著者
石川 大介 栗山 和子 酒井 哲也 関 洋平 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.73-85, 2010-05-15
参考文献数
19

本研究では,Q&A サイトにおけるベストアンサーを計算機が推定可能か検証した.まず最初に,人間の判定者によるベストアンサー推定実験を行った.ベストアンサー推定実験にはYahoo!知恵袋データを利用し,「恋愛相談」「パソコン」「一般教養」「政治」の4つのカテゴリからそれぞれ無作為抽出した50 問を使用した.判定者二人による推定結果の正解率(精度) は,「恋愛相談」では50%と52%(ランダム推定:34%),「パソコン」では62%と58%(ランダム推定:38%),「一般教養」では54%と56%(ランダム推定:37%),「政治」では56%と60%(ランダム推定:35.8%) であった.次に,この実験結果を分析し,ベストアンサーを選ぶ要因として「詳しい」「根拠」「丁寧」を素性とする機械学習システムを構築した.判定者らと同じ50 問を用いた推定実験の結果,機械学習システムの精度は,「パソコン」では判定者らの結果を上回り(67%),「恋愛相談」では判定者らの結果を下回った(41%).「一般教養」と「政治」では機械学習システムと判定者らの結果はほぼ同等であった.
著者
石川 大介 酒井 哲也 関 洋平 栗山 和子 神門 典子
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.362-382, 2011-09-27
参考文献数
24
被引用文献数
1

コミュニティ型質問応答サイト(CQA)は,ユーザが自身の状況に応じた情報を得ることができる新たな手段である.しかし投稿された回答の質は様々であるため,その中から良質な回答を選択する方法が求められている.そこで本研究は,まず Yahoo!知恵袋データにおける良質回答を人手で分析し,その結果に基づいて良質回答自動予測システムを構築した.具体的には,「恋愛相談」「パソコン」「一般教養」「政治」の4つのカテゴリからそれぞれ無作為に50問の質問を抽出し,判定者2名によって手作業で良質回答を決定した.次に,その結果を分析し,良質回答の特徴として「詳しさ」「根拠」「丁寧さ」に基づく機械学習システムを構築した.機械学習システムの評価結果は,「パソコン」と「一般教養」カテゴリでは判定者らを上回った.「恋愛相談」と「政治」カテゴリでは,機械学習システムの評価結果は判定者らとほぼ同じであった.以上の結果から,CQAアーカイブから自動的に良質回答を発見するシステムの可能性が示唆される.
著者
酒井 直人 竹原 康雄 山下 修平 馬場 聡 難波 宏樹
出版者
浜松医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

脳神経外科手術において頭蓋内腫瘍の硬さは手術の難易度を左右する。核磁気共鳴エラストグラフィー(MRE)は非侵襲的に生体内に組織の弾性率、すなわち硬さを測定することができる画期的な方法である。我々は、MREを用いて代表的な4つの頭蓋内腫瘍:髄膜腫、下垂体腺腫、前庭神経鞘腫、グリオーマに対してMREを用いて術前に弾性率を評価し術中の硬さとの相関について研究を行った。その結果、術前のMREの弾性率と術中の腫瘍の硬さは相関した。MREは術前に硬い腫瘍を鑑別するのに有用と考えた。
著者
酒井 裕二 竹ノ内 正紀 阿部 正彦
出版者
色材協会
雑誌
色材協會誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.47-52, 2000-02-20
参考文献数
12
被引用文献数
1

化粧品クレンジング油として注目されているテトラオレイン酸ジグリセロール (DGTO) と汎用の油である流動パラフィン, トリ-2-エチルヘキサン酸グリセロール (GTE) との乳化特性が比較検討された。<BR>その結果, DGTOを用いた場合, 水よりも油の含有量が多い系においてさえも分散媒が水であるO/Wm系やWm相が形成しやすいことがわかった。また, 水と油の界面張力値は, DGTOを用いた場合が最も小さかったために, 用いた他の2種類の油ほど界面活性剤の添加効果は認められなかった。さらに, 小角X線散乱測定を行ったところ, DGTO分子は液晶間にほとんど溶解されず, 微小の液滴として存在していることがわかった。これらの特性は, DGTO分子がもつ大きな有機性値と無機性値に起因することが示唆された。
著者
酒井 裕二 鈴木 将史
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス = / Japan oil chemists' society (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.91-96, 2004-03-01
参考文献数
46

基礎化粧品とエマルションは密接に関連し合っている。そのため, エマルション技術の向上が化粧品の品質向上につながり, 化粧品技術の進歩がエマルション研究を底上げする図式となっている。このような視点から, 筆者らはジグリセロールテトラオレート (DGTO) を開発し, その特異的乳化挙動と化粧品のクレンジングへの応用について検討した。乳化挙動においては, O/W乳化傾向が高いこと, 界面張力が低いこと, 液晶への溶解性が低いこと, 吸油量が低いことが他の油と比較して際立っていた。このため, この油を配合したクレンジングクリームは, 高いクレンジング機能を有することが分かった。これらの特性の要因として, 有機概念図上の有機性値と無機性値が高いことが考えられた。
著者
酒井 潤也 森中 義広 日野 工 廣戸 優尊
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.BbPI1179, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】脳卒中片麻痺者の歩行における特異的変形の一つに反張膝が挙げられる。反張膝の誘発原因の一つに、下腿三頭筋の高緊張による尖足にて下腿後方倒れを引き起こし、反張膝へと移行する高緊張型(尖足性)反張膝。もう一つは、下肢全体の低緊張にて立脚期の膝折れやスナッピング膝の歩行不安定、その恐怖感を解消するためロッキング歩行を意図的に行い反張膝に移行する低緊張型反張膝で、どちらも膝関節ロッキングによる長年の歩行継続で重症化、歩行困難へと陥る変形である。一般的な反張膝の予防・解決法として、短下肢装具による背屈位矯正で立脚期の下腿前倒しを強制的に行い、膝関節の屈曲モーメントを発生させる手段が多用される。我々は逆に足関節を過度に矯正せず底屈位でheel補高を行い、床面に対するSVA(Shank to Vertical Angle:下腿前傾角)を整え、立脚期に閉じた力学的連鎖(CKC:Closed Kinetic Chain)を形成する手法にて、歩行の推進力を損なわせず反張膝変形の進行・重症化予防を両立。今回、様々な片麻痺反張膝に対する本下肢装具療法の有効性を検証した。【対象】Case1.女性50歳、平成5年脳動静脈奇形Ope(左片麻痺)、下肢Br.stage4、SHB(背屈2度)装着。筋緊張軽度亢進、内反尖足と元々の膝関節ルーズニングにて反張膝を来たす。反張膝角度6度。Case2.男性78歳、平成1年脳梗塞発症(左片麻痺)、下肢Br.stage3、SHB(底背屈0度)装着。痙性麻痺の伸筋優位型、尖足による立脚期の膝ロッキング出現。日常の歩行量も多く、体重も重いため放置すれば重症化し歩行困難に陥る症例。反張膝10度。Case3.男性80歳、昭和55年脳出血(左片麻痺)、Br.stage3、SLB装着。筋緊張非常に亢進、強度尖足・ロッキング歩行を続けたことで強度反張膝変形を来たす。本下肢装具療法介入前に何度もSLB破損。反張膝30度。Case4.女性75歳、昭和63年脳梗塞発症(左片麻痺)、Br.stage4、低筋緊張にて膝の不安定性解消のため意図的なロッキング歩行、次第に反張膝が強くなった。反張膝25度。【説明による同意】報告する患者、家族には本下肢装具療法に対する費用と歩行訓練内容、歩行量、転倒リスク、訓練期間、撮影、学会発表など説明し同意を得ている。【方法】上述4症例に対し、反張膝変形の進行・重症化予防と歩行能力向上の目的で、足関節と膝関節の同時制御が可能なC.C.AD継手付P.KAFOを処方。評価項目は発症から本下肢装具療法介入までの期間、10m歩行スピード、歩数、重複歩距離の比較。また立脚期の膝過伸展(反張膝)角度の比較と反張膝の進行予防度合いを評価した。【結果】Case1.発症から9年経過し当院外来受診。P.KAFO Set up(足継手底屈3度後方制限、膝継手屈曲5度伸展制限)、患側heel1cm補高。10m歩行9秒→5秒、歩数24歩→14歩、重複歩距離83cm→143cm、立脚期の反張膝角度6度→0度。処方後6年経過の現在、他院の外来リハ通院中。反張膝変形は増悪なし、歩行レベルは維持出来ている。Case2.発症1年6ヶ月経過し外来受診。P.KAFO(足継手底屈2度後方制限、膝継手屈曲5度伸展制限)、患側heel1cm補高、健側補高1cm。10m歩行108秒→7秒、50歩→12歩、重複歩40 cm→166cm、反張膝角度10度→0度。処方後18年経過、反張膝は増悪なし、歩行レベル維持。Case3.発症15年、当院受診。P.KAFO(足継手なし底屈5度固定、膝継手屈曲10度伸展制限)、患側heel2cm補高、健側補高2.5 cm。10m30秒→20秒、34歩→24歩、重複歩59 cm→83cm、反張膝30度→0度。処方後7年経過、反張膝は増悪なし、歩行レベル維持。Case4.発症1年、当院入院。P.KAFO(足底屈5度後方制限、膝屈曲10度伸展制限)、患側heel2cm補高、健側補高2.5 cm。10m34秒→22秒、29歩→22歩、重複歩69 cm→90cm、反張膝30度→0度。処方後11年間は反張膝増悪なく歩行レベルは維持していたが、脳梗塞再発により歩行不能となった。【考察】反張膝変形の本矯正装具に求められる方法は、1.過度な背屈矯正をしない(下腿三頭筋の過度なストレッチを防ぎ、疼痛軽減や装具との反発を解消)、2.底屈位の足関節を床面から垂直に立ち上げる麻痺側heel補高(下腿後方倒れ防止)、3.麻痺側heel補高に合わせた健側補高(骨盤の左右差を調整、麻痺側振り出しスペースの確保)、4.膝継手を使用し適度な伸展位(屈曲位)制御で膝関節の保護を行う。ことが有効と考える。【理学療法学研究としての意義】反張膝に対する膝関節の制御には、足底からのSVAを整えた膝関節を中心としたCKCの形成原理に基づき装具処方を再考すべきである。
著者
綱川 孝俊 酒井 忠幸 阿久津 正浩 小堀 功男
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.62, pp.32-34, 2019-03

ミヤコタナゴの生息状況を把握するため,秋に県内4カ所の生息地において調査を行いました。復元に向け試験放流を行った羽田生息地は,羽田沼の泥流入と水位低下の影響によりミヤコタナゴを確認することができませんでした。滝岡生息地では泥上げ作業時に82個体の生息を確認し,そのうち稚魚は37個体でした。A生息地の生息数は推定375個体と過去2番目の多さでした。矢板生息地では227個体と前年よりも減少しましたが,稚魚が47個体確認され,再生産が良好に行われたことがわかりました。
著者
穗髙 武 酒井 智紀
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1581-1586, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
14
被引用文献数
1

本報では温度を考慮したタイヤ転がり抵抗の補正式を簡易的な手法で実施する為に,従来の転がり試験機とトレッドゴムの材料特性から補正する技術を構築した.その結果として同様の補正が可能であることが確認された.更に将来的なタイヤモデル式への展開を考慮し、タイヤ転がり試験におけるタイヤ熱収支モデルを紹介する.
著者
荻野 司 須永 修通 増井 周平 酒井 浩介
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.81, no.729, pp.1007-1016, 2016

&nbsp;The Active Energy-saving Control System for Air-Conditioning (hereafter called "AECS-AC") was introduced to an office room where there were multiple indoor air-conditioning units and the results of verification experiments conducted in summer and winter with a focus on the thermal environment and the temperature adjustment actions of the people in the room were analysed. This system reduces deterioration of room conditioning by sensing when the occupants switch the air conditioning on and off. Ultimately, the system should satisfy the thermal comfort requests of occupants by feedback of their adjustment behaviour, rather than by collecting the occupants' attributes, thermal and comfort sensations, and psychological conditions.<br>&nbsp;The main results are as follows.<br>&nbsp;1) In summer (Jul.-Sep.), AECS-AC was conducted at a pre-set temperature of 26&deg;C in an office room with multiple indoor units, which were alternately grouped into two. After the air conditioning mode was stabilized, the mean room temperature was maintained at 26-28&deg;C irrespective of the outdoor temperature. The temperature variation at the sensor positions due to the start-stop operations of the indoor units was 1-1.5&deg;C and the room temperature variation across the office room was about 2-3&deg;C.<br>&nbsp;2) In winter (Dec.-Feb.), AECS-AC was conducted at a pre-set temperature of 22&deg;C in an office room with multiple indoor units, which were alternately grouped into two. After the air conditioning mode was stabilized, the mean room temperature was maintained at 22-25&deg;C irrespective of the outdoor temperature. The temperature variation at the sensor positions due to the start-stop operations of the indoor units was 1&deg;C and the room temperature variation across the office room was about 2&deg;C.<br>&nbsp;3) In the air-conditioning control according to the number of occupant's switching-on/off actions, the AECS-AC followed the change in the thermal environment caused by the influence of the outdoor temperature.<br>&nbsp;4) The number of manual switching-on/off actions varied from place to place in the room and differed between the perimeter side and the interior side. The occupant's preference on the thermal environment could be deduced from their air conditioner adjustment actions.<br>&nbsp;5) According to the questionnaire results in winter, almost neutral air-conditioning control could be realized for the occupants based on their answers that 60-80% were neither hot nor cold. Regarding comfort evaluation, about 50% of answers of &ldquo;comfortable&rdquo; and &ldquo;slightly comfortable&rdquo; were accounted, and it went up to about 80-90% if including the answers of &ldquo;neither of them.&rdquo;<br>&nbsp;The above results show that the AEC-AC based on the number of people's air conditioning adjustment actions realized air-conditioning control appropriately to the thermal environment of an office room with multiple air conditioners.<br>&nbsp;Furthermore, the possibility of personal-like air-conditioning realization was shown by controlling an indoor unit individually.
著者
米元 耕輔 鳥尾 倫子 酒井 康成 酒田 あゆみ 大賀 正一
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.360-361, 2018 (Released:2018-09-28)
参考文献数
8

Pallister-Hall症候群 (PHS) は, 多指症, 視床下部過誤腫を含む多発奇形と精神運動発達遅滞を特徴とする遺伝性疾患である. 視床下部過誤腫に伴う笑い発作がてんかん発作の特徴として知られるが, 初発時の診断に苦慮する場合がある. 症例は3歳女児. 新生児期に多指症, 直腸腟前庭瘻および視床下部過誤腫が認められPHSと診断された. 生後2か月から, 表情変化のない, 咳き込み様の症状が出現し, 10か月および2歳2か月時に同症状の頻度が増加したが, 脳波上異常所見なし. 3歳時, 同様の咳き込み症状は笑い表情を伴うようになり, 症状に一致して全般性徐波が認められた. Valproateとclobazamを併用し, 笑い発作は良好にコントロールされた. 乳児期早期の笑い発作は, 必ずしも表情変化を伴わない場合がある. 笑い発作は本症例のように無治療で増減を繰り返すことがあり, 症状減少後も長期的フォローアップが必要である.
著者
湯元 良子 田川 茉希 永井 純也 酒井 正彦 桑田 直治 木平 健治 石野 岳志 平川 勝洋 高野 幹久
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.951-955, 2008 (Released:2010-02-07)
参考文献数
19

Burow’s solution,a hospital preparation,exhibits antibacterial activity against methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) and other microorganisms that are commonly observed in chronic supprative otitis media.However,it takes several days to prepare Burow’s solution by the method commonly employed in Japan and it is difficult to ensure constant quality.With this in mind,we examined the pharmaceutical and pharmacological characteristics of Burow’s solution and developed a new prescription for it (Neo-Burow’s solution) having an aluminum acetate base.The new prescription takes only a few hours to prepare,is convenient,and ensures a solution of constant quality.In this study,we examined the clinical effects of Neo-Burow’s solution in external and internal otitis.We prepared NeoBurow’s solution in the Department of Pharmacy and used it for 13 patients in whom commercially available antibiotics had had no effect,in the Department of Otorhinolaryngology of Hiroshima University Hospital.Nine of the patients completely recovered after treatment with Neo-Burow’s solution,and it had some effect in 1 patient but was completely ineffective in the remaining 3 patients.No adverse reactions were observed.Our results indicated that Neo-Burow’s solution was effective and safe in the treatment of chronic suppurative otitis,even that accompanied by MRSA.We have received a lot of inquiries about Neo-Burow’s solution from pharmacies and other hospital facilities,most of them relating to its preparation and preservation.Our manuscript includes a summary of the inquiries and the answers given to them.
著者
荒川 豊 石田 繁巳 酒井 幸輝 谷津 ゆい子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.e36-e41, 2021-08-15

緊迫化する地方自治体の財政への対応として,限られた財源を有効に活用するために,施策成果をより正確に分析し,見直していくEBPM(客観的証拠に基づく政策立案)の推進が求められてきた.しかしながら,現在多くの地域では施策の効果検証や分析まで人手が回らず,また外部委託が必要でお金と時間が足りないなどの課題を抱えており,本格導入には至っていない.そうした状況を打破すべく,国内最大規模の広告位置情報ビッグデータを活用して観光拠点単位で人流の検出と集計を担う政策立案評価システムを開発,自治体職員がコロナ禍の人流抑制などを即時かつ安価に把握で環境を整えることで観光分野におけるEBPMの推進を目指す取り組みを紹介する.
著者
酒井 美絵子
出版者
朝日新聞出版
雑誌
Aera = アエラ (ISSN:09148833)
巻号頁・発行日
vol.34, no.18, pp.38-40, 2021-04-12