著者
酒井 啓子
出版者
JAPAN ASSOCIATION OF INTERNATIONAL RELATIONS
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.149, pp.30-45,L7, 2007-11-28 (Released:2010-09-01)
参考文献数
39
被引用文献数
1

Women in Iraq have been always at the “periphery” of the multi-layered centre/periphery structures. They were located at the periphery of the traditional Muslim/Arab society in a Western/modernist sense. Iraq itself, on the other hand, is located at the periphery of the colonial and global economic system. Consequently, Iraqi women have found themselves in a double peripheral position, both at the international as well as the domestic level.The leftist political elites who became dominant in Iraq after 1958 understood the liberation of women as evidence of the progressiveness of modern society, as they opposed both feudalism and Western colonialism. The state under the Ba'thist regime in the 1970s controlled women's organizations and included them in the system of revolutionary mobilization. State control was strengthened during the war period in the 1980s as a means to mobilise women into the labour force.The leftist regimes in Iraq pursued this secular and de-Islamisation policy until after the Gulf war, but in the 1990s Saddam Hussein introduced a re-tribalisation and re-Islamisation policy as a means to compensate for the state's lack of ability to govern local society. This revival of traditional Muslim and tribal social systems drove women again to the periphery.The US invasion of Iraq and the removal of Saddam's regime has led to a change in the previous central/peripheral relationship. Iraq was placed at the periphery of the world political system under US/UK control. At the same time, the new Iraq regime, established following the general election in 2005, is led by Islamist political parties, which were in a peripheral/outlaw position in Iraq before 2003. Under this new situation, women have been divided into three categories. First, there is a group who utilise the US/Western support to “liberate/democratise” Iraq and demand the introduction of a Western legal and social system to protect women's rights. A second group accepts the newly introduced Western electoral system but not the Western-type equal political rights for women. The third are women members of Islamist political parties, who act as a part of the revolutionary forces pursuing the establishment of an Islamic state.Under both the leftist and Islamist regimes, revolutionaries have consistently pursued their own goal of “liberating” their nation from the rule of the “centre” of world politics, which is led by the Western system; sometimes they play up the nominal status of women to the state elites, but in other cases pursue their own aims at the expense of women's rights.
著者
中村 英次郎 井口 竹彦 中村 太郎 山田 秀大 七森 和久 酒井 祐一 林 義裕 畑田 和男
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.704-707, 1998-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
9

Five cases of the fracture of the sternum due to use of a seat belt were reported. According to the Fowler's classification, our cases were classified as TYPE: 1 case, Type IV: 3 cases and Type VIII: 1 case. With regard to four cases (type I and IV), the mechanism of the fracture was direct violence.A case associated with the injuries of interspinal ligaments of the thoracic spine, the mechanism of the fracture was indirect violence as flexion-compression injury. All cases were treated with rest and immobilization. The importance of radiographic examination on the sternum in patient of seat belt injury.
著者
浅利 美鈴 奥田 哲士 切川 卓也 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第29回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.161, 2018 (Released:2018-12-03)

被災した住民の方々(災害廃棄物を出したことのある人)を対象に、発災後の災害廃棄物に関する行動や評価の実態を把握するアンケート調査を実施した。結果、精神的なダメージを受けながらも、提示された分別に従おうとするスタンスが伺えた。他方、分別方法の提示はうまくいっているとは言えず、誤解も多い可能性が高いことがわかった。災害時の分別等に関する情報入手においては、コミュニティ(自治会や隣人付き合い)が重要であり、今後、平時のコミュニティ維持・再生も大変重要な側面となると考えられた。
著者
酒井 完 青山 哲也 高橋 渡 本田 晋也 中本 幸一 若林 一敏
雑誌
DAシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.69-74, 2018-08-22

本稿では,積和演算ライブラリを高位合成ツール上で実現するフローを提案する.まず,既存の高位合成ツール上の FIR フィルタ専用ライブラリで実現されているハードウェア構造を一般化し,本ハードウェア構造は従来適用対象であったパイプライン回路だけでなく順序回路においても使用可能であること,また DSP ブロックの適切な利用により高性能なデザイン生成が可能であることを示した.高位合成ツール上で本ハードウェア構造を実現する為,積和演算ライブラリ関数の呼出し部を適切な単位で分割し,各分割単位を多サイクル入力型のパイプライン演算器として合成するフローを提案した.本フローを高位合成ツール CyberWorkBench (R) 上に構築し,より高性能なデザインが得られていることを確認した.
著者
西村 充 酒井 英徳 浅井 貴浩 北村 岩雄 村井 忠邦 池田 長康
出版者
富山大学
雑誌
富山大学工学部紀要 (ISSN:03871339)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-8, 1998-02

Winter lightning in Hokuriku area called one shot lightning has different features from summer lightning. The thundercloud in winter is very low in its height and very wide in extend area and it has very large energy in comparison with that of the summer one. The object of this study is to examine the position and its extent area from acoustic thunder sound and is also to know numbers of branches within lightning discharge from the wave from of the acoustic signal. Two simple models for total discharge area and for the discharge detail figures are presented. The measured signal of thunder is compared with the results from the simple model.冬の日本海側でも特に,北陸地方で雪の激しく降っている時等に発生する自然現象に「プリおこし」とか「雪雷」と呼ばれる冬季特有の雷がある。最近は停電事故の大半が落雷に起因するので電力会社に於いては,高度情報化社会での信頼性を維持する上で,雷対策は極めて重要な課題である。特に,この冬季の雷は次のような特徴がある。すなわち,1 ) 空の視覚的な状況等からは全く発生が予測できない。2 ) 一発雷と呼ばれ昼夜関係なく突然落雷する。3 ) 落雷時のエネギーが非常に大きく夏の雷の数百倍にも達する。4 ) 夏に比べ雷雲の位置が非常に低い。5 ) 雷雲は地平方向に広い範囲で分布するなどである。このため現在も莫大な被害を被っている。現在,これらの雷放電の研究はカメラを使った光学的方法や,電磁波による測定等が行われてはいるが,発生位置や時間は未だに不明確である。しかも同時に複数の放電が発生することも多く,相当困難である。しかし,冬季雷における特徴のりとめを逆に利用した当研究は,雷の放電範囲とその形や場所等が簡単な装置で確実に特定できる可能性がある。また,そのデータから雷の大きさや放電の間欠性,地理的特徴等との関連性の解析を進めることで,巨大なエネルギーを放出する冬季雷の構造解明にも役立つものと考えている。この論文前半は雷鳴の測定波形の多点観測により,放電範囲を大局的に把援する方法の研究を説明し,後半では測定波形の形状より詳細な放電路の推定可能性について述べる。
著者
五十嵐 幹二 河崎 孝弘 小片 展之 酒井 忠司 一柳 薫 藤森 新 山内 俊一
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.417-421, 2006 (Released:2009-01-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1

症例は17歳男性.主訴は口渇,体重減少.受診時,意識清明であったが,血糖値は1,107 mg/dl, HbA1C 13.5%と著明に高値.動脈血pH 7.36と正常域内だが,血中総ケトン体は8,460 μmol/lと上昇.抗GAD抗体陰性,清涼飲料水多飲歴,肥満(BMI 29.9)より清涼飲料水ケトーシスと診断した.入院後,インスリン療法と補液により高血糖は速やかに是正された.血清フルクトース値は入院時517.3 μmol/l(基準値:10 μmol/l以下,1 μmol/l=0.018 mg/dl)と異常高値を示し,翌日には67.9 μmol/lまで低下(血糖値330 mg/dl),第11病日では18.9 μmol/l(血糖値218mg/dl)となった.同程度の高血糖病態である糖尿病性ケトアシドーシス(n=10)に比べ,清涼飲料水ケトーシス(n=3)の入院時血清フルクトース値は明らかに高値であり,この著明な高フルクトース血症が清涼飲料水ケトーシス発症に関与していることが強く示唆された.
著者
酒井 久実代 河﨑 俊博
出版者
関西大学大学院心理学研究科心理臨床学専攻
雑誌
Psychologist : 関西大学臨床心理専門職大学院紀要
巻号頁・発行日
vol.8, pp.49-59, 2018-03-16

本研究では、「振り返り日記」の継続実施による、精神的健康への影響を検討することを目的とした。本研究では、実験参加者を募り、応募者をランダムに3群(出来事筆記群、感情筆記群、フェルトセンス筆記群)に振り分け、30日間の日記筆記を実施した。出来事筆記群では、一日の出来事を主に記述し、感情筆記群では出来事とそれに関連する感情を記述した。フェルトセンス筆記群では、出来事と感情及び、それらにまつわるフェルトセンスの記述を求めた。また、日記の実施前、実施直後、1カ月後に質問紙調査を実施し、日記終了後に自由記述形式で感想を求めた。日記の内容を確認したところ、教示通りではなかったため、本研究では3群を合わせて質問紙調査の結果を検討することにした。得られたデータを分析した結果、次のことが示された。心理的ストレス反応では、4下位尺度(疲労、怒り、循環器不調、抑うつ)において日記筆記前よりも日記筆記後に有意な低下がみられた。また、GHQ12の「うつ症傾向」、「社会的活動障害」においても有意な低下が確認された。精神的健康へのポジティブな影響としては、「本来感」と「本来的自己感」において、筆記前よりも筆記後に有意に増加していることが示された。さらに、自由記述を検討したところ、79の文章が抽出され、20個のキーワードが作成された。キーワードを類似性によりまとめると、「気持ちの整理」、「新たな気づき・理解」、「前向きな気持ち・考え」、「変化」、「反省」に整理された。これらの結果から、「振り返り日記」の効果について考察した。

3 0 0 0 OA 算術学本義

著者
酒井佐保 著
出版者
大日本理科通信講習会
巻号頁・発行日
1900
著者
前川 要 千田 嘉博 高橋 浩二 村越 潔 酒井 英男 モリス マーティン 宇野 隆夫
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

研究成果の慨要を下記の3つに分けて記す。(1)遺跡の年代われわれの唐川城跡における3年間の測量・発掘調査の最大の成果は、中世城館ではなく古代環壕集落であることを明らかにしたことである。いままで、中世城館として考えられ、環境集落の研究史では全く採り上げられなかった。それは、第1次調査における土塁の盛り土から出土した土師器碗破片と土塁の上から検出された鍛冶炉跡SX02の埋土基底部から出土した土師器甕口縁部より明らかとなった。遺跡の存続年代は、従来の土器編年観から10世紀半ばから11世紀初頭頃で、年代的には、50年から60年ほどの期間である。(2)規模・機能と集住唐川城跡については、従来略測図のみ公表されていたが、今回トラバース測量を実施して正確な測量図を作成した。その結果、面積が約8万2千m^2、浅い空堀状の遺構,2条の空堀跡と外土塁、竪穴住居跡あるいは鉄生産関連遺構と考えられる窪みを多数確認した。これらのことから、唐川城跡は,二条の空堀と浅い空堀状の遺構によって,北から3つの郭で構成され、そして中心の郭が最も大きく高いことが判明した。また城城内に竪穴住居跡,鍛冶関連遺構が41箇所存在することを確認した。また、小鍛治の関連と想定される小型の窪みは16箇所以上存在する。第2次発掘調査では、2軒の住居跡を検出したが、いずれも新旧2時期存在した。そのことから、41箇所の2倍程度、つまりすくなくとも百軒弱の集落であることが推定できる。井戸は、井戸は北側郭と南側郭に各1基確認した。どちらの井戸も上端幅約10m,深さ約2.5mを測る。第1次調査では、南側郭の井戸を半分断ち割りしたが、湧水層が確認できず溜井戸の可能性がある。また、井戸周辺に竪穴住居跡あるいは,鍛冶関連遺構と推察する円形の窪みを確認した。鉄生産の際の水を溜める遺構の可能性がある。(3)手工業生産今回の大きな成果の一つは、精錬炉が盛り土をした階段状遺構の頂上から2碁見つかったことである。付章の深澤・赤沼論文によると、鯵ヶ沢町杢沢遺跡と同様の竪型炉であり、関連性が考えられる。従来、環壕集落からは、小鍛冶炉を検出した例はあるが、精錬炉を検出したのは初めてである。北側井戸周辺では直径約2m前後の窪みが約7箇存在しており鉄滓が地表面採集できる。さらに南側井戸東側平坦面にも10基以上の窪みがあり、ここでも鉄滓が地面採集できる。これらのことは、少なくとも北郭と南廓では、精錬と小鍛冶を一連の工程で、土木工事を含めて、大規模かつ組織的に行っていたことを示している。また、内面漆塗りの土師器甕が出土したことは、漆容器として使用された可能性がうかがわれ、漆生産工房があったことを推測させる。
著者
酒井 亮爾
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学論叢. 心身科学部紀要 (ISSN:18805655)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.51-60, 2007-03-31

いじめは人権問題であるといわれているが,とくに学校におけるいじめ自殺はあってはならない問題である.最初にいじめが社会的な問題として取り上げられた1986年に起こったS君の「葬式ごっこ」事件であり,次には1994年に多額の現金をゆすられていたKO君の自殺事件であった.こうした事件の後,文部科学省や都府県でいじめ問題の抜本的な解決を目指した取り組みがなされてきた.しかし,2006年には小・中学校で相次いでいじめによる自殺が起った.いじめが社会問題化するたびに種々の対策が叫ばれ提案されてきたが,時間の経過とともにそうした対策が実効性をもたなくなってきた.ここでは2006年に中学校で起った2つのいじめ自殺事例を取り上げ,社会問題化する契機となった小学生のいじめ自殺も考慮にいれて,文部科学省の種々の提言を取り上げていった.
著者
酒井 敏夫 増田 充 荒井 聡博 大野 恒男 田辺 正夫
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.111-116, 1951-08-01

吾々は, 徹夜時に見られる心身諸変化の消長を詳細に観察する目的を以つて, 蓮続反応時, 時間錯誤, 膝蓋腱反射閾値, 脈膊恢復曲線, 体温, 血圧, 及び尿竝びに唾液のpHを逐時的に測定した。共の結果,<BR>(1) 体温, 及び尿のpH, は, 漸次下降する傾向にある。唾液は, 尿のpHほど一定の傾向が得られなかつた。<BR>(2) 血圧は, 順時下降し, 特に最小血圧の変動は, 徹夜作業時に微妙な関係を有しているようであつた。<BR>(3) 運動負荷に対する, 脈膊数の増加は, 時間の經過につれて減少し, 又恢復時間も延長するようであつた。<BR>(4) 膝蓋健反射閾値の逐時的変化は, 從來発表されている成績と一致した。<BR>(5) 時間錯誤試験では, 午前12時を境にして正の錯誤, 負の錯誤が著明で, その移行は逐時的なものが説察された。<BR>(6) 迚続反応時より見たる徹夜時の大腦機能は午前12時頃までは本実験の如き精神負荷では漸次集中過程に入り, それ以向は, 興奮と抑制の強い混在が著明に現われて來るようであつた。翌日に於ける大腦機能では, 從來吾々が実験し得なかつた大腦皮質興奮の異常なものの存在を知つた。
著者
田中 美穂 渡辺 靖之 大野 慎介 田丸 貴臣 手嶋 紀雄 酒井 忠雄
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.291-296, 2004 (Released:2004-09-13)
参考文献数
20

コバルト(II)による鉄(III)の還元反応は,2-(5-ニトロ-2-ピリジルアゾ)-5-(N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ)フェノール(nitro-PAPS)の共存下,pH 3.5の条件で進行する.この反応の生成物である鉄(II)-nitro-PAPSキレートは,790 nmに鉄(II)キレート特有の吸収極大を有する.したがって,この錯体の吸光度を測定することにより,コバルト(II)の吸光光度定量が可能である.この酸化還元反応を2流路のフローシステムに導入したところ,コバルト(II)2.5×10-7~1.0×10-5 Mの範囲で直線性の良い検量線が得られた.コバルト(II)の検出限界(S/N=3)は1.0×10-7 Mであり,2.5×10-6 Mのコバルト(II)を10回繰り返して測定した際の相対標準偏差は0.3% であった.1時間当たり約70検体のサンプル処理が可能である.本法は,コバルト合金(NIST SMR 862; High Temperature Alloy L 605)及びリョウブ(NIES標準試料No. 1)中のコバルトの定量に応用され,良好な結果が得られた.更に本法により市販医薬品中のコバルトを定量し,間接的にビタミンB12を測定することができた.
著者
木村 健 井戸 健一 堀口 正彦 野上 和加博 古杉 譲 田中 昌宏 吉田 行雄 関 秀一 山中 桓夫 酒井 秀朗
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.206-213, 1980-02-05 (Released:2007-12-26)
参考文献数
25

経皮経肝的門脈カテーテル法は門脈造影を始め,門脈圧測定さらには門脈圧亢進症に於ける胃冠状静脈塞栓術等の臨床診断並びに治療への応用が広く,且つ門脈血の経時的分析も可能であり,肝•膵疾患の病態の解析にも有力な手法となつており,現在我々の教室ではこれら疾患に於けるルーチンの検査として施行されている.本法を肝疾患56例,胆石症22例の計78例に施行し,75例(96.2%)に成功し,その成功率は極めて高い.合併症としては,内科的に改善をみた腹腔内出血の1例,他にいづれも一過性の発熱と肝機能の悪化の各々2例に留まつており,本法の安全性も極めて高い.本法の手技,各肝疾患に於ける門脈圧及び門脈血•末梢血のIRI•CPR測定値を報告し,経皮経肝的門脈カテーテル法の臨床的意義と展望について述べた.
著者
深水 圭 酒井 和子 甲斐田 裕介 大塚 紹 和田 芳文 杉 健三 奥田 誠也
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.367-374, 2014 (Released:2014-06-28)
参考文献数
13
被引用文献数
3

血液透析 (HD) 患者におけるカルニチン欠乏は, 貧血や低栄養を惹起しQOLを低下させる. 最近わが国において透析患者に対するL-カルニチン経口・静注治療が可能となり, その効果が期待されている. 今回, HD患者に対する6か月間のL-カルニチン900mg経口投与が貧血や栄養状態にいかに影響するかについて, さらに500mg, 1,000mg静注への切り替えによりカルニチン濃度がどのように推移するかについて観察した. 総カルニチン50μmol/L未満の102人のHD患者を単純無作為化によりコントロール群, L-カルニチン群に分け, 6か月後の時点で観察し得た患者を比較検討した. カルニチン投与群 (n=23) では, コントロール群 (n=24) と比較しすべてのカルニチン濃度は有意に上昇し (p<0.001), アシルカルニチン/遊離カルニチン (A/F) 比は低下した (p=0.006). コントロール群と比較しL-カルニチン群ではHt (p=0.02), 総コレステロール (p=0.002), 中性脂肪 (p=0.022) が上昇し, AST (p=0.008), ALT (p=0.013) は低下した. 経口900mgから静注1,000mg (n=8) への切り替えはHD前後, 静注10分後においてすべてのカルニチン濃度を上昇させたが, 500mg (n=6) への切り替えは経口投与と同等であった. 500mgと比較すると1,000mgへの切り替えはHD前後ともに遊離カルニチンを上昇させたが有意差は認めなかった. カルニチン欠乏HD患者に対するL-カルニチン900mg経口投与は貧血や栄養状態, 肝機能を改善しうる可能性を見出した. カルニチン濃度, 患者アドヒアランス, 医療経済効果, トリメチルアミン-Nオキシド産生等を考慮すると静注が推奨されるが, 今後はどちらの投与方法が透析患者に有用であるかを検証するための比較試験が必要である.
著者
酒井 直樹
出版者
新潟国際情報大学国際学部
雑誌
新潟国際情報大学国際学部紀要 (ISSN:21895864)
巻号頁・発行日
pp.1-28, 2015-07-01

新潟国際情報大学開学20周年記念情報文化学部情報文化学科学術シンポジウム特集
著者
伊藤 友二 澤田 孝幸 今井 和明 木村 尚仁 酒井 士郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.235, pp.23-30, 2000-07-20

金属/n, p-GaN界面の電気的特性をI-V, C-V測定およびI-V-Tシミュレーションにより評価した。金属/n-GaN界面において報告されているショットキー障壁高さやリチャードソン定数のばらつき、障壁高さに対するI-V, C-V測定結果の差異、I-Vショルダーの出現は、障壁高さの不均一性の存在、すなわち、"パッチモデル"によって説明されることを示した。また、金属/GaN界面のフェルミ準位位置について、金属/n, p-GaNショットキー試料のI-V-T特性の測定から、n形およびp形ショットキー障壁高さの和、φ_<bn>+φ_<bp>、がGaNのバンドギャップに近い値となることを明らかにした。