著者
金子 隆
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.p125-147, 1994-04

企業の投資が家計の貯蓄によって最終的にファイナンスされる過程でマネーサプライが内生的に生み出されるメカニズムを,金融マクロ・モデルの構築によって明らかにする。現実のマネーサプライは内生的な内部貨幣が大半を占めているにもかかわらず,従来のマクロ・モデルでは外生的な外部貨幣を想定することが多かった。そのようなモデルで,マネーサプライと(たとえば)国民所得の関係を論ずることは,誤った帰結を導きやすく,危険である。また,金融政策論議にしばしば用いられる「金融市場の一般均衡モデル」では,実物経済活動とのリンクが遮断されているため,フローの支出ファイナンスとは無関係に,人々の資産選択行動の結果としてのみマネーサプライが増減するという奇妙な仕組みになっている。我々の金融マクロ・モデルでは,投資主体(企業部門)と貯蓄主体(家計部門)を1つに集計化せず,また,資産の需給を期末均衡の枠組みでとらえることで,こうした問題を解決している。モデルから得られるインプリケーションのなかで特に重要なのは,金融政策の中間目標選択問題に関するものである。すなわち,最終目標変数(国民所得)との間の安定的関係という基準で判断するかぎり,もっとも優れた指標はマネーサプライや金利ではなく,民間非銀行部門の債務残高であるという,クレジット・パラダイムを支持する結果が得られる。
著者
三輪 拓馬 金子 寛彦
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.545-552, 2017 (Released:2017-12-31)
参考文献数
18

In this study, we investigated the effects of gravity direction on the perception of motion in depth. We measured the magnitude of the acceleration of approaching and receding object that appeared to move with a constant velocity using the method of constant stimuli. To manipulate gravity direction from the vestibular and somatosensory systems, we used three conditions of observer's body orientation: upright, supine, and prone states. The results showed that the deceleration of the approaching motion was greater when observed with the prone and supine states than with the upright state. Moreover, the greatest acceleration of the receding motion for perceiving constant velocity was the prone state, followed in order by the upright state and the prone state. We discuss the effects of risk by the moving object and of gravity direction in normal environment on the perception of moving object.
著者
金森 亮 森川 高行 倉内 慎也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45.3, pp.853-858, 2010-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
22

LRTは自動車依存からの脱却、環境負荷低減、中心市街地活性化、都市景観向上などの導入効果が期待されるが、客観的計測が困難な要素も多いことから、合意形成が難航することが多い。本研究では、統合型交通需要予測モデルを適用することで、LRT導入による交通状況変化に加えて、中心市街地活性化への貢献を定量的に把握する。名古屋市を対象とした複数のLRT計画を評価したところ、中心市街地内での自動車利用減少と自転車・徒歩による移動増加、来訪者の滞在時間や立ち寄り箇所数の増加が確認でき、LRT導入による中心市街地活性化の観点からも定量的指標を基に議論できることを示した。
著者
加藤 みゆき 田村 朝子 斎藤 ひろみ 大森 正司 難波 敦子 宮川 金二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.525-530, 1995-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2

後発酵茶の一つである石鎚黒茶について, その製造工程中の成分変化について検討した.ポリフェノール含量は, 他の後発酵茶と同様に製造過程で減少していた.カテキン含量については, 製造工程中で減少し, 特にエステル型カテキンの減少が大きかった.有機酸含量としては, 桶づけ後の茶葉に乳酸が顕著に生成した.
著者
金山 愛子
出版者
敬和学園大学
雑誌
敬和学園大学研究紀要 (ISSN:09178511)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.253-266, 2004-02
著者
関口 由紀 畔越 陽子 河路 かおる 長崎 直美 永井 美江 金子 容子 吉田 実 窪田 吉信
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.268-272, 2014
被引用文献数
1

間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の疼痛緩和と自律神経失調症状の治療に漢方薬を西洋薬に併用した症例を4例提示した。1例目は42歳女性で,膀胱部痛・陰部痛にたいして竜胆寫肝湯を投与し,自律神経失調症状の改善と慢性疼痛による血流障害の改善に加味逍遥酸を用いた。2例目は51歳女性で,内臓を温めて下腹部痛を改善する安中散を用いた。3例目は49歳女性で,全身の冷えに対して真武湯合人参湯を用いた。4例目は27歳女性で,下半身の冷えに対して当帰四逆加呉茱萸生姜湯を用いた。間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の自律神経症状改善をめざす漢方治療が結果的に患者の気血水のバランスを整えていた。
著者
金原 粲
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.956-964, 2000-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
110

薄膜・表面に対する関心は17世紀からもたれていたが, 19世紀になって組織的な研究が始まった. 20世紀に至って薄膜・表面の構造,組成,物性の観察法,測定法の飛躍的な進歩があり,豊富なデータが蓄積され,この分野は科学としての形が整えられた.同時に, 1950年以降の光学,エレクトロニクスをはじめとする現代技術における需要の拡大があり,今や薄膜・表面科学は先端材料を提供する科学技術の世界で中心的な役割を果たしつつある.ここでは薄膜・表面科学の成立の過程を過去の文献をもとに概観し,今後の発展を展望する.
著者
金井 章 渡辺 さつき 小林 小綾香 大瀬 恵子 植田 和也 後藤 寛司 森田 せつ子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ab0453-Ab0453, 2012

【目的】 妊婦は、その経過とともに外力の影響を受けやすくなり、子宮破裂、常位胎盤早期剥離、後腹膜血腫などが生じやすい。そのため、災害時における外傷の予防には非常に注意を要する。特に、大規模地震の頻発する本邦では、地震時における妊婦の安全確保のための対策は非常に重要であるにもかかわらず、震災時の妊婦被災状況は明らかになっていないのが実情である。また、2007年より緊急地震速報の運用が始まったことで、数秒から数十秒前に揺れへの対応を取ることが可能となったものの、妊婦のサポートについて十分な検討は行われていない。そこで、妊婦における地震の揺れに備えるための安全な姿勢を検討することを目的として、揺れによる身体への外力の程度について検証した。【方法】 対象は、妊娠経験のある健常女性19名(平均年齢33.4±3.2歳、平均体重54.2±8.1kg、平均身長160.0±4.7cm)とした。被験者は、妊婦を模擬するための妊婦体験ジャケットLM-054(高研社製、重量7.2kg、妊娠8ヶ月から9ヶ月に相当)を装着・非装着の状態とし、起震車(カバヤシステムマシナリー社製)を用いて震度5弱の揺れにより身体へ加わる力を加速度計(WWA-006:ワイヤレステクノロジー社製)を用いて計測した。加速度計のサンプリング周波数は200Hzとし、左右の上後腸骨棘中央に装着した。振動時間は15秒で、中間10秒間について、3軸方向の合成加速度を解析した。計測姿勢は、揺れに備える姿勢として姿勢1:かがむ、姿勢2:膝をついてかがむ、姿勢3:お尻をついてかがむ、姿勢4:四つん這い、姿勢5:四つん這いで頭と胸を床に近づける、姿勢6:机を支えにした立位、姿勢7:壁を支えにした立位の7姿勢とした。得られた結果から、ジャケット装着の有無による差を対応のあるt検定で、姿勢による差を分散分析にて検討した。【倫理的配慮、説明と同意】 被験者へは本研究について説明し、研究への参加承諾を得た。また、本研究は豊橋創造大学生命倫理委員会にて承認を受け実施した。【結果】 平均加速度・最大加速度(単位;mG)は、ジャケット無しで姿勢1:211.6±90.5・497.1±86.3、姿勢2:234.5±99.8 ・566.4±144.7 、姿勢3:295.4±132.2 ・712.4±198.5 、姿勢4:209.5±88.7 ・503.4±149.7 、姿勢5:235.7±98.6 ・584.7±152.0 、姿勢6:248.0±121.6 ・657.6±127.9 、姿勢7:301.2±145.9・789.9±125.3 であった。ジャケット有りでは、姿勢1:200.4±79.0 ・447.1±75.0 、姿勢2:220.4±88.6 ・544.4±131.5 、姿勢3:252.8±109.4 ・607.4±110.5 、姿勢4:169.5±72.6 ・403.4±70.2 、姿勢5:219.0±89.8 ・526.1±61.7 、姿勢6:193.0±98.9 ・544.6±73.5 、姿勢7:225.0±111.8 ・586.6±102.3 であった。両群ともに、姿勢4が最も低い値を示し、ジャケット無しに比べジャケット有りで低い値を示していた。【考察】 妊婦では、平均11kgの体重増加が起こり、腹部と乳房が前方にせり出してくるため、身体重心位置が変化する。また、ホルモン環境の変化により関節が柔らかくなり、可動域が増大するため、立位姿勢が不安定となり、日常生活における種々の動作も制限される。このような状況の中で、地震時に揺れに対応するための、身体へ負担の少ない待機姿勢をとることは非常に重要である。今回の結果では、四つん這いが最も腰部への加速度は低く、負担の少ない姿勢であることが確認された。これは、四つん這いは支持基底面が広く安定した姿勢であり、腰部は揺れを生じている床の部分から一定の距離をとり、上下肢により体幹重量による慣性を利用して揺れを軽減させることができるためであると考えられた。一方で、床におしりをついてかがむ姿勢は最も大きな加速度を示していた。これは、揺れを生じている床の部分から臀部へ直接外力が伝わるため、その影響を受け易い姿勢であると考えられる。また、ジャケット無しに比べ有りで加速度が低くなっていたのは、ジャッケットによる身体重量の増加に伴う慣性力の増加効果によるものと考えられる。ただし、身体状況の変化や、その後の動作への影響などでは不利となることから、さらに検討が必要と考えられる。【理学療法学研究としての意義】 妊婦の揺れに備えるための適切な待機姿勢を明確にすることで、震災時の妊婦外傷を予防することができ、震災に対する不安感を軽減することができる。
著者
管野 さゆり 小山 浩平 金野 吉晃 清野 幸男 三浦 廣行
出版者
Japanese Society of Psychosomatic Dentistry
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.129-134, 2002-12-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17

Tics are defined in the DSM-IV manual of the American Psychiatric Association as being sudden, rapid, recurrent, nonrhythmic, stereotyped motor movement or vocalization. We report on the treatment of a patient with tic symptom, a cleft lip on the left side and skeletal anterior cross bite. Clinical record: The patient, a girl with a cleft lip on the left side, was referred to us at the age of 5 months by Department of Plastic and Reconstructive Surgery, Iwate Medical University School of Medicine, for the purpose of performing preoperative orthodontics.Our plastic surgery department performed the cheiloplasty at the age of 6 months. This was followed, at the age of 6 years, by work on the rhinoplasty and secondary cheiloplasty. From the age of 3 years and 6 months, due to poor upper jaw development and as a result of examination of skeletal anterior cross bite, work was commenced as the maxillary protraction, the upper dental arch expansion, and improvement of the rotated central incisors on the upper jaw.The patient continued to visit the hospital without problems until the age of 7 years and 10 months.At her next half-yearly visit, at the age of 8 years and 4 months, the patient was observed to have symptoms of blinking, facial twitching, coughing, and strange vocalizations. Her mother had considered these symptoms to be nose-related and taken her daughter to an otorhinolaryngologist, but the examination there produced no improvement and she was thinking of going to another hospital. The authors suspected Tourette's syndrome and introduced the patient to a child psychologist. Tourette's syndrome was diagnosed on the basis of the vocal tic and effectiveness of haloperidol. A year later, the multiple tics had continued with changes of place, type and frequency with no apparent regularity of pattern in either transformation or frequency. Minor incidents, increases of anxiety etc. were thought to precipitate change in and expression of the symptoms, but the patient was extremely cooperative with the orthodontic treatment.Discussion: Pediatric patients suspected of having a genetic predisposition towards tics may be liable to develop symptoms in response to triggers experienced in the home or school. In this case, the orthodontic treatment did not become a source of stress and the patient's psychological state was observed to be good. It is supposed that the condition was probably precipitated by a latent feeling of inferiority or stress experienced at school or in the children's home. Close coordination with a medical specialist is essential in the case of tics. It is important for the orthodontist to provide not only occlusion-related treatment but also psychological support.
著者
金井 淸
出版者
東京帝国大学地震研究所
雑誌
東京帝國大學地震研究所彙報 = Bulletin of the Earthquake Research Institute, Tokyo Imperial University (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.647-660, 1941-09-30
被引用文献数
2

The present paper is a report of the damage to buildings in the Nagano earthquake that occurred on July 15, 1941, with a theoretical discussion. With the kind assistance of Mr. Kodaira, the writer examined the seismic region during the period from July 17 to July 23, which had an area of about 10km in dia. consisting of nine villages, situated north-east of Nagano city, and quite close to it. The buildings in the seismic region are mostly farm houses together with granaries and sheds. The investigation in the field was made from the point of view of the dynamical theory of seismic vibration of a structure that we had developed recently.
著者
小風 尚樹 中村 覚 纓田 宗紀 山王 綾乃 小林 拓実 清原 和之 金 甫榮 福田 真人 山崎 翔平 槙野 翔 小川 潤 橋本 雄太 宮本 隆史 菊池 信彦 後藤 真 崎山 直樹 元 ナミ 加藤 諭
巻号頁・発行日
pp.1-57,

2018年4月15日に開催された「2018 Spring Tokyo Digital History Symposium」のイベントレポート。シンポジウムは、歴史研究においてデジタル技術を駆使する際のいくつかの指針を提示すべく、歴史研究者・アーキビスト・エンジニアの学際的協働に基づくワークショップTokyo Digital Historyが主催した。 本シンポジウムでは、歴史研究が生み出されるまでの4つのプロセス、すなわち「情報の入手」「情報の分析」「情報の表現」「情報の公開」に着目し、それぞれに関連の深いデジタル技術や知識を提示した。さらに、それらを活用した具体的な歴史学的実践例を提供した。このシンポジウムおよびTokyo Digital Historyは、学際的協働を必要とする人文情報学プロジェクトの好例であるとともに、歴史研究の分野においては画期的な試みである。
著者
佐々木 庸子 荒木 正大 目澤 優 Zhitao Wang 金子 博寿 小方 頼昌
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.176-184, 2008 (Released:2008-11-17)
参考文献数
39

低出力レーザーに細胞や組織の修復促進効果があることが知られている。CO2レーザーは, 治療用レーザーと言うよりもむしろ外科用レーザーであるが, 低エネルギー密度で照射することにより, 何らかの生物学的効果が得られると考えられる。骨シアロタンパク質(BSP)は, アパタイト結晶形成能を有し, 石灰化結合組織特異的に発現する非コラーゲン性タンパク質である。本研究では, 低出力のCO2レーザー照射がBSPの転写に与える影響を, 骨芽細胞様細胞であるUMR106細胞を使用して検索した。UMR106細胞をCO2レーザー(3 W, 20sec)で刺激すると, 12時間後にBSP mRNA量の増加が認められた。ラットBSP遺伝子プロモーター配列を挿入したルシフェラーゼコンストラクトを使用したルシフェラーゼアッセイの結果, 同エネルギーのCO2レーザー刺激により, 12時間後にpLUC4(-425∼+60)の転写活性が増加した。CO2レーザー照射による, pLUC4ルシフェラーゼコンストラクトの転写の上昇は, FGF2応答配列とHOX配列に2塩基対の変異を導入すると抑制された。ゲルシフトアッセイの結果, CO2レーザー照射後に経時的に抽出した核内タンパク質と, 逆方向のCCAAT配列との結合に変化は認められなかったが, 3'-FREとHOX配列と核内タンパク質との結合は, 経時的に減少した。以上の結果から, CO2レーザー照射による骨芽細胞でのBSPの転写調節は, ラットBSPプロモーターに存在するFREとHOX配列を介すると考えられた。
著者
川口将吾 金森亮 伊藤孝行
雑誌
研究報告知能システム(ICS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.15, pp.1-9, 2013-03-11

本論文ではコミュニティに基づくマルチエージェント電力マネージメントモデルを提案する.提案したモデルではコミュニティを複数の家庭で形成し,コミュニティの単位で大型蓄電池を運用する.また、本論文では,家庭の太陽光発電や蓄電池について,エージェントに基づく電力マネジメントモデルを提案する.本論文で提案した家庭の電力マネジメントモデルの特徴は,日本の現実的な電力消費データ及び気象データ用い,再生可能エネルギーである太陽光発電の不安定さを考慮したマネジメントを行う点である.そして本論文では,マルチエージェントによる電力売買シミュレーションを行い,太陽光発電や蓄電池の導入とエージェントによるマネジメントの影響,コミュニティに基づく電力マネージメントモデルによる影響及びコミュニティの戦略による影響を評価する.評価実験では,提案手法であるコミュニティに基づくマルチエージェント電力マネージメントモデルの導入によるピークカット,停電時のバックアップ対策及び社会全体のコストに関して評価を行う.
著者
金城 拓実 河野 真治
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
日本ソフトウェア科学会大会講演論文集 (ISSN:13493515)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.161-165, 2005

私達は家庭用ゲームマシン向けのオープンなゲーム開発環境に関する研究を行ってきた。ゲームマシンは、特殊なアーキテクチャで実現されており、ハード性能を追求するとプログラムコードは必然的にハードへの強く依存する。強い依存性のあるコードは汎用性がなく再利用は難しい。ここで私達はプログラムのtest surface を保存しながらtechnology mapping を実現する手法を提案したい。
著者
金子 迪大 堀毛 一也
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.33-41, 2016-11-30 (Released:2017-02-22)
参考文献数
30

This study examined the effects of uncertainty and importance of a positive emotional event on the duration of emotion. We hypothesized that (i) uncertainty reduces the rate of decreasing emotional reaction by extending the duration of attention to the event, and (ii) importance increases the initial emotional reaction but does not reduce the decreasing rate. Ninety-two participants answered an ostensible ability test and received bogus positive feedback as emotional manipulation. Next, uncertainty and importance of feedback were manipulated across three conditions. Participants in the uncertain condition were told that the ability measured would be disclosed after the experiment. In the important/unimportant conditions, participants were instructed that an important/unimportant ability had been measured. Next, participants reported on their emotional state and performed a filler task for five minutes, after which they reported on their emotional state again. Results showed that participants in the uncertain and important conditions experienced more increased initial emotional reaction and longer duration of emotion than those in the unimportant condition. Although the effect of importance was consistent with the hypothesis, the effect of uncertainty was not.
著者
金井 隆典
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

炎症性腸疾患発症に関して特異的な腸内細菌への絞込みを目的とし、健常人(HC)、原発性硬化性胆管炎合併潰瘍性大腸炎(PSC/UC)患者糞便を無菌マウスへ移植したマウス(HCマウス、PSC/UCマウス)を作成し、PSC/UCマウスでは肝臓内Th17細胞の集積を認めた。PSC/UCマウスのみでKlebsiella pneumonia, Proteus mirabilis, Enterococcus gallinarumの同定培養に成功。Q-PCR法にて解析しPSC/UC患者に高頻度にこれらの腸内細菌が検出。ある特定の悪玉菌の腸内細菌が腸管外病変へ関与する事を見い出し、発展性が期待できる成果と考える。