.19-24, 1993-05-20
被引用文献数
2

所望の組成のGaAsP混晶層をGaP基板上に形成する新しい液相技術を開した。まず、ステップクーリング法によってGaP基板上にGaAs層を成長させ、続いてそれをGa-As-P飽和溶液と接触させ、795℃に保った。この熱処理によってGaAs成長層の組成がGaAsPに変換された。この変換が約5分で完了すること、変換後の混晶組成が熱処理に用いるGa-As-P溶液の組成を調整することによって制御できること等が判った。熱処理に引き続いて徐冷することによって、変換されてできちGaAsP層上に良好なGaAsP混晶層を成長させることができた。
著者
赤瀬 信吾 田中 登 藤本 孝一 鈴木 元 小林 一彦 岸本 香織
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

冷泉家時雨亭文庫の蔵書のうち冷泉家時雨亭叢書(朝日新聞社刊)未収録のもの約500点を詳細に調査した。そのうち77点については『新古今和歌集 打曇表紙本 風雅和歌集 春夏』をはじめとする16巻に分けて刊行した(現在も刊行中)。また、特に注目される擬定家本私家集(定家書写本の様式をまねて作成された写本群)については、和歌文学会関西例会においてシンポジウムを催した。これは、鎌倉時代中期から後期にかけての歌書が、どのように作成されていったのかを克明に研究する方法とその意義とを明確にする画期的なシンポジウムとなった。
著者
仲岡 雅裕 田中 法生 堀 正和 四ッ倉 典滋 宮下 和士 磯田 豊 野田 隆史 灘岡 和夫 山本 智子 浜口 昌巳
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本の温帯と冷温帯の沿岸生物群集を対象に、生産者と消費者の広域分散過程、および温度変化に伴う生産者と消費者の相互作用の変異を調べることにより、地球規模での環境変動に伴う沿岸生物群集の変化を理解し、沿岸資源生物および沿岸生態系の保全・管理に資することを目的とする。広域野外調査、リモートセンシング・GISを用いた長期変動解析、メタ群集決定構造の数理的解析、集団遺伝解析、野外操作実験を組み合わせたアプローチにより、沿岸生物群集の構成には、水温等の広域スケールの変動要因と、競争・捕食等の局所スケールの変動要因が複雑に関与していることが判明した。今後の気候変動に伴い、沿岸生物群集の動態は、植物-動物間相互作用の変化を通じて不安定化する可能性が高いことが予測された。
著者
近江屋 一朗 齋藤 雪彦 田中 史郎
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.641-646, 2011 (Released:2012-09-05)
参考文献数
17

In this research, we evaluated communications among children in an urban area. We classified their lives after school according to time of their private lessons and compared them in three levels — life level, space level and significant space level. As a result, it is found that their daily lives were significantly different from each other and children could not find adequate time to communicate. Furthermore, it is cleared that their communications were highly restricted by private lessons because the time zone when most of private lessons were given was the same as the time when many children who do not have private lessons communicated with their friends. Consequently, children who have lessons seldom communicate with their friends at houses, public facilities or parks. On the other hand, they used streets, shops or the school yard for communications because of the temporal characters of those places. From these conclusions, we proposed some spatial planning and a concept of “regional time-managing plan” to promote communications between children who have private lessons after school and those who do not have private lessons.
著者
小野 幸絵 田中 彰 末高 武彦 澤 秀一郎
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.208-213, 2007
参考文献数
11
被引用文献数
6

2004年10月23日夕方に新潟県中越地方で最大震度7の地震が発生した.著者は,地震直後に村ぐるみで避難しその後も仮設住宅で生活しているY村住民を対象として,地震前,地震直後,仮設住宅入居以降(地震から約50日)における歯磨きの状況などについて,2005年4月にY村診療所患者のうち協力が得られた388名に調査を行った.その結果は以下のようである.1歯磨き回数は,地震前に比べて直後では減少したが,仮設住宅入居後では地震前よりわずかに増加した.また,歯磨きの仕方について地震前と入居後で比較すると,地震前と同じ者が半数以上で,雑になった者は10%あまりであった.2地震直後は,うがい液でうがいをした者あるいは口をすすいだ者が多かった.歯ブラシは80%以上が3日以内に入手した.3地震直後に必要としたものは,歯ブラシ,うがい用のコップ,うがい液の順で多かった.今回の調査参加者は一地域のみで年齢的にも偏りがあるが,被災時そして被災前後の歯磨き状況についての実態と需要を把握することができた.
著者
園生 智弘 徳重 真一 田中 真生 前川 理沙 椎尾 康
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.161-163, 2012 (Released:2013-04-11)
参考文献数
9

Crowned dens syndrome(CDS)は軸椎歯突起周囲の靭帯にピロリン酸カルシウム結晶が沈着し,発熱,頸部痛,炎症所見を示す急性関節炎で,高齢女性に好発する偽痛風の一型である.2症例は72歳女性と31歳女性,いずれも頸部痛,炎症反応の上昇を伴った.頸椎単純CTとその再構成画像で歯突起周囲靭帯の石灰化を認めCDSと診断.非ステロイド性抗炎症薬投与により,自覚症状と炎症所見の消失をみた.炎症所見を伴う頸部痛では本疾患を念頭におき,CTで石灰化の有無を検討する必要がある.
著者
田中 美穂 児玉 聡 藤田 みさお 赤林 朗
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.462-470, 2013 (Released:2013-10-11)
参考文献数
53

目的 イングランドの小児緩和ケアの実態を法政策•統計データ•資金体制•提供される医療の四つに分類して整理することである。方法 保健省(Department of Health, DH)アーカイブ,総合学術文献データベース Web of Knowledge,医学系文献データベース PubMed,医中誌を使ってイングランドの小児緩和ケアに関する文献を調査した。そのうえで,調査で得られた文献の引用•参照文献などから,関連資料を抽出するハンドサーチ調査を実施した。調査の枠組みとして,「1. 政策の状況」,「2. 小児緩和ケアに関するデータ」,「3. 資金と持続可能性」,「4. 提供される医療サービス」を用いた。結果 イングランドでは,1. がん対策を起源に児童法•国の医療計画•財政的裏付けによって政策を構築していること,2. 国の統計調査により緩和ケアが必要な子どもの数を約 1 万8,000人と推定していること,3. ホスピスや宝くじ基金など政府助成以外の経済基盤と保健省や教育省による政府助成の経済基盤との両方に支えられており,小児ホスピスの運営費における政府助成の割合が15%であったこと,4. 6 人の小児緩和ケア顧問医や192の小児訪問看護チーム,41か所の小児ホスピスなどによる地域ネットワークが構築されている現状が確認された。イングランドにおける小児緩和ケアの課題として,保健省やプライマリケアトラスト(Primary Care Trust, PCT)など各行政組織や公益事業体の政策評価が十分ではないこと,病院死が在宅死の 3 倍以上あること,財源が 3 年間の期限付き基金や政府の予算計上も 3 か年に限定していること,推定で 1 万8,000人のニーズがあるのに対して,小児緩和ケア顧問医が 6 人に過ぎないことなどが指摘された。結論 イングランドでは全国的な利用実態の把握が行われていないため,サービスを利用する子どもやその家族を対象に,全国的な小児緩和ケアの利用実態調査を実施する必要がある。また,現状では詳細な政策分析が行われていないため,政策を講じる行政部局や公益事業体ごとに,政策を講じる目的や,政策を実施したことによる効果とデメリットを明らかにした国家戦略を作成する必要がある。