著者
福井 次矢 高橋 理 徳田 安春 大出 幸子 野村 恭子 矢野 栄二 青木 誠 木村 琢磨 川南 勝彦 遠藤 弘良 水嶋 春朔 篠崎 英夫
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, pp.2681-2694, 2007-12-10
被引用文献数
5 4

平成16年度に開始された新医師臨床研修制度が研修終了時の研修医の臨床能力にどのような影響をもたらしたのかを調査する目的でアンケート調査を行った.旧制度下の研修医(平成15年3月の2年次研修医)に比べて新制度下の研修医(平成18年3月の2年次研修医)は,調査対象となった幅広い臨床能力の修得状況(自己評価)が全般的に著しく向上し,以前認められていたような大学病院の研修医と研修病院の研修医との差がほとんど認められなくなった.また,調査対象となった82の症状·病態·疾患と4種類の医療記録すべてについて,旧制度下の研修医に比べて新制度下の研修医の経験症例数·記載件数が有意に多かった.新医師臨床研修制度による研修医の幅広い臨床能力修得という目的は達成される方向にあることが示唆された.<br>
著者
野村 佳絵子 黒田 浩一郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.449-467, 2005-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
14
被引用文献数
1

日本では, 1970年代の半ば頃から, 人びとの健康への関心が高まり, それまでよりも多くの人びとが健康を維持・増進するための行動を心がけるようになったといわれている.周知のとおり, これらの現象は「健康ブーム」と呼ばれている.医療社会学では, このような「ブーム」の背景に, 「健康至上主義」の高まりを想定している.しかし, 「健康ブーム」も「健康至上主義」の高まりも, それらの存在を裏付ける証拠はいまのところ存在しない.そこで, 本論では, 書籍ベストセラーが人びとの意識や関心を反映しているとの仮定のもとに, 健康に関するベストセラーの戦後の変遷を分析することを通して, 人びとの健康についての意識の程度やあり方の変化を探った.その結果, 健康に関する本のベストセラーは1970年代の半ばに初めて登場したわけではなく, 1950年代後半から今日まで, そう変わらない頻度で現れていることが見出された.また, 「健康ブーム」といわれる時期の初期およびその直前には, 医学をわかりやすく解説する啓蒙書がベストセラーになっていることが発見された.したがって, 1950年代後半から今日まで, 人びとの健康への関心の程度にはそれほど変化がないということになる.また, 「健康ブーム」とされる時期に特徴的なことは, 健康への関心の高さではなく, むしろ, 健康に良いと信じられていることに対する批判的な意識の高まりではないかと推測される.
著者
村尾 奈美 関谷 仁美 石黒 久貴 足立 ヒトミ 野村 淑子 伊藤 栄子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.943-943, 1991-09-25

第22回消化器病センター例会 平成3年1月27日 東京女子医科大学弥生記念講堂
著者
野村 武則 地曳 和子 小田桐 恵美 出村 黎子 出村 博
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.921-922, 1980-09-25

東京女子医科大学学会 昭和55年6月27日 東京女子医科大学本部講堂
著者
松澤 利明 野村 護 海野 隆
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.351-362, 1993-06-15
被引用文献数
8

日本製薬工業協会加盟の67社より提供されたラット約7,000匹/性, イヌ約5,000匹/性, サル約700匹/性の臨床病理検査の背景データを解析し, 最も普及している測定方法で得られたデータの加重平均と標準偏差を求め, 正常値を変動させる要因と採材条件あるいは測定方法等との係わりを考察した. 赤血球数(RBC), ヘマトクリット(Ht), ヘモグロビン(Hb), 網状赤血球数(Rt), 血小板数, 白血球数(WBC), 白血球百分率(%WBC), 凝固時間(APTT, PT), GOT, GPT, ALP, LDH, グルコース, コレステロール, トリグリセライド(TG), 総蛋白質, アルブミン, 尿素窒素(UN), クレアチニン, ナトリウム(Na), カリウム(K), カルシウム(Ca), クロライド(Cl), 無機リン(Ip), CPKについて検討した. 種差はRBC, Ht, Rt, 血小板数, WBC, %WBC, ALP, LDH, グルコース, コレステロール, TG, 総蛋白質, UN, クレアチニン, Ca, Ip, CPKでみられた. ラットの系統差は血小板数, WBC, GOT, ALP, UN,クレアチニン, CPKでみられた. 性差はHb, Ht, WBC, ALP,グルコース, コレステロール, TG, 総蛋白質, A/G比, UN, Ipでみられた. 年齢差はRBC, Hb, Ht, Rt, %WBC, GOT, GPT, ALP, LDH, コレステロール, TG, 総蛋白質, Ip, TG, Ip, CPKでみられた. 絶食・給餌の影響はAPTT, PT, ALP, グルコース, TG, UNでみられた. ラットの採血部位ではHt, WBC, CPK, Kの値に差がみられた. 血漿と血清試料の差はLDH, CPKでみられ, 血清の測定値は血漿値に比べばらつきが大きかった.
著者
野村 英登
出版者
霞山会
雑誌
Think Asia
巻号頁・発行日
no.6, pp.3-5, 2012
著者
明崎 禎輝 山崎 裕司 野村 卓生 吉本 好延 吉村 晋 浜岡 克伺 中田 裕士 佐藤 厚
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.301-305, 2008 (Released:2008-06-11)
参考文献数
16
被引用文献数
4 3

本研究では,階段昇降の自立獲得に必要な麻痺側下肢荷重率を検討した。対象は脳血管障害片麻痺患者110名である。これらの対象者に対して,年齢,体格指数,発症からの期間,非麻痺側下肢筋力,下肢ブルンストロームステージ,深部感覚障害の有無,非麻痺側・麻痺側下肢荷重率などを調査・測定した。2項ロジスティック回帰分析の結果,麻痺側下肢荷重率のみが階段昇降自立の有無に関係する有意な因子であった。さらに,階段昇降の自立獲得には麻痺側下肢荷重率のカットオフ値が84.0%において高い判別精度を示した。
著者
野村 恭代
出版者
関西福祉科学大学
雑誌
関西福祉科学大学紀要 (ISSN:13438816)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.61-72, 2012-11-05
著者
山下 直美 石田 亨 野村 早恵子 早水 哲雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.3355-3363, 2002-11-15
被引用文献数
1

電子メールを用いたコミュニケーションは,その情報伝達できる内容の乏しさゆえ,誤解や論争の発生などの問題点が指摘されている.このような問題に対し,これまでのComputer Supported Cooperative Workに関する研究では,人の存在感や雰囲気(すなわち``awareness'')を伝達可能なリッチなメディアを使うことが重要であるとされてきた.しかし一方で,電子メールや電子掲示板という多義性の高いメディア(すなわち``リーンメディア'')でも協調作業が成功する例が報告されている.我々は先にオープンソースソフトウェアの開発を分析し,action-biasedな行動様式が生まれていることなどを明らかにした.本論文では電子メール上の組織的な交渉例(実際に行われた国際会議の統合)を取り上げ,awarenessのない状況でいかに協調作業が成功したかについて分析する.この結果,1. 明確に対立意見を述べながらも対立相手をぼかす無指向性(omuni-directional)なコミュニケーションが頻繁に行われている,2. 電子メール会議の特徴を生かし,少人数グループがアドホックに次々と作られていることが分かった.これらの観測結果は,電子メールにおける``awareness''の欠如を克服しようとした結果,生じた現象であると考えられる.Owing to the characteristics of electronic media, such as lack of socialcontext cues and social presence, various problems may arise when communicating through it. In order to resolve such problems, many CSCW researchers have emphasized ``awareness,'' and proposed several advanced tools. On theother hand, cases do exist which have succeeded in collaboration throughlean media, such as open source software development. In this paper, wedescribe findings from the case where three independent internationalconferences unified successfully only through the email discussions. Thisachievement is particularly impressive as email is not adequate to suchsensitive decision making discussions. From our detailed observation andquantitative analysis of over 800 email messages, following two findingsare presented: 1. avoiding straightforward opinions is effective whendealing with sensitive issues, and 2. ad hoc small group discussions areuseful in achieving agreement among large number of discussion members. Through this research, we found out that lack of awareness can be effective when holding complicated negotiations via electronic media.
著者
船越 要 藤代 祥之 野村 早恵子 石田 亨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.112-120, 2004-01-15
被引用文献数
7

今後活発になると思われるアジアワイドなソフトウェア開発プロジェクトにおける,機械翻訳を用いた協調作業支援ツールへの要求条件を述べる.問題点を明らかにするために,日中韓馬の4カ国,5大学の教員,学生40人余からなるオープンソースフトウェア開発を延べ16週間実施し,多言語の掲示板と文書共有ツールを提供し,その利用形態を観察した.得られた知見は以下のとおりである.1)機械翻訳は正確な意思伝達を支える十分な品質を持たないが,それにもかかわらず参加者は他の参加者とのコミュニケーションのためには努力を惜しまない.また,2)多言語環境においてはコミュニケーションの局所性が存在し,自言語の参加者と他言語の参加者に対するコミュニケーションの態度が異なる.さらに,3)多言語分散環境におけるソフトウェア開発においては,ソフトウェアの概要を決定する設計の初期段階での機械翻訳利用は有効であるが,モジュール機能を詳細に決定する設計の詳細化段階のコミュニケーションは困難がある.これらの知見に基づき,機械翻訳を用いた協調作業には,1)機械翻訳を利用した参加者の努力を支援するためのインタラクションを考慮した翻訳システム,2)他言語の参加者に対するアウェアネスの維持,および3)特に概要設計からモジュール設計に至る設計段階での協調作業の支援が必要であることが明らかになった.In this paper, we discuss the technological aspects of intercultural collaboration. We suggest the intercultural collaboration via machine translations to develop in the members' first languages. To determine the problems, we had conducted an Asia-wide software development experiment in multilingual environments, ICE2002. The observation showed that (1) the members pay great effort to communicate with other members via the noisy translations, (2) members change the behaviour to the members of the same culture and different cultures, and (3) the software development in a lean and noisy media constrains the detailed design to be difficult. We suggest the implementation of the intercultural collaboration support tools with the following requirements: (1) interactive translation to support the effort for the communication, (2) awareness to other language members according to the psychological localities, and (3) support method for software design phase.
著者
田野村 忠温
出版者
日本語学会
雑誌
國語學 (ISSN:04913337)
巻号頁・発行日
vol.152, pp.123-109,69, 1988
著者
河野 のり子 野村 浩道
出版者
松本歯科大学学会
雑誌
松本歯学 (ISSN:03851613)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.21-26, 1979-06-30

Biochemical and histochemical studies on the phosphatase activities of the mucous membrane of the frog tongue were carried out. The biochemical study strongly suggested that the mucous membrane of the tongue contains both ATPase and alkaline phosphatase activities. But, since the ATPase activity was dependent on the pH of the incubating solution and the maximal activity was obtained around pH 9.0, the ATPase activity may be partly due to the alkaline phosphatase activity. The histochemical study revealed that ATPase activity was localized on the superficial layer of the tongue. Great activity was exhibited in the sensory discs of the fungiform papillae and in the ciliated cell layer of the back of the tongue. Alkaline phosphatase activity could not be demonstrated histochemically in the present study.
著者
野村 顕雄
出版者
電気公論社
雑誌
電気公論
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.1034-1044, 1966-10
著者
野村 歡
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.208-214, 2008 (Released:2011-05-31)
参考文献数
2
被引用文献数
1

住環境が整備されていないばかりに,数多くの高齢者や障害者が生命維持のために欠かせない排泄行為に著しく不便・不自由を感じている.不便・不自由の原因は排泄行為が「戸・扉の開閉」「衣服の脱ぎ着」「便器への座り」「後始末」などの多くの動作を狭いスペースで行なわなければならないこと,排泄は人間にとって最もプライベートな行為であるが故にトイレにはもともと「介助スペースは配慮されていない」ことなどがその原因といえる.本稿はこれらの諸動作に対する個々の住環境整備を検討しつつトイレ全体の環境整備について考察する.さらに,トイレ以外で行われる排泄行為に対する住環境整備についても言及する.
著者
島田 武彦 土師 岳 山口 正己 武田 敏秀 野村 啓一 吉田 雅夫
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.543-551, 1994
被引用文献数
14 20

95種類の10m erのオペロンプライマーを用いて, RAPD分析法により59品種•系統のウメの品種分類を行った. ウメを小梅•台湾梅品種群, 中梅品種群, 大梅品種群, 杏梅品種群に分け, 各々の品種群について分類を行った. 小梅と台湾梅のグループは遺伝的変異が小さく, アンズの形質をほとんど含んでいなかった. 台湾野生梅は中梅品種群とは遠縁で, 明らかに異なっていた. '室谷'と'藤之梅', '小向'と'古城', '鈴木白'と'太平'では相互の識別ができず, これらは異名同品種である可能性が高いと考えられる'豊後'はウメとアンズの雑種であることが証明された. '高田梅'はアンズにかなり近縁であることが確かめられた.RAPD分析法は近縁な品種問でもDNA多型を十分に検出できるので, 従来の方法では識別できなかった異名同品種や同名異品種を識別することも可能であると推察される.<BR>RAPD分析の結果, 実ウメは次の7つのグループに分類できた. 1) 台湾梅品種群, 2) 小梅品種群, 3) 中梅品種群, 4) 大梅 (白花) 品種群, 5) 大梅 (桃花) 品種群, 6) 杏梅品種群, 7) 李梅品種群. 花ウメは実ウメと遺伝的特性は近いものと考えられ, 中梅品種群, 大梅品種群, 杏梅品種群のいずれかに属するものと推察される.