著者
白石 成明 近藤 克則
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.286-291, 2018-04-18 (Released:2018-05-21)
参考文献数
19

リハビリテーション医療にもエビデンスに基づく医療(EBM)の提供が求められている.EBMには無作為比較試験(RCT)などの質の高いエビデンスが必要とされるが,RCTはリハビリテーション医療では実施しにくい場合が多い.そこで,RCTに代わるエビデンス蓄積の方法として大規模データベースがある.回復期リハビリテーション医療では,DPCのような大規模なデータベースは存在していないが,日本リハビリテーション・データベースなどがすでに構築されており,これらに基づく優れた研究も発表されている.リハビリテーション医療の質向上と,それに寄与するエビデンスの蓄積,蓄積されたエビデンスの利用のために,大規模データベースの構築とそれを活用した研究の蓄積が望まれる.
著者
白川 真裕 島田 貴仁 樋口 匡貴
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.93.21044, (Released:2022-11-10)
参考文献数
32

Based on the protection motivation theory and previous studies that discussed the effects of risk perception, perceived response effectiveness, and self-efficacy on behavioral intentions and changes in behavior, this study conducted an experiment to examine the effects of the Metropolitan Police Department's crime deterrence task force’s official Twitter account on crime prevention behavior. Information on the threat of communications fraud, the effectiveness of preventive behavior, and self-efficacy was presented via Twitter, and changes in behavioral intention, behavior, fear, effectiveness, and self-efficacy were checked over time. Participants in their 20s to 50s were assigned to a Metropolitan Police Department group presented with tweets about scams or to a control group presented with other tweets. The results of the analysis of the 60 participants in the police department group and the 49 participants in the control group showed that the presentation of information increased behavioral intention, but it did not necessarily lead to changes in behavior. Therefore, it was suggested that there may be other factors that increase behavioral intention and changes in behavior.

1 0 0 0 OA あしの葉

著者
北原白秋 著
出版者
アルス
巻号頁・発行日
1924
著者
貴治 康夫 沓掛 俊夫 中野 聰志 西村 貞浩 澤田 一彦 杉井 完治 多賀 優 竹本 健一 天白 俊馬
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.53-69, 2008-02-15 (Released:2009-02-21)
参考文献数
67
被引用文献数
13 7

東西6 km・南北7 km規模の比叡花崗岩体は,琵琶湖周辺の白亜紀末山陽帯花崗岩体のうちで,最も西寄りに位置する.これまで琵琶湖コールドロン形成に関係した琵琶湖南部環状花崗岩体の西端部の岩体と考えられてきた.比叡花崗岩体は,中心相と考えられる中粒斑状黒雲母花崗岩とそれを取り囲むように分布している中粒等粒状黒雲母花崗岩からなる.両者は漸移関係にあり,活動時期は100 Ma頃と推定される.比叡花崗岩は,年代値,岩相,化学的性質において琵琶湖南部の他の花崗岩類とは異なるので,およそ70 Maの琵琶湖コールドロン形成に直接関与した環状岩体を構成するものとしては考えられない.本岩体中には,岩体西縁部で南北方向に貫入している花崗斑岩脈と花崗閃緑斑岩脈のほかに,優白質微花崗岩,流紋岩,玄武岩,ランプロファイアの小岩脈が岩体全体に点在している.そのうちの花崗斑岩と花崗閃緑斑岩の岩脈は,琵琶湖コールドロンの外縁を画する環状岩脈の一部であると考えられる.
著者
松嶋 優貴 白旗 慎吾 坂本 亘
出版者
Japanese Society of Applied Statistics
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.201-219, 2004-12-25 (Released:2009-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

ウェーブレットは不規則,不連続な関数(または信号や画像)を効率的に表現するための道具であり,スケーリング関数,ウェーブレット関数と呼ばれる2種類の関数から作られる基底関数の線形結合によって関数などを表現する.スケーリング関数,ウェーブレット関数の組(この組もウェーブレットと呼ばれる)については,すでに数種類が開発されており適宜選択することができる.しきい値法(Thresholding)は,ウェーブレットによるノイズ除去のための代表的な手法であり,観測値にもとづく関数の推定を基底関数の線形結合で表現するための係数を「しきい値」と比較し,しきい値よりも絶対値が小さな係数の値を0で置き換える.この置き換えによって小さな変動を無視することによりノイズを取り除く.しかし,しきい値法によって得られるノイズ除去の結果はウェーブレットの種類に依存するので,しきい値法で用いるウェーブレットの種類によってしきい値法の結果も異なる.それゆえに観測値に応じてウェーブレットを選択する必要がある.本論文では種々のウェーブレットから観測値に適するものを数値的に選択するための基準を示す.選択基準としてはAIC(赤池情報量基準)を用い,選択の対象となるウェーブレットの中で最小のAICをとるものを最良として選択する.小さなAICに対応するウェーブレットほどしきい値法における考えをよく満たすことが,AICを選択基準として採用した根拠である.AICによるウェーブレットの選択法について,その適用結果を図によって例示し,シミュレーションを行うことにより,AICが適切なウェーブレットを選択することを示す,また,ウェーブレットを選択するための他の方法(最小自乗法,MDL法)との比較を行う。

1 0 0 0 OA さすらいの唄

著者
北原 白秋[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1934-02
著者
白石 陽一 Yoichi Shiraishi
出版者
熊本大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
熊本大学教育実践研究
巻号頁・発行日
vol.23, pp.57-66, 2006-02-28

本論の課題は、主に授業における「教える-学ぶ」関係に潜む「権力・支配」関係を明らかにし、それに自覚的に対応する観点を得ようとすることにある。

1 0 0 0 OA 山の唄

著者
北原 白秋[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
0000
著者
宮入 徹 坂下 丈 追川 千夏 白坂 剛 下村 尚登 戸井 武司
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.695-700, 2020 (Released:2020-07-29)
参考文献数
7
被引用文献数
1

多様な製品に用いられているロータリースイッチは,周囲環境の静音化に伴い操作音が顕在化してきている。本研究ではロータリースイッチの操作感の向上を図るため,感触と操作音の連続複合刺激に対する主観評価と物理量の相関を把握することで,スイッチ操作感覚モデルの構築手法について検討した。
著者
白倉 一由
出版者
山梨英和学院 山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.27-39, 1994-12-10 (Released:2020-07-20)

『心中宵庚申』の主題は中之巻・下之巻に表現されている。中之巻は平石衛門の家で、平右衛門の父親としての我が娘を思う諦観と意地更に願いが入り混じった複雑な親心を巧みに書いている。半兵衛は養父母の孝行・義理に自害しようとするが、ちよとの夫婦愛に生きようとする。中之巻の半兵衛ちよの夫婦の愛は下之巻において高められていく。下之巻は八百屋伊右衛門の家であり、姑・半兵衛・ちよの関係が語られている。姑とちよとは性格が違っており、理由なしに合わない。近松は姑と嫁ちよとの人間的本質性を問題にしている。半兵衛は姑に対して孝行するか、ちよと離婚するか姑に責められる。半兵衛はちよと離婚すると言う。しかし半兵衛はちよを愛しているので庚申の夜心中するのである。半兵衛は時代のモラルに生きようとするが、それ以上に愛に生きようとするのであり、愛の死が主題である。背後に仏教の信仰があり、封建制度に対する抗議がある。
著者
中溝 智也 多田 憲正 宇田川 智宏 菊池 絵梨子 亀井 宏一 森 崇寧 蘇原 映誠 松岡 健太郎 白井 謙太朗 渡辺 章充
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
pp.cr.2022.0206, (Released:2022-10-26)
参考文献数
34

Galloway-Mowat症候群(GAMOS)は小頭症を伴う精神発達遅滞とステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(SRNS)などの腎症を呈する疾患である.GAMOSにおける腎症は,治療抵抗性のため生命予後を規定する.今回シクロスポリン(CsA)で長期間の寛解を維持しているGAMOSの1例を報告する.1歳健診で精神発達遅滞,小頭症を指摘された.2歳時に蛋白尿を認め,5歳時にSRNSの基準を満たし,腎生検で巣状分節性糸球体硬化症を認めた.以上よりGAMOSと診断した.SRNSに対してCsAを導入したところ尿蛋白は減少し,7歳時に不完全寛解した.寛解維持した後にCsAの中止を試みたところ蛋白尿が増悪したため,CsAが尿蛋白減少に寄与していると判断した.腎毒性軽減のため8歳時から1日1回の投与へ変更し,14歳時の腎生検で明らかな腎毒性は認めなかった.CsAの単回投与は腎毒性を抑制し,GAMOS腎症のような遺伝性SRNSの予後改善に有効な可能性がある.
著者
鳥居 春己 高野 彩子 村上 興正 白子 智康
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.43-50, 2022 (Released:2022-10-25)
参考文献数
35

The stomach contents of six adult female nutrias captured in June 2021 were analyzed using DNA metabarcoding to confirm foraging of Unionoid mussel and other invertebrate animal taxa in the Shirokita cove in the lower reaches of the Yodogawa River, Osaka prefecture. Nodularia douglasiae, N. nipponensis, Sinanodonta calipygos, S. sp., Beringiana japonica, Corbicula fluminea or C.leana. were detected in three nutrias. In particular, N. douglasiae was the dominant on the number of read. Ladybug beetles Propylea japonica or P. quatuordecimpunctata and whitefly (Aleurochiton sp.) were also observed, but these are thought to have been taken in along with plants. N. nipponensis has not been found in the Yodogawa river system, and Corbicula spp. have not been found in the midden of dead shell caused by nutria feeding, which was previously reported. This is the first record of the nutria preying on N. nipponensis, S. calipygos, B. fukuharai, but Lanceolaria oxyrhyncha which was previously reported was not detected. These results indicate that DNA metabarcoding is available for further analysis to clarify the nutria feeding habit including aquatic and terrestrial plants and impact on the ecosystems.