著者
近藤 良享
出版者
中京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究ではRTP選手ではなくドーピング検査対象になっていない学生/選手(非RTPA)を対象にドーピング問題を検討した。結果として、検査方法などに抜け道があればドーピングに手を染める選手の現状は防止教育の難しさを物語っていた。問題解決に厳罰主義か、緩和主義かがある中、日本の「世間」という個人と社会の媒介を利用した、教育的スポーツを連帯責任システムによって堅持する方法論は検討に値する。伝統や美徳を大切にする共同体主義的傾向が強い日本社会では、教育的スポーツをベースにして、正しいスポーツ教育、スポーツのインティグリティ教育、ドーピング防止教育を推進することが必要と考えられる。
著者
近藤 伸彦 畠中 利治 松田 岳士
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1P3OS2102, 2019 (Released:2019-06-01)

教学IRにおいて近年とくに重要視されるものに「学習成果の可視化」があるが,成績や就職状況等のデータ,学生調査による間接評価のように,時間粒度の荒いマクロなデータのみから学生が実際に「いかに学んでいたか」という点について詳細に分析するのは難しい.しかしながら,学生の学びの具体的な改善のためには,そうした授業外も含めた学習のようすを把握し,個に応じた支援を行うことが重要であると考えられる. 本研究では,Scrapboxを用いてオンラインノートを作成する学習活動を核とした授業を対象に,オンラインノートの学習記録データに基づいて,学習プロセスと学習成果を関連付けた分析を行った.Scrapboxの機能とログデータを用いることで,オンラインノート上に知識のネットワークを構築する際のスタイルを定量化・可視化することができ,また異なる知の関連付けを意識した深い学びを行うほど理解の自己評価が高くなる傾向が見出された.
著者
近藤 一博
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

生理的疲労は容易に回復するが、病的な精神疲労は、生活の質を大きく低下させ、治療的介入を必要とする。 このため、これら2つを区別することは重要であるが、有用な鑑別法はなかった。 我々は、ヒトヘルペスウイルス(HHV-)6およびHHV-7が、生理的疲労を定量化するためのバイオマーカーとして有用であり、生理的疲労と、病的精神疲労を引き起こすと考えられる閉塞性睡眠時無呼吸症候群、慢性疲労症候群、および大うつ病を区別できることを見出した。この方法は、疲労を評価し、疲労関連疾患を予防するための根本的に新しいアプローチを示唆している。
著者
近藤 悠希
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.141, no.3, pp.387-391, 2021-03-01 (Released:2021-03-01)
参考文献数
20
被引用文献数
3

Health literacy is defined as the ability to obtain, evaluate, and scrutinize health information and make appropriate decisions and actions. The spread of the Internet means that medical and drug information is becoming increasingly accessible to patients. However, there is also a large amount of inappropriate and biased medical- and drug-related information on the Internet. Therefore, patients require a high level of health literacy to ensure the effectiveness and safety of pharmacotherapy. In particular, outpatients need a high level of health literacy because they use their own medications without the supervision of healthcare professionals. In this article, I discuss the situation of health literacy and access to pharmaceutical information on the Internet in Japan. Furthermore, issues related to providing drug information to specific populations are explained using the example of chronic kidney disease. It is essential for all pharmaceutical information stakeholders to work together to solve these problems.
著者
垣屋 聡 稲垣 朱実 三浦 奈穂子 伊佐治 美穂 近藤 正樹 本美 善英 板津 武晴
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.267-273, 2006 (Released:2009-01-19)
参考文献数
39
被引用文献数
3

中枢神経系の後遺症を残した低血糖昏睡3症例を報告する.症例1は79歳,女性.一過性脳虚血発作の既往と4期の腎症を認めていた.グリベンクラミド3.75 mg, アカルボース300 mg内服.入院時血糖値32 mg/dl, 約8時間の昏睡.頭部MRIの拡散強調像で右放線冠に高信号領域を認めた.血糖回復するも痴呆の進行を認め,肺炎,腎不全を併発し永眠された.症例2は61歳,男性.狭心症の既往がある.グリメピリド6 mg, アカルボース300 mg内服.入院時血糖値17 mg/dl, 約5時間の昏睡.頭部MRIはラクナ梗塞のみであった.血糖回復後も意欲の低下および記銘力の障害を残した.症例3は71歳,男性.パーキンソン病を合併.グリベンクラミド5 mg内服.入院時血糖値38 mg/dl, 約4時間の昏睡.頭部MRIは両側の放線冠,頭頂葉の大脳皮質に拡散強調像にて高信号領域を認め,血糖回復後も構音障害,見当識障害を残した.高齢者で動脈硬化性疾患や神経変性疾患を合併する場合,比較的短時間の低血糖昏睡でも中枢神経系の後遺症を残す可能性があり,スルホニル尿素薬の治療には注意が必要であると考えられた.また,低血糖脳症の診断に,頭部MRI拡散強調像は有用であると考えられた.
著者
森田 一三 森岡 久尚 阿部 義和 野村 岳嗣 稲川 祐成 近藤 由香 亀山 千里 近藤 香苗 小林 尚司
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.167-179, 2021-03-15 (Released:2021-03-30)
参考文献数
30

目的 高齢者における多剤併用は唾液の流量低下や口腔乾燥症を引き起こす可能性を高める。口腔の乾燥は口腔機能の低下をもたらすが,多剤併用と自覚的な口腔機能低下や客観的な口腔機能低下の関連について報告は見られない。そこで,本研究は投薬薬剤成分数と自覚的および客観的口腔機能低下の関連を明らかにすることを目的として行った。方法 2019年1月から2月に歯科健康診断のために中部地方の歯科医院を受診した,75歳以上の在宅高齢者215人を対象とした。自覚的口腔機能の評価として3項目の問診,客観的口腔機能として4項目の実測調査を行った。また,現在治療中の疾患および服薬している薬剤の情報を得た。自覚的口腔機能の3項目のいずれかに低下がある者を自覚的口腔機能の低下が認められるとした。客観的口腔機能の低下は2つのタイプについて検討した。1つは客観的口腔機能の4項目すべての項目に低下がある,もう1つは客観的口腔機能の4項目のうち2つの項目に低下があるとした。性別,年齢階級および治療中の疾患を調整した,自覚的および客観的口腔機能低下と投薬成分数の関連についてロジスティック回帰分析を用いて分析した。結果 8種類以上の成分を投薬されている者は7種類以下の者に比べ,自覚的口腔機能低下がみられた(オッズ比:95%信頼区間,2.3:1.0-5.1,P<0.05)。8種類以上の成分を投薬されている群は7種類以下の群に比べ4項目すべての客観的口腔機能に低下が見られた(4.4:1.5-12.6,P<0.01)。4項目のうち2項目以上の客観的口腔機能の低下は10種類以上の成分の投薬と関連していた(4.3:1.2-16.2,P<0.05)。 さらに,8種類以上の投薬成分数は自覚的口腔機能または客観的口腔機能4項目すべての低下をもたらした(8.1:2.1-30.8,P<0.01)。自覚的口腔機能または客観的口腔機能4項目のうち2項目以上の低下と10種類以上の成分を投薬されていることが関連していた(4.9:1.6-15.6,P<0.01)。結論 高齢者において薬剤成分数で8種類以上の投薬は,自覚的または客観的口腔の機能低下が見られることと関連した。
著者
近藤 尚子 田中 直人 中村 弥生 関口 光子
出版者
文化学園大学・文化学園大学短期大学部
雑誌
文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 (ISSN:24325848)
巻号頁・発行日
no.52, pp.111-115, 2021-03-31

本資料紹介では、本学所蔵のピエール・カルダン関連資料群について扱う。文化ファッション研究機構では、学内機関で所蔵されているが、リソースとして整理・公開されていない服飾関連資料の調査・デジタルアーカイブ化を進めてきた。そのなかで、2023年に創立100周年を迎える本学には、国内外のデザイナーに関して、実物服飾資料やその研究成果のみならず、交流記録も残されていることが判明した。文化服装学院の名誉教授であるピエール・カルダン氏は、1958〜2010年の間に計10回も来校しファッションショーも開催した、本学と特に関係の深いデザイナーの 1 人である。そのため、所蔵している資料は実物服飾資料、紙資料、画像、映像と多種多様であり、現時点で確認された資料数は1,055件にも上る。またこれら資料の多様性は、これまで資料所蔵機関として認知されていた教育部門、附属機関に加え、事務部門とも連携し調査を行えた結果でもある。このような部門を超えた連携は、研究の多様化や分野を超えた共同研究が進むなかで重要な意義を持つものであると考え、ファッション分野におけるオーソドックスな研究対象である実物服飾資料のみならず、その他の資料情報も併せて紹介する。
著者
近藤 克則
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.41-52, 2012-10-01 (Released:2018-02-01)
被引用文献数
1

小論の目的は,(1)健康格差と,(2)健康格差が生まれる経路に関する文献をレビューし,(3)社会政策の必要性と海外における事例を検討することである。社会疫学研究によって,(1)日本においても健康における社会経済的な格差があること,(2)社会経済格差拡大や介在要因としての社会的サポートやソーシャル・キャピタルのような「健康の社会的決定要因」から健康に至る複雑な影響経路が明らかにされてきた。(3)健康格差の縮小策として期待されるものにも,個人レベルと社会レベルのものとがあり,後者として社会政策は重要である。社会経済格差の是正やコミュニティのソーシャル・キャピタルを豊かにすることなどが必要である。海外での取り組み事例に学ぶと,教育,労働,所得保障政策など広い範囲の社会政策が健康政策になることがわかる。(a)上流にある根本的な原因へのアプローチ,(b)すべての政策において健康を考える,(c)環境への介入,という3つの考え方が根底にある。
著者
近藤 克則
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.435-436, 2018-02-23 (Released:2018-03-08)
被引用文献数
2

4 0 0 0 OA 南方の花

著者
近藤元 (元治郎) 著
出版者
文光堂
巻号頁・発行日
1912
著者
近藤 亮介
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.73-84, 2014-06-30 (Released:2017-05-22)

Shortly after the establishment of the Picturesque as the third aesthetic category, following the Beautiful and the Sublime, several pieces of English literature dealing with the Picturesque were published. One of the most popular pieces was William Combe's satirical poem, The Tour of Doctor Syntax, in Search of the Picturesque (1812). Dr.Syntax's character is based on Rev. William Gilpin, an advocator of the Picturesque. The poem indicates Combe's upper-class bias and middle-class focus: is not criticizing Gilpin himself, but rather the public fervor his theories kindled. In particular, Combe criticizes the popular picturesque tour. I suggest this is due to Combe's moral stance, and class affiliations. He sympathized with Quakerism, a middle-class Separatist group, for their pacifist tendencies. Although born into a merchant family, Combe tended towards upper-class conservatism, feeling that, unlike lower classes, they less often introduced urban vices to the countryside. His esteem for Quaker ideals of peace and simplicity, and for upper-class refinement as opposed to bourgeois populism, shapes this poem. While much scholarly attention has been paid literature criticizing upper-class notions of the Picturesque, this article focuses on Combe's criticism of the middle-class, and his reasons for it.
著者
近藤 由香 渋谷 優子 坂井 水生 大木 友美 奥山 貴弘
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_101-1_107, 2005-04-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
10

本研究は看護系大学院修士課程学生の入学志望動機と入学目的およびその関連要因を明らかにした。 1.学生は看護系4年制大学を卒業し,看護師実務経験のある未婚者が多かった。 2.入学志望動機は,勉強の必要性を感じた者が多かった。 3 .入学志望動機の比較においては,「仕事に疑問を感じた」は,30歳以上に,「親・友人から勧められた」は30歳未満に有意に高率であった。 4 .実務経験の有無による入学志望動機の比較においては,「幅広い視点で看護を見直したかった」,「仕事に疑問を感じた」は,実務経験有りに,また「親・友人から勧められた」は,実務経験無しに有意に高率であった。 5.入学目的においては,「研究能力を身につけること」や「博士課程への進学」は,修了後,教員・研究職を希望する者に多くあげられ,「専門領域を深めること」や「専門看護師の資格を取得するため」は,臨床等現場で働くことを希望している者に多くあげられた。

4 0 0 0 OA 骨盤骨折のIVR

著者
近藤 浩史 棚橋 裕吉 大澤 まりえ 山本 敬洋 横山 太郎 菅原 利昌 古井 滋
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1061-1067, 2016-09-30 (Released:2017-01-18)
参考文献数
17

高エネルギー外傷による重傷骨盤骨折は,出血性ショックの原因となる後腹膜血腫や合併損傷,多発外傷を生じる重篤な状態を引き起こし,死に至ることも少なくない。高エネルギー外傷では骨盤正面X線写真を系統的に読影し,すみやかに治療戦略を立てる。骨折部の安定化や止血術には簡易固定法,創外固定,骨盤パッキング,動脈塞栓術がある。動脈塞栓術は広く普及し,その有用性が報告されている。骨盤骨折の診断,治療方法を理解することは重要であり,本稿では骨盤骨折の診断から動脈塞栓術の方法について概説する。