著者
鈴木 優 吉川 正俊
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.20-32, 2010-09-28

本研究では,Wikipedia において記事の信頼度を算出する際に,重要となる著者であるキーパーソンを簡易な方法で推定し,それら重要な著者の情報だけを利用して信頼度を算出することによって,すべての著者の情報を利用して信頼度を算出する方法よりも高速で精度の高い信頼度を算出する手法の提案を行う.これは,記事の大部分は少数の著者によって記述されているため,多くの著者の編集はその記事の信頼度には影響しないと考えることができ,それら多くの著者が行った編集を信頼度算出に用いないことにより,信頼度の算出にとって不要なノイズを除去することができると考えたためである.評価実験において信頼度が正しく算出できたかどうかを確かめた結果,確かに信頼度の精度が向上したことを確認することができた.さらに,提案手法を用いることにより,信頼度を計算するための計算コストを削減することも可能となった.We propose a fast credibility assessment system of Wikipedia articles by identifying major contributors to reduce the calculation costs in determining the degree of credibility of Wikipedia articles. In our proposed system, similar to existing credibility degree measuring systems, the first calculates each editor's credibility values using the lifetime of versions, which is a number of versions includes the edits. Next, our system calculates the credibility values of articles by combining those of the article's editors. In this process, when the system identifies a small number of major contributors who have large effects to credibility degrees of articles, we can reduce calculation costs. Therefore, we propose three methods for identifying major contributors, such as number of versions based method, number of distinct document based method, and combined method of number of versions based method and number of distinct document based method. In our experimental evaluation, we unveil that our proposed system can reduce the calculation costs and increase the accuracy of credibility values of articles.
著者
佐藤 由美 玄 善允 弘谷 多喜夫 佐野 通夫 李 正連 宮崎 聖子 磯田 一雄 仲村 修 鈴木 常勝 前田 均 上田 崇仁
出版者
埼玉工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

日本統治下の台湾や朝鮮では、学校教育を受けることのできる子どもたちは限られていた。その機会に恵まれた子どもたちでさえも、その期間は限定されていたが、子どもたちは学校以外でもさまざまな学びを経験したはずである。そこで私たちは学校教育以外の場で、子どもたちがどのような学びを経験したのか、その様相に焦点を当て多様性を明らかにした。例えば、社会教育(伝統教育機関、夜学や国語保育園など)、サブカルチャー(児童文学、紙芝居、ラジオ、労働、遊び)の中での彼らの学びである。資料としては、当時の政策文書や新聞雑誌、インタビュー調査の記録を用いた。
著者
諫早 勇一 望月 哲男 望月 恒子 鈴木 淳一 中村 唯史 大平 陽一 阿部 賢一
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011

19世紀ロシア文学はドストエフスキイやトルストイの文学にみるように、プロットの面から「移動」と密接につながっているばかりでなく、時空間感覚を含めたその表現においても「移動」と切っても切れない関係にあった。本研究では、19世紀ロシア文学だけでなく、20世紀ロシアの文学・芸術、さらには中東欧の20世紀文学も視野に収め、「移動」の果たした役割を再検討して、「移動」は文学表現において重要な位置を占めるだけでなく、視点という問題を介して、文学とそれ以外の芸術とを結びつける重要な要素であること、亡命・越境のような20世紀の大きな文化現象を表象するためのキーワードであることを確認した。
著者
鈴木 達雄
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.61-69, 1999-07-15
被引用文献数
2

人類は急増する人口を支える食糧を得るため、農地を拡大し、家畜を飼うために森林を伐採し続けてきた。地球上の大型動物の多くは、人類が改良した家畜で占められ、陸上の生態系は、人類の都合のいいように作られてきた。しかし、世界の食糧供給は、需要の急激な増加に追い付けない状態になっている。その一方で、科学技術の発展に伴い、膨大な化石エネルギーと資源を消費して、大量の製品と廃棄物を生産し、その廃棄物で生物生産にとって重要な浅海域を埋め立て、有害物で地球環境を汚染してきた。そして、現在の科学技術でも達成不可能な高効率で、太陽エネルギーを光合成に利用する植物や植物プランクトンの働きを阻害することが、自殺行為であることに気付き始めた。我々が資源の利用方法、排出する廃棄物の利用、および処理方法を、正しく管理するように意識を変えないと、人類を含めた生物の存続が、脅かされることになる。可能な限り我々が生産する製品や廃棄物が、生物の行う物質循環を損なわないようにするのは勿論、智恵を働かせて、この物質循環を人類を含む生物にとって、持続可能な方向に変えてゆく努力が必要である。産業副産物と自然の力を巧みに利用して物質循環を円滑化し、食糧を増産する試みが行われている。
著者
藤田 淳 稲垣 恭孝 米井 嘉一 大塚 征爾 中澤 敦 塚田 信廣 鈴木 修 桐生 恭好 水野 嘉夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.472-477, 2000-04-05
被引用文献数
2

症例は45歳男性の特発性ヘモクロマトーシス.皮膚色素沈着,糖尿病,肝線維化,下垂体性腺機能低下を呈しHLAはA11,A31(19),B46,B60(40),Cw1,Cw7でHFE遺伝子変異(C282Y,H63D)を認めなかった.更にHLAの記載のある本邦報告25例につき文献的に検討した結果欧米症例で高率なHLAA3,B7,B14の頻度は本邦症例では極めてまれであり人種差が認められた.
著者
鈴木秀夫 久保幸夫著
出版者
朝倉書店
巻号頁・発行日
1980
著者
新家 光雄 赤堀 俊和 眞鍋 哲典 竹内 力 桂 成基 福井 壽男 鈴木 昭弘
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.154-161, 2004-03-01
被引用文献数
1

科研費報告書収録論文(課題番号:15200035/研究代表者:新家光雄/ナノ変調構造制御による生体用低弾性率型超弾塑性機能チタン材料の創製)
著者
小川 昭之 石和 俊 鈴木 正義 中下 誠郎
出版者
大分医科大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1985

脳波, 心臓拍動, 姿勢などの制御系の揺らぎ現象に自己回帰解析を施し, 発育しつつある生体に潜む動的活動の年齢特性を明らかにすることを目的として, 昭和60年より62年に至る3年間に次の実績をえた.1 脳波解析による正常小児脳活動の発達現象に関する定量的研究未熟児より15歳に至る健康小児の覚醒・睡眠脳波に自己回帰・要素波解析を施すと, 複雑な脳波活動を構成する要素波の周波数, パワー, 減衰時間持続性, 情報活動量などの諸特性を求めることができる. そこで, 新生児から学童に至る小児の各脳部位導出脳波の要素波特性の発達に伴う変化を明らかにした(昭60). さらに, 自己回帰モデルを応用した脳波の2次元表示の手法を開発し, 互に有意差のない脳波群からなるいくつかの2次元脳電図の平均パターンを図示する方法や, 2つの2次元脳電図を比較して推計学的に有意差のある部分を図示する方法を開発し(昭61), 未熟児や学童の発達に伴う2次元脳電図の定量的変化を明らかにした(昭62).2 直立姿勢調節制御活動の解析と, その発達特性に関する研究健康幼児・学童の前後・左右の揺らぎ曲線に自己回帰解析を施し, 構成要素波を求める手法を開発し(昭60), 5歳から12歳に至る正常児の直立姿勢の揺らぎの発達を求め(昭61), さらにパターン識別によって発達過程の定量的変化を明らかにした(昭62).3 心拍変動の揺らぎの解析と, その発達特性に関する研究任意の時刻の心拍変動はそれ以前の過去の刻々の拍動状態の歴史に確率的に関連する面としない面とがあるので, 拍動周期の時系列も自己回帰性を示す. そこで, R-R間隔時系列の自己回帰解析システムを開発し(昭60), それを用いて新生児の心拍変動を生直後より解析し(昭61), さらに静・動睡眠期での発達特性を明らかにした(昭62).