著者
白井 滋 岡村 収
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.139-150, 1992-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11

ワニグチツノザメの内部形態 (骨格・筋肉系) を詳細に記載した.摂餌機能に関しては, 特殊な顎歯の状態から, 本種は餌を上下の顎で捕捉し, これを丸のみするものと考えられる.内臓弓およびこれに関係する筋肉構造には, こうした摂餌機能の向上に関連すると思われるいくつかの特殊な状態が観察された.これらの特殊な状態は, 同時に本種の系統的位置の解明をはなはだ困難にしている.しかし, 口唇軟骨が2本の離れた要素からなることなど, 本種は3つの派生状態をカラスザメ亜科と共有する.カラスザメ亜科全体との姉妹関係, カラスザメ亜科内に想定されている2っの姉妹群 (カラスザメ属とハシボソカラスザメ属およびAculeola属とカスミザメ属) それぞれとの類縁性について考察した.
著者
北原 白秋[作詞]
出版者
ニッポノホン
巻号頁・発行日
0000
著者
白木 喜章 片山 理恵 凌 千恵 小野 信幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.I_871-I_876, 2022 (Released:2022-10-18)
参考文献数
9

2021年10月以降,奄美・沖縄地方に大量の軽石が漂着し,漁業や観光業等が深刻なダメージを受けた.この軽石は,小笠原諸島南部に位置する海底火山「福徳岡ノ場」の噴火に伴い発生したものであり,海洋の流れや風により漂流してきたとされている.火山地帯に位置する我が国では,今後も大規模な軽石災害が起こり得ることから,漂流経路や漂流時期を予測できる手段の整備が課題となる.本研究は,沖縄沿岸域を対象として軽石漂流を想定した粒子追跡シミュレーションを実施し,とくに大浦湾における軽石の接岸・離岸の再現性を検証した.また,潮汐・海流による流動シミュレーションを事前に実施しておき,予報する際に風圧流を考慮した粒子追跡シミュレーションのみを実行することで実用的な予報ツールになることを提示した.
著者
白鳥 敏正 松平 晏明 小西 奎二 桜井 忠一
出版者
社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集(B編) (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.58, no.546, pp.182-187, 1992-02-25

Scale model experiments were made to investigate the steady and unsteady airflow characteristics in an underground railway station. The experimental apparatus consists of a scale model of a two-layer underground railway station and train wind generators that simulate the steady and unsteady airflow caused by trains. The steady and unsteady airflows were measured with hotwire anemometers at several points of the station for several cases. The unsteady airflow patterns were almost identical to the estimated airflow patterns obtained from steady values. The method of reducing the train wind effect in a station by means of tunnel ventilation dynamic control was considered and its effectiveness was confirmed through experimentation.

1 0 0 0 OA 宗教の本質

著者
金子白夢 著
出版者
京文社
巻号頁・発行日
1922
著者
白井 紀充 高橋 守 田代 俊文 古田 千香子 二井 愛介 堀井 郁夫
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第33回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.280, 2006 (Released:2006-06-23)

【目的】NMDA受容体は、中枢神経の主要興奮性伝達物質であるグルタミン酸に対する受容体のサブタイプの一つである。NMDA受容体拮抗薬の毒性は、MK-801によるラット大脳の神経細胞障害が知られているが、イヌでの報告は乏しい。我々は、あるNMDA受容体拮抗薬を投与したイヌで認められた大脳病変をMK-801によるラットでの変化と比較検討した。【材料と方法】ビーグル犬4例にNMDA受容体拮抗薬の一定用量を単回、静脈内投与し、投与48時間後における脳の病理組織学的検査を実施した。脳は灌流固定後、全体を一定間隔で切り出し、各組織片についてHE染色標本を作製して観察した。また、神経細胞の壊死を同定する目的でFluoro-Jade蛍光染色による観察も行った。ラット大脳病変については、MK-801の4.4 mg/kgを単回、皮下投与したSD系雌8例における投与4時間後(4例)および24時間後(4例)の脳を病理組織学的に観察した。【結果と考察】イヌ1例が、投与直後より間欠性のjaw snapping(顎をがくがくさせる)・流涎を呈し、投与2日後には自発運動の減少を示した。この動物では、海馬および大脳底部の嗅脳皮質における神経細胞壊死が認められた。他の3例は、投与直後より投与1日後にかけて間欠性のjaw snappingを呈したが、脳に形態学的変化はなかった。イヌ脳病変は1例にみられたのみであったが、NMDA受容体拮抗薬によりイヌの大脳神経細胞に障害が起こる可能性が示唆された。MK-801を投与したラットでは、大脳の膨大部後方皮質における神経細胞空胞化および神経細胞壊死が、それぞれ投与4時間後、投与24時間後に全例で認められ、既に報告されている結果と符合した。MK-801のラット大脳病変は膨大部後方皮質に限られ、イヌでの報告はない。しかし、NMDA受容体は大脳皮質や海馬に広く分布していることから、NMDA受容体拮抗薬による病変の発現部位は拮抗薬の種類あるいは動物種に依存して、多様であると推察された。
著者
干川 尚人 大島 達也 西辻 崇 白木 厚司 伊藤 智義
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.10, pp.792-801, 2022-10-01

コロナ禍は場所に依存しないリモートワークを急速に普及させ,更にオフィスの地方移転やワーケーションのような働く場所の地方分散を促進させた.これにより通信のエンドポイントをつなぐ地方の通信設備維持の重要性も大きくなっている.しかし,近年の人手不足の事情もあり,通信インフラ事業者では現地での物理的な作業が必要なケースでは遠方の拠点から技術者を派遣する形態が一般的になっており,オンライン監視でサポートできない物理異常の発見方法がサービス品質維持のために重要である.この課題に対して,我々はマシンルーム環境の監視を目的にセンサとアクチュエータを搭載した汎用ベースロボットによって,その解決を試みる.この論文ではまず地方の通信設備における労働力と物理異常検知の課題を述べ,その維持管理業務をサポートするための新たなベースロボットシステムを提案する.そしてこのコンセプトを実証するためのプロトタイプロボットを実装し,その予備実験結果を示す.
著者
木暮 貴政 西村 泰昭 西村 章 白川 修一郎
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.171-176, 2007-11-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
24
被引用文献数
5

To evaluate the effects of comfort in a hypnagogic posture on sleep feelings estimated by standardized OSA sleep inventory MA version and sleep quality measured by actigraph, eighteen healthy subjects (8 males, 10 females), aged 61-65, were recorded, sleeping in their homes for 15 consecutive nights under two crossover designed conditions from Friday. A subject slept for 7 consecutive nights (4 adaptation nights and 3 nights for analysis) on a relatively comfortable mattress first and then for 8 consecutive nights (4 adaptation nights, 3 nights for analysis and excluded last night) on a relatively uncomfortable mattress. The results showed the sleep on a relatively comfortable mattress indicated better sleep quality and feelings.
著者
阿部 稚里 今井 具子 瀬崎 彩也子 宮本 恵子 川瀬 文哉 白井 禎朗 眞田 正世 位田 文香 加藤 匠 下方 浩史
出版者
名古屋学芸大学管理栄養学部
雑誌
名古屋栄養科学雑誌 = Nagoya Journal of Nutritional Sciences (ISSN:21892121)
巻号頁・発行日
no.5, pp.23-29, 2019-12-25

【目的】乳癌は女性にとって主要な癌の一つである。これまでに、乳癌と乳製品摂取との関連がメタアナリシスによって検討されているが、一貫した結論が得られていない。その理由として、食事調査の手法や乳製品摂取量の評価が論文間で異なること、調査地域が限られていることが挙げられる。そのため、乳製品と乳癌の関連をさらに明らかにしていくためには、地球規模で同一手法を用いた乳製品摂取量の調査による研究が必要と考えられる。そこで本研究では、現在公表されている国際データを用い、乳癌と乳製品の関連を地球規模による国際比較研究で縦断的に明らかにすることを目的とした。【方法】乳癌発症率および乳癌死亡率は、Global Burden of Disease( GBD) 2017データベースから各国の10万人当たりの年齢標準化された値を入手した。生産から家計までのすべての段階における減耗を除く、各国の食品供給量と総エネルギー供給量は国連食糧農業機関データベース(FAOSTAT)から入手し、乳製品の供給量を求めた。調整変数として、人口、国民一人当たりの国内総生産(GDP)、高齢化率(以上世界銀行データベース)、平均BMI、喫煙率、教育年数、身体活動量(以上GBD データベース)を入手した。全てのデータが得られた100万人以上の人口を持つ139カ国を対象とし、共変量を調整した線形混合モデルを用いて、乳製品供給量と乳癌発症率および乳癌死亡率との1990年から2013年までの23年間の縦断的関連について解析を行った。解析にはR 3.6.1を用いた。【結果】すべての共変量を調整したモデルにおいて、乳製品供給量と乳癌発症率の間に有意な正の関連があった(β= 7.393、標準誤差1.553、p<0.001)。同様に、すべての共変量を調整したモデルにおいて、乳製品供給量と乳癌死亡率の間にも有意な正の関連があった(β= 2.123、標準誤差0.613、p<0.001)。【結論】乳製品供給量と乳癌発症率および乳癌死亡率が正の関連を示すことを、比較的近年のデータを用いて縦断的に明らかにした。このことから、乳製品を多く摂取する食生活は、地球規模において乳癌発症率や乳癌死亡率を上昇させる可能性が示された。今後さらに、乳製品を低脂肪と高脂肪に分けて解析を行うことが必要である。
著者
曽我 太佐男 佐々木 秀昭 白井 貢 九嶋 忠雄
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.380-394, 1993-07-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

プリント配線板上に搭載される電子部品のスルーホール継手構造について, 温度サイクル加速試験による信頼性評価を行った。スルーホール継手のコネクタなしのピン構造におけるクラック進展要因を明らかにし, クラック進展を低減するための対策を示した。この構造では, 汎用のガラスエポキシ基板に対して, ピンと基板間の熱膨張差で生ずるはんだの最大せん断歪とクラック発生率との相関性は得られないことがわかった。そこで, ピン, 基板, はんだ間の熱膨張差で発生する軸方向に作用する最大応力で評価した結果, 最大応力とクラック発生率との相関性を見出した。その結果, 応力が大なるほどクラック発生率が高いこと, ガラスエポキシ基板の場合, ピン径が大なるほど応力は小さく, クラック発生率が低いこと等を明らかにした。他方, 実用的な構造であるコネクタ付ピン継手のクラック進展についても検討した。クラック進展の主な駆動力は, コネクタとプリント配線板との基板面方向の熱膨張差で生ずる曲げによる歪である。コネクタ両端部のピン継手におけるクラック進展は中央部ピン継手に比べ顕著に大であり, コネクタの構造, 寸法効果が大きいことがわかった。一般的に, スルーホール継手構造においては, ピンが穴の周囲で拘束されるため, 初期にフィレット部でクラックが早期に発生しても, クラック進展速度はクラック進展と共に低下してくる。このため, スルーホール継手はフリップチップ形, フラットパッケージ形継手と比べ, 高信頼構造であると考えられる。
著者
盧 生奇 白武 義治
出版者
日本農業市場学会
雑誌
農業市場研究 (ISSN:1341934X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.33-44, 2005-12-31 (Released:2019-12-08)

The food industry is deemed an important economic sector in Japan. In the case of many remote areas, the food industry, in combination with primary industry activities, has been recognized as a major economic sector, leading regional economies in terms of creating job opportunities. Recently, however, due to the continuing overall economic slump, the food industry in Japan has been facing a sharp reduction in the number of companies and overall labor force. In addition, after joining the WTO in 1995, Japanese food companies have been thrown into severe business competitions in the international markets. Moreover, the LDC might compel the food industry to invest in environmental conservation efforts by 2007. The imo-shochu industry, a traditional Japanese food industry related closely to regional agriculture, stands as a leader in many regional economies, in both production as well as sales. As such, examining the major economic factors by which the imo-shochu industry has maintained such sustainable development is of value. Through use of endogenous development theory, this study empirically identified these factors through an examination of the imo-shochu industry of Kagoshima.
著者
白井 睦訓
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

細胞内寄生性細菌である肺炎クラミジア(我々が同菌日本株の全ゲノムを初めて解読し、種々のユニークな機能を解明)は、肺炎の主要原因菌で動脈硬化病変部にその感染がほぼ100%検出される。クラミジアは約3日間の生活環で動物細胞内で、封入体を形成した後、細胞外へ放出されることから、その生活環とアポトーシスとの関係も解明が期待される。また、同菌は感染細胞内で封入体膜を形成して、数日のlife cycleを経て増殖し細胞外に放出されるが、これまでに我々はアポトーシス制御因子Apaf-1欠失細胞ではクラミジア増殖が高度促進されており、この封入体膜タンパクの1つIncA2(カスパーゼをリクルートするドメインCARDを持つ)がcaspase-9の活性を増強したり、ミトコンドリアタンパクとの相互作用により宿主細胞アポトーシスを制御して菌の増殖を制御していることを発見している。21年度では封入体膜タンパクIncA2がApaf-1やcaspase-9などからなる宿主アポトゾームをいかなる機構により制御されていることがわかった。すなわちApaf-I欠失細胞で肺炎クラミジア感染増幅、caspase9欠失で感染低下があり、caspase9阻害剤による肺炎クラミジア増殖抑制機序の解明ができた。また、クラミジア封入体膜・IncA2と宿主アポトソームの相互作用も確認できた。22年度はさらにApaf-1のクラミジア感染抑制に機能するドメインの同定を試みたが、とくに特定の部位としてクラミジアに特異的に作用するものではなく、Apaf-1のもつカスパーゼ活性化の制御によるアポトーシスの制御によってクラミジアの増殖が影響されることが解明された。またクラミジア封入体内にcaspase9の存在が形態的にとらえることができ、クラミジアが増殖にcaspase9を利用しているか、細胞質内のcaspase9を減少させてアポトーシスを制御することがクラミジアの増殖に関係していることが示唆された。caspase3やcaspase8の変化は2時的なものでクラミジアの増殖に直接的に関与するものでないことも示された。
著者
斎藤 綾乃 鈴木 浩明 白戸 宏明 藤浪 浩平 遠藤 広晴 松岡 茂樹 平井 俊江 斎藤 和彦
出版者
Japan Human Factors and Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.9-21, 2006-02-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
19
被引用文献数
4 3

振動環境下で通勤近郊列車の支持具の使いやすさを検討した. 列車の走行振動を模擬できるシミュレータ内に, 車内設備を取り付け, 幅広い身長の利用者に, 様々な寸法のつり革や手すりを評価させた. つり革全体の長さは275mm, 375mm, 475mmの3水準, 床からのつり革高さは靴を履いた身長に対する比 (以降, 身長比) 80~120%まで5%間隔とした. つり革長さ275mmの場合, 身長比99%が最適であり, 90~105%が推奨範囲であった. つり革が長くなると推奨範囲が狭まった. 推奨範囲外となる人の割合を最少にする観点から, いくつかの推奨値の組合せを提案した. 手すりについては, 座面前縁から150mmの距離をとったものが, 現行 (座面前縁からの距離0mm) と比較して, 姿勢維持の有効性や立ち上がりやすさが向上することを確認した. 乗降性は悪化しなかった.