著者
鈴木 光二 岩間 章介 鈴木 直人 武者 広隆 小藤田 和郎 奥田 邦雄
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.1581-1588, 1980-10-05 (Released:2007-12-26)
参考文献数
34

大腸菌に対する抗体(大腸菌抗体)を急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変症(代償性)患者の血清について赤血球凝集反応を用いて検索したところ,肝硬変症では他疾患と比べて有意に高い出現率を示した.大腸菌抗体陽性の肝硬変症では陰性例に比べて血清γグロブリン値,IgA値は高値を示し,IgGも高い傾向であつた.肝硬変症で,ICG 15分血中停滞率と血清γグロブリン,19G, IgA値が良く相関した.大腸菌抗体は腸管由来の抗原に対する抗体であることを考慮すると,上記の結果は肝硬変症では腸管由来の抗原に対する抗体の産生が促進し,それが高グロブリン血症の成因の1つになつていることを示唆している.肝硬変症では肝内血流異常の為に腸管由来の抗原物質の処理不活化が低下していると考えられる.
著者
鈴木 達三
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.73-91, 2003 (Released:2006-07-03)
参考文献数
42
被引用文献数
1 1

Until now, social surveys (i.e., public opinion surveys) heve been conducted using the face-to-face interview method. This is due to the facts that: (a) resident registrations (or voting registries), which are regarded as a sampling frame which adequately represents total populations, are available in Japan and can relatively easily facilitate obtaining unbiased probability samples, and (b) the reliability of the face-to-face interview method in surveys is regarded as high. Conversely, from the perspective of the spread of household telephones, the telephone survey method has been regarded as one by which it is impossible to obtain probability samples which represent ordinary citizens. Since the 1980s, household telephone coverage has increased (to over 90%). Consequently, the telephone survey method, which is especially useful for its promptness, has been used for voter forecasting surveys, and in the 1990s this method also has been utilized in public opinion surveys. However, not enough research on the telephone survey method has yet been done with respect to the representativeness of its samples or the reliability of survey results. This paper discusses past and current research regarding telephone surveys (specifically the current RDD survey method), and actual survey results, including their errors (except sampling errors). Moreover, by comparing the responses using both the telephone survey method and face-to-face interviews, the differences between the two methods are discussed. The current RDD method is viable; however, we cannot predict this method's future due to developments in communication technology. Finally, because there are many problems to overcome with respect to actual survey methods, further research, e.g., accumulating actual survey results and re-analyzing existing survey data, is necessary.
著者
荻野 雅史 稲岡 忠勝 渡邊 彰 米田 光宏 佐々木 和人 浅野 賢 鈴木 英二
出版者
社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
埼玉理学療法 (ISSN:09199241)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.10-13, 1996 (Released:2003-07-30)
参考文献数
15
被引用文献数
1

健常中高年女性63名を中年群,高年群の2群に分類し,骨密度に関連している因子の検討を体重,BMI,体脂肪率,体脂肪量,除脂肪量,握力について行った。その結果,各々の平均値では,骨密度,握力において高齢群で有意に低値を示した。骨密度との相関関係について,骨密度と体重,BMIとの関係では,両群ともに有意な相関が認められた。しかし,骨密度と体脂肪率とでは,両群ともに有意な相関は認められなかった。骨密度と体脂肪量との関係では,両群ともに有意な相関は認められたが,骨密度と除脂肪量とでは,中年群でのみ有意な相関が認められた。骨密度と握力との関係では,中年群でのみ有意な相関が認められた。骨密度は,体脂肪率といった体組成の割合による影響は認められず,体重,体脂肪量などその重さ(絶対値)が関係していた。また,筋力も重要な因子であることが確認できた。正しい体重管理,スポーツ,運動による筋力の向上などの外的因子を考慮した生活習慣の管理・指導が骨粗鬆症には重要であることが示唆された。
著者
原田 勇希 坂本 一真 鈴木 誠
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.319-330, 2018-03-19 (Released:2018-04-06)
参考文献数
28
被引用文献数
18 5

本研究は, 中学生はいつ理科を好きでなくなるのか, 理科の好嫌の性差はいつ生じるのかを検討し, さらになぜ理科を好きでなくなるのかを期待-価値理論の枠組みから分析することを目的とした。本研究では, 期待の指標として各単元に対する統制感を, 課題価値認知の指標として各単元の学習内容に対する興味価値を測定した。分析の結果, (1)男女ともに中学校1年生で理科の好嫌が減退する。その後, 男子には明確な減退傾向はないものの, 女子では2年生でも顕著に減退すること, (2)理科の好嫌における性差は2年生から出現し, 3年生ではさらに拡大すること, (3)どの学年においても統制感と興味価値の両方が理科の好嫌に影響するが, 関連の様相は学年と単元によって異なること, (4)物理分野に該当する単元は他の単元と比較して統制感が低いことの4点が明らかになった。
著者
牧迫 飛雄馬 赤井田 将真 立石 麻奈 松野 孝也 鈴木 真吾 平塚 達也 竹中 俊宏 窪薗 琢郎 大石 充
出版者
一般社団法人 日本老年療法学会
雑誌
日本老年療法学会誌 (ISSN:2436908X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-7, 2022-03-01 (Released:2022-03-30)
参考文献数
42
被引用文献数
2

【目的】地域在住高齢者における軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)に関連する可変因子を探索し,それらの組み合わせによるMCIとの関連性を検討することを目的とした。【方法】地域コホート研究(垂水研究2018および2019)に参加した高齢者のうち,MCI群289名と非MCI群289名(プロペンシティ傾向スコアによる1:1のマッチング)の計578名(平均年齢76.15歳,女性63.7%)のデータを横断的に分析した。決定木分析によりMCIの有無に関連する項目を抽出してグループ化した。【結果】決定木分析の結果,握力低下(男性 28 kg未満,女性 18 kg未満),睡眠の質の低下,社会参加の有無の組み合わせによりグループが形成され,MCIの割合は握力低下なし+睡眠の質の低下なしの群で最も低く(37.7%),握力低下あり+地域行事の参加なしの群で最も高かった(82.0%)。【結論】筋力が維持され,睡眠の質が良好な高齢者では認知機能低下が抑制されている可能性が高く,一方で筋力が低下し,社会参加(地域行事などへの参加)が乏しい高齢者では認知機能の低下が疑われ,MCIを有する割合が高くなることが示唆された。筋力,睡眠,社会参加を良好な状態に維持すること,またはいずれかに低下が認められてもそれ以外の因子を良好な状態を保つことが認知機能低下の抑制に寄与するかもしれない。
著者
鈴木 隆雄
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.339-344, 2004-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
12

犯罪捜査において, 犯罪を立証するためには物的証拠が不可欠であるが, 裁判において, その物件が犯罪の証拠であることを科学的に証明する学問を法科学と呼んでいる. 法科学は大きく2つの範疇に分けられる. 1つは, 犯罪現場で採取される物件の分析鑑定を法科学者が行うための学問である犯罪鑑識科学と, 他の1つは死体を医学者が医学的に検証する法医学である. 犯罪鑑識科学は, 狭義の法科学とも呼ばれ, 生物学, 化学, 工学, 心理学, 文書, 指紋・足痕跡・写真などの分野を包含し, あらゆる犯罪捜査の鑑識活動を支えている. 鑑識画像科学は工学分野に属するが, その技術は様々な犯罪鑑識科学の分野で利用されている.
著者
森田 匡俊 鈴木 克哉 奥貫 圭一
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-7, 2014-06-30 (Released:2019-02-28)
参考文献数
7
被引用文献数
23 7

Using the empirical road network data and regression analysis, we investigated the ratio of the road distance to the straight line distance in major cities in Japan. The ratios are relatively different by cities. Therefore, in order to replace the road distance by the straight line distance, we do not use the known ratio that is revealed in different city without careful consideration. If we replace the road distance by the straight line distance, we have to consider the road network of the target city. In addition, we found that the cities which have small ratio of the road distance to the straight line distance generally tend to have high coefficient of determination. In other hands, the cities that have high ratio of the road distance to the straight line distance generally tend to have small coefficient of determination. Therefore, when we replace the road distance by the straight line distance in the cities which have small ratio of the road distance to the straight line distance, there is a certain degree of reliability.
著者
鈴木 常彦
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2023-IOT-62, no.11, pp.1-6, 2023-06-27

2023 年 3 月 14 日から始まった一連の DNS 水責め攻撃について報告する.この攻撃は約 6 万 IP アドレスから約 14 万ドメインへの絨毯爆撃とも言える大規模な攻撃がコンスタントに本報告執筆時点の 6 月上旬まで継続しており,多数の企業,自治体,政府機関等の DNS 権威サーバが応答障害に追い込まれている.本報告はハニーポットでの観測データを分析し考察したものである.
著者
布谷 美樹 森原 徹 三浦 雄一郎 福島 秀晃 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.81-84, 2007 (Released:2008-01-18)
参考文献数
4
被引用文献数
1

We experienced cases that can elevate the humerus but can't maintain the position in shoulder flexion. It is generally thought that the inner muscles stabilize the humeral head in the glenoid, and the deltoid, which is one of the outer muscles, elevates the humerus during shoulder flexion. Kido et al. recently reported that all portions including the anterior, middle and posterior deltoid muscles have functions in stabilizing the shoulder. In this study, in order to evaluate the activity of the deltoid muscle, not only the anterior portion but the middle and posterior portions were analyzed at several positions of flexion by surface electromyography (EMG). Our results show that the deltoid muscle activity of the anterior portion increased with flexion, and especially the activity at over 90°C flexion was significantly increased over that at 30°C flexion. The activity of the middle and posterior portions over 120°C flexion were significantly increased over those at 30°C and 60°C flexion. In addition, at 150°C flexion, the activities of the middle and posterior deltoid muscles were significantly increased over that at 90°C flexion. This study demonstrates that the anterior portion of the deltoid muscle, mainly has the function of active flexion, and the middle and posterior portions as well as the inner muscles have functions which stabilize the glenohumeral joint during shoulder flexion.
著者
鈴木 康夫 COLMAN Peter WEBSTER Robe PETER M.Colm ROBERT G.Web COBMAN Peter
出版者
静岡県立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

本研究は、インフルエンザウイルス膜抗原であるヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)の分子進化にともなう宿主細胞側の受容体シアル酸含有糖鎖認識機構の解析を目的としたものである。本研究では特に、HAおよびNAの分子進化に伴う宿主細胞膜シアロ複合糖鎖認識の変化の機構を分子・遺伝子レベル、3次元的に解明することに焦点を当てた。また、本研究の成果からインフルエンザウイルスの変異に関係しない広域性ワクチン開発への実験的基盤を作るための応用研究も同時に行った。以下に過去3年間に得られた結果を述べる。1、先ず、全てのインフルエンザウイルス株であるインフルエンザA,BおよびC型ウイルスのヘマグルチニン(C型ウイルスはヘマグルチニン-エステラーゼ)が認識する受容体シアロ糖鎖構造の詳細を初めて明らかにした。これは、我々が天然から得たシアル酸含有糖鎖パネル(70種以上)および化学合成シアロ糖鎖を用いることにより達成された。また、同時に受容体破壊酵素であるNA(A,B型)および9-0-アセチルノイラミネートエステラーゼ(C型ウイルス)が認識する基質特異性についても明らかにした。2、A型インフルエンザウイルスヘマグルチニンの全ての亜型(H1-H13)の遺伝子における塩基配列およびそれらがコードするアミノ酸配列を初めて解明した。さらに、これらが認識する受容体シアロ糖鎖の構造を調べたところ全てのヘマグルチニン亜型は共通してラクト系IおよびII型糖鎖を強く認識すること、ヘマグルチニンの分子進化による認識の変異はシアル酸の結合様式(2-3,2-6)に現れることを発見した。3、インフルエンザウイルスNAの新しい拮抗阻害剤(Neu5Ac2-S-3Galβ1-4Glcβ1-Ceramide、チオグリコシド結合を持つガングリオシド)を見いだし、これがウイルスNAのシアル酸結合ポケットに入り、ポケット中の数種のアミノ酸(Asn294,Arg292,Arg371,Arg118,Glu119,Glu276)と水素結合や疎水結合により結合することをX線結晶解析により初めて明らかにした(共同研究者であるPeter Colman博士「CSRIO、オーストラリア」との共同研究で成し遂げた)。いままで、インフルエンザウイルスNAのシアル酸との結合研究は遊離のシアル酸との結合を3次元的に解析しており、本研究により
著者
鈴木 康夫 フォン・イツスタイン マ プラニー タワ ショートリッジ ケネディ 河岡 義裕 ウェブスター ロバート・ SHORTRIDGE Kenney F. THAWATSUPHA Pranee WEBSTER Robert G. ITZSTEIN Mark von ITZSTEIN Mar THAWATSUPHA プラニー SHORTRIDGE K WEBSTER Robe
出版者
静岡県立大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は2年間でアジアにおける新変異インフルエンザウイルスの出現機構をあきらかにし、その制御についての可能性を探ることである。過去2年間において以下に述べる主要実績が得られ、本研究の目的は充分達成されたと考えられる。1)ヒト、トリ、ブタ、ウマなどインフルエンザウイルスのアジアにおける主たる宿主から分離されるすべてのインフルエンザウイルスに対する共通の受容体糖鎖構造を初めて明らかにした。2)インフルエンザウイルスは宿主に存在する受容体シアロ糖鎖のシアル酸分子種、結合様式による選択を受けつつ進化することを明らかにした。3)ヒトの気道上皮細胞が持つ受容体シアル酸の結合様式は、Neu5Ac2-6Galのみであり、2-3は存在しないこと、トリ腸管、ウマ気道上皮細胞には,Neu5Ac2-3Galのみが存在し、2-6は存在しないことを見いだした。さらに、ブタの上気道には、Neu5Ac2-3Gal,Neu5Ac2-6Galの両者が存在することを初めて見いだした。一方、ヒトから分離されるインフルエンザウイルスは、Neu5Ac2-6Galを受容体として認識し、2-3とは結合しないこと、トリA型インフルエンザウイルスはNeu5Ac2-3Galと結合すること、ブタから分離されるA型ウイルスはNeu5Ac2-6GalとNeu5Ac2-3Galの両者と結合できることを認めた。この結果から、インフルエンザAウイルスの宿主域は、宿主動物の受容体シアロ糖鎖のシアル酸結合様式(2-3,2-6)により制御され、受容体に結合できる変異ウイルスが選択され、宿主域の壁を越える可能性を明らかにした。4)ヒト、ブタ、トリが共生するアジアではブタがトリおよびヒトインフルエンザウイルスのミキサーとして働いていることを受容体分子のレベルで解明した。5)ウイルスヘマグルチニン遺伝子の解析から、宿主域変異(トリ型→←ヒト型)に関わるシアル酸の結合様式の変異(2-6→2-3)には、ヘマグルチニン分子内レセプター結合ポケットにあるただ1つのアミノ酸226(Leu→Gln)の変異により制御されていることを初めて解明した。上記の結果は、本研究の目的が概ね達成され、さらに付加的な研究結果も得られたことを示している。
著者
中道 哲朗 渡邊 裕文 大沼 俊博 赤松 圭介 藤本 将志 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.77-83, 2006 (Released:2007-01-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1

Patients with osteoarthritis (OA) of the knee usually have a posteriorly, tilted pelvis and a bent knee with varus deformity. Such patients usually show an increase of muscle tone and pain due to pressure in the tensor fasciae latae muscle (TFL) and biceps femoris muscle (BFS) and further more, insufficient vastus medial muscle (VM). We perform therapy to stretch TFL and BFS in the supine and sitting positions and contract VM. We can't obtain enough effect of therapy because it gives rise to disorders again like the above in the closed kinetic chain (CKC) exercise while standing and walking, although these disorders improve in open kinetic chain (OKC) exercise. Thus, we perform posture control while standing or sitting to improve the pelvis tilt to add to the direct therapy of each muscle in OKC. In performing this therapy, we observed that such disorders were improved in CKC. Therefore, we experimented with electromyography (EMG) on healthy subjects to define the effects on TFL, BFS and VM of changing the angle of the pelvis tilted posteriorly together with varus deformity of the knee. TFL is involved in keeping the knee bent in middle position of pelvis, and keeping the knee bent and varus deformity of the knee in hip extension and internal rotation in posterior tilt of the pelvis. BF and BFL are involved in keeping the knee and hip bent in middle position of pelvis. When the pelvis is tilted posteriorly, BFL is involved in keeping the knee bent, BF (BFS) is involved in braking varus deformity of the knee as well as keeping the knee bent. VM is involved in keeping the knee bent in middle position of pelvis and when the pelvis is tilted posteriorly. VM is not involved in controlling varus deformity of the knee. From these result, we suggest that it's important when performing the therapy of posture control to consider the posture of the pelvis besides assessment and therapy of the knee for patients with OA of the knee showing increase of muscle tone and pain due to pressure of TFL and BFS.
著者
佐々木 美保 宮尾 益理子 奥山 朋子 七尾 道子 越坂 理也 佐田 晶 石川 耕 水野 有三 熊野 宏昭 鈴木 伸一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.81-91, 2018-05-31 (Released:2019-04-05)
参考文献数
24

本研究の目的は、成人2型糖尿病患者の抑うつ・不安がセルフケア行動に及ぼす影響を検討することであった。外来通院中の2型糖尿病患者65名を対象に質問紙調査を実施した。階層的重回帰分析の結果、セルフケア行動のうち、患者の食事療法遵守行動は不安から有意な負の影響が認められた。また、フットケア遵守行動では、抑うつから負の影響が認められた。一方、運動療法遵守行動には抑うつ・不安いずれからも有意な影響性は認められなかった。抑うつ・不安の高い外来通院中の2型糖尿病患者には、食事療法やフットケアに関する療養指導に先立って、セルフケア行動遵守場面における抑うつ・不安が生じる際の対処行動について、行動分析によるアセスメントと介入を行っていくことが有効であると考えられた。
著者
鈴木 寿
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.9-16, 1966-01-30 (Released:2011-08-10)
参考文献数
34
被引用文献数
3 3
著者
國枝 秀樹 末廣 健児 大沼 俊博 渡邊 裕文 石濱 崇史 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.43-47, 2014 (Released:2014-12-27)
参考文献数
5
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate the electromyographic (EMG) activities of the multifidus, longissimus, and iliocostal muscles in the standing and forefoot standing positions in order to understand the relationship between each muscle activity and thoracolumbar extension in the forefoot standing position. This study recruited 10 healthy male volunteers (mean age: 28.4 ± 6.1 years). The EMG activities of the multifidus, longissimus, and iliocostal muscles were measured in the standing and forefoot standing positions. The values of the integrated EMG activities of each task were compared. Each muscle showed a significant increase in the value of the integrated EMG activities in the forefoot standing position (p<0.01). The activities of the iliocostal muscles were separated into two types: Group A, in which the EMG activities did not increase much, and Group B, in which the EMG activities clearly increased. In group A, the forefoot standing position involved extension of the hip joint, and lumbar alignment was almost identical to that in the standing position. In group B, lumbar lordosis and anteversion of the pelvis were significantly greater in the forefoot standing position than in the standing position.