著者
高木 相 藤木 澄義 谷口 正成 鈴木 伸夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.83, pp.31-36, 2000-09-18
被引用文献数
3

交差点に進入する車両密度(単位時間内に通過する車両数)と青信号によって発進する車両密度(最大車両密度)によって、交差点で出来る車両列長が定まる。青信号時間と赤信号時間(黄信号は当面考えない)、車速などの関係で車列長がどのように時間的に形成されるかを、単一の交差点についてモデル的に考察する。結果として、渋滞がどのように進行するか、渋滞がどのようにして解消して行くかを定量的に示す簡単な式を導出する。Vehicle queue can emerge at an intersection in a road due to vehicles being made stop by a red signal, which may depend on both incoming and outgoing vehicle density, and also depend on the signal period and vehicle speed. This article will discuss the dynamics of vehicle queue generation with respect to time at an intersection point. A comprehensive quantitative formula will be derived for congestion queue growing and diminishing.
著者
篠永 正道 鈴木 伸一
雑誌
神経外傷 (ISSN:03895610)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.98-102, 2003-11-28
被引用文献数
8
著者
佐藤 良三 鈴木 伸洋 柴田 玲奈 山本 正直
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.689-694, 1999-07-15
被引用文献数
6 10

瀬戸内海・布刈瀬戸の産卵場周辺の三原市幸崎沖で, ディスク標識を装着した197尾のトラフグ親魚を1994年と1995年の5月中旬に放流した。瀬戸内海では放流後6カ月以内に計14尾が再捕されたが, 多くは放流直後に周辺海域で再捕され, 以後西方の海域へ移動した。外海域では放流1∿22カ月後に11尾が玄界灘∿黄海, 志布志湾などで再捕された。翌年の産卵期に布刈瀬戸の産卵場周辺海域で計10尾が再捕され, 走島沖の2尾を除き, 他の産卵場と関係した再捕報告はなかった。この2尾が備讃瀬戸へ回遊した可能性はあるが, 布刈瀬戸への回帰性も否定できない。以上の結果から, トラフグは産卵場への回帰性を有すると判断された。
著者
内田 博 高柳 茂 鈴木 伸 渡辺 孝雄 石松 康幸 田中 功 青山 信 中村 博文 納見 正明 中嶋 英明 桜井 正純
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.131-140, 2007-11-01 (Released:2007-11-17)
参考文献数
21
被引用文献数
3 3

1994年から2003年にかけて埼玉県中央部の丘陵地帯で,20×20 km,400 km2の調査区を設定して,オオタカの生息密度,営巣環境,繁殖成績,繁殖特性などを調査した.調査地での生息密度は1996年から2003年にかけて100 km2あたり平均12.8から14.0ペアであった.調査地内の隣接最短巣間距離は平均で1.74±0.59 km(±SD,範囲0.79−3.05 km, N=37)であった.営巣樹木は214例のうち,スギが54%,アカマツ30%,モミ13%と常緑針葉樹が97%を占めた.巣の高さは平均14 m,営巣木の69%の高さにあり,胸高直径は平均41 cmであった.巣は林縁から平均68 m,人家から155 m,道路から100 mの距離にあり,人の生活圏に接近していた.繁殖成功率は平均72%で,年により53~87%まで変動があった.巣立った雛は,産卵以降の全巣を対象にした場合平均1.49羽で,繁殖に成功した巣だけの場合,平均2.06羽であった.巣は前年繁殖に使用して,翌年も再使用したものが61%であった.また,9年間も同じ巣を使っているペアもいた.巣場所の再使用率は繁殖に成功した場合65%で,失敗すると50%だった.繁殖に失敗した67例の理由のほとんどは不明(61%)であったが,判明した原因は,密猟3例,人為的妨害4例,巣の落下4例,カラスなどの捕食5例,卵が孵化しなかったもの4例,枝が折れて巣を覆った1例,片親が死亡4例,近くで工事が行われたもの1例などであった.また,繁殖失敗理由が人為的か,自然由来のものであるかで,翌年の巣が移動した距離には有意差があり,人為的であればより遠くへ巣場所は移動した.
著者
岡島 純子 谷 晋二 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.201-211, 2014-09-30

本研究では、通常学級に在籍し、仲間との関係がうまくもてない自閉症スペクトラム障害(ASD)児に対して社会的スキル訓練(SST)を実施し、般化効果、維持効果について検討した。その際、(1)機能的アセスメントの実施、(2)標的とされた社会的スキルに関する概念的理解を深めるために、ASDの特性に合わせた教示の実施、(3)標的とした社会的スキルを行動リハーサルする機会を十分に設定するために保護者とリハーサルをするためのホームワークを行った。機能的アセスメントから特定された標的スキルは、働きかけに反応するスキル、エントリースキル、主張性スキル、感情のコントロールスキル、問題解決スキルであり、10セッションからなる個別SSTが行われた。その結果、社会的スキル得点が向上し、放課後に友達と遊びに行く割合が増え、1ヵ月後も維持していた。
著者
小関 俊祐 巣山 晴菜 兼子 唯 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.35-44, 2014

Effects of interpersonal rejection sensitivity and automatic thoughts relating to social phobia, trait anxiety, and depression, in university students in a teacher education course were investigated to determine if these effects differed between pre- and post-practicum students. We administered questionnaires to first year students (<i>n</i>=84; 37 boys and 47 girls) with no practicum experience (no practicum group) and to fourth year students (<i>n</i>=82; 51 boys and 31 girls) with a practicum experience (practicum group). The results showed that in the no practicum group, "Dependence on Evaluation by Others" and "Negative Expectations for the Future" significantly affected interpersonal rejection sensitivity and automatic thoughts related to social phobia, whereas "Negative Expectation for the Future" had a significant effect on these variables in the practicum group. In addition, "Negative Thoughts about the Self" significantly affected trait anxiety. Furthermore, "Fear of Relationship Failure" and "Unassertive Interpersonal Behavior significantly affected the "Fear of Hurting Others" in the no practicum group, whereas there was a significant effect of "Fear of Criticism by Others" on these variables in the practicum group. In both groups, there was a significant effect of "Negative Expectation for the Future" on depression, whereas in the no practicum group, there was a significant effect of "Positive Automatic Thoughts" on depression.
著者
柴原 弘明 世古口 英 竹下 祥敬 鈴木 伸吾 森本 美穂 稲熊 幸子 森 陽子 工藤 壽美代 太田 由美 西村 美佳 植松 夏子 今井 絵理 西村 大作
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.523-528, 2013 (Released:2013-06-29)
参考文献数
10

【緒言】フェンタニル貼付剤による色素沈着の報告は現在までにみられない. 【症例】43歳, 男性. 直腸がん術後再発に対して, セツキシマブ+イリノテカン療法後, パニツムマブ+FOLFIRI療法を施行した. がん疼痛に対して, フェンタニル貼付剤(フェントス®)投与し, 再発部位に後方からの放射線療法を行った. 経過中, 胸部と腹部のフェンタニル貼付剤の貼付部位に色素沈着がみられた. 貼付中止後, 4カ月でほぼ消失した. 【考察】色素沈着の機序として, フェンタニル貼付剤による接触皮膚炎後の炎症後色素沈着である可能性が高い. 正確な機序の解明のためには, パッチテスト・皮膚生検が望ましい. 【結論】フェンタニル貼付剤投与時には, 色素沈着に留意する必要がある.
著者
駒澤 敦子 鈴木 伸一 久保 義郎 丸石 正治
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.20-29, 2008-03-31 (Released:2009-04-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

本研究の目的は,社会的行動障害が生活の中でどのような情緒・行動面の問題として現れているかを明らかにする「社会適応障害調査票」を作成し,信頼性と妥当性を検討することであった。外傷性脳損傷者451 名を対象に,その家族に回答を求めた。因子分析および確認的因子分析の結果,本調査票は,自己中心性・感情のコントロール低下,自立性の低下,意思疎通の困難さ,記憶力の低下,抑うつ,状況把握の困難さの6 因子,36 項目からなることが明らかにされた。信頼性はCronbach のα係数によって,妥当性は内容的妥当性,FIM ・FAM との相関によって検討した。その結果,高い信頼性と妥当性を有することが示された。
著者
上田 城久朗 能丸 真司 永田 夏織 梶井 信洋 大村 良介 原田 俊則 鈴木 伸明 鈴木 道成 森岡 秀之
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.33-37, 2000-01-05
被引用文献数
17 13

症例は73歳女性.朝食2時間後より突然,上腹部痛出現.腹部CT検査と小腸造影検査より空腸憩室を合併した小腸軸捻転症と診断した.入院約1カ月後,手術を施行したが,小腸全体が反時計回りに720°捻転しており,空腸憩室はTreitz靱帯から約25cmの部位の腸間膜よりに存在した,原発性小腸軸捻転症は,本邦ではまれな疾患で術前診断されることは少ないが,本症例では典型的なCT像より術前診断が可能であった.
著者
福田 実 鈴木 伸 須山 尚史
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.59-63, 2011-06-25

長崎港に入港する国際観光船の乗客数は増加傾向にあり、2009年には約4万人の外国人観光客が上陸した。これに伴って外国人患者も増加している。74歳の男性は数年前より冠動脈疾患•高血圧あったが、特に問題なく旅行を続けていた。国際観光船で旅行中、咳と不快感により夜間に目覚め息切れが出現するようになっていた。第1病日午前2時に強い呼吸困難が出現し船内のメディカルセンターを受診。長崎へ寄港した際、当院へ救急搬送された。重症呼吸不全であり、原因は肺癌・癌性胸膜炎・肺炎・間質性肺炎だった。人工呼吸管理・ステロイド治療などにより若干呼吸状態は改善された。米国よりメディカルチームに来院してもらい、人工呼吸管理を継続しながらチャーター機で移送した。国際観光船入港の増加により重症外国人患者を診療する機会も増加する。英語、中国語、韓国語など接する機会の多い外国語学習、プロの医学通訳育成が必要である。
著者
中村 一博 吉田 知之 鈴木 伸弘 竹之内 剛 岡本 伊作 渡嘉敷 亮二 鈴木 衞
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.298-306, 2006-06-10
被引用文献数
5 2

咽頭食道異物は外来診療において遭遇することの比較的多い疾患である。通常は経口的,経内視鏡的に摘出可能であるが,異物の種類によっては頸部外切開が必要となることもある。今回われわれは外切開による摘出を必要とした下咽頭頸部食道異物の3例を経験したので報告する。<br> 症例1と2は義歯の紛失が主訴であった。CTと単純X線にて下咽頭頸部食道に義歯を認めた。同日,全身麻酔下頸部外切開にて摘出した。<br> 症例3は食事中の突然の顔面頸部腫脹を主訴に当院救命救急部を受診した。初診時のCTにて頸部皮下気腫,縦隔気腫,下咽頭頸部食道異物を認めていたが救命的処置を優先し,第11病日に当科を受診した。同日緊急切開排膿術,異物摘出術を施行した。多量の膿汁と頸部食道粘膜壊死を認め,食道外に蟹の殻が存在していた。第78病日に敗血症で死亡した。<br> 下咽頭頸部食道粘膜は薄く鋭利な物質で容易に穿孔する。誤飲した異物についての詳細な問診が重要である。有鉤義歯の鉤が陥入している場合,無理に抜こうとすると消化管穿孔の原因となる。症例3は皮下気腫から縦隔膿瘍,敗血症となり不幸な転帰をたどった。迅速な診断が重要である。<br> 下咽頭食道異物症例では診断の遅れが致命的になることもある。詳細な問診,迅速な診断,適切な処置が重要である。
著者
鈴木 伸一 熊野 宏昭 坂野 雄二
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.38, no.8, pp.597-605, 1998-12-01
被引用文献数
2

本研究の目的は, ストレス対処過程のeffort-distress次元における心理・生理的反応を検討することであった.被験者は男子大学生22名であり, 実験群と統制群に振り分けられ, effort条件とdistress条件の実験に参加した.測定指標は心拍数, 収縮期血圧, 拡散期血圧, 皮膚電気伝導水準, 末梢皮膚温, effort-distress得点, 心理的反応, であった.分散分析と回帰分析の結果, effort状態では心臓血管系の反応が顕著であり, 拡散期血圧がeffort状態の変化に対応して変化すること, distress状態では抑うつ・不安反応が顕著であり, 皮膚電気伝導水準がdistress状態の変化に対応して変化することが明らかにされた.本研究の結果は, ストレス状況における認知・行動的状態とストレス諸反応との対応関係を明らかにするものであると考察された.
著者
巣山 晴菜 横山 知加 小松 智賀 野口 恭子 兼子 唯 鈴木 伸一 貝谷 久宣
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 = Japanese journal of behavior therapy (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.87-97, 2013-05-31
参考文献数
19

本研究の目的は、「不安うつ病尺度(Anxious Depression Scale; ADS)」の開発であった。不安障害にうつ病を併発した患者114名、うつ病を併発していない不安障害患者153名、大うつ病患者80名、大学生97名を対象に質問紙調査を行った。ADSは「行動・情動症状」、「身体症状」、「攻撃的情動(動的情動)」、「非攻撃的情動(静的情動)」の4因子で構成され、内的整合性は高かった(α=0.72〜0.92)。また、ADSは他の対象者と比較して不安うつ病患者において有意に高得点であり、うつ症状評価尺度と中程度の正の相関関係にあった。以上の結果から、ADSは高い信頼性と妥当性を有することが明らかにされた。