著者
粟田 主一 鈴木 一正 島袋 仁
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.日本語版WHO-5の有用性を地域在住高齢者の自殺念慮検出という文脈で評価した.70歳以上高齢者696人に一連のアンケート調査を実施Chronbach α係数は0.87,Loevinger係数は0.64.WHO-5合計点は,同居家族数,身体疾患数,身体機能,手段的ADL,抑うつ症状と有意に相関.自殺念慮をもつ高齢者ではWHO-5合計点が有意に低い.ROC曲線分析は自殺念慮のある高齢者を有意に識別.主観的ソーシャルサポート(PSS)欠如と組み合わせ,WHO-5合計点12点以下またはいずれかの項目で0点または1点であることをカットオフにすると,より適切に自殺念慮を識別できた(感度87%,特異度75%,陰性的中度99%,陽性的中度10%).日本語版WHO-5はPSSとの組み合わせで地域在住高齢者の自殺念慮を効果的に検出できる.2.高齢者のうつ病早期治療と自殺予防を日的とする都市型地域介入プログラムを開発するために、ポピュレーション戦略とハイリスク戦略を組み合わせた総合的地域介入プログラムの効果を,自殺念慮と精神的健康度を転帰の指標として調査した.普及啓発,保健相談,地域活動強化,スクリーニング型介入は地域住民のソーシャルサポートを高め,保健専門職による訪問・ケースマネジメント型介入がうつ病高齢者の精神的健康度を高め,自殺念慮を軽減した.また、2002年にスタートした本研究および2004以降に仙台市でモデル事業化されている総合的地域介入事業が高齢者の自殺率に及ぼす効果を検証するために、仙台市における高齢者の自殺死亡数の推移を調査したところ、1990年〜2001年までは80歳以降の後期高齢期に自殺率のピークが認められていたが,2002-2005年の4年間で後期高齢期の自殺率ピークが消失した.後期高齢期の自殺率ピークの消失は,男女いずれの群にも認められた.高齢者の自殺率減少が最も目立つ区は,モデル事業として介入事業をスタートさせた宮城野区であった.うつ病高齢者を対象とする総合的地域介入事業は,高齢者の自殺予防に有効である可能性が高い.
著者
鈴木 理沙 深澤 彩 岡田 謙一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.1909-1917, 2014-08-15

人間の五感の1つである嗅覚を通して得られる情報は,情動や記憶へ直接作用するといわれている.そのため,映像に香りを付加することにより臨場感を高める効果が期待され,映画館などで香りによる演出が施されることがある.映像に香りを付加する場合,視聴側では映像の再生と香りの提示を同期させる必要がある.また,制作側では映像の内容に合致した香りを付加する必要がある.視聴側に関しては,字幕放送を利用する方法など映像と香りを同期させる手法が提案されている.一方で,制作側に関してはあまり着目されていない.そこで,本研究では香りが付加された映像を制作する側に焦点を当てる.制作側は,シーンに合わせて変化する動的な香りを「デザイン」する必要がある.そのため,我々は映像と同期させる香りをデザインするためのツールを構築し,容易に香りが付加された映像の制作を可能にする.テレビの映像にも対応させ,家庭のテレビにおいて香りの付加された映像の視聴が可能になることをめざす.そして,視覚や聴覚だけでなく嗅覚を用いた映像の演出を実現し,家庭などで身近に映像とともに香りを楽しむことが可能になることを期待する.
著者
坂本 弘志 古平 真一郎 石島 隆志 山本 利一 鈴木 道義 針谷 安男
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
no.30, pp.529-538, 2007-07-01
被引用文献数
1

中等教育における『技術・家庭科』の技術分野(以下:技術科)は,産業社会への橋渡し役を担う教科である.そして,近年,子どもたちの科学技術離れが叫ばれ,新卒者の3年以内の離職率が35%にも及ぶなどの状況の中,技術科は,キャリア教育としての側面や,持続可能な成長につながる人間性の育成にも多大の寄与をするものとして期待がかけられている.本研究は,技術科教育を通して,今後の社会の中でも夢の実現に向け大きな課題に立ち向かっていける人材の育成を最終目標とする.そして,ものづくり企業等で急速に広がっているPDCAサイクルを教育的見地から分析し,その中から,持続可能な成長につながる人間力を育むために必要と考えられる複数の力を抽出した.それらの力を本研究で定義する『学習マネジメント能力』と,これまで提唱されてきている『生きる力』との2つに分類し,それらを育成するための題材の一例として,ロボットコンテスト(以下:ロボコン)製作題材をモデルとしたループ・スパイラル型の学習プログラムを提案する.
著者
長 哲郎 松岡 英明 内本 喜一朗 鳥居 滋 野中 勉 鈴木 周一
出版者
東北大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

本研究は重点領域研究「有機電気化学の新展開」の総括班としての機能を有し、実施グループ5名と評価グループ6名から構成され、評価グループの助言を得ながら、4つの班相互の連絡を緊密にして研究計画全体の効果的推進を計った。1.研究項目と成果電子移動反応場の設計と制御(A01)、超活性反応種の創成(A02)、メディエーター反応の展開(A03)と錯体電子移動系の展開(A04)の4研究項目を設け、計画班員29名(3年間同数)、公募班員平成7年度91名(平成5年度55名、6年度87名)により研究の推進を計った。平成8年10月の総括班による評価では、各研究項目は何れも顕著な成果を挙げ、有機電気化学の格段の発展に繋がるとともに、他の方法では実現できない有機反応系を発展させ、さらに錯体化学、生物電気化学と有機電気化学との境界領域を築く成果も得られ、当初の目的を充分達成した。2.全体会議、公開シンポジウム等の開催6回の全体会議、5回の公開シンポジウム(第2回全体会議から全体会議に続けて実施)、11回の総括班会議、17回の実施グループ会議、10回以上の班会議、4回の班組織を越えた横断的研究会議を開き、班員相互の情報交換、班員同士の協力研究や横断的研究の実施、研究計画全体の効果的推進、報告書の作成打ち合わせ等を進めた。3.印刷物の発行各年度未に研究成果報告書(各班員和文2ページ、英文2ページ)および3年間の研究成果報告書(各班員英文4ページ)を刊行した。また、全体会議、公開シンポジウムの際には要旨集を、さらに12回のニュースレターを班員等に配布し、研究の目的、研究の進行状態等の周知徹底を計った。平成10年2月には英文図書“New Challenges in Organic Electrochemistry"を出版するべく一般学術図書の補助金申請を行い準備を進めている。
著者
鈴木 亮子
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.258-264, 2007-02
著者
鈴木 敏紀
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.207-229, 1996

貨幣の諸機能については,マルクスが『資本論』 において価値尺度,流通手段,蓄蔵手段,支払手段,世界貨幣という順でかなり詳細に分析している。マルクス経済学においては,この貨幣機能論が基本をなしている。しかしこの貨幣機能論の解釈は必ずしも一致して理解されているわけではない。例えば,世界貨幣は貨幣機能の範疇に入るものなのかどうか。また蓄蔵手段の機能から支払手段の機能への機能的発展はどのような論理内容で展開されなければならないのか。価値と価格との乖離の問題と貨幣の機能との矛盾はどのような論理で解決されるべきか。そもそも貨幣とは何か。これらの諸問題に対して多くの研究がなされてきたのであるが,岩井克人の 『貨幣論』 はこれまでの研究の成果に非論理的で非科学的な見過ごすことのできない論理をもってマルクス貨幣論を批判している。岩井は価値形態論における貨幣の必然性についても貨幣機能論においても「宙吊りの無限の循環論法」なる論法でマルクスの貨幣の必然性と貨幣の機能論とを一刀両断しているのであるが,岩井が循環論的貨幣機能論を展開すればするだけ,その非論理性と非実証性が明らかになるのである。本論文は,マルクス貨幣論が基本的に正しいことを追加的な概念装置を使って論証することを目的とする。貨幣機能の追加的概念装置とは,価値実現手段としての貨幣,使用価値実現手段としての貨幣,価値擬制手段としての貨幣および「信用の二重性」である。とくに「信用の二重性」とは,「本来的信用」と「擬制的信用」という信用の二重構造を意味する。「本来的信用」とは,貸付信用,商業信用,及び銀行信用における信用を実体とするものであり,その形態は商業手形およびそれから発展した「究換銀行券」を含む「信用貨幣」である。「擬制的信用」とは,国家の「法の支配」による「法的権威」を信用の実体とする「権威的信用」であり,その形態は「不換紙幣」であるところの「不換銀行券」と「政府紙幣」である。岩井が強調する「薄汚れた紙切れ」であるこの「不換紙幣」が永続的に流通する「秘密」を解くカギは,「宙吊りの無限の循環論法」が錯綜する宇宙にあるのではなく,「信用の二重性」が錯綜する現実の場に隠されているのである。本論文はこれを明らかにする。Karl Marx analyzed the functions of money in his "Das Kapital" in great detail. They are measure of money, means of circulation, means of hoard, means of payment, and world money. Marxist economics is based on this theroy of money. But we have some interpretations of this theory of money. For example, is world money included or not in the category of functions of money? What is the logic of the development that means of hoard switch over to means of payment? What is the logic which solves the contradictions that price estranges itself from value? What on earth is money? We have the outcome of many years of the study. But Katsuhito Iwai critisises the Marxist theory of money with his preposterous logic that we cannot pass over. Iwai cuts the necessity of money in the forms of value and the functions of money in hanging in two with a single stroke of the sword with the logic of "infinite circular argument hanging in midair"; however, his logic is not logicaly and positive definitely. The purpose of this paper is to demonstrate with the device of added conceptions that Marxist theory of money is correct basically. The added conceptions are means of realization of value, means of realization of value of use , means of fiction of value, and duality of credit. The last conception i. e. duality of credit means dual struture of credit in which "primary credit" and "fictitious credit" exist. Primary credit means the credit which is based on the relations of credit. The money which circulates in the place of the relations of credit is "credit money" which have developed from commercial papers. Fictitious credit means "authoritative credit" which is based on the credit of "a legal authority" which originates from "the cotrol of the law" by the state. The money which circulates in the place of the relations with "authoritative credit" is "inconvertible notes" which are represented by inconvertible notes of bank and notes of government. The key to the solution of the "secrecy" that the inconvertible notes which are "filthy papers" emphasized by Iwai circulate perpetually does not exist in the space of "infinite circular argument hanging in midair", but in the real place of "duality of credit".
著者
納口 恭明 下川 信也 栢原 孝浩 鈴木 真一 小林 俊市
出版者
独立行政法人防災科学技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

災害を引き起こすような自然現象を科学教育・防災教育を目的にコンパクトに再現できる装置をまとめた手で持ち運べるハンディータイプの科学館と車1台で運べるポータブル科学館を開発した。このなかには雪崩、落石、地盤液状化現象、固有振動によるビルの倒壊、台風、突風などが含まれる。これらを用いた実践例は合計で数百件を越える。
著者
天野 和孝 鈴木 政憲 佐藤 時幸
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.299-307, 2000-04-15
被引用文献数
8 15

鮮新世における日本海への暖流の流入した層準を明らかにすべく, 秋田県の天徳寺層産の軟体動物群を検討した.天徳寺層は岩相的に下部, 中部, 上部に細分される.本層の時代は本層中部から抽出された石灰質ナンノ化石より鮮新世中期のNN16帯下部から中部と判断される.天徳寺層から産出した軟体動物群中には鮮新世〜更新世前期に日本海側で生息した大桑・万願寺動物群の特徴種と中新世塩原型動物群の残存種2種が含まれる.また, 多くの寒流系種に加え, 天徳寺層の基底部および中部から15種もの暖流系種が新たに認められた.暖流系種の産出状況から, 天徳寺層基底部および中部堆積時には, 薄い暖流が冷水塊上を流れていたと思われる.
著者
佐藤 美理 山縣 然太朗 鈴木 孝太
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、小児における抑うつ症状の罹患率が上がっている。我々は、コミュニティベースのコホート研究により、思春期における抑うつ症状と他のメンタルヘルスに関する要因の検討を行った。起立性調節障害は思春期特有の症状である。我々は、女子において、抑うつ症状とこの起立性調節障害に因果関係があることを明らかにした。また、歪んだボディイメージは抑うつ症状と関連があることが示唆されており、検討した結果、思春期の早い段階で体型に関する不満足があることが後の抑うつ症状の増加に関連していた。
著者
馬上 謙一 坂口 勲 鈴木 拓 糸瀬 悟 松谷 幸 工藤 政都 石原 盛男 内野 喜一郎 圦本 尚義
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.8, 2013 (Released:2013-08-31)

Nagao et al. (2011) によるはやぶさ試料の希ガス同位体分析は太陽風照射とそれに伴う太陽風起源He/Ne間の分別を明らかにした.しかし,希ガス分析は粒子一粒ごとの結果でありSTEM観察との直接比較を行うには希ガス分析事前にSTEM観察を行うなど,分析方法の工夫が必要である.そこで,我々が開発したポストイオン化二次イオン質量分析装置LIMAS(Laser Ionization Mass Nanoscope)を用いることで,希ガス同位体分析を数十nmスケールの空間分解能で行うことが可能となり得る.本発表では新しい局所希ガス同位体分析手法をもとに,イトカワ表層での太陽風照射の履歴に関して期待される結果について述べる.
著者
平 朝彦 飯島 耕一 五十嵐 智秋 坂井 三郎 阪口 秀 坂口 有人 木川 栄一 金松 敏也 山本 由弦 東 垣 田中 智行 西村 征洋 鈴木 孝弘 木戸 芳樹 渡邊 直人 奥野 稔 井上 武 黛 廣志 小田 友也 濱田 泰治 室山 拓生 伊能 隆男 高階 實雄 勝又 英信 原田 直 西田 文明 南川 浩幸 金高 良尚
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7, pp.410-418, 2012
被引用文献数
5

東北地方太平洋沖地震において関東地方を中心に前例のない広域的な液状化被害が報告されている.都市地盤における液状化現象を理解し,その対策を立てるには,液状化が地下のどこで起ったのかを同定することが極めて重要である.本報告では,千葉県浦安市舞浜3丁目のボーリングコア試料に対して,X線CTスキャン解析を実施し,非常に鮮明な地層のイメージの取得に成功した.この結果,地面下13 mまでの地層を5つのユニットに区分することができ,その中で6.15 mから8.85 mまでの間で地層のオリジナルな構造が破壊されており,液状化した層であると判定した.この手法は,今後の液状化研究に関して,大きな貢献が期待できる.
著者
野口 孝俊 渡部 要一 鈴木 弘之 奥 信幸 大和屋 隆司 渡邊 雅哉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.305-320, 2012 (Released:2012-05-18)
参考文献数
5
被引用文献数
3

東京国際空港(羽田空港)では,新たな離発着能力を創出するために,羽田空港再拡張事業として,沖合に4本目の滑走路(D滑走路)を新設する事業が2007年3月末に着工され,2010年10月末に供用開始した.羽田空港D滑走路の建設事業は,軟弱地盤が厚く堆積する地盤上の建設であること,河口部に位置するため,洪水時の河川流量を確保する観点から一部に桟橋構造が採用されていること,短い工事期間が設定されたことなどから,最新の土木技術を集結し,さまざまな設計・施工上の工夫をした.本稿は,当該事業の埋立部を中心に主に地盤工学の立場から,地盤改良工の施工,軽量土の施工と品質管理,埋立部の計測施工,盛土の施工と品質管理,供用開始後の維持管理について,その概要をとりまとめたものである.
著者
鈴木 清一 小山内 康人 上野 禎一
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1995

2年度に渡り国内各地の軟体動物を主とする化石産地10数箇所を調査し,既存データを含めて続成作用に伴う炭酸塩化石硬組織の保存状態の変化を検討した.初生鉱物がアラレ石のものと方解石(低Mg方解石)のものとの間で保存状態が異なり,有孔虫殻など高Mg方解石のものはそのいずれとも相違する.最も安定なのは方解石で下部白亜系でも初生内部構造が残存することが確認された.次いで安定なのは高Mg方解石で,3者中で最も溶解し易いという一般的見解とは異なる結果を得た.これは埋没段階の極めて早期の低Mg方解石化に起因すると思われる.アラレ石は最も不安定であるが,方解石化により殻体自身は保存されることが多い.ただし,内部構造は消失する.方解石化は第四系でも生ずる一方で,上部白亜系に未変質で残存することもあり,母岩の状況に左右される.一般に未変質アラレ石は,泥岩のような細粒砕屑岩類や方解石セメントが粗粒化した砂岩に含まれる.これらの岩相では間隙水の流動性が低いとみなされる.炭酸塩化石の他鉱物による交代現象は極めて多様であり,とくにアラレ石質殻体の選択的な交代により,内部構造を保存することが,珪化,緑泥石化,海緑石化,黄鉄鉱化で確認された.珪化は様々な地質時代と地域を通じて普遍的に生じている.この種の珪化はアラレ石の方解石化以前の埋没早期に行われており,化石内容や産出層準,方解石セメント中の微量元素なども含めて判断すると,埋没環境として沿岸域における「海水-淡水混合帯」を想定できる.なお,一部では方解石化後にも珪化が生じ,2段階の交代作用が認められた.この他,アンケライト,菱鉄鉱,重晶石,方沸石の晶出例があったが,交代か溶脱後の充填か不明である.また,カソードルミネッサンス像観察により,方解石の再結晶化に伴う化石とセメントの同化段階が識別され,続成変質の進行を従来より詳しく検討できることが判明した.