著者
佐々木 常雄 大野 晶子 田中 良明 大島 統男 松原 一仁 牧野 宣一 三島 厚 山口 宏
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.94-97, 1976-02-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
4

131I-adosterol 1mCiを静注し, 投与後7日目, 8日目, 9日目の3日間, 両副腎部を背部からNC (Pho/Gamma III) あるいはON 100シンチカメラによりシンチフォトを撮影する。対象とした副腎疾患はPA 10例, その疑い10例, CS 4例, その疑い3例, Pheo.2例, その疑い11例の40例である。手術によりPA 10例, CS 5例, Pheo. 2例が確認され, いずれもシンチフォト像では高い摂取が病巣に一致して認められた。シンチフォト像で描出された病巣の大きさはPAでは13~27mm, CSでは20~38mm, Pheo.では40mmであった。本検査すなわち副腎シンチグラフィは副腎疾患の診断において血管撮影とともに有効な診断法である。
著者
大原 美保 目黒 公郎 田中 淳
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.811-816, 2011 (Released:2011-12-27)
参考文献数
4

2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震後, 相次ぐ余震活動により緊急地震速報が多数発表され, 住民が速報を見聞きする機会が増えた.本研究では本地震前後での緊急地震速報に対する住民意識の変化について, (1)緊急地震速報の認知度, (2)空振りに対する意識, (3)速報の聞き取り状況, (4)速報を見聞きした場合の対応行動, (5)速報への評価という5つの観点から分析した.この結果, 東日本大震災後, 緊急地震速報の認知度や速報を瞬時に理解する認識力は飛躍的に向上したことがわかった.また, 地震前から緊急地震速報の技術的課題を認識していた場合には空振りへの許容度が高くなった.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
菅原 晃 田中 剛 板垣 厚一 阿部 隼人 座主坊 利人 SAMAULAH Hazairin 喜多村 博
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. A, 基礎・材料・共通部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. A, A publication of Fundamentals and Materials Society (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.123, no.5, pp.443-448, 2003-05-01
参考文献数
14
被引用文献数
1

The triggered vacuum gap (TVG) is a closing switch for generating large current pulse and can work in the wide range of voltage for several kV to tens kV. Main electrodes are made of Ag-WC. One of main electrode has a hole for trigger electrode (Mo). The switching time is short, if the polarity of the holed-electrode is negative. It is called polarity effect. We devised a crowbar circuit using the polarity effect of the TVGs. The crowbar current of this circuit was investigated experimentally by varying applied voltage, inductance, capacitance, gap length of TVGs, and trigger current duration. A crowbar current, crest of which is 2.4 kA and 4.9/270µs for example, was observed. The probability of generating the crowbar current was more than about 90 %, in the following condition: the trigger current duration of 6.65 µs and the gap length of 2-6 mm.
著者
田中 篤司
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.922-925, 2002-02

Aharonov-Albert-Vaidmanの弱値の半古典的な解析について報告します.この解析から,弱値の異常な値,例えば極端に大きな値や複素数の値,の本質は,量子効果の主要なものである,干渉や絡み合いとは無縁であることが明らかになりました.同時に,この解析により,古典軌道間の量子干渉が発現しない場合の,Ehrenfestの定理による,古典軌道と量子論の期待値との対応付けを,複素数値を取る古典軌道の場合へ拡張しました.
著者
田中 周平
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.91-99, 2005-03

本論は、救急看護におけるフィンクの危機モデルの活用実態を分析することで、その特徴から臨床応用への留意点を導き出し、危機的な状況にある対象への個別的な看護ケアの在り方の手がかりを得ることを目的とした。フィンクの危機モデルは、中途障害者の危機への適応の過程をモデル化し、治療的介入とマズローの動機づけ理論との関係性を示したものである。このモデルの活用における特徴を明らかにするため、モデルの概要を踏まえ、1994年以降の医学中央雑誌Webのデータベースから抽出した先行研究10件のレビュー分析を行い、検討した。結果としては、このモデルを概念モデルとして活用した事例研究がほとんどであり、研究対象や危機状況・場面などにおいて、本来のモデル通りの活用だけではなく、異なる対象、状況・場面への活用もされている現状であった。さらに、分析過程においても、多くの先行研究でモデル構築の土台となった理論や視点を踏まえていなかった。以上のことから、救急看護におけるフィンクの危機モデルの活用には、対象、状況・場面などに関する構築背景への理解が必要である。これらが軽視されると、臨床現場での活用は機械的なものとなり、その結果、危機状況を十分に考慮した個別的な看護ケア実践が障害される可能性がある。
著者
田中 信雄 辻田 純三 堀清 記 千賀 康利 大槻 寅之助 山崎 武
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.114-123, 1977-09-01
被引用文献数
2

男子大学生 (18〜20才) の運動選手 (水泳競技, ハンドボール, サッカー, ラグビー, 陸上競技 (長距離, 短距離, 跳躍, 投擲), 柔道 (軽量級, 中量級, 重量級), 体操競技, 計168名および一般学生178名について, 身体計測を行って次のような結果を得た。一般学生の身長と体重の平均値は夫々170.2cmおよび59.7kgであった。体操, 長距離選手以外の運動種目の選手の身長, 体重の平均値は一般学生より大きかった。胸囲については全ての種目の運動選手の平均値は一般学生の値より大きかった。一般学生の上腕囲, 大腿囲の平均値は夫々26.9cmおよび50.6cmであった。バスケットボール, 長距離, 跳躍以外の運動種目では選手の上腕囲の平均値は一般学生より大きく, 長距離, 跳躍, 体操以外の運動種目では選手の大腿囲の平均値は一般学生より大きかった。柔道の重量級以外の運動選手の皮下脂肪厚は一般学生より薄く, 平均皮下脂肪厚, 体表面積, 体重を使って体脂肪含有率を求める予知式を用いて推算された体脂肪合有率は全ての種目に亘って運動選手の方が少なかった。縦軸に体重と体脂肪含有量を, 横軸に身長をとっていずれも一般学生の値を基準にとって, 運動種目別の平均値を標準測度で表して運動選手の体構成と体型を比較した。原点からの距離 (R) は一般学生との絶対値の差を, 一般学生の測定値から得られた標準直線からの偏りの程度 (r) は体型の差違を示す。Rを縦軸, rを横軸としてとり, その中に等身長線を入れると運動競技種目別の体型の差がよく削り, 又, 運動鍛練が身体的特徴に与える影響を評価するのに便利である。上腕囲と大腿囲を縦軸に, 胸囲を横軸にとって一般学生の測定値を基準にして運動種目別の平均値を標準測度で表すと運動種目別の体型の差を判定することができる。
著者
伊藤 宏之 中山 治彦 藤田 敦 石和 直樹 池原 瑞樹 田中 学 山田 耕三 野村 郁男 野田 和正 亀田 陽一 密田 亜希
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.132-135, 2000
参考文献数
6

症例は34歳男性。5年前に近医で右肺野の腫瘤陰影を指摘され, mucoid impactionを伴ったcystic brochiectasisと診断された。1999年3月, 健康診断で胸部異常陰影を再度指摘され, 4月26日に当院を紹介受診した。胸部CTでは, 右B^6bを中心に経約4cmの気管支に沿って拡がる樹枝状の, 内部に一部空洞を伴った充実性腫瘤陰影を認めた。この空洞にcystic brochiectasisに特徴的所見とされるair fluid levelがないことから, 気管支鏡検査を行ったところ, B^6内腔を閉鎖する赤紅色の易出血性のポリープ状腫瘤を認め, 生検によりatypical carcinoidと診断された。6月10日, 右下葉切除およびR2a郭清を施行した。摘出標本の病理組織所見においても, B^6より出現した腫瘍が気管支を拡張しつつ, 長軸方向への気管支内発育をし, 樹枝状の形態をとっていたことが確認された。また画像上腫瘍内部に認められた空洞は, 腫瘍末梢の嚢状の拡張気管支であることが判明した。
著者
小林 訓史 田中 敦
出版者
日本複合材料学会
雑誌
日本複合材料学会誌 (ISSN:03852563)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.51-57, 2012 (Released:2012-12-10)
参考文献数
8
被引用文献数
2 4

In order to fabricate composite components rapidly, a micro-braiding technique have been proposed and investigated. In the present study, a simple model is proposed to predict the resin impregnation process based on the Darcy's law and the continuity equation. Bending modulus was also modeled considering the difference between tensile and compressive moduli of a carbon fiber and resin impregnation. To confirm validity of the models, carbon fiber reinforced polypropylene composites were molded under various molding conditions. Cross-sectional observation results indicated the model proposed was possible to predict resin impregnation. Four-points bending tests were also conducted on the composites. It is confirmed that bending moduli were well-predicted based on the proposed model.
著者
高濱 和夫 白崎 哲哉 副田 二三夫 田中 英明
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

我々はこれまでに,グリシン(Gly)受容体が排尿反射の中枢機序に関与する可能性を明らかにしてきた.本研究では,まず脳幹Gly受容体が排尿反射に如何に関与するか検討した.中脳水道中心灰白質(PAG)から、排尿期に発火が増加するI型と、逆に発火が減少するII型の2種類のニューロン活動を微小電極法により記録した。両タイプとも、ブレグマより-8000〜-8300μmの領域に多く、I型は腹側に、II型は背側に多い可能性が示された。これらを含む腹外側および背内側PAGよりニューロンを単離し、Gly誘発電流を記録した。検討した全例でGly応答が記録され、その特性は脊髄等での報告とほぼ一致した。GlyとGABAの電流比は約1であり、ニューロンの形態(錐体細胞、双極細胞、多極性細胞)に依存しなかった。無麻酔の中大脳動脈(MCA)梗塞モデルラットにおいて、膀胱容量、排尿閾値、尿流率および膀胱コンプライアンスの減少、排尿潜時の短縮と尿道抵抗の増加が、梗塞後24時間以上持続した。この時、PAGおよびLDT領域のGly受容体α_1サブユニットの発現は変化しなかった。ストリキニーネ(Str)はMCA梗塞による排尿反射障害に影響しなかった。デキストロメトルファン(DM)は梗塞24時間後の投与で膀胱容量と排尿潜時を改善した。膀胱内酢酸注入は、内側視索上核、PAG、バリントン核、腰仙髄の後角、副交感神経核など、多くの脊髄・脳幹部でFos蛋白質を増加させた。StrおよびDMはPAGやバリントン核など排尿関連核でFos蛋白質の発現を抑制した。マウスMCA梗塞モデルにおいて、クロペラスチン(CP)は尿流率の減少と尿道抵抗の増加を改善し、無排尿性収縮の発現回数を抑制した。CPは、選択的GIRK(チャネルブロッカーとは異なり、5-HT誘発シングルGIRKチャネル電流の開時間に影響せず、閉時間を延長させた。
著者
熊谷 エツ子 田中 龍二 熊谷 崇 東田 善治 尾道 三一 中村 郁夫 田上 省三 甲木 孝人 澤田 昭三
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
Journal of Radiation Research (ISSN:04493060)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.203-210, 1988-09-15 (Released:2006-06-16)
参考文献数
28
被引用文献数
3 1 4

To clarify the long-term effects of occupational exposure to low doses of radiation, Epstein-Barr virus (EBV)-specific antibody titers in sera from 104 radiological technologists (R.T.) and 118 controls in Kumamoto prefecture were measured by the immunofluorescence method. Antibody titers to viral capsid antigen (VCA)-IgG increased with the years of experience as R.T., and the prevalence of abnormal antibody titers to both VCA-IgG and early antigen (EA)-IgG were significantly higher in R.T. with over 15 years of experience or 30 rads of cumulative radiation dose than in the controls. However, there was no correlation between exposure and the frequency of abnormal EBV-associated nuclear antigen (EBNA) antibody titers. The EBV-specific antibody titers of 24 Hiroshima atomic-bomb survivors were also measured. They were similar to those of the R.T. with over 30 years of experience. The EBV-specific antibody titers of R.T. suggest that there may be an impairment of immunologic competence after continuous long-term exposure to low doses of radiation. Also, the correlation of EBV-specific antibody titers and frequency of cells with chromosome aberrations in 53 R.T. was studied. Some correlations were found between the antibody titers to both of the VCA-IgG and EBNA and the frequency of cells with chromosome aberrations.
著者
田中 恵美子 玉木 里加子 細野 章子 田中 和徳
出版者
新潟大学教育学部地理学教室
雑誌
越後湯沢
巻号頁・発行日
pp.3-33, 1984-02

昭和58年度夏期実習(越後湯沢・最上川中流・胆沢扇状地)
著者
筑地 公成 本山 貢 大藤 博美 森田 哲也 角南 良幸 田中 守 進藤 宗洋
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.63-71, 1999-05-20
参考文献数
25
被引用文献数
5

本研究では, 中年労働者43名を対象として, 50%V^^.O_<2max>強度に相当する有酸素性トレーニングを主体とする「健康づくり教室」を2ヵ月間実施し, 生理的指標とQOLにどの様な影響を及ぼすのかについて検討することと, THPの一貫として実施した「健康づくり教室」の有用性を検討することを目的とした. その結果, 2ヵ月間トレーニングを継続できた者は36名(83.7%)で, 高い継続率であった. トレーニングを継続できた群(運動継続群: 36名)はトレーニング後に体重, BMI, %fat, fat (kg), W/H 比はいずれも有意に低下していた (W/H比: P<0.05, それ以外: P<0.01). また、V^^.O_<2max>は有意に増加していた (V^^.O_<2max> (l/min) : P<0.05, V^^.O_<2max>/wt : P<0.01). トレーニングを途中で中止した群(運動脱落群: 7名)はすべての項目において有意な変化を認めなかった. 運動継続群はDBP, TC, LDL-c/HDL-c比は有意に低下し, HDL-cは有意に増加していた (LDL-c/HDL-c : P<0.01, それ以外: P<0.05). また, 運動脱落群はFBSに有意な増加を認めた(P<0.05). 運動継統群では身体症状, 労働意欲及びQOL全体に有意な改善を認めた (身体症状: P<0.05, それ以外: P<0.01). また運動脱落群はいずれの項目においても有意な変化を認めなかった. 運動継続群について, QOLの初期値とトレーニング前後のそれぞれの変化量との関連性を検討した結果, 身体症状, 感情状態, 快適感, 性意欲, 社会的活動, 認識能力の6項目について有意な負の相関関係が認められた (いずれもP<0.01). V^^.O_<2max>/Wtの変化量と身体症状の変化量との間に, 正相関関係が認められた (r=0.36, P<0.05). 以下のことから, 本研究で実施した低強度の有酸素性トレーニングを主体とした「健康づくり教室」は, 全身持久力の向上, 降圧効果, 血清脂質を改善させたことのみならず, QOLの改善にも十分期待できることが明らかとなった. またHTPの一貫として実施された「健康づくり教室」は, 心身両面にわたる総合的な健康づくりに対し, 理論的, 実際的に支援する結果を得ることができた.