著者
細川 聖二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.156-164, 2016

電子ジャーナルの安定的利用と長期的保存に対応するため,世界中の図書館や出版社がさまざまなアーカイブ・プロジェクトに取り組んでいる。本稿では,グローバルなダーク・アーカイブの代表的な事例として,学術コミュニティー(大学図書館,出版社)による共同運営事業であるCLOCKSSについて,どのような仕組みでアーカイブを実現しているのか,その概要を説明するとともに,日本において国立情報学研究所や大学図書館がCLOCKSSに参加し,電子ジャーナル等の長期的保存の一翼を担うに至った経緯について紹介する。
著者
細川 吉晴 関戸 知雄 土手 裕 平 瑞樹
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.379-386, 2016-03-31 (Released:2016-03-31)
参考文献数
8

南九州にある新燃岳と桜島の火山灰の有効利用策として、歩行者道路用の保水性インターロッキングブロックの製造に両火山灰を最大どの程度まで混合配合できるかを実験的に検討した。両火山灰は反応性シリカを含んでいたためモルタルバー法のASR試験を行ったところ「無害」であったので、ブロックに使用できることを確認した。また、保水性インターロッキングブロックの曲げ強度と吸水性・保水性のJIS規格を満足する必要があるため、両火山灰を混合する容積比3:7、5:5、7:3の3要因と細骨材への容積混入率20、30、40%の3要因を組み合わせた9配合と火山灰無混入の1配合の計10配合によるブロックについて試験を行った。その結果、容積比5:5の混合火山灰の容積混入率は、堆積火山灰の減容促進に配慮し最大30%が妥当といえる。
著者
亀田 壽夫 李 頡 李 頡 李 頡 細川 督央
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.105, pp.49-56, 2000-06-02

分散コンピュータシステム等は、その使用形態に応じて、完全な集中から完全な分散にいたるまで、性能最適化目標に対する種々のレベルの分散を考えることができる。本研究では、中間的な分散最適化において、システムに資源を増強すると、かえって全てのユーザに対して性能が劣化することがあるという逆説的現象を見出した。また、そのような劣化が生ずる条件を求めた。さらに、そのような劣化が限りなく大きくなる場合があり得ることを示した。このようなパラドックスを、分散コンピュータシステムのモデルについて論じ、数値的ならびに数理的結果を述べた。
著者
細川 武稔
出版者
公益財団法人史学会
雑誌
史學雜誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.107, no.12, pp.2083-2106, 2198-2199, 1998-12-20

In order to better clarify medieval society, its warrior class and what the shogunate was, it is necessary to consider religion. The aim of the present paper is to shed light upon the character of the Muromachi shogunate by examining the residences, temples and shrines of the Ashikaga family. The first shogun, Ashikaga Takauji first lived in Rokuhara (an eastern suburb of Kyoto), then he and his younger brother Tadayoshi built residences in the center of Kyoto, and established a new shogunate there. Tojiji temple was attached to Tadayoshi's residence the Sanjobomon-tei. Aftr his death, Takauji and the second shogun Yoshiakira decided that Tojiji temple would be the patron temple of the Ashikaga family. Takauji and Yoshiakira lived near Tojiji temple, and Gosho-Hachimangu shrine was built at Tadayoshi's Sanjobomon-tei as the guardian of the shogun's residence. Therefore, the whole Sanjobomon area belonged to the Ashikaga family. The third shogun, Ashikaga Yoshimitsu, built his residence, called the Muromachi-dono, in a northern suburb of Kyoto. He also built Shokokuji temple near Muromachi-dono, as the area became much larger than that at Sanjobomon. Yoshimitsu moved the functions of the Ashikaga family temple nearer to him, sponsoring, for example, the Hokkehakko memorial service for the former shogun, at Shokokuji temple instead of Tojiji temple. After building his residence in Kitayama to the north of Muromachi-dono, he sponsored the Hokkehakko in Kitayama. From the reign of the fourth shogun, Ashikaga Yoshimochi, the two temples of the Ashikaga family coexisted. Regardless of where the shogun lived, Hokkehakko was performed at Tojiji temple, while smaller temples of each shogun were built on the grounds of Shokokuji temple. This indicates that the Muromachi shogunate at that time came to assume a double character, one attributable to Takauji's government, the other to Yoshimitsu's.
著者
瀧澤 義徳 杉山 健一 岡村 純 石川 竜司 望月 大極 高橋 吾郎 三澤 清 大和谷 崇 細川 誠二 峯田 周幸
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.223-229, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
20

小細胞癌は肺に好発する腫瘍である。頭頸部に発生する小細胞癌は比較的まれであるが一般に悪性度が高く,高率に遠隔転移を生じ予後不良とされる。頭頸部原発小細胞癌の治療は未だ確立されたものはないが,肺小細胞癌の治療に準じて行われることが多い。限局性で早期の症例や手術を組み合わせた集学的治療の報告もあるが,放射線・化学療法による治療が行われる。今回われわれは,喉頭と副鼻腔が原発と考えられた小細胞癌の2症例について報告する。
著者
細川 涼一
出版者
大阪歴史学会
雑誌
ヒストリア (ISSN:04392787)
巻号頁・発行日
no.177, pp.88-108, 2001-11
著者
坂本 澄彦 堀内 淳一 大川 智彦 横路 謙次郎 細川 真澄男 小林 博
出版者
東北大学
雑誌
がん特別研究
巻号頁・発行日
1989

低線量の放射線の腫瘍制御に果たす役割について研究を続けているが、今年は基礎的研究として、15ラドの全身照射を行なったマウスに対し尾静脈から腫瘍細胞を注入した場合に、肺に造る腫瘍細胞のコロニーが出来る割合が、照射をしなかったマウスの場合とどう異るのかについて更に詳細な検討を加えた。先ず肺に造るコロニーは10ラドの照射より15ラドの照射を受けたマウスの方が形成率が低いこと、更に15ラドの全身照射と局所照射の組合せが腫瘍の局所制御率が高まることを確認した。一方放射線照射による腫瘍関連抗原のshedding抑制とその意味する所についての研究が行なわれ、放射線照射による抗腫瘍免疫誘導の機序としてTAAの存在様式の変化が関与している可能性を示し、このような現象が生ずるのには30Gyという至適線量が存在することがわかった。又腫瘍誘発に対する低線量域での放射線の線量と線量の効果についての研究も進められているが、この研究の結論を得るのはもっと先の事になると思われる。臨床的研究としては、昨年に引続き全身或は半身照射のみの効果を調べるため進展例の悪性リンパ腫に対する効果を検討した。結果は45例の悪性リンパ腫の患者のうち1例は他病死したが残りの44例は、現在、再発の徴候なしに生存している。その生存期間は6ケ月から44ケ月の間に分布しており、現在もどんどん治療例が増えているので、近い将来に、統計的解析を行なって治療成績の正しい評価が下せるようになると考えている。又、肺癌、子宮癌、食道癌などの固形腫瘍に対する全身又は半身照射と局所照射の組合せによる治療も開始しているが、この研究は次年度に更に積極的に推進する予定である。
著者
細川 雄一郎
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.17-33, 2012-07-30 (Released:2013-06-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1

It has been common to formalize counterfactuals (or subjunctive conditionals) in natural language in terms of a certain binary sentential connective, as in Stalnaker [12] and D. Lewis [8]. This paper suggests that another formalization by means of unary multi-modal operators is natural and appropriate for some counterfactuals. To see this naturalness and appropriateness, we observe an instance of transitive inference constituted of three counterfactuals in natural language, and formalize it by using expressive power of multi-modal logic, in particular Hennessy-Milner logic(HML) and Dynamic logic (DL). As a result, the instance of transitive inference turns out to be justified by the multi-modalized version of the most fundamental and familiar rules of modal logic, that is, the necessitation rule (NAct) and the axiom (KAct).
著者
細川 亮一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

20世紀の思想を形而上学の視点から解明することができる。ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、アインシュタインを形而上学者として描いた。20世紀の形而上学は、「形而上学(ハイデガー)対反形而上学(ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン)」でなく、「20世紀の形而上学(ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、アインシュタイン)」という枠組みとして捉えなければならない。何故ならウィトゲンシュタインは「哲学は論理学と形而上学から成り立っている」と言い、アインシュタインは自らを「形而上学者アインシュタイン」と呼んでいるからである。
著者
細川 雄一郎
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.15-34, 2019 (Released:2019-11-07)
参考文献数
32
被引用文献数
1

By applying the extended system of modal logic developed in [32], we present a logical analysis of the Gettier problem. Based on the result, in particular, we clarify the following point. In the literature on the Gettier problem, most authors seem to share the opinion that in general ‘belief’ precedes ‘knowledge’: we believe a proposition while we do not necessarily believe ourselves to have known it to be true. Interestingly, our analysis suggests that the story is the other way round in a sense: in general, for some proposition p, we believe that we have known that p, then we believe that p. Accordingly, even if given some reason for wanting to believe that p, we usually do not have the bare belief that p. Instead, in such a situation, more deliberately we think that it might be that p, or it can be hypothesized that p. Then, we can say, what we have at the start is not the bare belief that p, but “might possibility” or “hypothetical possibility” that p, which presumably involves abductive reasoning.
著者
藤田 真太郎 澤田 賢治 新 誠一 細川 嵩
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.367-377, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
21

Since the damage from cyber-attacks increases, there is an urgent need to research and develop security countermeasures for control systems. In the control system, the controller is an important device. This paper then considers a whitelisting system that models the normal operation sequence of a PLC (Programmable Logic Controller) and detects deviations from the model as abnormal. We propose three methods to auto-generate the whitelisting system by LD (Ladder Diagram): Petri net model generation, constraint condition derivation, and LD conversion. The first method generates Petri net models form SFCs (Sequential Function Charts) that are compatible with LDs. The second method derives whitelist conditions from Petri net models to check whether PLC performs the correct operation sequence. The third method implements the whitelist conditions into LD. The auto-generated whitelisting system enables us to monitor the state transitions of the PLC programs. Further, this paper carries out an experimental validation of the methods using a testbed system.
著者
米澤 義彦 細川 威典 香西 武
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.148-155, 2019 (Released:2019-12-16)
参考文献数
36
被引用文献数
1

小学校第6学年理科における「水の通り道」の観察実験に使用する「色水」について,小学校や中学校の教科書に例示されている切り花着色剤,食用赤色102号および赤インキの濃度と処理時間について,根のついたホウセンカを材料として再検討を行った.その結果,切り花着色剤と食用赤色102号の「色水」では,いずれも15~30分程度で「色水」が葉に到達することがわかった.また,赤インキの10倍希釈液では約1時間で,50倍希釈液では約2時間で葉まで「色水」が到達した.これらのことから,「水の通り道」の観察実験では,「色水」の種類と濃度を選択することによって,それぞれの学校の時間割に応じて授業が展開できることが示された.
著者
細川 由梨
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.17-21, 2021-10-31 (Released:2021-11-26)
参考文献数
13

学術有識者によって示された提言書は,研究者に限らず臨床家などの実践者にとって有益な情報を集約している.その執筆過程では,信頼性や臨床的意義を担保するために幾度となく推敲が重ねられるだけでなく,査読過程を経ることで学術的な透明性も確保する.本稿では,筆者が今までに執筆に携わった事例から,提言書が作成されるまでの過程と推奨文の科学的根拠を評価する際に用いられる代表的な手法を概論する.
著者
泉 秀幸 笹木 正悟 細川 由梨
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.127-134, 2021-10-31 (Released:2021-11-26)
参考文献数
18

本研究は,名称の使用で混同されることのある「アスレティックトレーナー(AT)」と「トレーナー(TR)」の間で属性,活動,資格および業務に違いがあるか検討した.その結果,ATのほうがTRと比較して12の業務のうち7つの業務で実施率が高く,平均実施業務数も多いことが明らとなった.一方でその他の項目においては統計学的な差が確認されなかった.