著者
藤島 和孝 金崎 良三 徳永 幹雄 岡部 弘道
出版者
九州大学
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.99-105, 1989-03-31
被引用文献数
1

中年婦人を対象とした3か月間のテニス教室終了2年後での体力に関する追跡調査から, 次のような結果を得た。1. テニス教室終了時に減少した体脂肪率は, 同教室終了2年後には, 教室開始時および終了時に比べて有意に増加した。2. 教室終了2年後での背筋力は, 終了時より有意に低下した。3. 教室終了時に増加した立位体前屈および伏臥上体そらしの柔軟性は, 同終了2年後には, 終了時よりそれぞれ減少した。4. 教室終了時に15.6%増加した最大酸素摂取量は, 同終了2年後には7.8%減少したが, 同教室開始時の値を維持した。5. 教室終了時に低下した収縮期および拡張期血圧は, それぞれ終了2年後には, 終了時より上昇し, 教室開始時とほぼ同値を示した。以上の結果, 3か月間のテニスによる身体的効果は, 形態・体力面において, 2年後に減退することを示唆した。
著者
山田 利彦 金丸 雄介 石井 孝法 上水 研一朗 金野 潤
出版者
了德寺大学
雑誌
了徳寺大学研究紀要 = The bulletin of Ryotokuji University (ISSN:18819796)
巻号頁・発行日
no.10, pp.31-44, 2016

本研究は山田らの「柔道ルネッサンス活動意識調査~2010年柔道ルネッサンスフォーラム参加者を対象に~」,「柔道ルネッサンス活動意識調査~2010年全国高校総合体育大会柔道競技監督会議出席者を対象に~」に引き続き,2001年から2011年の間に行われた「柔道ルネッサンス」について,2010年の全日本実業柔道個人選手権大会代表者会議出席者に対してアンケート調査を行い,その認知度や効果,必要性等を把握し,2014年4月1日に発足した柔道MINDプロジェクト等の活動に示唆を得ることを目的とした.活動の認知度については主なものを除いて3割を切るものが多く,広報活動の必要性が示唆された.ルネッサンス活動に対する理解が高い者の方が積極的に活動に取り組んでいるという結果から,積極的な活動を促すには理解度の向上に取り組む必要性が示唆された.この活動により柔道に対する意識は7割の者が「良くなった」,「まあ良くなった」と捉えており,柔道界にとって非常に有益な活動として認識されていた.活動の継続については,93%の者が必要であると認識しており,これらの結果を今後の柔道MINDプロジェクトの充実に生かしていきたい.The purpose of this survey is to provide a suggested direction for Japanese Judo to take and suggestions for Judo MIND Project, which was started on April 1st in 2014, following the previous survey of Yamada et al., "A Survey on Consciousness of Judo Renaissance Project: A case study of the participants in the 2010 Judo Renaissance Forum" and "A Survey on Consciousness of Judo Renaissance Project: A follow up case study of the participants at the judo head coach meeting at the 2010 Interscholastic Athletic Meet." We collected opinions about the Judo Renaissance Project, which had been organized from 2001 through 2011. Our questionnaire was distributed to participants in the representative meeting held at the All-Japan Businessmen's Judo Individual Championship in 2010, in order to grasp their recognition of the Judo Renaissance Project, the project's effects and matters necessary to Japanese Judo. The survey shows that the degree of recognition about most activities was lower than 30 percent except main activities. Therefore it suggested that those activities should be publicized much more. In addition, coaches who had high recognition about this project conducted activities positively. In order to encourage them to conduct more positive activities, publicity activities take an important role. 70 percent of the subjects felt the images of Judo had improved as a result of the Judo Renaissance, and 93 percent of the subjects felt necessity of resuming the activity of the Judo Renaissance. It is very important to keep these results in mind in order to well organize the Judo MIND project for the future of Japanese Judo.Keywords: Judo, Judo Renaissance, All-Japan Businessmen's Judo Individual Championship, Judo Mind
著者
安藤 克利 大国 義弘 小松 あきな 松沼 亮 中島 啓 浅井 信博 牧野 英記 金子 教宏
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.604-609, 2011-05-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
14

症例は61歳男性.重症持続型気管支喘息にてPSL 5mg/日内服加療中であった.平成21年12月よりOmalizumabの投与を開始したところ,投与1〜2週目の臨床所見は著明に改善するも,投与後4週目より自覚症状が再燃した.さらに週単位での平均SABA使用回数も投与1-2週目の平均0.61回/日から4週目には平均0.95回/日へと増悪した.このため,平成22年4月よりOmaluzumabを3週間毎投与へと投与間隔を短縮したところ,投与間での症状再燃が消失し,ACTの平均も21.33(投与開始前9.45,4週間毎投与中15.67)まで上昇した.現在,PSL定期内服を減量,中止し,経過良好である.Omalizumabは臨床症状を改善させ,経口ステロイド使用を減少させるが,実地臨床では推奨通りの投与継続にあたって問題点も複数存在する.今回我々は推奨量の4週間毎投与で効果が不十分であったため,3週間毎投与へと投与間隔を短縮したところ,奏効し,PSLの減量,中止が可能になった症例を経験したため若干の文献的考察を踏まえて報告する.
著者
金澤 真理
出版者
山形大学
雑誌
山形大学法政論叢
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-26, 2007-01-31

はじめに 日本の更生保護制度は、官民協働に特徴づけられる。従来「保護会」と呼ばれてきた更生保護施設は、一八八八(明治二一)年に治山、治水事業家でもあった金原明善らが設立した「静岡県出獄人保護会社」を嚆矢とし、以後一〇〇年以上にわたって民間の篤志家、宗教関係者、退職公務員が中心となり、刑務所を出所した者や仮釈放者となった者に食事や宿泊所を提供してきた。また、政府もこれを奨励した。保護会は、戦前、戦後を通じて刑罰を受けた者の社会復帰に重要な役割を果たしてきたが、経営上の困難、施設の老朽化さらには地域住民からの排斥運動等に遭い、その運営に困難を来す場合も少なくなかった。そこで、一九九五年、更生保護事業法の制定により、更生保護法人制度が創設され、「更生保護施設」として、従来の公益法人としての扱いに比べて税制上の優遇措置を受けられるようになり、他の社会福祉法人と並んで、より公益性の高い法人と位置づけられることとなった。この間、更生保護事業が一貫して主として民間の手によって運営されていたことは特筆に値する。現在、更生保護施設を利用する者の大半が保護観察対象者であり、また、刑務所から仮釈放となった者についても約三人に一人が社会復帰の足がかりとして更生保護施設を利用しており、保護観察や仮釈放の実施上、更生保護施設は必要不可欠の存在となっている。就中、近時、矯正施設の過剰収容が問題となっていることから窺知されるように、施設から出所後、更生保護施設における保護を要する者もまた増加傾向にある。本稿は、更生保護事業における更生保護施設の重要性に鑑み、その運営のあり方につき少しく考察を加えるものである。
著者
中井 美智子 ソムファイ タマス 伊藤 潤哉 谷原 史倫 野口 純子 金子 浩之 永井 卓 柏崎 直巳 菊地 和弘
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.105, 2012

【背景】ブタを含む家畜ICSI卵では,受精卵や胚の作出効率が低いことが問題となっている。これは,通常の受精時に生じるとされる一過性の卵細胞質内Ca<sup>2+</sup>濃度([Ca<sup>2+</sup>]i)上昇の反復変動パターンがICSI卵では再現できないことに起因する可能性が考えられてきた。しかし,実際のブタICSI卵における[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターンは明らかにされていない。本研究では,ブタICSI卵とIVF卵における[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターンの比較および受精に及ぼす影響を調べた。【方法】ブタ体外成熟卵と凍結融解精巣上体精子を実験に供した。IVFでは単精子(IVF-mono)と多精子(IVF-poly)侵入卵,ICSIでは電気刺激処理(ICSI-acti),無処理(ICSI-nonacti)卵を作成した。実験1:IVF-mono,ICSI-acti,ICSI-nonacti区卵をCa<sup>2+</sup>指示薬であるFura2に37&deg;C,15分間感作させた後,レシオイメージングシステム(浜松ホトニクス)を用いて測定を4時間行い[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターンを比較した。実験2:IVF‐mono,ICSI‐actiおよびICSI-nonacti区での正常受精率(2極体+2前核/精子侵入卵)を調べた。【結果】実験1:IVF-mono区における[Ca<sup>2+</sup>]i変動は少なく,ICSI-actiおよびICSI-nonacti区でも同様なパターンが観察された。実験2:正常受精率は,ICSI-acti区(67.3 &plusmn; 9.3%)とICSI-nonacti区(48.8 &plusmn; 13.7%)の間に有意差はなく,両区ともにIVF-mono区(100%)より有意に低かった(P < 0.05, ANOVA/Tukey)。【考察】IVF-mono卵で生じる[Ca<sup>2+</sup>]i変動は予想外に低頻度であり,電気刺激の有無にかかわらずICSI卵における[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターンと同様であることが明らかとなった。また,ICSI卵における正常受精率はIVF卵に比べ低いため,その要因が[Ca<sup>2+</sup>]i変動パターン自体の違いではないことが示唆された。

1 0 0 0 OA 皇国百人一首

著者
金子薫園 編
出版者
文明社
巻号頁・発行日
1942
著者
小島 仁志 佐藤 綾香 金澤 朋子 小谷 幸司 島田 正文
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.719-722, 2017
被引用文献数
1

<p>The objective of this study was to evaluate observer's impressions of roost containing behavior and to assess the effectiveness of awareness efforts regarding the conservation of the barn swallow (<i>Hirundo rustica</i>), which is endangered in Japan. In Kanagawa Prefecture retarding park, a group of observers habitually meets to observe the roost containing of the barn swallow, and a questionnaire was administered to 97 participants recruited from this group. Analysis using the semantic differential method revealed the impressions of swallow roost containing to be as follows: 1) There was a high tendency to have a positive impression with or without observation experience. 2) There was a tendency to feel the beauty, a sense of oneness with nature and the life force. The questionnaire description had many comments that awareness regarding swallow conservation has improved, and that observation of the roost containing educates the public about the environment. Observation of the visual scene created by the roost containing the swallows was found to contribute to improving awareness regarding the conservation of swallows in Kanagawa Prefecture.</p>
著者
金澤 朋子 鳥谷 明子 小島 仁志 小谷 幸司 安藤 正人 村田 浩一
出版者
一般社団法人環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 (ISSN:03896633)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.103-106, 2016

<p><tt>本研究では,動物園の役割のひとつである「環境教育」に着眼し,その効果を高める上で重要なツールである解説板の設置位置と来園者行動との関係性を検討した。横浜市立金沢動物園のインドゾウ展示場を対象に,解説板の設置位置を</tt>3 <tt>パターンに分け,展示場前の観覧通路を</tt>7 <tt>区分した上で来園者行動の観察および来園者に直接解説板への関心の有無を確認し,解説板に対する関心度合の把握を行った。その結果,来園者の解説板に対する関心は高いことに加え,解説板を展示場の両端に設置した場合と中央に設置した場合とでは来園者行動が異なることなど,動物園における「環境教育」の機会がより広がる有用な知見が得られた。</tt></p>
著者
金屋, 平右衛門
出版者
金屋平右衛門
巻号頁・発行日
vol.[8], 1704
著者
小谷 幸司 森崎 玲大 金澤 朋子 小島 仁志 島田 正文
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.479-482, 2017
被引用文献数
1

<p>We aimed to examine the management method regarding the facilities of Yokohama Zoo based on visitor satisfaction. We employed a questionnaire survey to examine visitor satisfaction in the "African Savannah" area of Yokohama Zoo; the satisfaction trends for weekdays and holidays were analyzed separately. Results show that the majority of visitors comprised middle- to old-aged women on weekdays and families on holidays. Further, visitor satisfaction was generally high, especially in terms of "cleanliness." We also found that visitor satisfaction on weekdays was primarily affected by "variety of animals" and "direction of space," besides some factors excluded from the survey for holidays, such as the "learning effect," "ease of walking on walkways," and "maintenance of landscape plants." The factors affecting visitor satisfaction on holidays also included "va riety of animals" and "direction of space," in addition to some factors excluded from the survey for weekends - "feeling of cleanliness," "descriptions on explanatory signboards," and "maintenance of rest facilities." Based on the above results, we reviewed the management method of the zoo to improve visitor satisfaction and, by extension, to increase the number of visitors.</p>
著者
小川 芳樹 秋山 祐樹 金杉 洋 柴崎 亮介
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.140-155, 2018 (Released:2018-04-13)
参考文献数
17
被引用文献数
2

将来予測されている南海トラフ地震が発生した場合における危機管理対応を的確に実施するために,本研究は高知市周辺を対象として,近年の観測技術の向上に伴い蓄積されている観測ビッグデータを用いて被害予測に適用可能なミクロデータを整備することで高精細な被害推定を目指す.そのためにGPS付帯の携帯電話のプローブデータ,住宅地図,電話帳などのジオビッグデータを用いて時空間内挿することで,季節ごとの数日間ずつを対象に15分単位の詳細な人の流動が把握できる人流データを開発した.また,整備した人流データを用いて津波・倒壊・火災による人的被害を統合的に推定する環境を構築した.さらに,多様な被害推定結果を分析することで地域ごとの被害尤度分布を明らかにし,地域ごとに起こり得る最大被害・最尤被害を明らかにした.その結果,地域により被害が大きくなりやすい地域とそうでない地域の分布が明らかになった.
著者
神宮 健吾 大津 金光 大川 猛 横田 隆史
雑誌
研究報告システム・アーキテクチャ(ARC) (ISSN:21888574)
巻号頁・発行日
vol.2018-ARC-231, no.16, pp.1-6, 2018-06-07

現在,マルチコアプロセッサが広く普及しており,スレッドレベル並列処理によるプログラムの高速化が可能となっている.一方,その性能を活用するためには並列化された機械語プログラムが必要であるが,数多くの逐次処理機械語プログラムが存在しており,それらはマルチコアプロセッサの性能を活かせないままである.これらをマルチコアプロセッサ上で高速化するためには, ソースコードの並列化と再コンパイル処理という追加的なコストが必要となる.この問題に対して,機械語プログラムをバイナリ変換によって直接並列化する手法が有効である.これを背景に,我々は逐次機械語プログラムから,最適化された並列処理コードへ変換する自動並列処理システムを開発している.本稿では,機械語プログラムをコンパイラ基盤 LLVM の中間表現コードへと変換し,中間表現レベルでの並列化処理において,解析とコード生成を分離するためのインターフェースとなる並列化指示文とそれに基づく並列処理コード生成機能を実現する.プロトタイプの実装を用いた実験により,シングルループの並列化指示文と並列処理コード生成機能により並列の中間表現コードが生成できることを確認した.
著者
片峰 茂 堂浦 克美 金子 清俊 小野寺 節 福岡 伸一 堀内 基広
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本邦におけるプリオン研究者の情報交換の促進と将来の共同研究プロジェクト立ち上げのための準備を目的に本研究を遂行した。情報交換に関しては、平成14年10月21日に長崎において班会議を開催し、班員に加えて数名の内外のプリオン研究者による情報交換と討議の場をもった。その結果、個々の班員間の往来及び研究材料の共有などのいくつかの実が挙がっている。例えば、片峰と小野寺は各々が開発したプリオン蛋白遺伝子に関わる遺伝子改変マウスと培養細胞株を共有することにより、プリオン病神経変性の機構解明へ向けた共同研究の進展が図られた。準備研究に関しては、プリオン研究進展に極めて大きな意味をもつ種々のモデル動物、細胞株、抗体、解析システムの開発が行われ、将来の大型共同研究プロジェクトへの準備は整ったと考えられる。以下に特筆される成果を挙げる。(1)プリオン持続感染細胞株の樹立(片峰)(2)プリオン類似蛋白(Dpl)遺伝子トランスジェニックマウスの樹立(片峰)(3)プリオン蛋白(PrP)と相互作用をする分子の同定法の開発(堂浦)(4)異常プリオン蛋白(PrPSc)に特異的立体構造を認識する抗体の確立(堀内)(5)不死化によるPrP欠損神経細胞株の樹立(小野寺)(6)PrPの細胞内挙動の顕微鏡下での追跡法の確立(金子)(7)タンパク質の2次構造変換定理の発見(柳川)(8)微量核酸(RNA)同定法の開発(福岡)本年度は、他領域との重複などの問題点があり、新規特定領域への申請は見送ったが、本研究の成果を基礎に来年度以降の申請へむけ、さらなる体制整備を行う予定である。
著者
金山 智子
出版者
上智大学
雑誌
アメリカ・カナダ研究 (ISSN:09148035)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.83-113, 2004-03-31

本論文は公的扶助受給者の報道におけるメディアの役割を、メディアの儀礼的視点から考察したものである。本研究では、ニクソンからクリントン政権までの27年間にわたって米国の代表的な雑誌で報道された公的扶助関連記事について内容分析を行った。その結果、これらの報道は定期的な儀礼としての機能を帯びていることが認められ、米国に存在してきた「貧困は罪深い」という共通の信念を読者が確認する機会となっていたことが示唆された。このような信念は17世紀のイギリス社会で発生し、その伝統を引き継ぐ米国社会にも受け継がれてきたことは明らかであり、また公的扶助の受益者についての報道を読者が、習慣的かつ、儀礼的に消費する際に影響を与えていたと理解できる。公的扶助の受益者たちと社会への貢献者としての納税者という二つの異なる立場は、報道を通じて、両者間が調和されるよりは、むしろ納税者の公的扶助受給者に対する敵意を強調することになった。米国では植民地時代同様、近代においても貧困者に対する「辱め」や「卑しさ」の観念が、メディアを通じた儀礼によって継続的に示されてきたのである。