著者
西川 啓司
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.69-82, 2007-12-31

In dieser Abhandlung soil Onchis Rezeption von Kandinsky, die in vorangegangenen Forschungen unklar geblieben ist, erklart werden. Zunachst tritt Kandinskys Einfluss, z.B. was die Moglichkeit betrifft, durch Gemalde-wie in der Musik-nicht greifbare Gegenstande darzustellen, mehr in seiner Kunsttheorie, als in seinem Werk selbst in Erscheinung. Er erhoffte sich, mit seiner Rezeption von Kandinsky die Kunst von Yumeji Takehisa oder der Zeitschrift "Shirakaba" zu iibertreffen. Als Onchi auf der Suche nach seiner eigenen Kunst und seinem Leben als Kunstler war, studierte er gerade Yumejis "innere Bilder (Uchi yori kaku e)" und Saneatsu Musyanokoujis "Das Ich (Jigay. Und so nahm er sich Kandinsky zum Vorbild, der in sich beides vereinte. Da Onchi in seiner Rezeption den Kern der abstrakten Darstellung verstanden hatte, beschrankte er sich nicht darauf-wie die tibrigen Ktinstler seiner Zeit-nur die auBere Form der europaischen Kunst nachzuahmen, sondern schaffte es mit dem ersten abstrakten Werk in der modernen Kunstgeschichte Japans eine gro£e Tat zu vollbringen. Dies ist die wichtige Bedeutung bei Onchis Rezeption von Kandinsky.
著者
西川 恵三
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.314-317, 2012 (Released:2012-12-26)
参考文献数
7

骨粗鬆症は,骨塩量の減少に伴い,骨折リスクが高まる全身性疾患であり,日常の生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の低下に直結する.近年の高齢化社会を背景に,我が国での患者数は一千万人を軽く超えると推定されており,重大な社会問題となりつつある.加齢により生じる成長ホルモンや性ホルモンなどのホルモン系の機能低下は,骨粗鬆症を引き起こす大きな要因とされている1).近年,エストロゲン欠乏による骨代謝異常のメカニズムの理解は大きく進歩したが,老人性骨粗鬆症の分子機構はほとんど不明である.今回,筆者らの研究によって,間葉系細胞の分化を制御する転写因子Mafが加齢に伴い発現低下することが明らかとなったことから,老人性骨粗鬆症の発症機序には,Mafによる制御機構の破綻が関与することが考えられる.本総説では,筆者らの研究成果と最新の知見を合わせて,老人性骨粗鬆症の発症に関与する分子メカニズムを解説したい.
著者
西川 亮一
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
燃料協會誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.11, no.117, pp.六七六-六八六, 1932-06

石油類を分解蒸溜に附して揮發油を製造するクラッキングに於て其方法及設備に就ての進歩發展の跡を辿るに製品品質の改善の上に進歩をなせることも著しけれど更にクラッキング反應に對する見解異なり來りシエル型蒸溜器を用ふるものすべて滅亡しパイプスティルと完全なる精溜器を用ふる型に統一され、長時間連續作業從つて能力の増大燃料の經濟化大に實現され原料も燈油、輕油、重油の何れのものも使用され、副産物も輕油、重油、骸炭の何れとも爲し得るに至り市況市價の變遷に順應し得著しく製造上彈力性を帶び來れる事實を概説せんとす
著者
西川 伸道
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.118, no.8, pp.411-420, 2004-08-10

子宮内膜症は婦人科疾患でも多く見られる疾患の一つであるが,その病因,進展機序などは未だに統一した見解が得られていない.そこで,今回私はDNAマイクロアレイを用いて子宮内膜症組織と正常子宮内膜を比較し,遺伝子の発現レベルがどのように変化しているかを検討した.対象サンプルは患者より同意を得られた子宮内膜症の増殖期5例,分泌期4例,正常子宮内膜の増殖期5例,分泌期4例の手術摘出組織とした.方法は,各組織よりmRNAを抽出・精製し,cDNA合成,cRNA合成を経た後,DNAマイクロアレイにハイブリダイズさせた.そして,マイクロアレイ上の既知の約12000遺伝子について,月経周期別に子宮内膜症と正常子宮内膜間について比較した.統計解析は,T検定で群間差がP<0.05かつ両者の発現レベル比が3倍以上のものを有意とした.解析の結果,正常子宮内膜の月経周期間(増殖期,分泌期)の比較では,月経周期に依存して123遺伝子が有意な発現差を示した.一方子宮内膜症では月経周期に依存して37遺伝子が有意に変化を示し,著明にその数が減少していた.そして正常子宮内膜群と子宮内膜症群に共通して月経周期間で発現差を認めた遺伝子は,そのうち1遺伝子のみであった.さらに,正常子宮内膜と子宮内膜症の比較では,294遺伝子が有意な発現差を示した.これらの遺伝子を機能別に分類すると,細胞増殖因子やアポトーシス関連因子,癌関連因子など癌化に関係する因子の発現が38遺伝子(12.9%)認められていた.今回の結果,子宮内膜症では,月経周期に依存する遺伝子発現変化がほとんどなく,また正常子宮内膜とは全く異なる遺伝子プロファイリングであった.加えて,発現変化した遺伝子には癌関連因子などの遺伝子が多く認められていたので,子宮内膜症は遺伝子レベルで見る限りにおいて腫瘍的変化を伴う組織である可能性が示唆された.
著者
竹本 光一郎 岩朝 光利 西川 渉 安部 洋 福島 武雄 宇都宮 英綱 高野 浩一 黒岩 大三
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.706-712, 2005-11-20

今回, 脳底動脈・persistent primitive trigeminal artery (PPTA)分岐部に発生した破裂動脈瘤に対し, コイル塞栓術を施行した症例を経験したので報告した.症例は, 72歳, 女性.突然の意識障害で発症し, 当院に入院となった(W.F.N.S grade V).頭部CTにてクモ膜下出血がみられた.頭部血管撮影にてPPTAがみられ, 脳底動脈・PPTA合流部に2こぶ状の動脈瘤を, 右内頸動脈海綿静脈洞部にも1つ動脈瘤を認めた.脳底動脈・PPTA合流部動脈瘤の内, 大きいほうの動脈瘤は, 4mm大でblebを伴っていた.神経原性肺水腫を呈しており, 患者のgradeが悪く, 動脈瘤の発生部位より, 手術的クリッピングは困難と考え, 第3病日目にPPTA経由でコイル塞栓術を施行した.塞栓術後, 正常圧水頭症に対しV-P shunt術を施行し, 継続リハビリテーション目的に転院した.本症例は, 脳底動脈・PPTA合流部に発生した破裂動脈瘤に対するコイル塞栓術としては初めての症例報告であり, 文献的考察を加え報告する.
著者
西川 龍也 渋谷 清 大畑幸恵
出版者
福山市立大学
雑誌
福山市立女子短期大学研究教育公開センター年報 (ISSN:13485113)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.11-18, 2012

In Japan we can find two rooms designed by JamesTurrell, famous contemporary artist. One is "Open Sky"; belong to The Chichu Art Museum in Naoshima. And another one is "Blue Planet Sky", belong to the 21st Century Museum of Contemporary Art in Kanazawa.Like twins, two rooms were designed very similar.But visitors will face very different situations in each room. The atmosphere of "Open Sky" may enforce ceremonious behavior to the visitors. The visitors of "Blue Planet Sky" should be able to take cozy spaces. The difference of the ideals of the museums caused the situations.The Chichu Art Museum anticipates the enthusiast of contemporary art.But the 21st Century Museum of Contemporary Art aims to be the contemporary art evangelist.The difference had been shaped by the situation of the museums and the industrial policy of local governments.So If we would make the room designed by Turrell in Fukuyama, We should have to choose the way of Kanazawa.
著者
星 昭夫 新田 正広 本郷 祥子 花井 一也 西川 全海 小林 泰之 島 正則 花井 禎 兵地 信彦 臼井 幸男 宮北 英司 寺地 敏郎
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.645-649, 2006-08
被引用文献数
2

症例1(63歳男).levofloxacin(LVFX)を予防投与し経直腸的生検を施行したが,急性前立腺炎の診断で入院した.敗血症に伴う播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断し膀胱瘻造設をし治療を開始した.敗血症性ショックと診断しdopamineを投与し,徐々に安定4日目に中止したが全身の炎症所見に改善は見られず,5日目に多剤耐性大腸菌が原因と判明した.抗生剤をmeropenem(MEPN),teicoplanin(TEIC)に変更したが7日目も改善は認められず,エンドトキシン検査結果の陽性からエンドトキシン吸着療法を施行後,全身状態,炎症所見は改善傾向となった.12日目に抗DIG療法を中止し,14日目に抗生剤をcefdinir(CFDN)に変更し投与継続のまま27日目に退院となった.症例2(64歳男).cefazolin(CE2)の予防抗生剤を投与後,経直腸的前立腺生検を実施した.翌日退院したが2日目に生検後前立腺炎の診断で入院となった.敗血症に伴うDICと判断し,膀胱瘻造設し抗DIC療法を開始し,5日目に全身状態改善で抗DIC療法を中止した.原因菌は多剤耐性大腸菌で6日目から抗生剤をLVFXに変更した.17日目にLVFXを中止したが19日目に再然した.MEPNの治療開始後,主症状改善が見られ27日目にLVEXへ変更し投与継続で退院したWe report two cases of sepsis and disseminated intravascular coagulation (DIC), potentially fatal complications, following transrectal prostate biopsy. We also review similar cases reported in Japan. Case 1: A 63-year-old man received a cathartic and levofloxacin (LVFX) for prophylaxis. After transrectal prostate biopsy, he presented with fever and chills. Blood cultures grew Escherichia coli resistant to LVFX. Under a diagnosis of sepsis, he received intensive management that included endotoxin removal therapy. The patient was hospitalized for 27 days. Case 2: A 64-year-old man received a cathartic and cefazolin (CEZ) for prophylaxis. He presented with fever and chills after biopsy, and was admitted to hospital. Blood cultures grew E. coli resistant to CEZ. Under a diagnosis of sepsis, he received intravenous antibiotics, transfusion, and anti-DIC drugs. The patient was hospitalized for 11 days.
著者
西川 潔
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.57, pp.198-201, 2000-04

新規のネットビジネスを次々と立ち上げ、軌道に乗せては、事業売却またはスピンオフする。「ふ化器」としての役割を果たしながら、自らも利益を上げるネット・インキュベーターの先駆けであり、ビットバレーの生みの親でもある男のフロンティア精神に迫る。(文中敬称略) 1999年4月、ネットビジネス業界が1つのニュースに揺れた。

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著者
西川満 編
出版者
東亜旅行社台北支社
巻号頁・発行日
1943
著者
大江 準三 西川 訓利
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J89-B, no.9, pp.1569-1579, 2006-09-01

最近の自動車開発では,ITS(Intelligent Transport Systems)技術と総称されるように自動車の基本機能である「走る」「曲がる」「止まる」の高度化のみならず,環境適応性能や安全性能などの社会と高度に共存するための技術開発が進められ,更なる機能の進化を遂げている.その中でも情報通信技術いわゆるIT(Information Technology)は,ITS技術を実現するための不可欠な中核技術として位置づけられ,今や自動車の4番目の基本機能として「つながる」機能が定義されるまでに至っている.また,移動体である自動車での情報通信は無線が主体であり,情報の取込み口としての車載アンテナ技術は「つながる」機能を支える重要な中核要素をなしている.本論文では,車載アンテナ技術の変遷や動向について述べるとともに,自動車の意匠との整合性を保ちながらアンテナ性能を高めるといった特徴的な性能課題への取組み状況などにも触れながら,その技術概略についても述べてみたい.
著者
渡辺 公綱 横川 隆志 河合 剛太 上田 卓也 西川 一八 SPREMULLI Li SPREMULLI Linda lucy LINDA Lucy S SPREMULL Lin
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

本国際学術共同研究は、動物ミトコンドリアにおける暗号変化(UGA;普遍暗号では終止暗号がトリプトファンに、AUA;イソロイシンがメチオニンの暗号に、AGA/AGG;アルギニンが殆どの無脊椎動物ではセリン、原索動物ではグリシン、脊椎動物では終止暗号に変化、など)の分子機構をin vitro翻訳系を構築して、解明する目的で始められた。このような研究は、ミトコンドリア(mt)からその細胞内量から見ても、生化学的な研究に十分な試料を調製することが大変困難なこと、翻訳に関わるタンパク性諸因子がかなり不安定で単離が困難なことなどが主な障害となって世界的にも殆ど手がつけられていなかった。我々は特異構造を持つmt・tRNA(殆どのmt・tRNAではL型立体構造形成に関わっているDループとTループ間の塩基対を欠いていたり、DループやTループが欠落したものも見つかっている)と変則暗号解読の因果関係を探る目的で、mt・tRNAの大量調製法を確立し、その構造と性質を調べていたが、翻訳系の構築に必要な活性のある因子の調製ができなかった。国外共同研究者であるSpremulliのグループは、活性あるmtリボソームと翻訳系諸因子の調製に成功していたが、mt・tRNAの単離ができなかった。このような状況においてお互いのグループで開発したシステムと技術を合体させることにより、mtのinvitro翻訳系を構築し、暗号変化の分子機構を解明するという目的で平成3年度から本研究がスタートした。研究はかなり順調に進んできたが、本格的な展開はこれからであり、やっとその基礎が固まったという現状である。以下に年度を追ってその成果を述べる。[平成3年度]1)tRNAの特定配列に相補的な合成DNAプローブを用いたハイブリダイゼーション法を開発し、mt・tRNAの0.2-0.5mgオーダーの調製が可能になった。2)UCN(N=A,U,G,C)のコドンに対応するウシmt・セリンtRNAを単離、精製し、それが従来の遺伝子から推定されていた配列から、実際の構造がずれていること、アンチコドン・ステムは一塩基対長く、アミノ酸ステムとDステムの間が一塩基しかない、異常な2次構造をとること、この構造は哺乳動物mtに共通であることを明らかにした。3)ウシ肝臓から活性のあるリボソーム、開始因子(IF-2)、伸長因子(EF-Tu/Ts、EF-G)、アミノアシル-tRNA合成酵素(ARS)の調製方法を確立し、それらの性質を検討した。[平成4年度]1)AGY(Y=U,C)のコドンに対応する、Dアームを欠くセリンtRNAのセリルtRNA合成酵素(SerRS)による認識部位を決定する目的で、このtRNA遺伝子からT7RNAポリメラーゼによる転写物を調製し、種々の塩基置換を導入したtRNA変異体のSerRSによるセリン受容能を測定した結果、アンチコドンは認識に無関係だが、Tループが重要であり、中でもよく保存されたループ中央のA44の置換が決定的であることが分かった。2)ウシ・mtでポリ(U)依存ポリ(フェニルアラニン)合成系を初めて構築し、大腸菌の系との構成成分の互換性を検討したところ、mtのPhe-tRNA^<Phe>は大腸菌のEF-TuとGTPとで3者複合体を形成するが、そこからリボソームA部位への転移過程が働かないことを明らかにした。3)ウシ・mtのメチオニンtRNAの塩基配列を再検討し、アンチコドンの一字目に、5-ホルミルシチジンという新規修飾塩基が存在することを明らかにした。4)ウシ・mtフェニルアラニンtRNAの修飾塩基を含む塩基配列を決定し、RNaseや化学試薬への感受性からその立体構造を推定したところ、Dループ、Tループ相互作用はないが、Dアームとバリアブルループ間の3次元的な塩基対形成によってL型に近い構造をとっていることを見出した。[平成5年度]1)ポリ(U)依存ポリ(Phe)合成系の効率化の条件を検討し、1mMスペルミン存在下で大腸菌の系の約1/2のレベルまで合成効率を上昇させることに成功した。2)AUAがメチオニンの暗号であることを証明するために、AUAを含む人工mRNAを用いて、AUAに依存したメチオニル-tRNAのリボソームへの結合、ポリペプチドへのメチオニンの取り込みを調べたが、現在までのところまだ肯定的な結果は得られていない。3)ウシmtからホルミルトランスフェラーゼを精製し、fMet-tRNAを作成し、EF-TuとIF-2の結合をMet-tRNAと比較したところ、fMet-tRNAはIF-2と、Met-tRNAはEF-Tuとそれぞれより高い親和性を示した。これは単一tRNAがホルミル化によって開始と伸長の両反応に使い分けられる可能性を支持するものである。