著者
東本 裕子 天木 勇樹 白須 洋子
出版者
横浜商科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究は、国際的志向性が低い学生の異文化感受性を育て、英語力と共に自己効力感を向上させる英語・異文化理解教育に貢献することを目指す。具体的には次の項目について研究を行う。1つ目として、国際的志向性が低い学生の異文化や英語に対する心持ちや背景に関する調査を行う。2つ目は、異文化感受性発達モデルによる各段階の学生への効果的な異文化理解指導法を考案する。3つ目は、異文化協働学習等コロナ禍でも可能なオンラインを含む交流学習を通し、異文化への興味喚起と英語学習への意欲変化を検証する。4つ目は、既存の発達尺度と英語・異文化理解指導法の見直し、教育理論の改善、高度化を図る。
著者
白井 裕泰 Hiroyasu Shirai 住居学科
巻号頁・発行日
vol.12, pp.91-104, 1996-03-31
著者
白石 浩之
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.206, pp.1-37, 2017-03-31

本稿は台形様石器の様相について検討した論稿である。このことについては佐藤宏之によって『台形様石器研究序論』が発表されており,該期の研究において姶良Tn火山灰降灰以前の石器群の解明が期待された。その後28年が経過し,全国的に台形様石器を出土する遺跡が広がった。とりわけ関東地方では層位的にも型式学的にも対応可能になり,あわせて台形様石器の機能・用途について使用痕研究や実験研究等により深みを増しつつある。筆者は該期の台形様石器について型式学的研究から見直そうと思う。先行研究では台形様石器は横長剥片を主たる素材とする点が強調されていたが,縦長剥片を素材とした例も看過できない。またペン先形ナイフと称された基部調整尖頭石器は東日本に卓越し,九州地方は僅少の分布状況を呈している。先端が尖状という点,基部加工のナイフ状石器と台形様石器が相互に影響して独自に製作されたものであろう。台形様石器は素材の切断を介して外形を作り出す。刃部の両縁は側縁加工と平坦剥離,とりわけ錯向剥離を顕著に用いる。このように形成された台形様石器の形態は6類に区分される。①水平刃で基部が尖基のもの。②水平刃で平基のもの。③水平刃で平基であるが,側縁が末広がりになり刃部と交わる部位が角状を呈すもの。④斜刃で尖基のもの。⑤斜刃で平基のもの。⑥縦長剥片の端部を切断して用いたもので構成される。台形様石器は関東地方で相模野B5層や武蔵野Ⅹ層下部まで遡り,立川ローム層において最古級を呈す。B4層,Ⅹ層上部からⅨ層は台形様石器が最も卓越し,Ⅰ~Ⅴ類の台形様石器が認められる。その終焉は黒色帯層の相模野B3層・武蔵野Ⅶ層の時期で縦長剥片を切断によって分割し,側縁加工を施したⅥ類の台形様石器が目立ってくる。北関東地方では台形様石器の石材が遺跡毎で差異があり,地域差的な様相を呈す。Ⅶ層以降に卓越する二側縁加工を主体としたナイフ形石器文化期以前の台形様石器文化が広く発達するのである。
著者
伊藤 政幸 池島 義昭 白石 忠男 佐藤 隆一 田中 勲 市橋 芳徳
出版者
MATERIALS LIFE SOCIETY, JAPAN
雑誌
マテリアルライフ (ISSN:09153594)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.37-43, 1992-01-25 (Released:2011-04-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1

研究用原子炉圧力容器とその本体の上から下へ貫通している実験用の配管との間に3個のシリコーンゴム製のOリングが装着されて13年間使用された.この間にOリングに加えられた諸因子を計算によって求めた結果, 放射線は最も高い位置で3.46kGy, 熱は原子炉運転時には50℃であり, 摺動は比較的少ないことが明らかになった, 同じ使用状態での余寿命を推定するために, 70℃で50kGy/hの線量率で同じ材質のOリングを線量を変えて時間加速照射を行い, 試料の機械的性質の変化を実機試料と比較した.その結果, 実機試料と同程度の劣化を時間加速試験試料に与えるためには前者より一桁以上高い線量が必要なことが判明した.得られた物性値を総合的に検討し, 破断伸びが50%に低下するまで使用可能と判断し, 同じ使用環境での余寿命を26年と推定した.
著者
久保田 一雄 田村 耕成 武 仁 倉林 均 白倉 卓夫
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.23-29, 1997-01-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
23
被引用文献数
8 7

平成元年1月から同7年6月までの6年6カ月間に当院に入院した急性心筋梗塞患者31例 (旅行者15例, 草津在住者16例) 及び脳梗塞患者40例 (旅行者15例, 草津在住者25例) について, その発症における温泉浴の関与を検討した. 発症前24時間以内に温泉浴を行った急性心筋梗塞患者15例 (旅行者9例, 草津在住者6例) 中12例 (旅行者6例, 草津在住者6例) は温泉浴開始後3時間以内の発症, その内8例 (旅行者4例, 草津在住者4例) は1時間以内の発症であった. また, 発症前24時間以内に温泉浴を行った脳梗塞患者27例 (旅行者11例, 草津在住者16例) 中15例 (旅行者9例, 草津在住者6例) は温泉浴開始後3時間以内の発症, その内10例 (旅行者6例, 草津在住者4例) は1時間以内の発症であった. なお, 入浴中の発症は急性心筋梗塞2例 (旅行者1例, 草津在住者1例), 脳梗塞2例 (旅行者1例, 草津在住者1例) であった. 急性心筋梗塞の時刻別発症頻度と温泉浴開始後発症までの時間には旅行者と草津在住者で大きな差異は見られなかった. 脳梗塞の時刻別発症頻度は旅行者で6時から12時まで, 草津在住者で18時から24時までの時間帯でやや少ない傾向が認められ, 温泉浴開始後発症までの時間は草津在住者で3時間以上が多かった. ほとんどの症例で1~4の危険因子 (高血圧症, 高脂血症, 高尿酸血症, 糖尿病, 喫煙, その他の既往疾患) が認められたが, 旅行者と草津在住者, 温泉浴の有無の比較では明らかな差異は見られなかった. 温泉浴開始後短時間内にこれら血栓性疾患が発症する要因として, 血圧, 心拍数, 血液粘度, 線溶活性並びに血小板機能などの一過性の変化が推定される. また, 私達は既に20時の温泉浴が夜間の血圧をより低下させ, さらに翌早朝の血液粘度の上昇をより急激にすることを報告したが, 真夜中や午前中の発症にはそのような機序の関与も考えられる.
著者
市川 健夫 白坂 蕃
出版者
日本地理教育学会
雑誌
新地理 (ISSN:05598362)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.1-28, 1978-06-25 (Released:2010-02-26)
参考文献数
43
被引用文献数
2

The writers analysed the industry, economy, land use, settlement and tourism in the area from the view point of the development process and the socioeconomic aspects in this paper. The results are as follows:I. The Norikura Plateau is located at the upper limit, in terms of altitude, for agriculture in Japan. The people can not keep up their living standards by only agriculture on this plateau, because the productivity of the land is very low. Therefore, prior to 1970, the people had to manage not only with the subsistance cultivation of cereals, but also with sericulture, charcoalmaking, dairy cattle breeding, the gathering of mountain products and hunting.After 1970, the tourist industry have provided the most jobs, but the people still manage with composite jobs.II. The settlements are divided into two types, i.e., permanent and seasonal (temporary settlement for cultivation), in the Norikura Plateau. Among those temporary settlements for cultivation, Bandoko (1, 300m above sea-level) has already become a permanent settlement in the 1890's. Now Bandoko is the core settlement in the Norikura Plateau. Kanayamadaira (1, 500m) was a temporary settlement for cultivation until the first half of the 1940's.Kanayamadaira has been changed into a permanent settlement by the development of the tourist industry, as a skiing ground in winter as well as a summer resort.Shirahone Spa has developed into a permanent settlement after World War II. The other temporary settlements for cultivation has since disappeared.III. The process of the settlement and socio-economic development in the Norikura Plateau are shown in the table in the next page.(i) Since 1927, the Norikura Plateau has been used as the mountain's skiing ground in winter. The skiers came mostly from Tokyo. (ii) After World War II, the Norikura Plateau has developed also as a summer resort and as a skiing ground for the local people principally. (iii) During the first half of the 1960's, many village houses became “Minshuku” (“Minshuku” are cheap lodging houses in tourist resorts, and most of them are usually operated by farmers and fisherfolk for additional income.). In the Norikura Plateau, there were 33 hotels and 66 Minshukus in 1975.However, the Norikura skiing ground is a local one, because the skiing ground is relatively small, and the traffic condition is no good. The poor traffic condition has, in the main, restricted the development of the tourist resort in the Norikura Plateau.
著者
白木澤 涼子
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2022-04-01

本研究では、第二次世界大戦を未曽有の人災と捉え、そこでの町内会の働きをソーシャル・キャピタルの観点から捉え直し、そのポジティブとネガティブな二面性を明らかにする。ソーシャル・キャピタルの二面性を前提として、今後のわが国の自然災害・人災を問わず、災害時における人々の生活と生命を守る指針の一つとなることを目指す。従来の研究史では、町内会は第二次大戦下、戦時国家体制を支えたとされた。仮に町内会がなければ、国民生活はより壊滅的でパニック状況に陥り、戦後の復興は遅れたであろう。戦時下の町内会は、人々の生活と生命を守るために、地域の実情と特徴に合わせた創意工夫ある働きを行った。その全国的実態の解明を行う。
著者
花岡 俊仁 鈴木 宏光 中川 和彦 福原 哲治 小林 一泰 佐伯 英行 白川 敦子
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.62-66, 2010 (Released:2010-07-16)
参考文献数
16

症例は64歳,女性.糖尿病の既往がある.2002年6月血痰,喀血が出現し,当院を受診した.胸部CTにて左上葉中心に淡いスリガラス様陰影を認めた.気管支動脈造影にて2カ所血管の拡張部を認め,塞栓術を施行した.その後血痰は減少し,肺の陰影も消退したが,左上葉に8×5mm大の小結節影が残存した.経過観察となったが,2003年1月再び喀血が出現し,胸腔鏡補助下に左上葉切除術を施行した.病理組織検査にて肉芽形成を伴う気管支炎像があり,一部にムコールの菌塊が充満する像を認め,肺ムコール症と診断した.手術後6年2カ月を経過し,再発なく糖尿病外来に通院中である.肺ムコール症の頻度は稀で,免疫能低下状態で発症することの多い予後不良な疾患である.自験例は糖尿病があり二次性といえるが,左上葉の小結節影にムコールが付着・増殖した腐生性の要因も考えられた.
著者
白井 史人
出版者
日本音楽学会
雑誌
音楽学 (ISSN:00302597)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-15, 2015-10-15 (Released:2017-04-03)

Arnold Schoenberg's Begleitungsmusik zu einer Lichtspielszene Op. 34 (1930) indicates the close relation between Schoenberg's work and film music. Although Schoenberg did not contribute to any films in his career, he had planned to accompany the performance of his work Die gluckliche Hand (1913) with a silent film. He emphasized the importance of sound film in the 1920s in texts such as "Der sprechende Film," 1927 ("The Talkie"). His relationship with Guido Bagier, the head of the department in charge of sound films department of Universum Film AG (UFA), also indicates Schoenberg's interest in films during that time. This paper explores Begleitungsmusik both in terms of its musical structure and with reference to the praxis of musical accompaniment of silent films. First, the musical character of Begleitungsmusik is analyzed from the perspective of its structure and the process of its composition. Discussion of an unpublished memo indicating the programmatic content of this piece and a detailed analysis of Schoenberg's musical manuscripts show that his revisions emphasized a dramaturgical structure, partly corresponding to the unpublished memo. Second, the relation between the film and Schoenberg's activities, based on the examination of related preliminary material including the diary of his second wife Gertrud and the unpublished autobiography of Guido Bagier, will be surveyed. Finally, the contemporary situation and the aesthetics of musical accompaniment of silent film are discussed, focusing on the relation of the three subtitles Schoenberg used in his Begleitungsmusik, "threatening danger," "anxiety," and "catastrophe." Musical scenarios published in Film-Ton-Kunst, a magazine that specialized in the film music praxis in the 1920s, are systematically explored. Consequently, this paper recontextualizes Begleitungsmusik within Schoenberg's own development and the historical background to clarify that although Schoenberg and contemporary praxis of musical accompaniment attached great importance to dramaturgical construction, never-theless, their musical languages and attitudes toward the excerpting of musical pieces differed.
著者
白木 克繁
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.85-92, 2007 (Released:2007-04-23)
参考文献数
9
被引用文献数
1 3

粗い空間刻み幅を用いて浸透数値計算を行う際に,グリッド境界透水係数の算出法の相違がどのような影響をもたらすか比較検討した.また,新たに粗い空間刻み幅においても定常状態の圧力水頭分布を近似計算できる,変動重み付け法(η法)を提示した.計算手法として,圧力水頭算術平均法,体積含水率算術平均法,透水係数算術平均法,透水係数相乗平均法,透水係数調和平均法,上流法,η法を比較した.定常状態の数値実験より,上流法,η法を除いて,粗い空間刻み幅の時に圧力水頭分布に空間的な振動が発生することが分かった.ここで,透水係数算術平均法での振動幅がもっとも大きかった.乾燥土壌への浸透数値実験より,透水係数算術平均法,上流法,η法で安定して計算可能であることがわかった.一方,圧力水頭算術平均法,体積含水率算術平均法,透水係数相乗平均法,透水係数調和平均法において,空間刻み幅を粗くした場合に計算不能になる場合があることが分かった.排水過程での非定常数値計算より,圧力水頭算術平均法とη法が粗い空間刻み幅においても精度の良い近似結果を示すことが分かった.総合的に見て,粗い空間刻み幅を用いる場合はη法が有効であるが,事前にη値を算出するという前処理が必要になる.
著者
白銀 夏樹
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.211-223, 2003-09-27 (Released:2017-08-10)

近年の教育学理論では、発達的な時間意識や客観的な時間意識に対する反省から、経験の瞬間性に注目を集めるものが少なからず登場している。だがその一方で、発達的でもなければ客観的でもない自己形成の時間的連続性について論じられることは必ずしも多くない。本論文では、自己形成の時間的連続性を考える手がかりとしてアドルノのいう「叙事詩的時間」に注目し、音楽をモデルとしたこの時間意識に基づくことで、自己の時間的連続性を開かれたものとしてとらえる人間形成観を提起する。ひとことでいうなら、現在までの意識と無意識をあわせた人間形成の歩みを、統一的な論理ではとらえることのできない錯綜した諸経験の布置関係によって構成されているものとみなしつつ、忘却された先行の経験を喚起し新たな布置関係の要素となるものとして、後続の経験を位置づける人間形成観である。こうした一連の運動のダイナミズムとして、人間形成における「叙事詩的」連続性を論じる。
著者
白肌 邦生
出版者
日本感性工学会
雑誌
感性工学 (ISSN:18828930)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.68-73, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
44

1 0 0 0 OA からたちの花

著者
北原白秋 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1940

1 0 0 0 OA 海豹と雲

著者
北原白秋 著
出版者
アルス
巻号頁・発行日
1929
著者
白幡 聡
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.55-63, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1

1カ月の請求額が1,000万円以上の高額レセプトの件数は2009年の155件から10年後の2018年には728件と5倍近く増加しているが,この間の最高額は2014年を除き,血友病とvon Willebrand病が占めている.凝固因子製剤を使用している血友病患者一人あたりの医療費は全国平均の80倍以上に達する.大規模自然災害の多発や新型コロナウイルス感染症の流行で益々日本経済が逼迫するなか,医療経済の視点から,定期補充療法について,その適応,必要なトラフ値,zero bleedingの必要性,スポーツ参加の許容範囲について再考するとともに,血液凝固因子製剤の価格と費用対効果について考察した.
著者
倉内 慎也 大山 貴志 吉井 稔雄 白柳 洋俊
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_871-I_878, 2018 (Released:2019-01-10)
参考文献数
9

交通事故統計によれば,高速道路の事故率は一般道路の約10分の1である.また,重大事故率については,高速道路の方がやや高いものの,ほぼ同程度である.それにも関わらず,高速道路の運転は怖いと考え,利用を避けるドライバーが一定数存在するものと思われる.そこで本研究ではドライバーに対してアンケート調査を実施し,事故率と重大事故率の知覚状況や,それらが高速道路の利用頻度に及ぼす影響を分析した.結果,事故率については約2割,重大事故率については約9割の人が,高速道路の方が高いと知覚していることを確認した.また,事故率と重大事故率の知覚値が高い人ほど,高速道路の運転への恐怖感が高く,利用頻度が有意に低下すると共に,所要時間や料金等に対する満足度と比較しても,無視できない影響を及ぼしているとの結果を得た.
著者
白藤 法道 濱野 忠則
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究で、高Hcy血症がタウの重合を促進し、アルツハイマー病の原因となる神経原線維変化形成に傾くことを明らかにした。GSK3β、cdk5活性化またはPP2A不活性化を介してタウのリン酸化レベルを増加させ、カスパーゼ3の活性化によりC末端が切断されるタウを増加させた。Hcyが20Sプロテアソーム活性を低下させ、タウの分解を阻害し、総タウ量が増加させた。リン酸化・C末端切断型タウの増加は、タウの立体構造変化をきたし、神経細胞死、および神経原線維変化を促進した。このことから、ホモシステインを低下させることが、アルツハイマー病におけるタウオパチーの異常な神経細胞障害作用を緩和させることが示唆された。