著者
谷崎 勝朗 高橋 清 上田 暢男 斉藤 勝剛 細川 正雄 小野 波津子 石橋 健 合田 吉徳 中村 之信 佐々木 良英 守谷 欣明 木村 郁郎
出版者
Okayama Medical Association
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9-10, pp.1261-1265, 1977-10-30 (Released:2009-08-24)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

A skin test using buckwheat extract was performed on 182 cases of bronchial asthma. Thirty-three of them showed a positive skin test to buckwheat extract.Buckwheat allergy (bronchial asthma, urticaria, allergic rhinitis, allergic gastroenteropathy and allergic conjunctivities) was found in 19 (57.6%) of the 33 cases showing a positive skin test to buckwheat extract.Basophils from 8 cases of buckwheat asthma showed a strong response to buckwheat extract, although basophils from 10 cases with a postive skin test only, without buckwheat allergy, did not response to buckwheat extract.Bronchial asthma induced by buckwheat (16 of the 19 cases) had some special features. Their asthma attack was induced by the introduction into the body through either mouth or airway and started in childhood. Buckwheat pillows were used in 13 of the 19 cases. Ten of the 13 cases obtained alleviation of asthma upon discontinuation of buckwheat pillows. Most of the buckwheat asthma patients showed a high serum IgE level and had a hereditary factor. The results showed that cases of buckwheat asthma might be sensitized in their childhood.
著者
萬成 哲也 戸田 和成 小川 俊介 佐藤 千怜 中嶋 礼子 細川 博史 大西 日出男
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.187-196, 2018

<p>ヘッドスパは数種類の頭皮マッサージ基本手技の組み合わせによって構成される。本研究では,5種類の基本手技(圧迫法,指圧法,揉捻法,強擦法,軽擦法)をそれぞれ3分間実施した際の心身に及ぼす影響を,各種生理的・心理的指標を用いて評価した。その結果,副交感神経の活性化によって生じる脈拍数の低下はすべての基本手技に共通してみられた一方で,他の指標においては各基本手技で異なる効果がみられた。生理的指標において,圧迫法,指圧法,軽擦法では顕著なストレスの軽減がみられ,揉捻法ではすべての測定部位での皮膚表面温度の上昇と顔面部位の形状変化がみられた。Visual Analogue Scale(VAS)を用いた心理的指標に関しては「,気持ち」の改善は圧迫法「,リラックス度」の向上は揉捻法,「覚醒度」の向上は軽擦法において顕著であった。このように,われわれはマッサージ基本手技による3分間の短時間の施術においても,基本手技ごとに異なる効果が得られることを証明した。本研究結果は,科学的根拠に基づく最適なヘッドスパメニュー構築において,重要な手掛かりになると考える。</p>
著者
鈴木 徹 平野 幹雄 北 洋輔 郷右近 歩 野口 和人 細川 徹
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.105-113, 2013 (Released:2015-02-18)
参考文献数
15
被引用文献数
1

従来、自閉症児の対人相互交渉の困難は、他者理解の困難が背景要因として指摘されてきた。しかしながら、心の理論課題の結果と日常生活の様相について実証的な研究は行われてこなかった。本研究では、高機能自閉症の一事例を対象に、心の理論課題の実施と実際の様相、とりわけ自身の言動と他者の言動の因果関係の理解の様相から対人相互交渉の困難の要因について検討を行った。その結果、心の理論課題を通過した対象児は、対人相互交渉において、過去の他者の言動と現在の状態との因果関係について適切な解釈を行っていた。一方、過去の自身の言動と現在の状態の因果関係について誤った解釈を行うことが多かった。このことから、対人相互交渉の困難を招く一因として、自己の言動の認識の困難という可能性について論じた。
著者
江木 盛時 小倉 裕司 矢田部 智昭 安宅 一晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 黒田 泰弘 小谷 穣治 志馬 伸朗 谷口 巧 鶴田 良介 土井 研人 土井 松幸 中田 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升田 好樹 松嶋 麻子 松田 直之 山川 一馬 原 嘉孝 大下 慎一郎 青木 善孝 稲田 麻衣 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻谷 正明 對東 俊介 武田 親宗 寺山 毅郎 東平 日出夫 橋本 英樹 林田 敬 一二三 亨 廣瀬 智也 福田 龍将 藤井 智子 三浦 慎也 安田 英人 阿部 智一 安藤 幸吉 飯田 有輝 石原 唯史 井手 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲田 雄 宇都宮 明美 卯野木 健 遠藤 功二 大内 玲 尾崎 将之 小野 聡 桂 守弘 川口 敦 川村 雄介 工藤 大介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下山 哲 鈴木 武志 関根 秀介 関野 元裕 高橋 希 高橋 世 高橋 弘 田上 隆 田島 吾郎 巽 博臣 谷 昌憲 土谷 飛鳥 堤 悠介 内藤 貴基 長江 正晴 長澤 俊郎 中村 謙介 西村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 長谷川 大祐 畠山 淳司 原 直己 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松石 雄二朗 松山 匡 峰松 佑輔 宮下 亮一 宮武 祐士 森安 恵実 山田 亨 山田 博之 山元 良 吉田 健史 吉田 悠平 吉村 旬平 四本 竜一 米倉 寛 和田 剛志 渡邉 栄三 青木 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五十嵐 豊 井口 直也 石川 雅巳 石丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今長谷 尚史 井村 春樹 入野田 崇 上原 健司 生塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕子 榎本 有希 太田 浩平 大地 嘉史 大野 孝則 大邉 寛幸 岡 和幸 岡田 信長 岡田 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥田 拓史 小倉 崇以 小野寺 悠 小山 雄太 貝沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 金谷 明浩 金子 唯 金畑 圭太 狩野 謙一 河野 浩幸 菊谷 知也 菊地 斉 城戸 崇裕 木村 翔 小網 博之 小橋 大輔 齊木 巌 堺 正仁 坂本 彩香 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下戸 学 下山 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉田 篤紀 鈴木 聡 鈴木 祐二 壽原 朋宏 其田 健司 高氏 修平 高島 光平 高橋 生 高橋 洋子 竹下 淳 田中 裕記 丹保 亜希仁 角山 泰一朗 鉄原 健一 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨田 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊田 幸樹年 内藤 宏道 永田 功 長門 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成田 知大 西岡 典宏 西村 朋也 西山 慶 野村 智久 芳賀 大樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速水 宏樹 原口 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤田 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀口 真仁 牧 盾 増永 直久 松村 洋輔 真弓 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村田 哲平 柳井 真知 矢野 隆郎 山田 浩平 山田 直樹 山本 朋納 吉廣 尚大 田中 裕 西田 修 日本版敗血症診療ガイドライン2020特別委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement, pp.27S0001, 2020 (Released:2021-02-25)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016 年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG) 2016 の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG 2020)の目的は,J-SSCG 2016 と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG 2016 ではSSCG 2016 にない新しい領域[ICU-acquired weakness( ICU-AW)と post-intensive care syndrome(PICS),体温管理など]を取り上げたが,J-SSCG 2020 では新たに注目すべき4 領域(Patient-and Family-Centered Care,sepsis treatment system,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な118 の臨床課題(clinical question:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQ には,本邦で特に注目されているCQ も含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員25 名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226 名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班をJ-SSCG 2016 に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2 回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi 法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,118CQ に対する回答として,79 個のGRADE による推奨,5 個のGPS(good practice statement),18 個のエキスパートコンセンサス,27 個のBQ(background question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQ ごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG 2020 は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
岩橋 和彦 洲脇 寛 大西 純一 細川 清
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.271-274, 1993-10-30 (Released:2011-01-25)
参考文献数
7

骨萎縮性病変発生機序解明の一助としてカルシウム代謝に重要な役割を果たすビタミンD3活性化酵素シトクロムP-450D25の酵素活性における抗てんかん薬の影響について調べた。in vitroの実験においてフェニトインはラット肝臓のミクロソーム系およびミトコンドリア系のP-450D25の酵素活性を阻害することが判明し, しかもミクロソーム系のP-450D25については競合阻害であった。一方バルプロ酸はどちらの系においても阻害作用はほとんど見られなかった。また両薬物をWistarラットに2ヵ月間大量に皮下注射したところ, フェニトインによるミクロソーム系P-450D25の著明な誘導がみられた。以上よりフェニトインはシトクロムP-450D25を介してビタミンD3, さらにはカルシウム代謝に影響を与える可能性があることが判明した。
著者
竹原 秀雄 久保 哲茂 細川 一信
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.99-106, 1958

筆者らは,前に木曾地方における石英斑岩に由来する森林土壌がいちじるしくpodzol化を受けていることを報告した。御岳は,この地方の広い石英斑岩地域に接して噴出したやや基性の安山岩質岩石からなる火山であるが,気候的に石英斑岩地域とほぼ同一条件にあると思われる山体下部の土壌が,種々の点で石英斑岩質土壌といちじるしく相違する事実を認めた。<br> 安山岩質土壌はその形態的・性質的特徴からBrown. Forest Soilに属すると思われるが, Podzolic Brown Forest Soilとして区別すべき性質のものである。火山灰質土壌は草生地ではほぼ標式的なB1型土壌が多く,森林下ではかなりPodzolicである。安山岩質,火山灰質土壌いずれも地形と関連した一連のCatenaで結ぶことができる。土壌の諸特徴と現在の植生景観から,これらの土壌は石英斑岩質土壌よりも若かく,生産力は高いものと推定される。
著者
細川 正義
出版者
関西学院大学
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.16-31, 1974-08
著者
細川 真由
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.198, pp.198_64-198_79, 2020

<p>The previous studies have not considered Wilsonianism in relation to French diplomacy, but after the World War I, France played a key role in the League of Nations, from which its advocate, the United States of America, has been absent. Therefore this paper focuses French policies for the League of Nations in order to reexamine "Wilsonianism." From 1919 to 1924, French leaders at first had bad feelings toward the League of Nations or the "New Diplomacy," but they gradually have accepted such conceptions.</p><p>First, this paper examines French leaders' attitude for Woodrow Wilson or his idea for peace. In the Paris Peace Conference (1919), French prime minister, Georges Clemenceau, was suspicious of Wilson and his idea, and required the military alliance with the United Kingdom and the United States. And also, he persisted in the military occupation of the Rhineland. On the other hand, at the commission drafting the Covenant of the League of Nations, Léon Bourgeois advocated establishing an international force. However, their proposals were discarded, because the United States had rejected the peace treaty and the Covenant.</p><p>Second, this paper considers French attitude for the League of Nations from 1920 to 1923. During this period, France has looked for a more powerful mechanism of the national security, but each of French attempt for the security was deadlocked. However, in 1923, the Draft Treaty of Mutual Assistance (Projet de traité de garantie mutuelle) was submitted to the Assembly of the League of Nations. This draft has tried to enforce disarmament and collective security as one, but it broke down because of the British opposition.</p><p>Finally, this paper focuses the Protocol for the Pacific Settlement of International Disputes (Protocole pour le réglement pacifique des différends internationaux) in 1924. This protocol was strongly supported by the new French prime minister Édouard Herriot. He looked for the alliance with the United Kingdom at first, but British prime minister, Ramsay MacDonald, rejected his offer. Therefore, Herriot sought to put his plan into practice at the League of Nations. However, after all, this protocol broke down, too.</p><p>As stated above, France has sought to strengthen the collective security, either at the League of Nations or at the bilateral level. From 1919 to 1924, each of French attempt for the security turned out a failure. However, in this period, France gradually accepted the principle of "New Diplomacy." And in this background, there is the unstable domestic situation, such as the fall of franc or the frequent changes of government. Under the circumstances, for France, the value of the League of Nations has steadily been raised.</p>
著者
田島 正浩 細川 江利子
出版者
公益社団法人 日本女子体育連盟
雑誌
日本女子体育連盟学術研究 (ISSN:18820980)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.55-73, 2017 (Released:2017-05-18)
参考文献数
8

本研究では,教員養成系G大学におけるダンス実技授業において,履修学生を対象としてサンバの授業を2回(「はじめの段階」 と 「やや進んだ段階」) 実践し,質問紙調査により授業後の学生の意識や学習達成感の変容を考察することによって,立案したサンバの授業の有効性について検証することを目的とした。実施した2回の授業は,各回とも,指導者によるサンバの授業実践,指導案を参照しながら指導内容の振り返り,指導実習(学生が教師役となった展開部の模擬指導など)の3つの内容で構成した。また,各回のサンバの授業の内容と指導については,①基本である 「リズムに乗って友達と関わりながら自由に踊る力」 を身につけることを主軸とし,②サンバのリズムの特徴を感じ取れるような言葉がけや指導法を工夫し,③教師リードと学習者リードという双方向の活動を重層的に組み込んで授業を構成し,途切れのないスムーズな学習の流れを重視して授業を展開するよう工夫した。その結果,授業後の質問紙調査の結果は以下の通りであった。 ①「サンバのリズムで自由に踊ることができそうだと思うか・難しいと思うか」 という質問に,授業前はほぼ半数の学生が 「難しい」,3割強の学生が 「どちらともいえない」 と回答したのに対し,第2回授業後は9割強の学生が 「踊ることができる」 と回答し有意に肯定的な変化が認められた。また,②「サンバのリズムで踊る楽しさ」,③「サンバのリズムの特徴の理解」,④「サンバの授業の組み立て方や展開方法の理解」 については,第1回授業後と第2回授業後では有意な傾向(②)ないし有意に(③④)肯定的な変化が認められ,第2回授業後には全員が「楽しかった」「理解できた」 と回答した。以上より,本研究で実践した教員養成系大学の学生を対象とした授業構成,サンバの授業内容と展開,サンバのリズムの指導法については,対象とした学生たちのサンバのリズムダンスの学習において有効であったと推察された。
著者
上野 健一 細川 葵 橋本 諭 及川 寛 柴原 裕亮 松嶋 良次 渡邊 龍一 内田 肇 鈴木敏 之
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.85-93, 2021-06-25 (Released:2021-07-02)
参考文献数
32
被引用文献数
1

二枚貝の麻痺性貝毒(PSTs)はマウス毒性試験(MBA)で検査されているが,動物愛護に対する社会的関心の高まりとともに高感度・高精度なPSTs分析法も開発され,動物実験代替法の利用が可能となった.本研究では,PSTsのモノクローナル抗体を利用したイムノクロマトキットによるスクリーニング法の開発を試みた.食品衛生法規制値(4 MU/g)を下回る2 MU/gをスクリーニング基準として試験液の希釈倍率を80倍とした条件で試験した.目視に加え,画像解析判定も併せて検証した.MBA 2 MU/g以上の20試験品はすべて本キットで陽性を示し,偽陰性はなかった.また,2 MU/g未満の327試験品のうち偽陽性は3%であった.以上のように,本法は高い正確度を示し,迅速・簡便なPSTsスクリーニング法として有用であることが示された.
著者
村上 雅仁 加藤 順一 高橋 健太郎 前田 慶明 山本 千恵子 細川 晃代 永田 安雄 古川 宏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.155-157, 2005 (Released:2005-07-27)
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

片麻痺を伴う脳血管障害患者200例(男性146例, 女性54例:61±11歳)を対象に,麻痺側と非麻痺側の脈波伝播速度を測定し,運動麻痺が脈波伝播速度に及ぼす影響をみるとともに,機能的自立度評価法(FIM: functional independence measure)による身体活動量との関連について検討した。麻痺側の上腕-足首間脈波伝播速度は非麻痺側と比較して有意に高値を示したが(p<0.0001),脳出血と脳梗塞による病型別および左右麻痺側別では有意差を認めなかった。麻痺側の上腕-足首間脈波伝播速度は年齢と有意に正相関を示し(r=0.56,p<0.05),FIMと負相関を認めた(r=-0.29)。これらの結果より,片麻痺を伴う脳血管障害患者の麻痺側では,非麻痺側と比較して血管の伸展性が低下しているだけでなく,加齢および運動麻痺により身体活動量が低いほど,動脈スティフネスの低下と関連していることが示唆された。
著者
水草 貴久 細川 嘉彦 中川 宗大 大野 泰良 川崎 浩伸 高橋 日出美 右納 隆 塚本 達夫 日江井 邦彦
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.621-624, 2001

中国人労働者によるオオシロカラカサタケの集団毒キノコ中毒の症例をもとに, 猛毒といわれるアマニタトキシン群の毒キノコとの相違や, 今後いかにして毒キノコ中毒の発生を減少させるかなどについて検討した。本症例のオオシロカラカサタケは急性胃腸炎様の消化器症状を呈するのみで致死例は報告されていないが, 摂食したキノコを直ちに特定することは一般的に非常に困難である。従って致死率の高い, いわゆる猛毒キノコを摂取した可能性を考慮し, 医療機関は対応に難渋させられることが多い。オオシロカラカサタケは外見上, 最も毒性が高いといわれているアマニタトキシン群のキノコ (シロタマゴテングダケやドクツルタケ) と似ているが, 発症までの潜伏期間が根本的に異なる。また, 毒キノコ中毒による被害者の数が減少しない原因として, 一つには毒キノコの判別法として古くからの「言い伝え」的鑑別方法が未だに存在しており, 明確で判りやすい鑑別方法が社会的に確立されていないことがあげられる。
著者
細川 周平
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.451-467, 2007-05-21

ジャズはそれまでの音楽にはない急速で広範囲の伝播を特徴としている。その原型ができあがってまもない一九二〇年代に世界共通語になった背景には、三つの新しい再生技術―電気録音、ラジオ、サウンド同期映画(トーキー)―の力が大きい。
著者
細川 敬祐
出版者
電気通信大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2018-04-01

アンテナ,フィルター,プリアンプ,ソフトウェア受信機からなる観測システムを 1 式製作し,沖縄県恩納村に設置した.受信信号を比較的安価なソフトウェア受信機で処理し,周波数チャネルごとに信号を分割して受信・記録することで,Es の出現を検出することが可能になっている.昨年度までに設置が完了していた 5 箇所と合わせて計 6 地点で得られたデータを電気通信大学に準リアルタイム(1 時間遅れ)で転送し,ウェブ上に表示するシステムを構築した(http://gwave.cei.uec.ac.jp/cgi-bin/vor/vhf.cgi).これにより,スポラディック E に伴う異常伝搬をリアルタイムに可視化することが可能になっている.複数の送信局に同一の周波数が割り当てられることがあるため,中間反射点における Es 発生の有無を地図上にマップするためには,各チャネルの受信信号に対応する送信局を特定する必要がある.我々は,各チャネルに対応する送信局のリストを作成し,アンテナの指向性や各送信局の運用形態,送信パワーなどの情報を用いることによって,受信信号から送信局を自動的に識別する手法を確立した.この手法を用いて,国内 6 地点(調布,呉,菅平,大洗,サロベツ,沖縄)の観測から異常伝搬事例を抽出し,送信元の局を特定することによって Es 発生領域を地図上にマッピングすることに成功している.この成果を地球電磁気・地球惑星圏において公表し,現在論文にまとめているところである.上記以外にも 3 件の論文を査読付き学術雑誌に投稿し,1 件が公表済,2 件が現在査読中となっている.今後は,複数地点のデータを組み合わせて Es 空間分布の時間発展を準リアルタイムで可視化するシステムを構築し,航空局やエアライン,ICAO など,想定されるユーザへのリアルタイムの情報提供に繋げていく.