著者
酒井 貴庸 設楽 雅代 脇田 貴文 金澤 潤一郎 坂野 雄二 園山 繁樹
出版者
NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
雑誌
自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.19-28, 2014-11-30 (Released:2019-04-25)
参考文献数
26

発達障害児者への適切な関わりには周囲の理解が必要とされており、教育現場においても国内外を問わず、発達障害の理解が重要視されている。そして、特別支援教育の推進や近年の発達障害への認知の広がりに伴い、発達障害についての講演や研修会が全国各地で開催されている。また、発達障害をもつ生徒に関わる教師に対し、障害特性に関する知識の促進や対処方法についての知識や技術を促進することを目的とした介入研究が報告されているが、研修によって得られた知識を標準化された尺度で測定している研究は、極めて少ない。そこで、発達障害の障害特性に関する知識の程度(知識度)に着目し、自閉性スペクトラム障害(Autistic Spectrum Disorder:ASD)の障害特性知識尺度(LS-ASD)の開発を試みた。なお、本研究では、高等教育機関における発達障害関連の相談の中で相談件数が最も多く、気分障害や不安障害との合併といった二次障害のリスクが特に高いASD に焦点をあてた。LSASD は、能力測定の分野においてさまざまな成果を上げている項目反応理論(IRT)に基づいて開発された。学生、医療福祉従事者、教師の825 名の回答データについて分析し、最終的に44 項目において内容的・基準関連妥当性、信頼性が確認された。IRT に基づいて開発された尺度であるため、LS-ASD は十分な信頼性を維持しつつ、回答者の知識度に合わせた項目を抜粋しての使用やComputer Adaptive Test としての使用可能性をもつ尺度となった。
著者
熊井 郁哉 金澤 秀明 鈴木 竹雅 安藤 亮一 杉浦 孝直
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会年次大会講演予稿集 (ISSN:13431846)
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.14D-4, 2016

In June 2016, all local stations of NHK began operating File-Based News Production System. In this system, all users are able to share video files via IP network and use meta data of contents effectively. This file-based system realizes dramatic improvements in speed and efficiency for the workflow of news production.

1 0 0 0 白庭 : 歌集

著者
金澤治著
出版者
徳島歌人社
巻号頁・発行日
1948
著者
金澤治
出版者
[金澤治]
巻号頁・発行日
1950
著者
石関 沙代子 足立 吉數 鈴木 優香 小針 大助 安江 健 金澤 卓弥 青柳 陽介 阿部 由紀子 秋葉 正人 楠本 正博
出版者
日本家畜衛生学会
雑誌
家畜衛生学雑誌 (ISSN:13476602)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.85-90, 2013-11

子牛の消化器病で大腸菌感染症は重要な感染症であり、特に哺乳中の子牛で大きな経済的な被害が発生している。Escherichia属は数種の菌種からなっているが、動物で重要な病原体はE. coliのみである。この菌種は子犬、子豚、子牛、子馬、子羊の敗血症の原因になっている。そして、すべての動物で日和見感染の原因菌とも考えられている。われわれは、腸管接着性微絨毛消滅性大腸菌が子牛の腸管上皮細胞に定着する仕方に2種類あることを示唆してきた。しかし、血縁関係にある子牛の下痢についてはよく知られていない。今回、農学部附属フィルドサイエンスセンター(FSC)で発生した哺乳子牛の消化器疾患が他の農場との交流がない閉鎖空間で発生したこと、および特定の血縁関係にある牛群において2002年から斃死する子牛が認められ、2012年まで続いていることから死因を調査し対策を講じることを目的に調査研究を行った。
著者
星合 和基 金澤 毅 平沼 謙二 太田 功 福井 壽男 森 博史 長谷川 明
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.494-500, 1995-06-01
参考文献数
21
被引用文献数
9 2

この研究は色調の安定性を改善した常温重合レジンについて検討したもので,レジン中の触媒にバルビツール酸誘導体と4級アンモニウム塩を用いたものである.このレジンの色調,物性,適合度について現在市販されている各種の常温重合レジンと比較検討したものである.その結果をみると,1.色調は安定し,変色はみられない,2.機械的強さはほぼ同程度である,3.適合性は優れていることが示されたので,臨床上有用な新しい常温重合レジンといえよう.
著者
金澤 一郎
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.4_66-4_70, 2009-04-01 (Released:2011-10-28)
著者
今川 真治 中道 正之 大芝 宣昭 金澤 忠博 糸魚川 直祐 中道 正之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

サル社会の中では、ケンカなどの敵対的行動をしながらも毛づくろいなどの親和的行動も行われる。これら2種の行動は、社会の中で他の個体と共存していくための不可欠な行動である。順位関係が比較的厳しいマカク属のサル類を対象として、この敵対的行動と親和的行動の関係が調べられた。野外で生息するニホンザル集団の場合には、生後4年間を通して、オスの子ザルが親しく付き合う同性の個体は一定であり、「仲間関係における恒常性」が認められた。敵対的行動に基づいて明らかとなったこれらの個体の間の順位は、その母ザルの順位関係とほとんど同じであった。親しく付き合う個体は互いに、順位が隣り合うか、近い個体であった。メスの子ザルの間でも、オスの子ザルと同様の傾向が確認できた。しかし、オスとメスの異性間における仲間関係の恒常性は認められなかった。ケージ内で飼育されている準成体、成体の親和的行動と敵対的行動の頻度を、ケージ内に止まり木が多数設置されて豊かな環境と止まり木の少ない乏しい環境で比較した。予想に反して、豊かな環境内では敵対的行動も親和的行動も生起頻度は少なかった。他方、乏しい環境ではどちらの行動の生起頻度も高くなった。この事実は、止まり木が少なく、互いに好ましい場所にサルが集まり、局所的に過密になり敵対的行動が多くなりやすいが、同時に、敵対的行動が生起した後の仲直り行動や、過密による心的緊張を低下させるための親和的行動が比較的頻繁に生起したためと考えられる。これらの事実は、環境条件に即して、サルが社会的緊張を軽減する行動を行っていることを意味している。
著者
川本 晃平 金澤 浩 白川 泰山
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101846, 2013

【はじめに、目的】 スポーツ選手はスポーツ外傷および障害を予防するために、日々のコンディショニングが必要不可欠であり、その手段の一つとして物理療法が挙げられる。筆者らがコンディショニングに積極的に用いる機器の一つにINDIBA activ(インディバ・ジャパン)がある。この装置の特徴は0.5MHzの周波数を発し、コンデンサーの原理により温熱刺激を発生させるため、皮膚付近にハイパワーの集中照射をせずに、体内深部の組織まで生体刺激を生み出すことができる点である。また骨や腱など抵抗の高い部位に用いるレジスティブモードと軟部組織やレジスティブモードの前処置に用いるキャパシティブモードの2種類のモードがあり、治療目的によってこれらのモードを組み合わせて実施する。筆者らはこの装置を筋緊張の軽減や疼痛の緩和を目的に軟部組織に用いることで、良好な治療成績を得ている。 本研究では、INDIBA activと他の温熱療法とを比較し、軟部組織の筋硬度および筋伸張性への即時効果の有効性を検証することを目的とした。【方法】 対象は、下肢に整形外科疾患のない健常成人男性10名とした。対象の年齢は24.8±1.9歳、身長は170.5±8.7cm、体重は59.8±1.7kgであった。INDIBA activおよびホットパック(Cat-berry、山一株式会社)を用いた2種類の方法と、コントロールを比較した。方法は、ベッド上にて10分間安静腹臥位となり、大腿長の遠位50%部位の大腿二頭筋の筋硬度の評価を軟部組織硬度計 (伊藤超短波株式会社、OE-220)を用いて行った。また大腿二頭筋の伸張性評価として膝関節伸展位における股関節最大屈曲位での他動的股関節屈曲角度(以下SLR)を測定し、その際の大腿二頭筋の伸張痛をVisual Analog Scale(以下VAS)を用いて評価した。評価後、それぞれの方法を20分間実施し、終了後、評価前と同様に3項目の評価を行い、実施前後での各評価項目および各評価項目の変化率の比較を行った。それぞれの方法について、INDIBA activでは始めの10分間はキャパシティブモードを使用し、その後10分間はレジスティブモードを行った。ホットパックでは20分間バンドを用いて大腿部に固定して行い、コントロールは20分間安静腹臥位をとった。実施時の室温および測定時刻を統一し、各施行の間隔は3日以上あけ、順序は無作為にて決定し、1日に1回のみ実施した。また対象には測定2日前より過度な運動は避けさせるようにし、測定時に大腿二頭筋に疲労感がないことを確認した。 統計学的分析にはそれぞれの方法の実施前後の各評価項目の比較に対応のあるt検定を、各評価項目の変化率の比較に一元配置分散分析を用い、危険率5%未満を有意とした。【倫理的配慮、説明と同意】 対象にはあらかじめ本研究の趣旨、および測定時のリスクを十分に説明したうえで同意を得た。本研究は、医療法人エム・エム会マッターホルンリハビリテーション病院倫理委員会の承認を得て行った(承認番号MRH120015)。【結果】 それぞれの方法の実施前後での各評価項目について、ホットパックおよびINDIBA activでは3項目全てにおいて実施前後で有意に改善がみられた(p<0.01)。コントロールでは筋硬度およびVASにて有意に変化がみられ(p<0.05)、SLRは変化がみられなかった。変化率について、筋硬度ではINDIBA activがホットパックおよびコントロールに比べて有意な低下がみられた(p<0.01)。またホットパックがコントロールと比較して有意に低下した(p<0.05)。SLRでも同様にINDIBA activがホットパックおよびコントロールに比べて有意な改善がみられ(p<0.01)、ホットパックがコントロールと比較して改善がみられた(p<0.01)。VASについて、INDIBA activがコントロールと比較して有意に改善がみられたが(p<0.01)、INDIBA activとホットパックおよびホットパックとコントロールでは差はみられなかった。【考察】 本研究では、2種類の方法による筋硬度および筋伸張性の即時効果の比較を行った。温熱療法によって軟部組織の温度が上昇すると粘弾性が低下し、軟部組織の伸張性が増加することから(鳥野、2012)、今回の結果より大腿二頭筋に対して十分な温熱刺激を与えることができたと考える。特にINDIBA activでは筋硬度およびSLRがホットパックとコントロールと比較し、有意に改善した。このことからINDIBA activ は2種類のモードを組み合わせて温熱刺激を加えることで、ホットパックと比較して筋硬度および筋伸張性が改善したことが考えられた。【理学療法学研究としての意義】 臨床で各種物理療法を行う際は、即時的な効果が期待できることが重要である。今回の研究よりINDIBA activが一般的に温熱療法として多用されているホットパックに比べ、筋硬度およびSLRを有意に改善させることが示されたことから、特に筋緊張の軽減やストレッチの前処置などに有用な手段の一つになると考える。
著者
金澤 健 牛渡 裕二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.15-24, 2021 (Released:2021-03-20)
参考文献数
34

極限解析の上界定理を用いて,凍害による材料劣化が生じたRC柱部材に対し,実験結果の回帰式等を用いずにせん断耐力を解析的に算定可能な力学モデルを構築した.構築したモデルは,実橋のコンクリートコアから取得した劣化深度に基づいて変位場を分割することで,劣化域のせん断耐力への寄与を評価することが可能である.凍結融解促進試験後にせん断破壊を生じた11体の実験結果との比較により,構築したモデルが±20%の算定精度を有していることを確認した.さらに,著しい凍害が顕在化した既設RC道路橋の橋脚のせん断解析を行い,劣化深度を指標とした力学的合理性のある健全度評価の可能性を示した.
著者
金澤 誠一
出版者
佛教大学総合研究所
雑誌
佛教大学総合研究所共同研究成果報告論文集 = Supplement to the bulletin of the Research Institute of Bukkyo University (ISSN:21896607)
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-17, 2017-03

本論は,現代の貧困の特徴を雇用の不安定化と国民生活の崩壊への進行にあることを,主に家計調査の分析に基づいて究明している。その現代の貧困を克服するために必要なナショナルミニマム=最低生活とは何かをめぐる最低生活費について探求している。「構造改革」「雇用の不安定化」「生活崩壊」「家計の硬直化」「最低生活費」
著者
前田 憲吾 清水 芳樹 杉原 芳子 金澤 直美 飯塚 高浩
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001239, (Released:2019-01-31)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

症例は48歳女性.43歳時に下肢硬直感が出現したが3か月で自然軽快した.両下肢の筋硬直が再発し,ミオクローヌスが出現し入院.意識清明,言語・脳神経は異常なし.両足趾は背屈位で,足関節は自他動で動かないほど硬直していた.神経伝導検査は異常なく,針筋電図では前脛骨筋に持続性筋収縮を認めた.血液・髄液一般検査は正常で,抗GAD65抗体・抗VGKC複合体抗体は陰性.脊髄MRIにも異常なく,症候学的にstiff-limb症候群(SLS)と考え,ステロイドパルス療法を実施し筋強直は改善した.その後,血液・髄液の抗glycine受容体抗体が陽性と判明した.プレドニゾロン内服後,再発はない.
著者
金澤 弓子 亀山 慶晃 李 景秀 濱野 周泰 鈴木 貢次郎
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.129-138, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
37
被引用文献数
2

早咲きのサクラ品種の多くは,カンヒザクラ(P. campanulata Maxim.)から作出されたと考えられてきたが,由来が不明な品種も多い.また,原種とされるカンヒザクラは中国,台湾,日本に生育するが,それらの遺伝的関係は明らかにされていない.本研究では,早咲きのサクラ品種の原種を推定するとともに,原種として重要なカンヒザクラについて,その地域集団の遺伝的組成に違いがあるのかを検証するため,AFLP分析を行った.早咲きのサクラ品種として14品種を取り上げ,これらの原種候補として,カンヒザクラとオオシマザクラ(P. lannesiana Wils. var. speciosa Makino),ヤマザクラ(P. jamasakura Sieb.)の3種を選定した.カンヒザクラは中国,台湾,日本に生育する個体を供試した.主座標分析(PCoA)およびSTRUCTURE解析の結果,中国,台湾,日本のカンヒザクラは,地域集団ごとに異なる遺伝的組成が示された.さらに,日本の早咲きのサクラ品種は,その大半が日本のカンヒザクラに由来しており,台湾の早咲きのサクラ品種は,その大半が台湾のカンヒザクラに由来することが示唆された.また,中国や台湾のカンヒザクラの中には日本の系統の遺伝子を保有する個体の存在が示唆された.これは,異なる地域のカンヒザクラ系統あるいは早咲きのサクラ品種からの遺伝子の移入の可能性も示している.早咲きのサクラ品種において,14品種のうちカンヒザクラとオオシマザクラの雑種が5品種,カンヒザクラとヤマザクラの雑種が4品種,原種の変異個体が3品種であると推測された.また残りの2品種ではそれぞれ複数の遺伝的組成を有していた.カンヒザクラの遺伝的多様性を適切に保全するためには,カンヒザクラやカンヒザクラに由来する品種は,日本・中国・台湾の各地域レベルで保全・管理していく必要がある.
著者
金澤 雅人 高橋 哲哉 川村 邦雄 下畑 享良
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.699-706, 2019 (Released:2019-11-08)
参考文献数
42
被引用文献数
5

脳梗塞に対する組織プラスミノゲン・アクチベーター(tissue plasminogen activator; t-PA)投与は,予後を改善させるが,症候性頭蓋内出血はt-PA療法後の転帰不良に関連する要因である.我々は,出血合併を抑制し,予後を改善させるt-PAに併用する血管保護薬の開発を行っている.治療標的分子として血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor; VEGF)に注目し,血液脳関門(blood-brain barrier; BBB)破綻に関する検討を行った.発症4時間後にt-PAを投与すると,出血合併が生じる,脳塞栓モデルを用いた検討において,遅延したt-PA投与がVEGFを著増させ,タンパク分解酵素マトリックス・メタロプロテナーゼ-9を活性化,BBB構成蛋白を分解し,出血合併を来すことを示した.さらに,VEGF-VEGF受容体シグナルの抑制薬は,脳出血合併を抑制することを明らかにした.